JP2004534703A - 流体ディスペンサ - Google Patents

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Abstract

流体ディスペンサであって、容積を変化させることが可能な貯蔵器であって、移動壁(11;11´)を移動させることで容積が小さくなる、という前記貯蔵器と、投与開口部(32)と、そして、貯蔵器の移動壁(11;11´)を移動させるための駆動手段(2;2´)と、を有し、特徴となるのは、駆動手段が回転可能に設置されており、貯蔵器とかみ合うネジ(21)を備えている点である、という前記流体ディスペンサ。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、容積が可変の貯蔵器であって、移動壁を移動させることで容積を小さくできる、という貯蔵器を有する流体ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
上記の移動壁は、変形、あるいは、耐漏洩様態でのスライド移動のいずれかの形で移動させることができる。壁が変形によって移動させられる場合は、貯蔵器、または貯蔵器の少なくとも一部が変形を受ける。そのため、変形可能な素材、および/または、弾性素材が使用される。一方、スライドの形で壁が移動する場合、使用されるシステムは「従動ピストン」システムとなる。当該システムでは、ピストンが円筒形の胴部材の内部を移動して、貯蔵器の動作容積を漸次小さくしていく。いずれの場合でも、貯蔵器の容積は、流体が出て行くにつれて小さくなっていく。従って、流体は、貯蔵器内部にある限り、空気とは決して接触せず、その結果、流体の保存状態は改善されることになり、特に、空気と接触すると酸化や劣化が生じやすい流体の場合にそれが言える。
【0003】
変形可能な貯蔵器を有する各種ディスペンサのうち、ここで挙げられるものとしては、例えば、手で絞ることによって内部にある貯蔵器が変形する、というディスペンサがある。そこで、こうした貯蔵器は一般に、「絞りボトル(squeeze bottles)」と呼ばれる。貯蔵器を絞る手段としての役割を直接果たすのは、ユーザの手である。従動ピストンシステムにおいては、容器内部で従動ピストンが上に上がって行くのだが、この上昇の形態には以下のようなものがある。すなわち、ディスペンサ駆動のたびに容器内で生じる吸引の影響を受けて自動的に生じるもの、あるいは、容器の内部容積を小さくする方向にピストンを押しやるスプリングの力によるもの、である。
【0004】
本発明の目的は、ディスペンサの移動壁に働きかける駆動手段を備えるディスペンサを提案することによって、従来技術に関する上記の問題点を解消することである。
特許公報:EP−0 869 080号では、らせん形ベローズの形で実装された可撓性ポーチを有するディスペンサについて説明されている。ベローズの外壁にはターンが形成されており、このターンは、一条環状ネジが形成された回転式スカートの中にネジ嵌めされた状態となっている。よって、スカートを回転させれば、ベローズのらせん形ターンは、アコーディオンのように、漸次畳まれていくことになる。ポートがほとんど空になるまで使えるようにするために、スカート内の一条環状ネジはポーチの頂上に位置づけておく。よって、環状ネジは初期状態において、ベローズのターンのうち一番上にあるものとかみ合った状態にあり、その後、スカートが自身の軸を中心に自由回転させられるのにつれて、順次、より下のターンとかみ合うことになる。要約すると、当該ディスペンサでは、ベローズの可撓性を利用して、これを畳んで平らにしている。さらに、らせん形ターンの有する強度を利用することで、ベローズを一条ネジの反対側に移動させる。そのため、ポーチについては、変形可能性と堅さとが同時に求められる。なぜなら、変形可能でなければベローズを平らにすることができないし、堅さがなければ、らせん形ターンが単一のネジとかみ合った状態を保つことはできないからである。加えて、単一ネジの位置がベローズの一番上に当たるため、容器の端壁は自由な状態となっており、単に従動するのみである。そのため、底面部を堅くする必要がある。つまり、ベローズは堅さと可撓性とを兼ね備えていなければならない。これら2つの条件は互いに矛盾するものであり、そのため、実際にそれを達成するのは非常に難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術に関するこうした問題点を解消することであり、そのために、より簡単なディスペンサを規定する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、駆動手段は回転可能に設置されており、貯蔵器とかみ合うネジを備えていることとする。そして、ネジの有するネジ線(条)については、複数の部分に分かれた形としてもよい。また、貯蔵器は、少なくとも1つの移動タブを備え、当該タブは、移動壁に一体化または固定されており、ネジに嵌まること、としても効果的である。
【発明の効果】
【0007】
このような構成では、駆動手段を回転させることで、貯蔵器の動作容積が小さくなる方向に、移動壁を並進(in translation)で移動させることができる。留意すべきは、移動壁を構成する貯蔵器の端壁に対し、駆動手段が直接働きかけるという点であり、その点において、貯蔵器の端壁が上に引き上げられる、上述の欧州特許文献における貯蔵器の端壁とは異なる、ということである。
【0008】
1つの実施の形態として、ディスペンサは本体を有し、回転可能に設置された駆動手段は、前記本体に対して並進移動することなく、前記本体内で回転するように設置されていること、とする。この構成では、駆動手段は本体内部で自由に回転するが、そのために移動壁を引き上げて貯蔵器の容積を小さくする。また、本体が貯蔵器の一部を形成していること、とするのが効果的である。
【0009】
また、本発明の特徴として、貯蔵器は、本体と耐漏洩様態でかみ合うベローズを備えており、前期ベローズに移動壁が形成されていること、とする。また、ベローズが、本体に形成された接続スリーブとかみ合う耐漏洩型の固定用カラーを備えること、とすれば効果的である。この構成では、ベローズは、第1に本体に強く固定されることとなり、第2に駆動手段とネジ嵌めでかみ合った状態となる。また、実用的な実施の形態として、移動壁は変形可能な壁を介して固定用カラーに接続されていること、とする。それに加えて、投与開口部が本体に形成されていること、としてもよい。
【0010】
また、本発明に関する別の側面として、駆動手段は、ディスペンサの端壁を形成していること、とする。
さらに、別の特徴として、駆動手段は、本体内部で駆動手段を自由に回転させることに適した、周縁グリップ部材を備えている。こうした構成とすることで、一方の手で本体をつかみ、もう一方の手で駆動手段を回す、という操作が可能となる。
【0011】
本発明については、これ以降の部分において、非限定的な例として本発明の実施の形態を示す添付図面を参照しながら、さらに詳しく説明していく。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の流体ディスペンサは、基本的な形として3つの構成要素を有する。すなわち、ベローズ1、駆動手段2、そして、本体またはシェル3である。
ベローズ1は、単一の部材から成る部品であり、例えば、エラストマーや熱可塑性エラストマーなどの変形可能な可撓性素材で製造されたものである。当該ベローズのうち、矛盾なく規定された(well-defined)領域は良好な変形特性を有する。また、ベローズ1は、実質的に堅い端壁11を有する。前記端壁11については、厳密に平らなものとしてもよいが、図3に示すように凸形とすることもできる。
【0013】
図3では、端壁11は、上向きに突き出た形のドーム(あるいは、逆さまにしたカップのようなもの)を形成している。その外周縁には、実質的に堅い移動タブ13が少なくとも1つ形作られている。図面に示す例では、タブ13は3つ設けられている。
ベローズ1には、また、同様に実質的に堅い固定用カラー15が形成されている。また、例えば、固定用カラー15には、耐漏洩スナップ留めリセス16を形成することにしてもよく、これは、後述する補足部材と協働する形で働く。ベローズ1はまた、固定用カラー15を端壁11につなぐ変形可能な壁14を有する。例えば、壁14に変形性を持たせるための手段としては、その厚みを端壁11または固定用カラー15の厚みよりも小さくすればよい。このようにすると、壁14を変形させることで、壁11を固定用カラー15方向に並進で移動させることが可能となる。さらに厳密に言えば、図2、3から見て取れるように、変形可能な壁14には折り目(fold)が形成されており、これは、カラー15をタブ13方向に移動させる圧力が加わったさいに、はっきり目に見える状態となる。当該部品の名称の由来は、まさにこの変形可能な壁14である。なぜなら、それがベローズとしての機能を部品に与えているからだ。当然、変形可能な部品の形成には、他の手段を考えることもできるであろう。例えば、ベローズ1については、可撓性ポーチと置き換えることが可能であり、その場合、当該ポーチは、固定用カラー15として働くポーチ支持部材に固定される。端壁11については、プレートと置き換え、当該プレートの上に可撓性ポーチが位置する、としてもよい。また、移動タブについても、可撓性ポーチを載せたプレートの周縁部に形成すればよい。また、他の実施の形態として、例えば、シリンダ内にスライド移動可能な形で保持される従動(follower)ピストンなどを考えることもできる。
【0014】
図面に示す実施の形態では、駆動手段2はブッシング20を有し、当該ブッシングの内部にはネジ形成加工がなされて、1個以上の雌ネジまたはネジ線(条)21が形成されている。図3に見られるように、ベローズ上の移動タブ13と前記の内部ネジとは、ネジ嵌めの状態にある。ネジ付きブッシング20の下の位置で、駆動手段にはグリップ兼駆動要素23が形作られており、ユーザはこれを掴んで駆動手段を回転させることができる。また、任意の構成として、駆動要素2に端壁22を形成して、これがディスペンサにとって端壁の働きをする、とすれば効果的である。ネジ付きブッシング20の外壁には、当該ブッシングの周縁の一部または全体にわたって延びる、切れ目のない突出ビードまたは複数セグメントに分かれる突出ビード24が設けられている。ベローズ1が静的に保持された状態で駆動要素2を回転させることで、タブ13がネジ付きブッシング20内部を移動する、ということは容易に理解できる。
【0015】
ディスペンサの本体3は一種の外部シェルを形成しており、ディスペンサの外見は、前記シェルによって決まるところが大きい。本体3は周縁スカート33を備えており、その内側に駆動手段2のブッシング20が配置される。図面に示す実施の形態では、スカート33が、内側に環状リセス34を備えており、当該リセスは、ネジ付きブッシング20の外側に形成された突出ビードのセグメント24を受け入れる。リセス34に嵌まるビードセグメント24によって、ブッシング20がスカート33内に回転可能な形で保持されることが保証される。従って、駆動手段2は、スカート33の中で自由に回転するものの、そこから外れてしまうことはありえない。ビードのセグメント24およびリセス34は、正確な円形をしており、しかも非らせん形であるため、回転は自由に生じうる。
【0016】
スカート33より上のところで、本体3にはディッシュ31が形成されており、当該ディッシュには、ディスペンサの投与開口部32として働く穴が形成されている。ディッシュ31の下には、投与開口部32を囲む形で接続スリーブ35が延びている。接続スリーブは、ベローズ1内の耐漏洩固定用カラー15とかみ合う固定用プロフィールを有している。そのため、ベローズ1は、それが本体3と共に回転する時でさえ、確実に接続された状態となっている。その結果、ベローズ1と本体3とは協働して、容積が変化する貯蔵器12を形成する。容積を変化させることができるのは、壁14の変形によって移動壁11をディッシュ31方向に移動させることが可能だからである。図面を見れば、本体3が静的に保持された状態で駆動手段2が回された際に起こることが、正確に分かる。例えば、ユーザは、左手で本体3を持ち、右手で駆動要素2のグリップおよび駆動要素23を掴んで駆動要素2を回転させることができる。そして、この操作の結果、移動タブ13は、ブッシング20の内部ネジの中を上に上がって行く。その後、移動壁11がディッシュ31方向に上がって行き、その間に貯蔵器12の動作容積を小さくしていく。そうすると、貯蔵器12内部に格納された流体は、投与開口部32を通って送り出され、ユーザは、ディッシュ31上に流体を集めることができる。
【0017】
ここに示す例では、容器12は、ベローズ1と本体3とを一体に組み立てる形で形成されている。しかしながら、貯蔵器12が単一の部品で形成される、という別の実施の形態も考えられる。例えば、可撓性ポーチを用い、ポーチの口が投与開口部32を形作る、というものである。その場合、ディッシュ31は、単に、受け台面として、そして、流体を集める面として働くことになる。
【0018】
また、これは任意であるが、フタ36を備える形で本体3を形成し、このフタが材料ブリッジ37を介して本体3の残りの部分に接続されて一体化している、という形にすることもできる。すなわち、素材ブリッジ37はヒンジを形成し、フタ36がスカート33およびデュッシュ31に対してピボット運動することを可能にする。フタ36の底面には、密封用スパイク38が形作られている。これは、耐漏洩様態で投与開口部32の中に嵌まるように作られており、それによって、開口部を気密状態でふさぐ。開口部がこうしてふさがれるのは、ディッシュ31に被せる形でフタ36を閉じた時点である。
【0019】
本発明のディスペンサを用いれば、流体の1回分の分量として、駆動手段の回転の大きさに正比例した容積の流体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のディスペンサを示す概略斜視図である。
【図2】図1に示すディスペンサの分解斜視図である。
【図3】図1および2に示すディスペンサの断面図である。

Claims (10)

  1. 流体ディスペンサであって、
    容積を変化させることが可能な貯蔵器であって、移動壁(11;11´)を移動させることで容積が小さくなる、という前記貯蔵器と、
    投与開口部(32)と、そして、
    貯蔵器の移動壁(11;11´)を移動させるための駆動手段(2;2´)と、を有し、
    特徴となるのは、駆動手段が回転可能に設置されており、貯蔵器とかみ合うネジ(21)を備えている点である、という前記流体ディスペンサ。
  2. 貯蔵器(12)は、少なくとも1つの移動タブ(13)を備え、当該タブは、移動壁(11)に一体化または固定されており、ネジ(12)に嵌まること、
    を特徴とする請求項1に記載のディスペンサ。
  3. 本体(3)を有し、
    回転可能に設置された駆動手段(2)は、前記本体(3)に対して並進移動することなく、前記本体(3)内で回転するように設置されていること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のディスペンサ。
  4. 本体(3)が貯蔵器(12)の一部(31)を形成していること、
    を特徴とする請求項3に記載のディスペンサ。
  5. 貯蔵器(12)は、本体(3)と耐漏洩様態でかみ合うベローズ(1)を備えており、前期ベローズ(1)に移動壁(11)が形成されていること、
    を特徴とする請求項4に記載のディスペンサ。
  6. ベローズ(1)が、本体(3)に形成された接続スリーブ(35)とかみ合う耐漏洩型の固定用カラー(15)を備えること、
    を特徴とする請求項5に記載のディスペンサ。
  7. 投与開口部(31)が本体(3)に形成されていること、
    を特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のディスペンサ。
  8. 移動壁(11)は変形可能な壁(14)を介して固定用カラー(15)に接続されていること、
    を特徴とする請求項6または7に記載のディスペンサ。
  9. 駆動手段(2)は、ディスペンサの端壁(22)を形成していること、
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のディスペンサ。
  10. 駆動手段(2)は、本体内部で駆動手段を自由に回転させることに適した、周縁グリップ部材(23)を備えていること、
    を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のディスペンサ。
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