JP2531303Y2 - 衛生洗浄装置におけるノズル収容部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、先端部に吐水孔を穿設
した局部洗浄ノズルをケーシングから所定位置に出退し
て洗浄する構造の衛生洗浄装置における衛生管理技術に
係り、特に非使用時の収納位置にあるノズルの汚損を解
消した衛生洗浄装置におけるノズル収容部の構造に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、局部を温水によって洗浄する
衛生洗浄装置として、洗浄位置に衛生洗浄装置のケーシ
ングから出退する局部洗浄ノズルに肛門洗浄用吐水孔と
ビデ洗浄用吐水孔を穿設し、各水路及び吐水位置を切り
換えることにより肛門洗浄とビデ洗浄を選択吐水して局
部を洗浄する構造の衛生洗浄装置が使用されている。

【０００３】この種の衛生洗浄装置の局部洗浄ノズル
は、図４に示すように、非使用時に使用位置から後退し
た局部洗浄ノズル５０を、衛生洗浄装置の下面が開放さ
れているケーシング５１の下や便座の下に収容し、所謂
使用者から視認し難い位置に置く構造になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】従って、この種の衛生
洗浄装置のノズルは下からの覆い構造がないため、ノズ
ルの後退時に露出した状態にあり、上方から直接かから
ないとしても、便器内で跳ねた汚水等が付着するおそれ
があり、清潔性に欠けるという問題を有していた。

【０００５】本考案は、上記問題に鑑みて創案されたも
のであり、清潔性に優れた衛生洗浄装置におけるノズル
収容部の構造を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案に係る衛生洗浄装置におけるノズル収容部の
構造は、先端に肛門洗浄用吐水孔等の洗浄水吐水孔を穿
設した局部洗浄ノズルをノズルケースに対して出退自在
に内挿し、ノズル出退駆動機構により所定ストロークで
出退変位すると共に、前記吐水孔とそれぞれ連通する洗
浄水供給水路を形成してなる局部洗浄ノズルを備えた衛
生洗浄装置において、該衛生洗浄装置を覆うケーシング
の前記局部洗浄ノズルの進出位置と対応する壁面に、該
ケーシングの内腔方向に伸びる円筒状のカーラ部を形成
し、該カーラ部の内端に前記局部洗浄ノズルの外径より
僅かに大径の孔径を有するノズル挿通孔を穿設し、使用
時に前記局部洗浄ノズルを該ノズル挿通孔から突出さ
せ、非使用時に該局部洗浄ノズルを該ノズル挿通孔内に
後退収納し得るように構成したことを要旨とするもので
ある。

【０００７】

【作用】上記構成によれば、局部洗浄ノズルをケーシン
グに内装し、使用時に該ノズルの突出方向に該ケーシン
グの壁面から内腔へ凹んだ円筒状のカーラ部の奥に穿設
したノズル挿通孔からこの局部洗浄ノズルを突出し、非
使用時にはこのノズル挿通孔内に後退収納する構造にな
るため、非使用時における局部洗浄ノズルがケーシング
の内腔内に完全に収納される。従って、上方からの汚水
がケーシングにかかっても局部洗浄ノズルにはかかるこ
とはなく、また便器内で跳ねた汚水等も直接付着するこ
とがない。

【０００８】即ち、本考案によれば、非使用時の局部洗
浄ノズルの待機位置が完全に衛生洗浄装置のケーシング
の壁面より奥に位置しているので、清潔性に優れるよう
になる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案に係る衛生洗浄装置におけるノ
ズル収容部の構造の一実施例を図１乃至図３に従って説
明する。図面において、１は本体を内蔵した衛生洗浄装
置のケーシングであり、便器３の後端部に位置して便座
４の後方に固設したものである。このケーシング１は、
上カバー５と下カバー６によって衛生洗浄装置の機構
（図示せず）を収容する内腔７を構成してあり、該内腔
７の略中央位置に局部洗浄ノズル８の格納部と該ノズル
駆動機構９を構成してある。局部洗浄ノズル８は、該部
に固設したノズルケース１０に対して出退自在に内挿す
ると共に、ノズルヘッド１１にビデ洗浄用吐水孔１２と
肛門洗浄用吐水孔１３を穿設し、両吐水孔１２，１３が
使用時に所定の位置に進出するように、上記ノズル駆動
機構９によって一定のストロークで進退する構成になる
もので、該局部洗浄ノズル８の進出位置と対応する前記
ケーシング１の壁面にはノズル挿通孔１４を穿設してあ
る。このノズル挿通孔１４は内腔７方向に伸びる円筒状
のカーラ部１５を形成し、該カーラ部１５の内端に内縁
１６を構成した構造になり、前記局部洗浄ノズル８の外
径より僅かに大径の孔径を有する。また、前記ビデ洗浄
用吐水孔１２と肛門洗浄用吐水孔１３に連通する独立し
た水路を介してそれぞれ図示しない電磁切替バルブと連
通してあり、該電磁切替バルブと温水供給部とを接続し
たものである。

【００１０】上記構成のノズル収容部の構造は、衛生洗
浄装置の使用時（図１参照）には、局部洗浄ノズルはノ
ズル駆動機構９によってノズルケース１０から突出し、
ケーシング１のノズル挿通孔１４を介して前方に進出し
て便器３の所定位置にノズルヘッド１１が位置するよう
になり、肛門洗浄又はビデ洗浄の選択に応じてビデ洗浄
用吐水孔１２又は肛門洗浄用吐水孔１３から洗浄温水を
吐出する。また、使用が終了すると、ノズル駆動機構９
によって局部洗浄ノズル８がノズルケース１０に吸引後
退し、ノズルヘッド１１がノズル挿通孔１４のカーラ部
１５を後退して内端の内縁１６を外れた待機位置（図３
参照）で停止する。

【００１１】上記ノズル挿通孔１４のカーラ部１５の長
さ及び、内縁１６の幅は、汚水の侵入を考慮して設計さ
れるもので、内縁１６はカーラ部１５に逆流する水の水
返し作用をなすものである。

【００１２】

【考案の効果】本考案に係る衛生洗浄装置におけるノズ
ル収容部の構造は、以上のように構成したから、局部洗
浄ノズルをノズルケースに吸引後退させたとき、本体部
を収容しているケーシングのノズル挿通孔から完全に引
き込まれる構成にしたことにより、非使用時には該局部
洗浄ノズルがケーシング外に露出しない。従って、上方
からの汚水が直接局部洗浄ノズルにかからないばかりで
なく、便器内で跳ねた汚水等も付着するおそれがなくな
り、非使用時における局部洗浄ノズルの清潔性を確保す
ることができる特徴を有するものであり、本考案実施後
の実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る衛生洗浄装置におけるノズル収容
部の構造の一実施例を示す使用状態時の要部側断面図で
ある。

【図２】ノズル挿通孔部の一部切欠した斜視図である。

【図３】ノズル挿通孔部の非使用時の要部側面図であ
る。

【図４】従来のノズル洗浄機構を示す要部断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ケーシング ４ 便座 ５ 上カバー ６ 下カバー ８ 局部洗浄ノズル ９ ノズル駆動機構 １０ ノズルケース １１ ノズルヘッド １２ ビデ洗浄用吐水孔 １３ 肛門洗浄用吐水孔 １４ ノズル挿通孔 １５ カーラ部 １６ 内縁

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端に肛門洗浄用吐水孔等の洗浄水吐水
   孔を穿設した局部洗浄ノズルをノズルケースに対して出
   退自在に内挿し、ノズル出退駆動機構により所定ストロ
   ークで出退変位すると共に、前記吐水孔とそれぞれ連通
   する洗浄水供給水路を形成してなる局部洗浄ノズルを備
   えた衛生洗浄装置において、該衛生洗浄装置 を覆うケーシングの前記局部洗浄ノズル
   の進出位置と対応する壁面に、該ケーシングの内腔方向
   に伸びる円筒状のカーラ部を形成し、該カーラ部の内端
   に前記局部洗浄ノズルの外径より僅かに大径の孔径を有
   するノズル挿通孔を穿設し、 使用時に前記局部洗浄ノズルを前記ノズル挿通孔から突
   出させ、非使用時に該局部洗浄ノズルを該ノズル挿通孔
   内に後退収納し得るように構成したことを特徴とする衛
   生洗浄装置におけるノズル収容部の構造。