JP2529160B2 - 電気製品及び電気製品の製造方法 - Google Patents

電気製品及び電気製品の製造方法

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JP2529160B2
JP2529160B2 JP5346636A JP34663693A JP2529160B2 JP 2529160 B2 JP2529160 B2 JP 2529160B2 JP 5346636 A JP5346636 A JP 5346636A JP 34663693 A JP34663693 A JP 34663693A JP 2529160 B2 JP2529160 B2 JP 2529160B2
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辰男 堀内
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テクノ・バイタル工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、電気部品を内部に
装着した電気製品に関する。尚、本願において、「電気
製品」とは、何らかの電気回路を有して電気部品を装着
している製品すべてを含む概念である。従って、例えば
カメラ等の一般的な意味での「電気製品」には含まれな
い製品についても対象とする場合がある。
【0002】
【従来の技術】現在市販されている多くの電気製品は、
基板に印刷されたプリント回路上に電気部品(集積回路
等の電子部品も含む,以下同じ)を装着した構造が採用
されている。図3は、このような従来の電気製品におけ
る電気部品の装着構造の説明図である。図3に示す電気
製品は、各種の家電製品等でよく見られるタイプで、三
次元的な内面を有する容器1と、表面に電気部品を装着
し容器の内面等に固定されるプリント基板2とを具備し
ている。
【0003】容器1は、多くの場合射出成形等により形
成されたプラチックよりなるもので、図3に示すよう
に、二つの容器1を組み合わせて内部空間を形成し、そ
の内部空間に各種の機構が配置される。そして、電気部
品3を装着したプリント基板2は、容器1の内面等に固
定されて容器1の内部に配設される。プリント基板2
は、プラスックボードや樹脂フィルム等の基板上にプリ
ント回路を形成したものであり、プリント回路は、フォ
トエッチングや印刷等の方法により形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明が適用される
電気製品は多岐に亘るが、共通した一つの傾向は、小型
化と高機能化である。ここで、小型化と高機能化は、上
記容器の内部に配設される機構の複雑化をもたらす。即
ち、プリント基板等の電気的な機構や各種の機械的な機
構をコンパクトに容器内にまとめなければならない。プ
リント基板の部分でいえば、最近、高密度実装技術が盛
んに開発され、多くの電気部品を一枚の基板上に実装で
きるようになってきている。そして、フレキシブルなフ
ィルム等の基板を用いることにより、容器内の狭いスペ
ースにプリント基板を配置して更なるコンパクト化を図
る工夫もなされている。
【0005】しかしながら、このようなやり方でのコン
パクト化はある意味で限界に達しており、必要な機能を
備えつつ更なるコンパクト化を達成するには、これまで
とは違った考え方で問題を解決する必要がある。本願発
明は、このような課題を解決するためになされたもので
あり、電気部品の装着について従来とは異なる考え方を
採用することにより、電気製品の更なるコンパクト化に
対応することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願の請求項1に記載の発明は、三次元的な内面を
有する容器を具備した電気製品において、当該三次元的
な内面にはプリント回路が形成され、このプリント回路
に沿って電気部品が当該容器に直接装着されているとと
もに、当該容器は射出成形により形成されたものであ
り、前記プリント回路は、当該容器の射出成形と同時に
容器の内面に形成されたものであるという構成を有す
る。また、同様に上記目的を達成するため、本願の請求
項2に記載の発明は、電気製品の製造方法において、三
次元的な内面を有する容器を射出成形により形成すると
ともに、その射出成形と同時にプリント回路を当該容器
の内面に形成し、このプリント回路に沿って電気部品を
当該容器に直接装着する工程を含むという構成を有す
る。また、同様に上記目的を達成するため、本願の請求
項3に記載の発明は、請求項2に記載の電気製品の製造
方法において、予め成形されたプリント回路を金型の内
面に係止する工程と、金型に樹脂を流し込んで前記容器
を成形するとともに当該容器の表面にプリント回路が接
着又は固定された状態とする工程とを含むという構成を
有する。また、同様に上記目的を達成するため、本願の
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の電気製品に
おいて、容器は、当該電気製品の外側ケースを兼ねてい
るという構成を有する。また、同様に上記目的を達成す
るため、本願の請求項5に記載の発明は、請求項2又は
3記載の電気製品の製造方法において、容器は、当該電
気製品の外側ケースを兼ねているという構成を有する。
【0007】
【実施例】以下、本願発明の実施例を説明する。図1
は、本願発明の実施例の電気製品の概略説明図である。
図1に示す電気製品は、図2に示す従来のものと同様
に、二つの三次元的な容器1を組み合わせて内部空間が
形成され、その内部空間に各種の機構が配設される。
【0008】容器1は、通常はプラスチック等の絶縁体
で形成され、射出成形等の方法により成形される。そし
て、図1に示すように、容器1の三次元的な内面には、
プリント回路4が形成されており、このプリント回路4
に沿って電気部品3が容器1の内面に直接装着されてい
る。即ち、図1に示す電気製品は、従来のようなプリン
ト基板2を使用せず、電気部品3を容器1の内面に直接
装着している。尚、装着は、クリーム半田等による半田
付けの方法により行われる。
【0009】以下、請求項2に対応した説明も兼ねて、
上記プリント回路4の形成法について説明する。プリン
ト回路4の形成法の好適な例は、上記容器1が射出成形
により形成される場合のものであり、成形と同時に回路
の形成も行うようにするものである。まず、片面に接着
剤を付着させた銅箔を化学的なエッチング又は機械的な
型抜き等の方法によって所望の回路パターンに成形す
る。
【0010】このように成形された銅箔を、射出成形機
の金型の内面にセットする。この際、接着剤を付着した
面が表面に露出する状態にする。尚、「セット」とは、
成形後に取り外し可能な状態で金型の内面に係止すると
いう意味であり、例えば、マグネットを配置して磁力に
よって係止したり、静電気で係止したり、金型の内面に
何か係止部を設けて係止したりすることによって達成で
きる。勿論、重力のみによって係止できる場合には、そ
れだけで充分である場合もある。このようにして銅箔を
内面に係止した金型に樹脂を流し込み、所定の形状の容
器1を成形する。前述のように、銅箔は接着剤を付着さ
せた面が露出しているため、成形された容器1の表面に
プリント回路4が自動的に接着され、成形機から排出さ
れた時点で既に所定のパターンのプリント回路4が形成
された状態になっている。
【0011】このようにしてプリント回路4が形成され
た状態で成形された容器1の内面に、電気部品3を直接
装着する。例えば、スクリーン印刷の方法によってプリ
ント回路4上の所定の箇所にクリーム半田を盛り、その
後、ロボットアーム等で電気部品3を装着する。そし
て、赤外線炉等に容器1を導入して半田をリフローし、
その後冷却固化すれば装着が完了する。尚、最近多用さ
れるようになってきた表面実装技術即ち基板の片側面に
のみ電気部品3を装着する技術が、本実施例の装着に好
適に応用できることは明かである。
【0012】上記説明において、銅箔に接着剤を付着さ
せないでプリント回路4の形成を行うことも可能であ
る。図2は、接着剤を使用しない場合の実施例を説明し
た部分断面図である。この実施例では、銅箔5に固定用
の開口50を設け、この開口50に樹脂6がはみ出して
充填されることにより、銅箔5が容器1に固定されるよ
うにしている。尚、図2に示すように、開口50の大き
さが、樹脂が充填される向きに従ってだんだん大きくな
るようにすると、固定強度の点で更に効果的である。
【0013】また、プリント回路4上に半田を盛る方法
は、転写法による場合もある。すなわち、所定のパット
の上に所望のパターンでクリーム半田を印刷し、成形後
の容器1の内面にこのパットを押し付けて転写する方法
である。容器1の内面が曲面である場合や容器1が小さ
いものである場合には、この転写法が有利である。
【0014】尚、本願発明の範囲に含まれるものではな
いが、容器1の成形後に接着剤によって銅箔を容器1の
内面に貼り付けることも可能である。この場合には、銅
箔に半田を盛ってから銅箔を接着するようにしても良
い。また、「銅」以外の他の導電材料も勿論採用可能で
あり、「箔」即ち薄いシート状のもの以外の例えばワイ
ヤー状のもの等も採用可能である。
【0015】以上説明した本実施例の電気製品は、例え
ば、電気炊飯器や電気ミキサー等の調理用電気製品を始
め、電気かみそりや電話機等の各種電気製品が該当す
る。このような電気製品において、上述の容器1は、製
品の外側ケースである場合が多い。例えば、製品をコン
パクト化していくと、収納部材が一つの容器1だけで成
り立っている場合が多い。このような場合には、その一
つの容器1の内面に上述の如く電気部品3が装着され、
この容器1は「外側ケース」ということになる。このよ
うな場合に、本願発明の効果が最も発揮される。尚、
「外側ケース」とは、その外表面が製品の外表面でもあ
る「ケース」という意味である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1の
電気製品又は請求項2もしくは3の電気製品の製造方法
によれば、容器内にプリント基板を配置する必要が無い
ので、電気製品が更にコンパクトになる。これは、同時
に、部品点数の減少によるコストダウンと工程削減によ
るコストダウンとの両方をもたらす。さらに、容器の成
型と同時にプリント回路が形成されるので、この点でさ
らに工程が削減されコストダウンが達成される。また、
請求項4又は5に記載の構成によれば、コンパクト化と
いう本願発明の効果が最も発揮されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例の電気製品の概略説明図であ
る。
【図2】接着剤を使用しない場合の実施例を説明した部
分断面図である。
【図3】従来の電気製品における電気部品の装着構造の
説明図である。
【符号の説明】
1 容器 3 電気部品 4 プリント回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元的な内面を有する容器を具備した
    電気製品において、当該三次元的な内面にはプリント回
    路が形成され、このプリント回路に沿って電気部品が当
    該容器に直接装着されているとともに、当該容器は射出
    成形により形成されたものであり、前記プリント回路
    は、当該容器の射出成形と同時に容器の内面に形成され
    たものであることを特徴とする電気製品。
  2. 【請求項2】 三次元的な内面を有する容器を射出成形
    により形成するとともに、その射出成形と同時にプリン
    ト回路を当該容器の内面に形成し、このプリント回路に
    沿って電気部品を当該容器に直接装着する工程を含むこ
    とを特徴とする電気製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 予め成形されたプリント回路を金型の内
    面に係止する工程と、金型に樹脂を流し込んで前記容器
    を成形するとともに当該容器の表面にプリント回路が接
    着又は固定された状態とする工程とを含むことを特徴と
    する請求項2記載の電気製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記容器は、当該電気製品の外側ケース
    を兼ねていることを特徴とする請求項1記載の電気製
  5. 【請求項5】 前記容器は、当該電気製品の外側ケース
    を兼ねていることを特徴とする請求項2又は3記載の電
    気製品の製造方法。
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