JP2004193373A - 表面実装部品用ケースおよび表面実装電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板に搭載した電子部品素子を収容するケースである。該ケース10を、基板を下側から覆う下部ケース体11と、上側から覆う上部ケース体31とにより構成する。上部または下部ケース体にリード端子21を設け、両ケース体により形成される空間内に基板55を収容する。第一の形状を有する基板に当接して該基板を支持でき、かつ第二の形状を有する基板(切欠又は孔を有する、或いは全長が違う)への当接を回避可能な支持部(突起部12)を下部ケース体に設け、ケース内の第一の高さと第二の高さとに基板を支持可能とする場合がある。
【選択図】 図11
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面実装部品用ケースおよび表面実装電子部品に係り、特に、パルストランス、コモンモードチョーク、インダクタ、キャパシタ、抵抗又はダイオードなどの電子部品素子を含むLANモジュールのパッケージ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一以上の電子部品素子を基板に搭載し、これら全体を樹脂封止して各種装置のプリント基板へ実装できるようにした実装部品が従来から提供されている。
【0003】
例えば、特開2000−353713号の電子部品は、基板に部品素子(パルストランス)を搭載し、これらを覆う外装体を樹脂成形(トランスファモールド)してなるもので、モールド樹脂の肉厚を小さくした場合であってもパッケージクラックが発生することがないように、基板縁部に切欠を形成し、これを通して外装体を構成する上下の樹脂部分が連続するよう構成している。
【0004】
また、米国特許第5,656,985号の実装パッケージは、複数のリード端子をモールドした外装ケースの内部に部品素子(トランス)を収容してなるもので、ケースは、パッケージクラックを防ぐため、底面を開放した構造としている。また、この種のパッケージでは、ケース内に収容した部品素子をポッティング等により樹脂封止することがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−353713号公報
【0006】
【特許文献2】
米国特許第5,656,985号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パッケージされた電子部品は、その後、各種装置のプリント基板へ実装するためリフロー工程を経ることとなるが、樹脂封止したパッケージ部品では、リフロー時にパッケージ内の回路が損傷を受けるという問題が生じることがあった。
【0008】
すなわち、リフロー時にはその熱によってパッケージ内のはんだ(部品素子を基板に接合しているはんだ、あるいは部品素子とリード端子を接合するはんだ)が溶融することがある。融けたはんだは、特に樹脂封止されたパッケージにあっては、封止樹脂による圧力によりその場に留まらず、封止樹脂と基板、あるいは封止樹脂と部品素子との微細な隙間に誘導されてこれに沿って容易に移動する。そして、このようなはんだの流出によって、パッケージ内のはんだ接合が損なわれ、回路がオープンになったりショートすることがある。
【0009】
一方、環境への負荷を軽減する観点から、近時、鉛フリーはんだへの移行が望まれている。しかしながら、鉛フリーはんだは、高温でのリフローが必要で、前述のようなはんだの流出による問題が生じやすい。このため、パッケージモジュールの耐熱性の向上が強く望まれる。
【0010】
さらに、このような耐熱性の向上と同時に、電子機器の小型化のため、実装部品のさらなる小型化の要請もある。
【0011】
そこで本発明の目的は、表面実装電子部品の耐熱性を向上させる点にあり、さらにそのような耐熱性を確保しつつ電子部品を小型化することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成して課題を解決するため、本発明に係る表面実装部品用ケースは、基板に搭載した電子部品素子を該基板とともに収容する表面実装部品用ケースであって、前記基板および電子部品素子を下側から覆う下部ケース体と、該下部ケース体に係合して前記基板および電子部品素子を上側から覆う上部ケース体を有するとともに、該上部ケース体または下部ケース体に、ケース外部との電気的接続を有するリード端子を設け、前記上部ケース体および下部ケース体により形成される空間内に前記基板および電子部品素子を収容可能とした。ここで、該基板を基準として表面実装電子部品の実装面側を下側、下部とし、反対側を上側、上部とする。
【0013】
このように、上部ケース体と下部ケース体とでケースを構成し、両ケース体で形成される空間内に電子部品素子を収容する本発明のケース構造によれば、リフローに伴い、パッケージ内の回路が損なわれることがなくなる。なぜなら、リフロー時の熱によって接合部のはんだが融けた場合にも、内蔵基板および基板上の搭載素子は樹脂で覆われていないから、樹脂と基板あるいは素子との間の隙間にはんだが誘導されて流れ出すようなことがないからである。本発明のケースでは、融けたはんだは基板上にそのまま留まり、温度の低下に伴って再び固まって接合を維持するから、高温でリフローを行ってもパッケージ内の回路がオープンとなったりショートするようなことがない。したがって、基板実装に鉛フリーはんだを使用することも可能である。
【0014】
また、かかるケースにおいて、前記リード端子は、ケース内に延びて前記基板に接続する内側リード部を有し、該内側リード部は、前記基板をケース内に収容したときに該基板が備えるスルーホール内に嵌入できるよう前記下部ケース体の上面から略垂直に起立するよう構成することがある。このような構成によれば、下部ケース体に基板を載せることによって、スルーホールを介し、基板とリード端子との電気的接続を容易に形成することが出来る。また、上記電気的接続部分ははんだで固定されており、これによって樹脂で封止したものと同等の強度および信頼性を有する。
【0015】
さらに、このようなケースを前提として、電子部品素子を搭載する前記基板として予め定められた第一の形状を有する基板に当接して該基板を支持でき、かつ該第一の形状と異なる第二の形状を有する基板への当接を回避可能な支持部を下部ケース体にさらに設け、該支持部によりケース内の第一の高さ位置に前記第一の形状を有する基板を支持可能とするとともに、該第一の高さ位置とは異なる第二の高さ位置に前記第二の形状を有する基板を支持可能とする場合がある。
【0016】
従来の樹脂封止パッケージにあっては、基板の高さは固定されていたが、このように基板の支持位置(高さ)を変えることが出来るようにすれば、基板とケース内面(下部ケース体上面あるいは上部ケース体下面)との距離を変えて、背の高い部品素子であってもこれをケース内に収容することが可能となる。また、パッケージ内の無駄なスペースを減らし、ケース内の収容空間をより効率的に利用することによって、部品の高さを抑え、これを小型化することが可能となる。
【0017】
また、かかるケースにおいては、前記第二の形状を有する基板は、その周縁部に切欠部を有するよう構成することがあり、該切欠部に嵌入可能でかつ前記第一の形状を有する基板に当接可能な突起部を前記支持部として下部ケース体に設ける場合がある。
【0018】
また、前記支持部として前記下部ケース体の両端部に突起部を形成し、前記第一の形状を有する基板を該突起部により支持可能とする一方、該第一の形状を有する基板より短い第二の形状を有する基板を、該突起部の間に収容可能とすることある。
【0019】
さらに、前記第二の形状を有する基板は、貫通孔を有し、該貫通孔に嵌入可能でかつ前記第一の形状を有する基板に当接可能な突起部を前記支持部として下部ケース体に設ける場合がある。
【0020】
また、本発明では、互いに異なる形状をそれぞれ有する3種類以上の基板のうち、特定の形状を有する一の基板にのみ当接して該基板を支持する一方、該一の基板以外の基板への当接を回避可能な支持部を下部ケース体に設けることがある。このような構成によれば、3以上の異なる高さ位置に前記3種類以上の基板をそれぞれ支持可能とすることが出来る。
【0021】
具体的には、例えば3段階に高さを調整可能とする場合を考えると、ある特定の第一の位置に切欠あるいは貫通孔等を有する基板(第一の基板という)と、この第一の位置の切欠等に加えて、第一の位置とは異なる第二の位置にも切欠等を有する基板(第二の基板という)と、これら切欠等を有しない基板(第三の基板という)とを用意し、これらの切欠等に対応した下部ケース体の位置に高さの異なる支持部を設ける。すなわち、前記第一の位置の対応箇所には、例えば最も高い支持部(第一の支持部)を設け、前記第二の位置の対応箇所には、第一の支持部より低い支持部(第二の支持部)を設ける。
【0022】
このようにすれば、切欠等を有しない前記第三の基板は、第一の支持部によって最も高い位置に支持され、第一の位置に切欠等を有する前記第一の基板は、該切欠等により第一の支持部を避け、第二の支持部上に支持されることとなる。さらに、第一および第二の位置の両方に切欠等を有する第二の基板は、第一および第二の両支持部を避けて、第二の支持部よりさらに低位置の下部ケース上に支持されることとなる。このように3段階に高さ調整を行うことが出来る。尚、前述の切欠や貫通孔の代わりに基板の長さを変えても(例えば3段階に高さ調整する場合には、基板の長さを3段階に異なるものとする)、同様に高さ調整を行うことが出来る。また、同様にして4段階以上に高さ調整を行えるようにすることも可能である。
【0023】
また、本発明では、前記内側リード部の太さ寸法(外周寸法)を、先端側は細く基端側は太くなるよう段階的に変えるよう構成しても良い。このような構成によれば、大きさの異なるスルーホールを有する複数種類の基板を異なる高さ位置に支持可能とすることが出来る。具体的には、小さなスルーホール(内側リード部の細い先端部が貫通可能でかつ太い基端部は貫通不能な大きさのスルーホール)を有する基板を、内側リード部の基端側によって高位置に支持することが出来る。一方、大きなスルーホール(内側リード部の太い基端側が貫通可能な大きさのスルーホール)を有する基板を低位置に支持することが可能となる。尚、内側リード部の太さを3段階以上に変えれば、これに対応して3種類以上の大きさのスルーホールを有する基板をそれぞれ異なる高さ位置に支持し、3段階以上に基板の高さ調整を行うことが可能となる。
【0024】
また、前記下部ケース体の一端部と、該下部ケース体の一端部に対向する前記上部ケース体の一端部との各々に、互いに嵌合する嵌合部を設け、これにより下部ケース体に対し上部ケース体が正常な向きに被せられたときには、両ケース体の嵌合を許容する一方、下部ケース体に対し上部ケース体が逆向きに被せられたときには、両ケース体の嵌合を阻止可能とすることがある。
【0025】
また、このようなケースの嵌合部として、前記上部ケース体の一端部および前記下部ケース体の一端部のいずれか一方に凸部を設け、上部ケース体の一端部および下部ケース体の一端部のうちの他方に、前記凸部に係合しこれを収容可能な凹部を設けることがある。
【0026】
また、本発明に係る表面実装電子部品は、基板に電子部品素子を搭載し、該基板および電子部品素子を、前記いずれかのケース内に収容したものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1から図11は、本発明の第一の実施形態に係る表面実装部品用ケースを示すものである。これらの図に示すように、このケース10は、電子部品素子(図示せず)を搭載した基板55を載置することが出来る平面略長方形の平板状のベース11(下部ケース体)と、ベース11の上面側に被せてベース上に設置した基板55および電子部品素子を覆う箱状のカバー31(上部ケース体/図7〜図10)とを備えている。
【0028】
ベース11およびカバー31は共に、例えば液晶ポリマーにより形成する。ただし、液晶ポリマー以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、あるいは樹脂以外の材料(例えば金属やセラミック等)を使用することも可能であり、本発明はこれに限定されない。また、ケース内に収容する基板についても、例えばガラス‐エポキシ樹脂基板を収容することが可能であるが、他の樹脂基板やアルミナその他のセラミック基板、金属基板等であっても構わない。
【0029】
ベース11にはリード端子21を一体成形して埋設する。リード端子21は、各種装置のプリント基板(以下、外部基板という)への実装を行うためベース側縁から周囲に張り出す外側リード部21bと、ケース内に収容する基板55(以下、内蔵基板という)との電気的接続を形成するための内側リード部21aとを有する。内側リード部21aは、ベース上面の側縁部において上方に向け垂直に起立している。この内側リード部21aは、内蔵基板55をベース11に載せたときに、該基板に形成されたスルーホールに嵌入するもので、該スルーホールと内側リード部21aとをはんだ接合することにより内蔵基板55と外部基板との電気的接続を形成することが可能である。
【0030】
尚、内蔵基板には、例えばパルストランス、コモンモードチョーク、インダクタ、キャパシタ、抵抗およびダイオード等の電子部品素子を搭載することが可能で、これによりLANモジュールを形成するのに本発明は好適である。ただし、これら以外の部品素子を搭載することも可能であるし、他の機能モジュールを構成するのに本発明を適用することも勿論可能である。
【0031】
ベース11の四隅には、それぞれベース上面から上方に突出する突起部12を形成してある。これらの突起部12は、スルーホールを内側リード部21aに嵌入させつつ内蔵基板55をベース11に載せたときに、該基板55を支持するものである。基板55は、その四隅が突起部12に当接してこれらの上に支持される。尚、内蔵基板55のスルーホールとリード端子21とのはんだ接合を可能とするため、突起部12の高さは、内側リード部21aの高さより低く、かつ基板を突起部12の載せたときに内側リード部21aの先端が基板上面から突出する高さに(内側リード部の高さから基板の肉厚寸法を引いた値より小さく)設定する。
【0032】
一方、図6に示す基板51(外形のみ示し、スルーホール等は図示を省略した)は、かかるベース11の突起部12に対向する四隅位置に切欠部52を形成したもので、これら切欠部52の形成によって基板51は突起部12を避けて通り抜け、該突起部12よりさらに下方の低位置に支持されることとなる。尚、この実施形態では、突起部12の内側に該突起部より低い段部13を形成しており、切欠部52を有する基板51は、これら段部13により支持するようにした。
【0033】
このように基板の支持位置を変えることが出来るようにしたのは、次の理由による。
【0034】
従来の樹脂封止パッケージは、図22に示すように基板58の高さ(基板58からパッケージ上面5までの距離h1、および基板58からパッケージ下面6までの距離h2)が一定となっている。このため、これらの高さh1,h2に収まる高さの部品素子しか搭載することが出来ない不便さがあった。また、搭載する部品素子がかかる高さh1,h2より相当に低い場合には、素子上面とパッケージ内面との間に不必要な空間(デッドスペース)が生じることとなり、その分、パッケージされた実装部品が大型化する原因となっていた。
【0035】
本願のケースは、このような問題を解決することが出来るもので、内蔵基板に搭載する部品素子の高さに合わせて基板の高さ位置を変更してケース内の収容空間を効率よく利用して実装部品の小型化を図ることが出来るものである。
【0036】
また、本発明のようにパッケージケースを下部ケース体と上部ケース体とにより構成した場合であっても、基板の高さが固定されていると、デッドスペースを無くすためには搭載する部品素子に合わせて異なる高さの上部ケース体(カバー31)を複数用意する必要が生じる。本発明は基板の高さを変更可能としてこのような問題にも対処可能としたものである。
【0037】
具体的には、図1から図11に示した前記実装ケース10の場合、例えば、基板の上面側に背の高い部品素子を搭載する必要がある場合には、切欠部のある基板51(図6)を使用して基板の位置を下げれば良い。逆に、基板の下面側に背の高い素子を搭載する必要がある場合には、切欠部のない基板55を使用して突起部12上に基板を支持すれば、ケース下部にかかる背の高い素子を収容することが出来る。
【0038】
図7から図10は、カバー(上部ケース体)を示すものである。このカバー31は、ベース11の上面側に嵌合してベース上に設置した内蔵基板および該基板に搭載した部品素子を覆うものである。このためカバー下側の四隅部には、先端に爪33を備えた係合片32を形成してあり、これらの係合片32がベース11の四隅に形成した係合溝15(図1および図2参照)に嵌合してベース11に対しカバー31が固定できるようにしてある。
【0039】
また、カバー31の長手方向一端部の端壁の下縁には、該下縁から下方に突出する凸片35を形成している。一方、これと対向位置にあるベース11の一端部には、該凸片35を収容可能な凹部17を形成してある。これらは、パッケージング作業においてベース11に対しカバー31が逆向きに嵌合されることを防ぐもので、凸片35と凹部17とが一致する向き(カバーの端壁38がベースの端部18側にくる方向)であれば、該凸片35が凹部17に収容されると同時にカバー31の係合片32がベース11の係合溝15に嵌合してカバー31がベース11に正常に取り付けられることとなる。
【0040】
一方、これとは逆に、カバー31の端壁38がベース11の反対側端部19にくるようにカバー31が取り付けられようとすると、当該ベース端部19には凹部を形成していないから、凸片35がベース11の縁部上面に突き当たってカバー31の係合片32をベース11の係合溝15に嵌合させることが出来ない。このようにして、カバー31が誤って取り付けられることを防ぐことが出来る。
【0041】
図12から図14は、本発明の第二の実施形態に係るベース(下部ケース体)を示すものである。これらの図に示すように、この実施形態のベース61は、内蔵基板を支持する支持部として、ベース61の長手方向両端部に細長い突条部62を形成したものである。この突条部62は、ベース長手方向の端縁(平面略長方形を呈するベースの短辺)に平行に延びるように形成してあり、ベース上面から上方に突出する。
【0042】
また、内側リード部63aは、特に図13を参照すると明らかなように、ベース上面に突出する部分のうち、内蔵基板のスルーホールに嵌入できるよう上端部は細く(幅を狭く)形成する一方、下端部は、スルーホールに嵌入することなく基板を支持できるように太く(幅を広く)形成してある。
【0043】
このベースに支持する基板を図15に示す。基板71は、全長が長く、ベース61に設置したときに両端部が突条部62に載って該突条部62の高さに基板71が支持される。これに対して、基板72は、両突条部62の間隔より全長が(2dだけ)短い。このため、ベース61に設置したときに、両突条部62の間に収まってこれより下方に落下し、内側リード部63aの下端部で支持される。尚、このベース61に対しても前記カバー31が嵌合可能であり、これらにより実装部品パッケージを構成することが出来る。
【0044】
さらに、図16および図17は、本発明の第三の実施形態に係るベース81(下部ケース体)を示すものである。これらの図に示すように、この実施形態のベース81は、内蔵基板を支持する支持部として、ベース上面の両側縁部にそれぞれ2個ずつ計4個の突起ピン82を設けたものである。突起ピン82は、リード端子83とリード端子83との間に設けてあり、これらピン82の配設位置に貫通孔を有しない基板は、これら突起ピン82によってその高さ位置に支持されることとなる。
【0045】
一方、図18に示す基板91は、かかる突起ピン82の配置位置に合わせて該ピン82が嵌入可能な貫通孔92を設けたものである。基板91は、これら貫通孔92によって突起ピン82の当接を避けることができ、該ピン82より低い高さ位置でベース81上に支持される。
【0046】
図19から図20は、本発明の第四の実施形態に係る表面実装部品用ケースを示すものである。このケースは、リード端子110の内側リード部110aの太さを段階的に変えたもので、内側リード部の先端部111を細く、基端部112を太くしたものである。このような構造によれば、特に図20に示すように、先端部111の外周より径が大きくかつ基端部112の外周より径の小さなスルーホールを有する基板105を、内側リード部の段差部で支持することが可能となる。一方、内側リード部の基端部112の外周より径の大きなスルーホールを有する基板106を段差部113より低い位置で下部ケース体11の上に支持することが出来る。
【0047】
さらに、内側リード部の太さを3段階以上に変えることも可能である。例えば図21に示すように、内側リード部110aの太さを、先端部121、中間部122および基端部123の順に太くなるように3段階に変えれば、3段階の異なる高さ位置に基板を支持することが出来る。すなわち、先端部121の外周より径が大きくかつ中間部122の外周より径の小さなスルーホールを有する基板を段差部125で支持し、中間部122の外周より径が大きくかつ基端部123の外周より径の小さなスルーホールを有する基板を段差部126で支持し、さらに基端部123の外周より径の大きなスルーホールを有する基板を段差部126よりさらに下方位置に配置することが可能となる。同様にして、4段階以上に内側リード部の太さを変えて、4段階以上に高さ調整可能とすることも出来る。
【0048】
本発明は、図面に基づいて説明した前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことが可能である。例えば、リード端子の数、ケースのサイズ、内蔵基板の支持部の配設位置・配設個数・形状等は、様々に変更することが可能である。また、前記第一から第三の実施形態では、内蔵基板を二段階に(第一の高さ位置と第二の高さ位置とに)高さ変更できるようにしたが、異なる高さの2以上の支持部を設けることによって前記第四の実施形態において述べたのと同様に、三段階以上に高さ変更できるようすることも可能である。
【0049】
さらに、前記第一から第三の実施形態では、切欠、貫通孔および基板の長さのいずれかによって異なる高さ位置に基板を支持可能としたが、これらの2以上を組み合わせることによって同様に基板の高さ調整を行うようにしても良い。例えば、▲1▼第一の基板は切欠を有し、第二の基板は切欠と貫通孔とを有し、第三の基板はこれらのいずれも有しないものとし、下部ケース体にこれら切欠および貫通孔のそれぞれに対応した高さの異なる突起部を設けるようにしても良いし、▲2▼切欠や貫通孔と前記第四の実施形態で述べた内側リード部の段差部との組み合わせにより高さ調整可能とすることも出来る。
【0050】
また、前記実施形態では、カバーに凸片を、ベースに凹部をそれぞれ形成したが、逆にカバーに凹部を、ベースに凸片を形成しても構わない。さらに、このような凸片および凹部以外にも、カバーが正常な向きで被せられた場合にのみ互いに嵌合できるものであれば、如何なる形状・構造のものであってもよく、その配設個数も問わない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、表面実装電子部品の耐熱性を向上させ、さらに電子部品を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る表面実装部品用ケースのベース(下部ケース体)を示す平面図である。
【図2】前記第一の実施形態に係るケースのベースを示す右側面図である。
【図3】前記第一の実施形態に係るケースのベースを示す正面図である。
【図4】前記第一の実施形態に係るケースのベースを示す背面図である。
【図5】図1のA−A断面図である。
【図6】前記第一の実施形態に係るケースに適用可能な基板の外形を示す平面図である。
【図7】前記第一の実施形態に係るケースのカバー(上部ケース体)を示す平面図である。
【図8】前記第一の実施形態に係るケースのカバーを示す側面図である。
【図9】前記第一の実施形態に係るケースのカバーを示す正面図である。
【図10】前記第一の実施形態に係るケースのカバーを示す背面図である。
【図11】本発明の第一の実施形態に係る表面実装部品用ケースを、図1および図2のB−B線位置で切断して示す図である。
【図12】本発明の第二の実施形態に係る表面実装部品用ケースのベース(下部ケース体)を示す平面図である。
【図13】前記第二の実施形態に係るケースのベースを示す側面図である。
【図14】前記第二の実施形態に係るケースのベースを示す正面図である。
【図15】前記第二の実施形態に係るケースに適用可能な基板の外形を示す平面図である。
【図16】本発明の第三の実施形態に係る表面実装部品用ケースのベース(下部ケース体)を示す平面図である。
【図17】前記第三の実施形態に係るケースのベースを示す側面図である。
【図18】前記第三の実施形態に係るケースに適用可能な基板の外形を示す平面図である。
【図19】本発明の第四の実施形態に係る表面実装部品用ケースを示す断面図である。
【図20】図19のC部分を拡大して示す図である。
【図21】前記第四の実施形態における内側リード部の変形例を示す図である。
【図22】従来の樹脂封止パッケージを示す図である。
【符号の説明】
10 表面実装部品用ケース
11,61,81 ベース(下部ケース体)
12 突起部
15 係合溝
17 凹部
21,63,83,110 リード端子
31 カバー(上部ケース体)
32 係合片
35 凸片
51,55,58,71,72,91,105,106 基板
62 突条部
82 突起ピン
92 貫通孔
Claims (11)
- 基板に搭載した電子部品素子を該基板とともに収容する表面実装部品用ケースであって、
前記基板および電子部品素子を下側から覆う下部ケース体と、該下部ケース体に係合して前記基板および電子部品素子を上側から覆う上部ケース体を有するとともに、
該上部ケース体または下部ケース体に、ケース外部との電気的接続を有するリード端子を設け、
該上部ケース体および下部ケース体により形成される空間内に前記基板および電子部品素子を収容可能とした
表面実装部品用ケース。 - 前記リード端子は、ケース内に延びて前記基板に接続する内側リード部を有し、
該内側リード部は、前記基板をケース内に収容したときに該基板が備えるスルーホール内に嵌入できるよう前記下部ケース体の上面から略垂直に起立する請求項1に記載の表面実装部品用ケース。 - 電子部品素子を搭載する前記基板として予め定められた第一の形状を有する基板に当接して該基板を支持でき、かつ該第一の形状と異なる第二の形状を有する基板への当接を回避可能な支持部を前記下部ケース体にさらに備え、
該支持部によりケース内の第一の高さ位置に前記第一の形状を有する基板を支持可能とするとともに、該第一の高さ位置とは異なる第二の高さ位置に前記第二の形状を有する基板を支持可能とした
請求項1または2に記載の表面実装部品用ケース。 - 前記第二の形状を有する基板は、その周縁部に切欠部を有し、
該切欠部に嵌入可能でかつ前記第一の形状を有する基板に当接可能な突起部を前記支持部として下部ケース体に設けた
請求項3に記載の表面実装部品用ケース。 - 前記支持部として前記下部ケース体の両端部に突起部を形成し、該突起部により前記第一の形状を有する基板を支持可能とする一方、該第一の形状を有する基板より短い第二の形状を有する基板を、該突起部の間に収容可能とした
請求項3に記載の表面実装部品用ケース。 - 前記第二の形状を有する基板は、貫通孔を有し、
該貫通孔に嵌入可能でかつ前記第一の形状を有する基板に当接可能な突起部を前記支持部として下部ケース体に設けた
請求項3に記載の表面実装部品用ケース。 - 互いに異なる形状をそれぞれ有する3種類以上の基板のうち、特定の形状を有する一の基板にのみ当接して該基板を支持する一方、該一の基板以外の前記基板への当接を回避可能な支持部を前記下部ケース体に備え、
これにより3以上の異なる高さ位置に前記3種類以上の基板をそれぞれ支持可能とした
請求項1または2に記載の表面実装部品用ケース。 - 前記内側リード部の太さ寸法を、先端側は細く基端側は太くなるよう段階的に変え、
これにより大きさの異なるスルーホールを有する複数種類の基板を異なる高さ位置に支持可能とした
請求項2に記載の表面実装部品用ケース。 - 前記下部ケース体の一端部と、該下部ケース体の一端部に対向する前記上部ケース体の一端部との各々に、互いに嵌合する嵌合部を設け、
これにより下部ケース体に対し上部ケース体が正常な向きに被せられたときには、両ケース体の嵌合を許容する一方、下部ケース体に対し上部ケース体が逆向きに被せられたときには、両ケース体の嵌合を阻止可能とした
請求項1から8のいずれか一項に記載の表面実装部品用ケース。 - 前記嵌合部として、
前記上部ケース体の一端部および前記下部ケース体の一端部のいずれか一方に凸部を備え、
さらに前記凸部に係合しこれを収容可能な凹部を前記上部ケース体の一端部および前記下部ケース体の一端部のうちの他方に備える
請求項9に記載の表面実装部品用ケース。 - 基板に電子部品素子を搭載し、該基板および電子部品素子を、前記請求項1から10のいずれか一項に記載の表面実装部品用ケース内に収容した表面実装電子部品。
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