JP2533066Y2 - 自動2輪車のブレーキ冷却装置 - Google Patents

自動2輪車のブレーキ冷却装置

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JP2533066Y2
JP2533066Y2 JP1989013734U JP1373489U JP2533066Y2 JP 2533066 Y2 JP2533066 Y2 JP 2533066Y2 JP 1989013734 U JP1989013734 U JP 1989013734U JP 1373489 U JP1373489 U JP 1373489U JP 2533066 Y2 JP2533066 Y2 JP 2533066Y2
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fork
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fork cover
brake
fender
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茂 服部
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本田技研工業 株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本願は自動2輪車のフロントフォークを覆うフォーク
カバーをフロントフェンダと一体形成したフロントフェ
ンダ装置に関する。
[従来の技術] 実開昭61-59192号及び同61-115784号には、左右のフ
ロントフォーク間に配されるフロントフェンダにフォー
クカバーを一体に形成したものが示されている。
このフォークカバーは、フロントフォークによって生
じる走行風の乱流を抑制するため、滑らかな連続曲面を
なしてフロントフォークの前面側を覆うものであり、走
行風をフロントフォークの前面から外側方へ導いて自動
2輪車の空気抵抗を小ならしめる効果を奏している。
一方、フロントフォークの下端部にディスクブレーキ
装置を設けた場合、ブレーキキャリパ等に対する冷却風
量が減少しないように、フロントフォークを覆うフォー
クカバーをフロントフェンダと別体に設け、このフォー
クカバーの、フロントフォーク外側方かつ後方位置に導
風口を開口して走行風をブレーキキャリパへ導くように
したものもある(実開昭61-59192号)。
また、実開昭62-121177号にはフロントフェンダとフ
ォークカバーが一体に形成され、車体後方へ向かうにし
たがって外方へ張り出してフロントフォークを覆うよう
に平面視略三角形状に形成されている。
[考案が解決しようとする課題] ところでフォークカバーをフロントフェンダと一体に
形成した場合、フォークカバーには、十分な強度が要求
される反面、重量は極力増大させないことが望まれる。
また、跳ね上げられた石等の衝突によってフロントフォ
ークが損傷しないように配慮されなければならない。そ
のうえ、空力特性を向上できるものでもなければならな
い。
さらに、前記のフォークカバーに導風口を設けた場合
には、導風路がフロントフォークの外側に形成されるた
め、曲率が大きくなって冷却風の通気抵抗が大きくな
る。そのうえ、フロントフォークよりも後方のみにしか
冷却風が送られないので受風面積が制限されてしまう。
また、実開昭62-121177号のようにフロントフェンダ
とフォークカバーを一体にして平面視略三角形状に形成
しても、前方からの空気の流れはフォークカバーの外側
に沿って後方へ流れるため、風圧によりフォークカバー
を内方へ変形させるおそれがある。したがって、フォー
クカバーの剛性を向上させることが重要な課題になって
いる。
なお、この例によれば、フォークカバーの整流作用に
より、フロントフォークの後方に負圧領域が発生し、こ
の領域にブレーキキャリパが存在すれば、負圧により周
囲の空気を吸引してブレーキキャリパを冷却することが
できる。
しかし、この例のように、平面視略三角形をなすフォ
ークカバーの底辺部に相当する部分が存在せず、フォー
クカバーの後端部がいわば自由端になっていると、走行
中の風圧等でフォークカバーの後端部がぶれ易くなる。
フォークカバーの後端部がぶれると、フォークカバー
によって整流された走行風は、フォークカバーの後端部
で乱流になるので、前記負圧領域の負圧が大きく変動
し、前記冷却効率の向上を期待できにくくなる。
そこで本願は、これらの諸問題を解決することを目的
にする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するため、請求項1の考案に係るフロ
ントフェンダ装置は、左右一対のフロントフォークと、
その下端部に支持された前輪と、この前輪の上方を覆っ
て前記左右のフロントフォークに挟まれて設けられるフ
ロントフェンダと、フロントフォーク下部内側の前輪側
方へ同心的に取付けられるブレーキディスクと、フロン
トフォークの下部背面に支持されたブレーキキャリパと
を備えた自動2輪車において、フロントフォークの前方
をその下端部近傍まで覆うフォークカバーを、フロント
フェンダの側面から下方へ向かって一体に突設し、この
フォークカバーを、平面視で、鋭角をなす一つの頂点部
を前方側に位置させた前方に向かって略鋭角三角形に形
成し、この略鋭角三角形の斜辺に相当する側面を後方へ
向かうにしたがって外側方へ張り出させて走行風の整流
面とし、かつ底辺に相当する後辺部を、フロントフォー
クの前方を覆い、平面視でフロントフォークの前方側か
ら車体内方側にかけて沿う後壁部とするとともに、フォ
ークカバーの内側に進行方向前方からフロントフォーク
とブレーキデイスクとの間を通ってフロントフォークの
下部背面に支持されたブレーキキャリパへ至る冷却用の
走行風の通路を形成した。
また、請求項2の考案に係るフロントフェンダ装置
は、自動2輪車に前記請求項1のフロントフェンダを適
用する場合において、前記冷却用の走行風の通路が、筒
状をなしてフォークカバーの内側へ一体形成される導風
路であり、この導風路は、フォークカバーの前方部分に
走行風の取入口を開口し、吹出口をフロントフォークと
ブレーキディスクの間に形成される空間に臨ませて開口
することを特徴とする。
[作用] 請求項1の考案によれば、フォークカバーは、平面視
で、鋭角をなす一つの頂点部を前方側に位置させた前方
に向かって略鋭角三角形に形成し、この略鋭角三角形の
斜辺に相当する側面を後方へ向かうにしたがって外側方
へ張り出させて走行風の整流面としたので、走行風はフ
ォークカバーによって整流され、フロントフォークの後
方で、その背面に支持されているブレーキキャリパの近
傍に負圧領域を発生する。
この負圧領域はその負圧により周囲の空気を吸引する
ため、フロントフォークとブレーキデイスクの間に形成
される走行風の通路から供給される冷却用の走行風を効
率よくブレーキキャリパへ導きやすくなり、冷却効率を
向上できる。
また、フォークカバーに、フロントフォークの前方を
覆い、平面視でフロントフォークの前方側から車体内方
側にかけて沿う後壁部を設けたので、これを欠いた場合
に走行中に生じるフォークカバー後端部のぶれを防止し
て、良好な整流効果を維持するため、負圧領域の負圧を
安定させることができ、前記冷却効率の向上をより確実
にできる。
そのうえ、後壁部の存在により、フォークカバーの重
量をあまり大きくせずにその剛性を向上させることがで
きる。
さらに、フォークカバーは、跳ね上げられた石等の衝
突を防いでフロントフォークの損傷を防止し、かつ走行
風を円滑に外側方へ案内してフロントフォークを直撃し
ないようにするため空力特性が向上する。
また、請求項2の考案によれば、冷却用の走行風の通
路をなす導風路をフォークカバー内側に配設し、その取
入口をフォークカバーの前方部分に開口し、かつ吹出口
をフロントフォークとブレーキディスクの間に形成され
る空間に臨ませて開口させたので、導風路の曲率が小さ
くなって冷却風の通気抵抗が減少し、かつブレーキ装置
付近における冷却風の流速が速まり、そのうえブレーキ
装置の受風面積が大きくなるため、ブレーキ装置の冷却
効率が向上する。さらに、導風路を筒状にしてフォーク
カバーと一体に形成したので、フォークカバーの剛性が
さらに向上する。
[実施例] 第1図乃至第3図に基づいて一実施例を説明する。第
1図は自動2輪車の前輪を含む車体前部側面を示し、第
2図は、フロントフェンダの正面略左半分を示す図、第
3図はフロントフェンダの略左半分についての平面視
(第2図のA矢示方向)拡大図である。
これらの図において、1はメインフレーム、2はフロ
ントフォーク、3はボトムケース、4は前輪、5はブレ
ーキディスク、6はブレーキキャリパ、7はキャリパブ
ラケット、8はフロントフェンダである。
フロントフェンダ8の側面にはフォークカバー9を一
体に形成してある。フォークカバー9はフロントフェン
ダ8の側面からボトムケース3の前方に沿って下方へ向
けて突設され、ボトムケース3の下端部近傍まで延びて
いる。
また、第3図に明らかなように、フォークカバー9は
平面視略鋭角三角形に形成され、鋭角をなす一つの頂点
部を前方側に位置させ、この略鋭角三角形の斜辺に相当
する側面を後方へ向かうにしたがって外側方へ張り出す
とともに滑らかに連続する面からなる走行風の整流面と
し、かつ底辺に相当する後壁部がボトムケース3の前方
部分を覆ってその近傍に位置し、平面視でボトムケース
の前方から車体内方側にかけて沿っている。
フォークカバー9の前部には走行風の取入口10が前方
へ向かって開口され(第2図参照)、これに連通する導
風路11がフォークカバー9の内側に形成され、その吹出
口はボトムケース3の内方とブレーキディスク5との間
に形成される空間に臨んで開口されている(第3図参
照)。
さらに、導風路11は筒状をなしてフォークカバー9と
一体形成されている。
第1図に示すように、フロントフェンダ8は取付ボル
ト12によってボトムケース3側へ取付けられて支持され
ている。なお、第1図中の符号13はラジエタである。
次に、本実施例の作用を説明する。まず、第3図に明
らかなように、フォークカバー9は平面視略三角形に形
成され、フロントフェンダ8の側面から下方へ向かって
ボトムケース3の下端部近傍まで突設され(第1図参
照)、かつ後方へ向かうにしたがって外側方へ張り出す
とともに、フォークカバー9の後部は車体内方へ延出し
てフロントフォーク2を覆い、かつフロントフォーク2
の前方側から車体内方側にかけて沿うことにより、略三
角形を構成する三辺のうちの底辺に相当する後辺部がボ
トムケース3の前方を覆って平面視でボトムケースの前
方から車体内方側にかけて沿う後壁部になっている。
このため、跳ね上げられた石等がボトムケース3に衝
突してこれを傷付けることを防止し、かつ第1及び3図
中に白抜き矢印で示した走行風の多くを円滑に外側方へ
案内してボトムケース3を直撃しないようにするので、
ボトムケース3の前方において走行風による乱流の発生
を防ぎ、空力特性が向上する。
さらに、フォークカバー9の側面が走行風の整流面と
なっているので、走行風はフォークカバー9によって整
流され、かつ後方へ行くにしたがって外側方へ張り出し
ているので、フロントフォーク2の後方で、その背面に
支持されているブレーキキャリパ6の近傍に負圧領域を
発生する。
この負圧領域はその負圧により周囲の空気を吸引する
ため、フロントフォーク2とブレーキデイスク5の間に
形成される走行風の通路から供給される冷却用の走行風
を効率よくブレーキキャリパ6へ導きやすくなり、冷却
効率を向上できる。
しかも、フォークカバー9の後壁部を設けたので、こ
れを欠いた場合に走行中に生じるフォークカバー9後端
部のぶれを防止して、良好な整流効果を維持するため、
負圧領域の負圧を安定させることができ、前記冷却効率
の向上をより確実にできる。
そのうえ、後部がボトムケース3の前方を覆って上下
方向へ延びる後壁部になっているので、外側面に沿って
流れる走行風によってフォークカバー9が内方へ変形す
るような力を受けても、後壁部でこの変形を阻止できる
ので、フォークカバー9の重量をあまり大きくせずに剛
性を向上させることができる。
また、第3図に明なように、走行風の一部は、取入口
10から導風路11内へ入り、冷却風となって吹出口からボ
トムケース3の内側へ吹出し、ブレーキディスク5及び
ブレーキキャリパ6を冷却する。
このとき導風路11はボトムケース3の内側を通るよう
に形成されているので、曲率が小さくなって冷却風の通
気抵抗が減少する。
また、導風路11の吹出口がボトムケース3の内側に位
置するため、ブレーキディスク5及びブレーキキャリパ
6の受風面積が大きくなる。
しかも、冷却風が吹出すボトムケース3とブレーキデ
ィスク5との間の空間が比較的狭いため、この部分にお
ける冷却風の流速が速くなる。
したがって、前記フォークカバー9の後壁部による後
端部のぶれ防止構造と相まって、ブレーキディスク5及
びブレーキキャリパ6などのブレーキ装置の冷却効率が
向上する。
さらに、導風路11は筒状をなしてフォークカバー9と
一体形成されているので、導風路11によってもフォーク
カバー9の剛性がより向上する。
[考案の効果] 請求項1の考案によれば、フォークカバーをフロント
フェンダの側面から下方へ向かってフロントフォークの
下端部近傍まで突設するとともに、このフォークカバー
を後方へ向かうにしたがって外側方へ張り出す平面視略
鋭角三角形とするとともに、この略三角形を構成する三
辺のうちの底辺に相当する後辺部をフロントフォークの
前方を覆って平面視でボトムケースの前方から車体内方
側にかけて沿う後壁部とした。
ゆえに、フォークカバーは外側面に沿って流れる走行
風によって内方へ変形するような力を受けても、後壁部
でこの変形を阻止できるので、フォークカバーの重量を
あまり大きくせずに剛性を向上させることができる。
また、跳ね上げられた石等の衝突によりフロントフォ
ークが損傷することを防止でき、かつ走行風を円滑にフ
ロントフォークの外側方へ案内するため空力特性を向上
できる。
そのうえ、フォークカバーは、平面視で鋭角をなす一
つの頂点部を前方側に位置させた略鋭角三角形をなし、
その斜辺に相当する側面を後方へ向かうにしたがって外
側方へ張り出させて走行風の整流面としたので、走行風
はフォークカバーによって整流され、フロントフォーク
の後方で、その背面に支持されているブレーキキャリパ
の近傍に負圧領域を発生する。
この負圧領域はその負圧により周囲の空気を吸引する
ため、フロントフォークとブレーキデイスクの間に形成
される走行風の通路から供給される冷却用の走行風を効
率よくブレーキキャリパへ導きやすくなり、冷却効率を
向上できる。
また、フォークカバーに、フロントフォークの前方を
覆い、平面視でフロントフォークの前方側から車体内方
側にかけて沿う後壁部を設けたので、これを欠いた場合
に走行中に生じるフォークカバー後端部のぶれを防止し
て、良好な整流効果を維持するため、負圧領域の負圧を
安定させることができ、前記冷却効率の向上をより確実
にできる。
請求項2の考案によれば、導風路をフォークカバー内
側に配設し、その取入口をフォークカバーの前方部分に
開口し、かつ吹出口をフロントフォークとブレーキディ
スクの間に形成される空間に臨ませて開口させた。
ゆえに、導風路の曲率を小さくして冷却風の通気抵抗
を減少させ、かつブレーキ装置付近における冷却風の流
速を速め、そのうえブレーキ装置の受風面積が大きくで
きるため、ブレーキ装置の冷却効率を向上できる。
さらに、導風路を筒状にしてフォークカバーと一体に
形成したので、フォークカバーの剛性をさらに向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は実施例に係り、第1図は自動2輪車
の前輪を含む車体前部の側面図、第2図は、フロントフ
ェンダの正面略左半分を示す図、第3図はフロントフェ
ンダの略左半分についての平面視(第2図のA矢示方
向)拡大図である。 (符号の説明) 2:フロントフォーク、3:ボトムケース、4:前輪、5:ブレ
ーキディスク、6:ブレーキキャリパ、8:フロントフェン
ダ、9:フォークカバー、10:取入口、11:導風路。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右一対のフロントフォークと、その下端
    部に支持された前輪と、この前輪の上方を覆って前記左
    右のフロントフォークに挟まれて設けられるフロントフ
    ェンダと、フロントフォーク下部内側の前輪側方へ同心
    的に取付けられるブレーキディスクと、フロントフォー
    クの下部背面に支持されたブレーキキャリパとを備えた
    自動2輪車において、フロントフォークの前方をその下
    端部近傍まで覆うフォークカバーを、フロントフェンダ
    の側面から下方へ向かって一体に突設し、このフォーク
    カバーを、平面視で、鋭角をなす一つの頂点部を前方側
    に位置させた前方に向かって略鋭角三角形に形成し、こ
    の略鋭角三角形の斜辺に相当する側面を後方へ向かうに
    したがって外側方へ張り出させて走行風の整流面とし、
    かつ底辺に相当する後辺部を、フロントフォークの前方
    を覆い、平面視でフロントフォークの前方側から車体内
    方側にかけて沿う後壁部とするとともに、フォークカバ
    ーの内側に進行方向前方からフロントフォークとブレー
    キデイスクとの間を通ってフロントフォーク後方のブレ
    ーキキャリパへ至る冷却用の走行風の通路を形成したこ
    とを特徴とする自動2輪車のフロントフェンダ装置。
  2. 【請求項2】前記冷却用の走行風の通路が、筒状をなし
    てフォークカバーの内側へ一体形成される導風路であ
    り、この導風路は、フォークカバーの前方部分に走行風
    の取入口を開口し、吹出口をフロントフォークとブレー
    キディスクの間に形成される空間に臨ませて開口するこ
    とを特徴とする請求項1記載の自動2輪車のフロントフ
    ェンダ装置。
JP1989013734U 1989-02-07 1989-02-07 自動2輪車のブレーキ冷却装置 Expired - Lifetime JP2533066Y2 (ja)

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