JP2531518B2 - 皿洗い機用ウオ−タ−スポツト減退性組成物 - Google Patents

皿洗い機用ウオ−タ−スポツト減退性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般に食器類等の清浄を容易にするために
皿洗い機中で使用する組成物に関するものである。
特に本発明は皿洗い機中で清浄にされた物品の上に形
成されるウオータースポツトを減退させる組成物に関す
るものである。
皿洗い機は、汚れた皿類、料理具、及び平皿、カツ
プ、グラス、銀器、ポツト、鍋等一般に“食器”と呼ば
れている食物を準備し供するための他の容器類を、清浄
にするために広く使用されている、 これらのものの構造と組成は広く変化があるが、最も
普通のものは艶のある中実の面を持ち、この面には乾い
たウオータースポツトの存在が認められることが多い。
これらの乾燥ウオータースポツトは美観を損う。
従つて、ウオータースポツトの大きさと数を減少させ
る方法及び組成物は洗剤工業にも消費者にも大きく関心
のあるところである。
典型的な皿洗い機は、食物で汚れた食器類その他に密
閉室の内部で交互に洗濯サイクルとすすぎサイクルを受
けさせて操作される。室内の吹付ノズルは熱い洗濯液の
強力な流れとすすぎ水を汚れた皿の表面に向ける。それ
により食物残滓の可成りの量がこれらの加圧水流の及ぼ
す力によつて除去される。しかしながら、食物残滓の可
成りの量は水ジエツトによる追出しに抵抗して残る。洗
濯水にある種の洗剤組成物を加えると、食物の汚れの遥
かに多くの量を洗濯サイクルの間に汚れた表面から除き
うることが知られている。現在知られているこれらの機
械すなわち“自動”皿洗い機用洗剤組成物は、主として
アルカリ性洗浄作用により、又該洗剤がなければ洗濯水
噴流の作用に拘らず皿表面に密着する食物残滓の乳化及
び分散により、皿洗い機の洗浄効率を増進させる。
食物による汚れは組成に大きな変動があるが、一般に
皿の表面に残る食物残滓は、種々のタンパク質の混合物
を含むことの多い有機成分を含んでいる。典型的な食物
残滓の構成は知られているから、洗剤組成物は、その種
々の成分が自動皿洗い機の洗濯サイクルの間に食物によ
る汚れを分解するに有効なように、処方されている。食
物による汚れの乳化は、表面活性の薬剤、すなわち“界
面活性剤”として知られているものによつて遂行される
ことが最も多い。界面活性剤は乳化により食物残滓の除
去を助けるのみでなく、又湿潤、起泡、分散、滲透の各
作用によつて洗浄能力を与える。
自動皿洗い機洗剤として用いるに適した界面活性剤に
種々な型のものがあること、並びに低起泡性のノニオン
界面活性剤が特にこれらの組成物に用いるに適している
ことは、当業者に容易に認識されるであろう。例えば、
低起泡性の脂肪アルコールエトキシ化物、エチレン、オ
キシドープロピレンオキシド・ブロツクポリマーが、皿
洗い機洗剤の製造に広く用いられている。自動皿洗い機
洗剤は、又界面活性剤の洗剤作用を補足する、複雑なリ
ン酸塩、炭酸塩、硫酸塩及びケイ酸塩の如き、洗剤ビル
ダーを含む。例えば、多くの水の源に存在するある種の
金属イオンの封鎖により、リン酸イオンは金属塩沈澱の
折出により惹起される硬水膜形成を減少させる。加うる
に、アルカリ性のビルダーはアルカリ性の洗浄力を提供
する。自動皿洗いはその性質上手動の皿洗いの機械的作
用を与えることができないから、ビルダーの与えるアル
カリ性洗浄力は自動皿洗い機用組成物中では特に重要で
ある。食器類が皿洗い機中で清浄にされるときは洗濯液
体が消費者の身体に直接触れることはないから、アルカ
リ性ビルダーは自動皿洗い機用洗剤中に用いるに特に適
する。
食物残滓を分解してより簡単な成分にするために、皿
洗い用洗剤組成物中の前述の他の成分と共に、漂白剤を
用いることができる。しかしながら、漂白剤は分子間に
存在する物理的な結合を破壊するのではなく分子内の化
学結合を破つて洗浄を行う点で、漂白剤の洗浄作用は皿
洗い機用組成物中の他の成分といささか異なる。ある種
の漂白剤は還元剤であるが、皿洗い機用組成物に用いら
れている典型的な漂白剤は酸化剤である。基本的に、酸
化漂白剤は化学結合の酸化を誘起し、それにより大きな
分子をより小さな単位に帰せしめる。小さな単位は次い
で皿洗い過程中により容易に除去できる。最も広く使用
されている酸化漂白剤、特に皿洗い機用組成物に用いら
れている酸化漂白剤は固体塩素漂白剤である。多くの組
成物が、ジクロロイソシアタール酸ナトリウム及び塩素
化リン酸三ナトリムの如き、次亜塩素酸イオン発生剤を
用いている。塩素漂白剤は強力な酸化剤であるが、複号
洗濯剤中の他の成分の望ましからぬ酸化を惹起こす傾向
と貯蔵寿命が短いことから、塩素漂白剤の使用は限られ
る。
塩素漂白剤と混合される他の成分が貯蔵中、更には使
用の際に損われないことを確めて置く注意を払わなけれ
ばならぬ程、塩素漂白剤は弾力な酸化剤である。皿洗い
機用組成物中の塩素漂白剤の使用に固有なこれら及び他
の欠点の故に、多くの配合者は、皿洗い機用組成物中の
主要酸化剤として代りに酸素酸化剤を用いることを提案
している。酵素酸化剤は、皿洗い機用組成物中の他の成
分とのより大きな相容性を潜在的に持つのみならず、又
貯蔵中の安定性がより大きいことを示す。使用が最も頻
繁に提案されている酵素漂白剤は過ホウ酸ナトリウムで
あるが、過炭酸ナトリウム、ペルオクソー硫酸カリウ
ム、過酸化水素等の如き多くの無機過酸化物の使用も提
案されている。
次に、食物残滓が皿の表面から除去される過程は、洗
濯サイクル及びすすぎサイクルの間に洗濯室内で起こる
種々の物理的及び化学的の結果であることは明らかであ
る。仕上げの水洗の後に皿の表面上に残留する食物の粒
子が水滴の形成を促進し、最終的に煩わしい乾燥ウオー
タースポツトを形成することは定説となつている。これ
らの微細な食物粒子は、該粒子がなければ皿の表面から
はがれ落ちる水滴を止めるに役立つ。
特に、残留タンパク質のかけらが、品物の表面に付着
する傾向があり、この粒子の囲りに水滴が堆積すると考
えられている。従つて、乾燥して不体裁なウオータース
ポツトとなるのは、これらのタンパク質に固定された水
滴である。一滴の水が多種の無機物質その他を含み、水
が蒸発したときこれらが最初の水滴に大きさ及び形が大
体相当する残滓を残すことは当業者には明白であろう。
この乾燥残滓が、ウオータースポツトに於いて周囲の領
域とは異つた様子で光を回折させ、従つてウオータース
ポツトを可視なものとする。従つて前記定説によれば、
食器類の望ましいからぬウオータースポツト生成の原因
と信ぜられる水滴の堆積を減退させるためにはできる限
り多くの粒子状タンパク質塊を除くことが非常に望まれ
ることになる。
ある種のタンパク分解酵素が、皿洗い機の操作の間に
粒子状タンパクによる汚れの量を減少させうることが当
業界に知られている。詳細に言えば、プロテアーゼはタ
ンパク質のペプチド結合の加水分解の触媒作用をするそ
の能力によつてタンパク質食物による汚れの除去に有効
である。非常に大きい分子量の化合物であるタンパク質
は、加水分解によりより小さな分子量のペプチド単位に
なり、このものは清浄過程の間に食器の表面からより容
易に除去される。
“酵素含有自動皿洗い機用組成物”と題する、placeそ
の他に与えられた米国特許第4.101.457号公報に公開さ
れているものの如き、プロテアーゼを含む自動皿洗い機
用組成物が既に配合例として与えられている。しかしな
がら、タンパク質分解酵素は溶液中で漂白剤と共存でき
ないということが工業界で長年信ぜられていたことによ
つて、タンパク質による汚れの分野にタンパク分解酵素
を利用する先行技術の試みは、一般に仕上げ組成物中に
漂白剤の添加を含有していない。従つてこれらの既知の
組成物はウオータースポツト発生の明らかな減退を成就
できなかつた。プロテアーゼによつて生じた何らかが欠
けることにより無にされた。
タンパク分解酵素は自体がタンパク質分子である。そ
れ故、これらの酵素を漂白剤と接触させると、酵素が酸
化されてより単純な成分となり、従つてペプチド結合の
切断に触媒作用をする能力を失うものと、一般に信ぜら
れていた。
すなわち、タンパク分解酵素は何等かの方法で漂白剤
の酸化作用から保護されなければ、該酵素の触媒活用を
遂行し得ないものと考えられていた。この広く信ぜられ
ていたことの故に、プロテアーゼと漂白剤の両者を含む
組成物の貯蔵期間も洗濯サイクルの間も、漂白剤をプロ
テアーゼから分離して置く試みが多数行われてきた。例
えば、タンパク分解酵素がタンパク質により汚れを接触
的に分解する機会を得る後まで、洗濯液中の酸化作用を
遅延させるために、漂白剤をカプセル内蔵しておくこと
が企てられた。本発明者は、漂白剤とタンパク分解酵素
とは本質的に互いに相い容れないという先行技術の教え
に拘らず、酵素漂白剤とプロテアーゼとポリアクリルを
ふくむ混合物が、洗濯物品上の水滴形成を著しく減退さ
せ、従つて自動皿洗い操作の間の望ましからぬウオータ
ースホツトの形成を防止するものであることを発見し
た。本発明者は、酵素漂白剤とプロテアーゼとポリアク
リルを他の標準的な洗剤成分と組合わせると、拮抗反応
を生ずることなく、予期に反して相乗作用が生じ、ウオ
ータースポツトの形成をよく防止できることを観察し
た。又、酵素漂白剤とタンパク分解酵素の両者を含み皿
洗い機に使用したときウオータースポツト形成をよく減
退させる自動皿洗い機用洗剤組成物を本発明者は発見し
た。
要約して言えば、本発明によれば、酵素漂白剤とタン
パク分解酵素とポリアクリルを含み、リン酸塩、ケイ酸
塩及び界面活性剤の如き、皿洗い機用洗剤の標準的な成
分と組合わせて用いたとき、洗浄された物品の表面上の
ウオータースポツト形成を減退させるウオータースポツ
ト減退性組成物が提供される。酵素漂白剤とタンパク分
解酵素の両者を含み、自動皿洗い過程の物品表面に於け
るウオータースポツト形成を減退させる、完成した皿洗
い機用洗剤組成物が公開される。
従つて、本発明の主要な目的は、自動皿洗い機に用い
たとき、皿の表面その他に於けるウオータースポツト形
成を減退させる組成物を提供するにある。
詳細に言えば、自動皿洗い機用洗剤組成物を配合する
ために、リン酸塩、ケイ酸塩、界面活性剤、及び無機質
増量剤の如き普通の自動皿洗い機用洗剤成分と組合わせ
たとき、機械による皿洗い過程でガラス器の上に生ずる
ウオータースポツトの存在を減退させる、皿洗い機に用
いるウオータースポツト減退性組成物が本発明により提
供される。このウオータースポツト減退性組成物は酵素
漂白剤、タンパク分解酵素、及びポリアクリルより成
る。仕上げの自動皿洗い機用組成物中に、すなわち、ウ
オータースポツト減退性組成物がリン酸塩ビルダー、ケ
イ酸塩界面活性剤と組合わされて完成した自動皿洗い機
用洗剤組成物中に、本発明の漂白剤は、仕上げ洗剤組成
物中の有効酵素が約0.05重量%ないし5重量%、好適に
は約0.1重量%ないし2重量%、最も好適には約0.25重
量%ないし1.0重量%となるような量で存在する。
有効塩素なる言葉によつて、本発明に於て酸素源とし
て用いられる化合物が、酸化反応に参加するに利用でき
る酸素の一定量を供給することが意味される。本発明に
公開される好適酸素源は普通その有効酸素含量に言及し
て販売されることは当業者に知られている。
酵素、特にタンパク分解酵素は、個々の製造者によつ
て単なる単位で述べられる酵素活性に言及して販売され
ることは当業者に知られている。本発明のタンパク分解
酵素の好適濃度を述べるに、本発明者はKNPU/g単位を選
んで用いることにする。この単位は、デンマーク国コペ
ンハーゲン所在Novo Lndustries社で酵素活性を表わす
に用いるものである。1KNPUは、2,4,6−トリニトロベン
ゼン−1−スルホン酸との反応の比色計の読みの変化が
1分間あたりのグリシン1ミリモルの変化に相当する初
速度で、標準反応条件の下にカゼインを加水分解する酵
素の量である。標準反応条件は、モル濃度0.05のHammer
steinカゼイン、モル濃度0.05のホウ酸塩緩衝液pH9.50
℃反応時間20分である。仕上げの自動皿洗い機用組成物
中で、すなわち本発明のウオータースポツト減退性組成
物をリン酸塩ビルダー、ケイ酸塩、界面活性剤等と組合
わせて仕上げの自動皿洗い機用洗剤組成物としたものの
中で、該仕上げ洗剤組成物1kgあたり、本発明のタンパ
ク分解酵素は約2ないし200KNPU、好適には4ないし80K
NPU、最も好適には10ないし40KNPUになる。
本発明のポリアクリル成分は、仕上げ洗剤組成物の重
量を基礎として、約0.1ないし20重量%、好適には1な
いし10重量%をなす。再言でれば、本発明のウオーター
スポツト減退性組成物は、有効酸素の源としての酸素漂
白剤、酵素活性を提供するタンパク分解酵素、及びポリ
アクリルより成る。
これらの三成分の各々は、リン酸塩ビルダー、ケイ酸
塩、界面活性剤、及び本発明のウオータースポツト減退
性組成物を含有する仕上げ洗剤組成物の全重量を基礎と
して示された重量百分率範囲の有効酸素、酵素活性、ポ
リアクリルをそれぞれ与える相対的量で、ウオータース
ポツト減退性組成物中に存在する。
本発明に用いる有効酵素の源を提供する好適酸素漂白
剤としては、アルカリ金属のペルオクソホウ酸塩、ペル
オクソ炭酸塩、ペルオクソ硫酸塩、ペルオクソリン酸
塩、同じくアルカリ土金属のペルオクソリン酸塩、ペル
オクソホウ酸塩、及びペルオクソ硫酸塩がある。適当な
アルカリ金属のペルオクソホウ酸塩としては、ペルオク
ソホウ酸カリウム、ペルオクソホウ酸ナトリウム四水和
物、ペルオクソホウ酸一水和物がある。本発明に用いる
に最も好適な酸素漂白剤はペルオクソホウ酸ナトリウ
ム、特にペルオクソホウ酸一水和物である。本発明に用
いる有効酵素の必要源を提供するに他の適当な化合物
は、過酸化水素であり、前記アルカリ金属のペルオクソ
ホウ酸塩、ペルオクソ硫酸塩、及びペルオクソ炭酸塩が
含まれる、過酸化水素の無機質アダクトである。
一般的に、有効酵素の有機ペルオクソ酸源は本発明に
用いるに適する。これらの酸素漂白剤の相容性のあるも
のの間の混合物も本発明に用いるに適当であろう。本発
明の実施に、酵素漂白剤賦活剤を用いることも適当であ
ることは当業者には明白であろう。
本発明に用いるに適当なタンパク分解酵素としては、
トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、プ
ロメリン、カルボキシラーゼ、コラーゲナーゼ、ケラチ
ナーゼ、エラスターゼ、アミノペプチダーゼ、ズブチリ
シン、及びアスペルギロペプチダーゼがある。bacillus
substillisから得られるズブチリシン酵素が特に適当
であり、その一例は最小で4.0KNPU/gの酵素活性を持つN
ovo Industries社発売のEsperase4.0Tである。
本発明に用いるに適当なタンパク分解酵素は約10℃か
ら約93℃までの温度で約4ないし約12のpH範囲で活性が
あるものである。適当なタンパク分解酵素の多くは市販
品としてうることができるが、デンマーク国コペンハー
ゲン所在、Novo Industries社から販売されているAlcal
ase、オランダ国テルフト所在Koninklijke Gist−Broca
des NV社発売Maxataseスイス国パーゼル所在Schweizeri
sche Ferment AG社発売Protease AP、同じくNovo Indus
tries社発売Esperase及びSavinaseが本発明に用いるに
適する。
本発明での使用に適するポリアクリルとしては、アク
リル酸、メタクリル酸、これらの酸のエステル類、又は
アクリロニトリルのポリマー及びコポリマーある。前記
群のうちの好適なポリマーはポリアクリル酸ナトリウム
及びポリヒドロキシアクリル酸ナトリウムである。本発
明に用いるポリアクリルは約500ないし約200,000の分子
量を持つことが好適であり、更に好適には約1.000ない
し約10.000の分子量を持つ。本発明の組成物のポリアク
リル成分として種々の好適ポリアクリルの混合物を使用
することも許される。
本発明の他の一実施態様では、先行技術の組成物より
有効にウオータースポツト形成を減退させる皿洗い機用
洗剤混合物として、リン酸塩ビルダー、ケイ酸塩、界面
活性剤、酵素漂白剤、タンパク分解酵素、時には硫酸塩
化合物、時には炭酸塩化合物を含むものが提供される。
この実施態様では、適当なリン酸塩はポリリン酸塩であ
り、該ポリリン酸塩の具体的な例としては、トリポリリ
ン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、トリポリリ
ン酸一水素四ナトリウム、トリポリリン酸二水素三ナト
リウムが含まれる。本実施態様に用いるに特に好適なも
のは水和トリポリリン酸ナトリウムである。リン酸ビル
ダーは、仕上げの組成物の約0%ないし約80重量%、好
適には約20重量%ないし約40重量%をなす。
本発明の実施に用いるに適当なケイ酸塩としては、ケ
イ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムの如きケイ酸アルカ
リ金属がある。Sio2対Na2O比が0.5:1ないし4:1である
ケイ酸ナトリウムが本発明に用いるに好適である。ケイ
酸塩は、本発明の洗剤組成物の約5重量%ないし約40重
量%をなす。
用いうる界面活性剤としては、エチレンオキシド又は
プロピレンオキシドの如き2ないし4個の炭素原子を持
つアルキレンオキシドの1個又は複数個を、脂肪酸、脂
肪族アルコール、グリコール、ステロール、脂肪族アミ
ン、又は脂肪族グリセリドの如き反応性の疎水性化合物
と縮合して形成された生成物がある。
起泡性の小さい脂肪族アルコールエトキシ化物、エチ
レンオキシドープロピレンオキシド。ブロツクポリマー
が特に好適である。界面活性剤は、ここでの組成物の約
0.5重量%ないし約10重量%をなす。
前述の如く、本発明のこの実施態様は、時にはまた無
機増量剤を含むことができる。その代表的なものはアル
カリ金属の硫酸塩及び炭酸塩である。
約0%ないし約50重量%の炭酸ナトリウム及び約0%
ないし50重量%の硫酸ナトリウムが好んで用いられる。
本発明のこの実施態様に使用するに適当な酸素漂白剤
としては、約0.05重量%ないし約5重量%の有効酸素、
好適には約0.1重量%ないし約2重量%の有効酸素、最
も好適には約0.25重量%ないし約1重量%の有効酸素の
量で有効酸素を供する化合物がある。有効酸素とは、酸
化反応に参加するに用いうる量で測つた酸素含量を意味
する。
本発明のこの実施態様に用いるに好適な酸素漂白剤
は、アルカリ金属のペルオクソホウ酸塩、ペルオクソ炭
素塩、ペルオクソ硫酸塩及びペルオクソリン酸塩の如
き、水溶性のペルオクソ化合物である。アリカル土金属
のペルオクソリン酸塩、ペルオクソ炭酸塩、及びペルオ
クソ硫酸塩も本実施態様に用いるに適当である。本発明
の実施に用いうる具体的なアルカリ金属のペルオクソ酸
塩としては、ペルオクソホウ酸カルシウム、ペルオクソ
ホウ酸カリウム、ペルオクソホウ酸ナトリウム四水和
物、ペルオクソホウ酸バリウム、ペルオクソホウ酸ナト
リウム一水和物がある。最も好適なものはペルオクソホ
ウ酸ナトリウムである。過酸化水素及びその無機質アダ
クトも好適である。
有効酸素の源である実質的にすべての有機ペルオクソ
酸を本発明に用いうる。
本発明のこの実施態様に用いうるタンパク分解酵素と
しては先に列挙したもの、すなわち、トリプシン、キモ
トリプシン、ペプシン、パパイン、ブロメリン、カルボ
キシラーゼ、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスタ
ーゼ、エミノペプチダーゼ、ズブチリシン、アスペルギ
ロペプチダーゼがある。bacillus subtsillisから由来
するズブチリシン酵素が特に好適である。本発明のこの
実施態様で用いるに適したタンパク分解酵素は、約10℃
から約93℃の間の温度、pH範囲4ないし12で活性があ
る。Novo Industries社から市販されているタンパク分
解酵素であり、最小で4KNPU/gの酵素活性を持つEsperas
e4.0Tは特に実施態様に用いるに好適である。本発明の
この実施態様では、皿洗い機用洗剤成物は、仕上げの組
成物1kgあたり約2KNPUないし約200KNPU、好適には約4KN
PUないし約80KNPU、最も好適にはす約10KNPUないし約40
KNPUの量のタンパク分解酵素を含む。
使用するには、本発明のポリアクリルを基礎とするウ
オータースポツト減退性組成物を、アルカリ性ビルダ
ー、界面活性剤及びケイ酸塩の如き標準成分を含む典型
的な自動皿洗い機用組成物に加え、この混合物約60gを
食物で汚れた食器類と共に自動皿洗い機中に置く。次い
で皿洗い機を運転して洗濯サイクル及びすすぎサイクル
を行わせる。この間に標準の皿洗い機用組成物とウオー
タースポツト組成物は洗濯液中に分散される。次いで洗
濯液は吹付ノズルを通して繰返し循環され、汚れた食器
類の表面と接触する。水の温度は変動があつてもよい
が、通常は約38℃ないし60℃の範囲にある。典型的には
自動皿洗い機は皿洗い用組成物を入れる別々の2個の容
器を持ち、洗濯サイクルの間に順序に添加される。
例えば、Hobart Corporation社で製造される型式Kitc
hen−Aid Energy Superbaでは、相次ぐ二つの洗濯サイ
クルで運転される。第一の洗濯サイクルは3分40秒間続
き、第二の洗濯サイクルは4分45秒間持続される。
各皿洗い機用組成物の容器は約30gの組成物を保存す
る。
第一の容器は第一の洗濯サイクルの開始にあたつてそ
の内容物を与え、第二の容器は第二の洗濯サイクルの開
始にあたつてその内容物を与える。
使用に際しては、本発明の実施態様である仕上げの皿
洗い機用洗剤組成物を、皿洗い機内の2個の皿洗い機用
組成物容器内に置き、前述の如く、第一の洗濯サイクル
の開始にあたつて分配され、次いで第二の洗濯サイクル
の開始にあたつて分配されるようにする。勿論汚れた食
器類が皿洗い機の内部に置かれ、前述の洗濯過程を開始
させる。大多数の皿洗い機では、汚れた食器類を一様に
満した場合に、60gの洗剤組成物が洗浄しスポツトを減
退させるに適当であろう。
勿論、本発明の実施態様である仕上げの皿洗い機洗剤
混合物から酸素漂白剤とタンパク分解酵素を除去し、残
りの組成物にウオータースポツト減退性組成物を加えて
も、すべての成分の本明細書中で先に述べた好適濃度が
守られている限り、酵素漂白剤、タンパク分解酵素及び
ポリアクリルを含む仕上げの洗剤組成物は構成される。
このような仕上げの洗剤組成物は本発明の範囲内にある
ものと見做される。
本明細書に述べられたすべての百分率は、特に記すと
ころがなければ、重量百分率を示す。
次の具体的な実施例から本発明のより詳細な理解が得
られるであろう。これらの実施例は、本発明を例示する
ためのものであり、本発明の範囲を限定するためのもの
ではない。実施例中の部及び百分率は、特に記すところ
がなければ重量部及び重量百分率である。
次のすべての実施例に於いて、試験の操作は、1974年
4月に公表されたCSMA designation DCC−05に記載さ
れ、参考のため本明細書に示された方法に従つて行われ
た。用いられた皿洗い機はHobart Corporation社により
製作されたKitchen−Aid Energy Saver V Superbaであ
つた。
各実施例で、強力洗濯サイクルが用いられた。この皿
洗い機は2個の洗剤カツプを持ち、このカツプは引続い
て起こる二つの洗濯サイクルでそれぞれあげられた。
第一の洗濯サイクルは3分40秒間続き、第二のサイク
ルは4分45秒間続く。水温度は約49℃に維持された。試
験に用いられた水の硬度は1ガロンあたり18グレインで
あつた。実施例I−IIIでは、ウオータースポツト減退
性組成物を含む皿洗い機用組成物約30gがカツプに加え
られた。すなわち、試験物品を洗うに、ウオータースポ
ツト減退性組成物を含む洗剤組成物が全体として60g用
いられた。実施例IV−Vでは、試験物品を洗うに、本発
明の仕上げ自動皿洗い機用洗剤組成物を全体として60g
用いた。
これらの実施例中で、用いられた具体的なタンパク分
解酵素はデンマークのNovo Industries社で製造されたE
sperase4.0Tであつた。
Esperase4.0Tの指定された最小の酵素活性は4.0KNPU/g
である。これらの試験試料に於て、酵素漂白剤としては
ペルオクソホウ酸ナトリウム一水和物が用いられた。
ポリアクリル酸ナトリウムを含む実施例に於て、用い
られたポリアクリル酸ナトリウムは分子量約5000のもの
であつた。
実施例1 トリポリリン酸ナトリウム、ノニオン界面活性剤、硫
酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウムを含む典型的な皿洗
い機用洗剤組成物に、仕上げ混合物中で0.75重量%の有
効酵素の濃度を実現する量のペルオクソホウ酸ナトリウ
ムと、仕上げ混合物中で2.5重量%のポリアクリル酸ナ
トリウムの濃度を実現する量のポリアクリル酸ナトリウ
ムと仕上げ混合物中で0.75重量%のEsperase4.0Tの濃度
を実現する量のEsperase4.0Tを加えた。このようにして
清浄にされ乾燥されたガラス器を、次に前記CSMAに記載
された格付け、すなわち次の格付けを用いて評価した。格付け ウオータースポツト形成 1 ガラスはスポツトなし 2 ランダムのスポツト 3 ガラスの1/4はスポツトで被われる 4 ガラスの1/2はスポツトで被われる 5 ガラスは完全にスポツトで被われる この比較格付けはすべての実施例で用いられた。ガラ
ス器を検査し、格ガラス器の格付けを表わし、結果を平
均した。この配合で清浄にしたガラス器の平均のガラス
器ウオータースポツト形成は1.125であつた。
実施例II これらの実施例の記載の直前に記載した操作に従つ
て、トリポリリン酸ナトリウム六水塩、ノニオン界面活
性剤、硫酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウムの洗剤配合
物を、仕上げの混合物中の有効酵素の濃度が0.375重量
%になるような量のペルオクソホウ酸ナトリウム、ポリ
アクリル酸ナトリウムEsperase4.0Tと組合わせた。仕上
げ組成物中で、ポリアクリル酸ナトリウムの濃度は5.0
重量%Esperaseは1.125重量%であつた。
このようにして清浄にされ乾燥されたガラス器を観察
し、前記ウオータースポツト形成のスケールに従つて格
付けした。ガラス器は平均のウオータースポツト格付け
1.0と測定された。
実施例III この実施例では、前記実施例に記載された標準の皿洗
い機用洗剤を、仕上げの混合物中に、0.375重量%の濃
度の有効酵素、2.5重量%の濃度のポリアクリル酸ナト
リウム、1,125重量%の濃度のEsperase4.0Tがそれぞれ
実現されるように、ペルオクソホウ酸ナトリウム、ポリ
アクリル酸ナトリウム及びEsperase4.0Tと組合わせた。
CSMAの試験規格に従つてガラス器を清浄にし乾燥した
後、ガラス器を検査し、平均のガラス器ウオータースポ
ツト形成格付けが1.0であることを見出した。
実施例IV この実施例では、本発明の自動皿洗い機用組成物は次
の如く調製された。成 分 重量% トリポリリン酸ナトリウム六水塩 76.76 メタケイ酸ナトリウム五水塩 19.9 ノニオン界面活性剤 1.3 ペルオクソホウ酸ナトリウム一水塩 1.79 Esperase4.0T 0.25 この組成物を、前記試験規格に従つてガラス器を洗う
に用い、このように洗われたガラス器は1.24の平均のガ
ラス器ウオータースポツト形成の格付けを持つことを見
出した。
実施例V この実施例では、本発明の自動皿洗い機用組成物は次
の如く調製した。成 分 重量% トリポリリン酸ナトリウム六水塩 74.55 メタケイ酸ナトリウム五水塩 19.9 ノニオン界面活性剤 1.3 ペルオクソホウ酸ナトリウム一水塩 3.75 Esperase4.0T 0.5 この組成物を、前記試験規格に従つてガラス器を洗う
に用い、このように洗われたガラス器は、1.07の平均の
ガラス器ウオータースポツト形成の格付けを持つことを
見出した。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素漂白剤、タンパク分解酵素、及びポリ
    アクリルを含むことを特徴とする皿洗い機用洗剤成分と
    組合わせて用いるためのウォータースポット減退性組成
    物。
  2. 【請求項2】前記酸素漂白剤が、アルカリ金属及びアル
    カリ土類金属のペルオクソホウ酸塩、ペルオクソ炭酸
    塩、ペルオクソ酸塩及びペルオクソ硫酸塩より成る群か
    ら選ばれた水溶性ペルオクソ化合物であることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項記載のウォータースポット
    減退性組成物。
  3. 【請求項3】前記タンパク分解酵素が、トリプシン、キ
    モトリプシン、ペプシン、パパイン、ブロメリン、カル
    ポキシラーゼ、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラス
    ターゼ、アミノペプチダーゼ、ズブチリシン、及びアス
    ペルギロペプチダーより成る群から選ばれたものである
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のウォー
    タースポット減退性組成物。
  4. 【請求項4】前記ポリアクリルが、500ないし200.000の
    分子量を持つことを特徴とする、特許請求の範囲第1項
    記載のウォータースポット減退性組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリアクリルが、アクリル酸、メタク
    リン酸、これらの酸のエステル、及びアクリロニトリル
    のポリマー及びコポリマーより成る群から選ばれたもの
    であることを特徴とする、特許請求の範囲第4項記載の
    ウォータースポット減退性組成物。
  6. 【請求項6】前記酸素漂白剤が、ウォータースポット減
    退性組成物と皿洗い機用洗剤成分の組合せの全量を基礎
    として、0.05重量%ないし5重量%の有効酸素を与える
    ものであることを特徴とする、特許請求の範囲第2項記
    載のウォータースポット減退性組成物。
  7. 【請求項7】前記タンパク分解酵素が、ウォータースポ
    ット減退性組成物と皿洗い機用洗剤成分との組合わせが
    該組合わせの1kgあたり2KNPUないし200KNPUの酸素活性
    を持つような量で存在することを特徴とする、特許請求
    の範囲第3項記載のウォータースポット減退性組成物。
  8. 【請求項8】前記ポリアクリルが、ウォータースポット
    減退性組成物と皿洗い機用洗剤成分との組合わせの全量
    の0.1ないし20重量%をなすことを特徴とする、特許請
    求の範囲第3項記載のウォータースポット減退性組成
    物。
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