JP2529236Y2

JP2529236Y2 - ポンプ

Info

Publication number: JP2529236Y2
Application number: JP266093U
Authority: JP
Inventors: 修彰堀
Original assignee: Toyo Seikan Kaisha Ltd
Current assignee: Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date: 1993-01-07
Filing date: 1993-01-07
Publication date: 1997-03-19
Anticipated expiration: 2007-03-19
Also published as: JPH0654555U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、たとえばプラスチック
チューブ等に装着される内容物抽出用のポンプに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来からシャンプー等の据置タイプの容
器において、容器内の内容物を抽出するために、容器開
口部にポンプを装着したものがある。

【０００３】このような従来のポンプは、シリンダとピ
ストンを利用した往復動型のものが一般的であり、キャ
ップから突出するノズル部を上下させることによってピ
ストンを往復動させ、所定量の内容物を吸い上げてノズ
ル部から吐出させるようになっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のポンプの場合には、容器が自立性で剛性がある
ことが前提となっており、剛性の無い柔らかい容器につ
いては使いづらいという問題があった。すなわち、この
ような容器に従来タイプのポンプを装着すると、片手で
ポンプを支えておいて、空いた手でノズル部を操作せざ
るを得なくなってしまう。

【０００５】本考案は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、柔
らかい剛性の無い容器についても、片手で簡単に内容物
の注出操作をし得るポンプを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案にあっては、容器の開口部に被着されるキャ
ップ体と、該キャップ体内に装着され、一端が容器内に
連通する吸入口に接続され、かつ他端が吐出口に接続さ
れる円環状の弾力性を有するチューブと、該チューブの
周囲に沿って配置されるガイド壁と、前記キャップ体に
回転自在に支持される回転部材と、該回転部材に設けら
れ、前記チューブを前記ガイド壁に部分的に押圧してチ
ューブ内の流路を絞る複数の絞り手段と、前記回転部材
を回転操作するための操作部と、を具備してなることを
特徴とする。

【０００７】キャップ体に前記回転部材の逆回転を防止
する逆回転防止手段を設けたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】本考案にあっては、操作部を指で操作して回転
部材を回し、この回転部材に設けられた絞り手段をチュ
ーブの吸入口から吐出口の方向に移動させる。この移動
した分だけ、チューブ内の内容物は吐出口側に送られ、
吐出口から吐出される。一方、移動した絞り部の上流側
においては、内容物が移動した分だけ、チューブがその
弾力性によって元の形状に弾性復帰してチューブの内容
積が増大し、その分だけ負圧が生じて吸入口から内容物
が吸入されることになる。

【０００９】回転部材の逆回転を防止する逆回転防止手
段を設けておけば、注出の際の回転部材の回転操作方向
を一定方向に限定されるので誤操作を防止できる。ま
た、逆回転防止手段によって回転量を限定すれば、定量
注出も可能である。さらに、プラスチックチューブ等の
弾力性を有する容器の場合には、逆回転防止手段によっ
て、注出操作をした後のエアーバックを防止できる。

【００１０】

【実施例】以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明
する。

【００１１】本考案の一実施例に係るポンプを示す図１
および図２において、１はポンプ全体を示しており、概
略、容器２の開口部に被着されるキャップ体３と、キャ
ップ体３内に装着されるチューブ４と、このチューブ４
の周囲に沿って配置されるガイド壁５と、キャップ体３
に回転自在に支持される回転部材６と、この回転部材６
に設けられチューブ４を部分的に絞る絞り手段としての
複数の絞りピン７と、から構成されている。

【００１２】容器２としては、図２に示すような剛性の
無い可撓性の柔軟な容器に適用可能であり、この実施例
ではプラスチックチューブのような容器に用いる場合を
示している。もちろん、本願考案はプラスチックチュー
ブに限定されるものではなく、剛性のある容器について
も適用可能である。

【００１３】キャップ体３は略円筒形状で、容器２の開
口部に被着される本体キャップ８と、この本体キャップ
８の上端を覆うカバーキャップ９とから構成されてい
る。

【００１４】本体キャップ８は、円盤状の底板部１０
と、この底板部１０の外周縁を取り囲むように上方に延
びる円筒状の上外壁部１１と、底板部１０の外周縁から
下方に延びる円筒状の下外壁部１２とを備えている。底
板部１０の下面側には、その中途部から円筒状の第１下
内壁部１３が上記下外壁部１２と同心的に突出され、こ
の第１下内壁部１３のさらに内側に同心的に設けられた
第２下内壁部１４とが突出形成されている。この第１下
内壁部１３の内周には、容器２の口頚部１５外周に形成
された雄ねじ部１６に螺合する雌ねじ部１７が形成され
ている。また、第２下内壁部１４の外周は容器２の口頚
部１５内周に嵌合されている。

【００１５】また、この本体キャップ８の上外壁部１１
には、内容物が吐出される吐出口としてのノズル部２１
が横方向に突出形成されている。また、底板部１０に
は、容器内部と連通する吸入口２３が設けられている。
この吸入口２３は底板部１０中央の容器２の口頚部１５
の投影領域内に形成される。

【００１６】一方、底板部１０の上面には、上方に突出
する一部が開いた円形のガイド壁５が設けられている。
このガイド壁５は、底板部１０の中心Ｏに対してノズル
部２１と反対側に領域に偏心して設けられており、底板
部１０の中心Ｏとノズル部２１の中心を結ぶ仮想線Ｘを
境にして、その一方側に設けられる第１半円部５Ａおよ
び第１直線部５Ｄと、他方側に設けられる第２半円部５
Ｂおよび第２直線部５Ｃと、から構成されている。

【００１７】第１半円部５Ａは、その一端が仮想線Ｘと
上外壁部１１とのノズル部２１と反端側の交点Ｋ近傍に
接続され、他端が底板部１０中央の吸入口２３付近まで
延びている。また、第１直線部５Ｄは一端が上外壁部１
１のノズル部２１付け根位置付近に接続され、他端がや
はり吸入口２３付近まで延びている。第２半円部５Ｂ
は、その一端が仮想線Ｘと上外壁部１１とのノズル部２
１と反端側の交点Ｋ近傍に接続されて第１半円部５Ａと
連続しており、他端が底板部１０の中心Ｏ付近まで延
び、第２直線部５Ｃの一端に連続している。この第２直
線部５Ｃは、第１直線部５Ｄとチューブ４の管径の幅だ
け離間して互いに平行に延びており、一端がノズル部２
１の付け根位置の上外壁部１１に接続されている。

【００１８】カバーキャップ９は、円盤状の天板部１９
と、この天板部１９の外周縁から下方に延びる円筒状の
側壁部２０と、から構成されており、この側壁部２０の
下端が、本体キャップ８の上外壁部１１の上端に固定さ
れている。

【００１９】チューブ４はゴム等の弾力性を有する弾性
材によって成形されており、一箇所が開いた円環状部４
Ａと、この円環状部４Ａの一端から延びる直線状部４Ｂ
とから構成される。円環状部４Ａは、その一端が吸入口
２３に接続される共に、ガイド壁５の第１，第２半円部
５Ａ，５Ｂ内周に沿って配置され、直線状部４Ｂがガイ
ド壁５の第１，第２直線状部５Ａ，５Ｂの間に配置さ
れ、先端開口部がノズル部２１に接続されている。

【００２０】回転部材６は円盤状部材で、上記ガイド壁
５の第１，第２半円部５Ａ，５Ｂと同心的に配置され、
その中心の回転軸部２４が本体キャップ８の底板部１０
から上方に突出する軸受部２５に回転自在に支持されて
いる。回転部材６の構成は、中心位置の回転軸部２４
と、外周部に位置する操作部としてのダイヤル部２６
と、回転軸部２４とダイヤル部２６を連結する連結部２
７と、から構成されている。

【００２１】また、カバーキャップ９の側壁部２０に
は、ダイヤル部２６が部分的に突出するような切り欠き
２８が形成されている。

【００２２】絞り手段としての絞りピン７は、回転部材
６の連結部２７から下方に向かって突出形成されるもの
で、この実施例では回転軸２４を中心にして４等配され
ている。また、この実施例では、絞りピン７には回転自
在の円筒状のローラ２９が挿入されている。この絞りピ
ン７によって、チューブ４を前記ガイド壁５に部分的に
押圧してチューブ４内の流路３０を絞るようになってい
る。この実施例では、上記上外壁部１１と仮想線Ｘとの
交点Ｋの位置と、回転軸２４を中心として、第１，第２
半円部５Ａ，５Ｂ側に交点Ｋからそれぞれ９０度離れた
位置と、の計三カ所で絞りピン７によって流路３０が完
全に閉塞されるように構成している。

【００２３】また、回転部材６の連結部２７上面には逆
回転防止用の突起３１が、各絞りピン７の位置に対応し
て設けられ、一方、カバーキャップ９の天板部１９の下
面には、突起３１と係合する逆回転防止用の係止爪３２
が設けられ、ラチェット機構を構成している。このラチ
ェット機構は、第１図中、回転部材６の反半時計回り方
向の回転を許容し、時計回り方向の回転を防止するよう
になっている。このようにするためには、たとえば、突
起３１の形状をのこ歯形状としておけばよい。

【００２４】本考案にあっては、ダイヤル部２６を指で
操作して回転部材６を図中反時計回り方向に回転させ
る。すると、回転部材６に設けられた絞りピン７がチュ
ーブ４の吸入口２１からノズル部２１の方向に移動す
る。この移動した分だけ、チューブ４内の内容物はノズ
ル部２１側に送られ、ノズル部２１から吐出される。

【００２５】一方、移動した絞りピン７の絞り部の上流
側においては、内容物が移動した分だけ、チューブ４が
その弾力性によって元の形状に弾性復帰してチューブ４
の内容積が増大する。この内容積が増大した分だけチュ
ーブ４内部に負圧が生じて吸入口２３から内容物が吸入
されることになる。

【００２６】そして、回転部材６が所定量回転すると、
天板部１９の係止爪３２が回転部材６の連結部２７上面
の所定位置の突起３１を乗り越えて突起３１に引っかか
る。このクリック感によって感覚的に所定の回転量が判
断できるので、定量抽出が可能である。また、抽出が終
了すると容器２自体の弾性復元力によって容器２内部に
負圧が生じ、この負圧によってチューブ４内の内容物を
容器２内部に戻そうとするが、突起３１が係止爪３２に
係合しているので、回転部材６の逆回転が防止され、エ
アーバックも防止される。また、このように逆回転を防
止すれば、誤操作についても防止することができる利点
がある。

【００２７】また、つぶれて元に戻らないようなチュー
ブに適用する場合についても、逆回転防止機構を設けて
おけば、誤操作防止の効果を得ることができる。

【００２８】第３図及び第４図は本考案の他の実施例が
示されている。

【００２９】この実施例は、キャップ体２０３を楕円形
状として、キャップ体２０３の短軸Ｙ側の両側面に、操
作部としてのダイヤル部２６を突出させたものである。

【００３０】すなわち、このポンプも、キャップ体２０
３と、このキャップ２０３体内に装着されるチューブ４
と、このチューブ４の周囲に沿って配置されるガイド壁
２０５と、キャップ体２０３に回転自在に支持される回
転部材６と、回転部材６に設けられチューブ４を部分的
に絞る絞り手段としての絞りピン７と、から構成される
もので、基本的な構造は上記第１実施例と同様に構成す
ることができる。

【００３１】異なる点は、キャップ体２０３を、短軸が
回転部材６のダイヤル部２６の外径よりも小さい楕円形
状とした点である。したがって、キャップ体２０３を構
成する本体キャップ２０８およびカバーキャップ２０９
も同一の楕円形状に構成されている。そして、本体キャ
ップ２０９の底板部２１０上面に設けられたガイド壁２
０５は、本体キャップ２０８の上外壁部２１１と全周的
に間隔をあけて独立して設けられ、いびつな円形状のポ
ンプ室２２を画成している。

【００３２】一方、回転部材６の回転軸２４はキャップ
体２０３の中心と合致しており、カバーキャップ側壁部
２２０の楕円の長軸に対して左右対称位置２カ所に、ダ
イヤル部が部分的に突出する切欠き２２８，２２８を形
成している。

【００３３】このようにすれば、左右いずれの側からも
操作することができ、使用者が左きき，右ききのいずれ
の場合にも対応することができ、操作性の向上を図るこ
とができる。

【００３４】その他の構成は、第１実施例と同一である
ので、の同一の構成部分については同一の符号を付して
その説明を省略する。

【００３５】なお、上記各実施例では手に持って扱うチ
ューブについて説明したが、いわゆる据置タイプの容器
についても適用可能である。また、注出する内容物とし
ては、粘性の高い液体から水等の粘性の低い液体まで、
広く適用することができることはもちろんである。

【００３６】

【考案の効果】本考案は以上の構成及び作用を有するも
ので、片手で簡単に内容物の注出操作をすることがで
き、使い勝手が向上すると共に、柔らかい剛性の無い容
器から剛性のある容器まで幅の広い容器に適用すること
ができ用途が広がる。

【００３７】また、逆回転防止手段を設けておけば、定
量注出が可能となると共に、誤操作を防止することもで
きる。さらに、プラスチックチューブ等のように、内容
物注出後のエアバックが問題となるような容器の場合に
は、逆回転防止手段によってエアバックを防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１(ａ)は本考案の一実施例に係るポンプの縦
断面図、同図(ｂ)は同図(ａ)のＢーＢ線断面図である。

【図２】図２は図１のポンプが使用される容器の一例を
示す容器全体の正面図である。

【図３】図３は本考案の他の実施例に係るポンプを示す
もので、同図(ａ)は横断面図、同図(ｂ)は上面図であ
る。

【図４】図４は図３のポンプが使用される容器の一例を
示す容器の要部正面図である。

【符号の説明】

１ポンプ２容器３，２０３キャップ体４チューブ５，２０５ガイド壁５Ａ，５Ｂ第１，第２半円部６回転部材７絞りピン（絞り手段）３１突起（逆回転防止手段）３２係止爪（逆回転防止手段）

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】容器の開口部に被着されるキャップ体
と、該キャップ体内に装着され、一端が容器内に連通する吸
入口に接続され、かつ他端が吐出口に接続される円環状
の弾力性を有するチューブと、該チューブの周囲に沿って配置されるガイド壁と、前記キャップ体に回転自在に支持される回転部材と、該回転部材に設けられ、前記チューブを前記ガイド壁に
部分的に押圧してチューブ内の流路を絞る複数の絞り手
段と、前記回転部材を回転操作するための操作部と、を備えて
なることを特徴とするポンプ。
【請求項２】キャップ体に前記回転部材の逆回転を防
止する逆回転防止手段を設けた請求項１に記載のポン
プ。