JP2530981B2 - 吊上げ施工装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般に擁壁等に用いら
れるコンクリート板の吊上げ施工装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、擁壁等に用いられるコンクリート
板の施工装置としては、当該コンクリート板の一枚一枚
を複数の作業者を要して、所定の位置まで運搬するか、
あるいは、このコンクリート板をワイヤー線等で結束
し、その状態でクレーン等を用いて吊上げ運搬する等の
施工方法が採用されていた。

【０００３】しかし、そのような従来の方法であると、
作業に長時間を要し、またコンクリート板自体をも破損
させてしまうという課題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の課題に対処するために創案されたものであり、擁壁
等を構成するコンクリート板を破損することなく、また
迅速にかつ容易に擁壁等の施工を行える吊上げ施工装置
を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる吊上げ施工装置は以下の様に構成さ
れている。

【０００６】すなわち、本発明にかかる吊上げ施工装置
は、両端側の端面が上下方向に連続した半円状の凹溝条
部として形成され、

【０００７】該両端面の上下方向略中間よりやや上方位
置には一対の吊上げ穴が穿設されたコンクリート平板
と、

【０００８】前記一対の吊上げ穴に挿入される吊上げ棒
と該吊上げ棒を支持する支持部材とを有する吊上げ具を
備え、

【０００９】前記吊上げ穴に挿入された吊上げ具は、相
隣るコンクリート平板同士の当接配置時に形成される略
円柱状のクリアランス内で取り外し可能とされて構成さ
れている。

【００１０】

【作用】本発明では、コンクリート平板の両端面に穿設
された一対の吊上げ穴に挿入された吊上げ具が、コンク
リート平板設置後において、相隣るコンクリート平板と
の間に形成された略円柱状のクリアランス内のみで取り
外し可能とされているため、もって、コンクリート平板
を破損することなく、かつ迅速、容易に擁壁等の施工が
行える。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説
明する。

【００１２】符号１はコンクリート平板を示し、該コン
クリート平板１の両端面には上下方向に連続した略半円
状の凹溝条部２、２が設けられている。

【００１３】そして、この略半円状の凹溝条部２、２の
上下方向略中間よりやや上方位置には、一対の吊上げ穴
３、３が設けられている。

【００１４】ここで、吊上げ穴３の形成について説明す
ると、該吊上げ穴３は、円筒状のパイプ４と、そのパイ
プの長手方向略中間位置から略直角方向に延出するよう
取付けられた円板状のアンカー５とから構成されてい
る。

【００１５】これら、パイプ４とアンカー５とは、予め
コンクリート平板作成時に型枠内に設置され、コンクリ
ート打設後、コンクリート平板内に固定されて一対の吊
上げ穴が形成される。

【００１６】次に、符号６は吊上げ具を示し、該吊上げ
具６は一対の吊上げ棒７、７とこの吊上げ棒７、７を支
持する支持部材８、８とを有して構成されている。

【００１７】さらに、符号９は吊上げ横架材を示し、該
吊上げ横架材９により一対の支持部材８、８が垂直に吊
り上げられ、かつ一対の支持部材の間がこの吊上げ横架
材９により調整できるように構成されている。

【００１８】以上において、本実施例の動作を説明する
と、先ず、コンクリート平板１の吊上げ穴３，３に吊上
げ具６，６が挿入される（図１参照）。

【００１９】そして、このように挿入された後、図１に
示すようにコンクリート平板１は上方に持ち上げられ、
所定の施工位置まで運搬される。

【００２０】そして、既に施工されているコンクリート
平板１の隣にその端面が密着するようにして、吊り上げ
たコンクリート平板１を徐々に降ろす。

【００２１】具体的には図４に示すように、各々のコン
クリート平板１・・・は施工される。ここで、図４の様
に施工されたコンクリート平板１から吊り具６，６を取
り外さなければならない。

【００２２】隣にコンクリート平板１が設置されていな
い端面については、容易に吊り具６を取り外せるが、隣
にコンクリート平板１が密着施工されている場合には通
常、吊り具６が取り外せなくなる。

【００２３】しかして、本実施例では隣のコンクリート
平板１との端面に略円柱状のクリアランス１０を形成
し、このクリアランス１０内で、吊上げ具６を横方向に
引き抜き、吊り上げ穴３から吊り上げ棒７を取り除ける
ようにしてある。

【００２４】すなわち、吊上げ具６における吊上げ棒７
の長さを比較的短尺に形成し、相隣るコンクリート平板
１，１同士間に設けられた略円筒状のクリアランス１０
の直径より前記吊上げ具６の長さ自体を短くしてあるた
め、前記クリアランス１０内で吊り上げ具６を取り外す
ことが可能となるのである。

【００２５】従って、既に設置されているコンクリート
平板１に施工すべきコンクリート平板１を密着して配置
したとしても、吊上げ具６が取り外せなくなるという不
合理は生じないのである。

【００２６】

【発明の効果】本発明は、以上の構成によりなる。

【００２７】そして、本発明の吊上げ施工装置によれ
ば、比較的重量のあるコンクリート平板であったとして
も、本発明による吊上げ施工装置を用いることにより、
容易に所定施工位置まで運搬することができ、さらに、
既に施工されたコンクリート平板に密着して、容易に施
工することができる。

【００２８】また、施工後には、吊上げ具を容易に取り
外すことができ、もって安価なコストでコンクリート平
板の施工作業が行えるとともに、迅速な施工作業が期待
できる。

【００２９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一部破断した実施例説明図である。

【図２】実施例の動作説明図である。

【図３】コンクリート平板の施工説明図である。

【図４】コンクリート平板の施工状態を示す概略図であ
る。

【符号の説明】

１ コンクリート平板 ２ 凹溝条部 ３ 吊上げ穴 ４ パイプ ５ アンカー ６ 吊上げ具 ７ 吊上げ棒 ８ 支持部材 ９ 吊上げ横架材 １０ クリアランス

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端側の端面が上下方向に連続した半円
   状の凹溝条部（２，２）として形成され、 該両端面の上下方向略中間よりやや上方位置には一対の
   吊上げ穴（３，３）が穿設されたコンクリート平板
   （１）と、 前記一対の吊上げ穴（３，３）に挿入される吊上げ棒
   （７，７）と、該吊上げ棒（７，７）を支持する支持部
   材（８，８）と、 を有する吊上げ具（６，６）を備え、 前記吊上げ穴（３，３）に挿入された吊上げ具（６，
   ６）は、相隣るコンクリート平板（１，１）同士の当接
   配置時に形成される略円柱状のクリアランス（１０）内
   で取り外し可能とされたことを特徴とする吊上げ施工装
   置。