JP2529097Y2 - 端子圧着装置における電線のセンターガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば、電線のストリ
ップに端子を圧着する端子圧着装置に係り、特に、この
端子圧着装置における電線のセンターガイド装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】既に提案されている電線のストリップに
端子を圧着する端子圧着装置は、図３及び図４に示され
るように構成されている。

【０００３】図３及び図４において、略コ字状をなすフ
レーム１の基板１ａには、アンビル２が敷設されてお
り、このアンビル２の傍らの上記基板１ａには、電線位
置決め部材３が周知の回転クランプユニット４に把持さ
れた電線Ｗを位置決めするように付設されている。又、
上記基板１ａの端部には、センタークランプ装置５が上
記電線Ｗを一時的に把持して妄りに移動しないように開
閉自在に設けられており、上記アンビル２の直上の上記
フレーム１の上部１ｂには、アップリケータ６と一体を
なすクリンパー７が昇降自在に設けられている。

【０００４】従って、上述した端子圧着装置は、間欠的
に回転する回転クランプユニット４が電線Ｗを把持して
所定の位置に停止すると、予め、開口していた上記セン
タークランプ装置５が上記電線Ｗを一時的に把持して妄
りに移動しないように保持すると共に、上記電線Ｗを上
記電線位置決め部材３へ当接してストリップＷａを上記
アンビル２に予め載置された端子Ｗｂ上へ乗せる。しか
る後、上記アップリケータ６と一体をなすクリンパー７
が降下して上記アンビル２と共同してストリップＷａに
端子Ｗｂを圧着して連鎖端子のブリッジを切断するよう
にしている。

【０００５】この圧着動作が終了すると、上記センター
クランプ装置５が開いて上記電線Ｗを解放すると共に上
記回転クランプユニット４が電線Ｗを把持して間欠的に
回転して後、次の工程で上記電線Ｗを解放と共に回転ク
ランプユニット４の他の把持爪で電線Ｗを把持するよう
にしている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た端子圧着装置では、上記センタークランプ装置５が上
記電線Ｗを一時的に把持して妄りに移動しないように保
持する関係上、間欠的に回転する回転クランプユニット
４の電線Ｗが停止するときに回転クランプユニット４と
電線Ｗの慣性力で電線Ｗを湾曲するおそれがあり、これ
に起因して、ストリップＷａが上記アンビル２に正確な
位置に乗せることが困難になるばかりでなく、圧着不良
を生じるおそれもあり、品質の向上や信頼性に問題があ
る。

【０００７】本考案は、上述した問題を解決するため
に、回転クランプユニットや電線自体の慣性力で電線を
湾曲して曲げないようにすると共に、電線の圧着位置を
正確に位置決めし、ストリップをアンビルに正確な位置
に載置して圧着不良を解消し、生産効率及び品質や信頼
性の向上を図るようにした端子圧着装置における電線の
センターガイド装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は、電線のストリ
ップに端子を圧着する端子圧着装置において、フレーム
の基板にガイド支持部材を設け、このガイド支持部材の
両端部に各案内孔を穿設し、この各案内孔に浮上部材を
ダンパー装置で上方へ浮上するように付勢して昇降自在
に設け、この浮上部材に高さ調整可能な調整ストッパを
設け、上記フレームに電線を案内するように形成された
円弧状の電線案内部材を設け、この電線案内部材に案内
幇助部材を電線案内部材の立上り基部へ電線を案内する
ように支軸で揺動自在に枢着し、上記案内幇助部材の一
部にリンク部材をピンで連結し、このリンク部材の他端
部を上記浮上部材の一部にピンで連結し、上記調整スト
ッパの直上に叩打杆をアップリケータのクリンパーと同
期して上記調整ストッパの頭部を叩打するように設けた
ものである。

【０００９】

【作用】本考案は、端子の圧着時、間欠的に回転する回
転クランプユニットが電線を把持して所定の位置に停止
すると、予め、上記回転クランプユニットに把持された
電線を上記電線案内部材で所定の位置に案内すると共
に、ストリップを上記アンビルに予め載置された端子上
へ載置し、クリンパーと同期して叩打杆を降下して上記
調整ストッパを叩打して浮上部材を下方へ浮上習性に抗
して押下すると同時にリンク部材を介して案内幇助部材
を電線案内部材の立上り基部へ電線を案内するように支
軸の周りに回動し、圧着装置のクリンパーを降下してア
ンビルと共同してストリップに端子を圧着し、同時に連
鎖端子のブリッジを切断し、電線等の慣性力で電線を湾
曲しないようにすると共に圧着不良を解消して品質や信
頼性の向上を図るものである。

【００１０】

【実施例】以下、本考案を図示のー実施例について説明
する。

【００１１】なお、本考案は、上述した具体例と同一構
成部材には、同じ符号を付して説明する。

【００１２】図１乃至図３において、符号１は、略コ字
状をなすフレームであって、このフレーム１の基板１ａ
には、アンビル２および電線位置決め部材３が敷設され
ており、このアンビル２の傍らの上記基板１ａの端部に
は、ガイド支持部材１０が設けられており、このガイド
支持部材１０の両側には、一対の案内孔１１が垂直に穿
設されている。又、この両案内孔１１には、浮上部材１
２の各案内杆１２ａが昇降自在に嵌装されており、この
浮上部材１２の上部の上記フレーム１には、円弧状に形
成された電線案内部材１３が周知の回転クランプユニッ
ト４に把持された電線Ｗを上記アンビル２上へ案内する
ように設けられている。さらに、上記電線案内部材１３
の一端部には、立上り基部１３ａが電線Ｗの圧着位置を
規制するように形成されており、この立上り基部１３ａ
は後述する案内幇助部材１６と共同して電線Ｗを案内し
て位置決めしている。さらに又、上記電線案内部材１３
の近傍の浮上部材１２の上部には、例えば、調整ボルト
による調整ストッパ１４が植設されており、上記基板１
ａの端部には、例えば、エアシリンダー装置によるダン
パー装置１５が立設されており、このダンパー装置１５
の出力軸１５ａは上記浮上部材１２の端部１２ｂに連結
し、この浮上部材１２に対して浮上習性を付加してい
る。

【００１３】従って、上記浮上部材１２はダンパー装置
１５によって上方へ浮上するように付勢して一定の高さ
に保持されている。

【００１４】他方、図１に示されるように、上記立上り
基部１３ａの直下の上記電線案内部材１３には、略楔形
をなす案内幇助部材１６が支軸１７で揺動自在に枢着さ
れており、この案内幇助部材１６は、不作動時、上記電
線案内部材１３の上端部より下位に隠れるように位置し
ている。又、この案内幇助部材１６には、傾斜案内部１
６ａが上記立上り基部１３ａと共同して電線Ｗを所定の
位置に案内するように形成されており、上記案内幇助部
材１６の一部には、リンク部材１８がピン１９で連結さ
れており、このリンク部材１８の他端部は上記浮上部材
１２の一部にピン軸２０で連結されている。

【００１５】又一方、図１及び図３に示されるように、
上記アンビル２の直上の上記フレーム１の上部１ｂに
は、アップリケータ６と一体をなすクリンパー７が昇降
自在に設けられており、上記アップリケータ６の一部に
は、叩打杆２１が上記クリンパ７と同期して上記調整ス
トッパ１４を叩打するように設けられている。又、図２
に示されるように、上記アップリケータ６の他端部に
は、カムローラ２２が付設されており、このカムローラ
２２は上記フレーム１の上部１ｂに支軸２３で枢着され
た揺動腕杆２４のカム溝２４ａに嵌合している。さら
に、この揺動腕杆２４の下部には、送り爪２５がピン軸
２６で枢着されており、この送り爪２５の爪部２５ａは
コイルばね２７の弾力により連鎖端子へ付勢して間欠的
に移送するように設けられている。

【００１６】以下、本考案の作用について説明する。

【００１７】従って、端子Ｗｂの圧着時、間欠的に回転
する回転クランプユニット４が電線Ｗを把持して所定の
位置に停止すると、予め、上記回転クランプユニット４
に把持された電線Ｗを上記電線案内部材１３の立上り基
部１３ａに案内されると、同時に、電線Ｗのストリップ
Ｗａを上記アンビル２に予め載置された端子Ｗｂ上へ乗
せる。

【００１８】他方、上記クリンパー７と同期して叩打杆
２１が降下するから、この叩打杆２１で上記調整ストッ
パ１４を叩打して浮上部材１２を下方へ上記ダンパー装
置１５による浮上習性に抗して押下るから、この浮上部
材１２に連結されたリンク部材１８を介して上記案内幇
助部材１６を支軸１７の周りに回動する。すると、上記
案内幇助部材１６の傾斜案内部１６ａと上記立上り基部
１３ａとが共同して電線Ｗを所定の位置に案内する（図
１参照）。

【００１９】すなわち、叩打杆２１が上記調整ストッパ
１４を叩打して浮上部材１２を下方へ押下すると、上記
浮上部材１２のリンク部材１８を介して上記案内幇助部
材１６を支軸１７の周りに左旋するから、この案内幇助
部材１６の傾斜案内部１６ａと上記立上り基部１３ａと
共同して電線Ｗを所定の位置に案内すると同時に上記ク
リンパー７を降下して上記アンビル２と共同してストリ
ップＷａに端子Ｗｂを圧着し、同時に連鎖端子のブリッ
ジを切断する。

【００２０】このようにして本考案は、電線Ｗ自体の慣
性力で電線を湾曲しないようにすると共に圧着不良を解
消して品質や信頼性の向上を図っている。

【００２１】

【考案の効果】以上述べたように、本考案は、電線のス
トリップに端子を圧着する端子圧着装置において、フレ
ーム１の基板１ａにガイド支持部材１０を設け、このガ
イド支持部材１０の両端部に各案内孔１１を穿設し、こ
の各案内孔１１に浮上部材１２をダンパー装置１５で上
方へ浮上するように付勢して昇降自在に設け、この浮上
部材１２に高さ調整可能な調整ストッパ１４を設け、上
記フレーム１に電線を案内するように形成された円弧状
の電線案内部材１３を設け、この電線案内部材１３に案
内幇助部材１６を電線案内部材１３の立上り基部１３ａ
へ電線を案内するように支軸１７で揺動自在に枢着し、
上記案内幇助部材１６の一部にリンク部材１８をピン１
９で連結し、このリンク部材１８の他端部を上記浮上部
材１２の一部にピン２０で連結し、上記調整ストッパ１
４の直上に叩打杆２１をアップリケータ６のクリンパー
７と同期して上記調整ストッパ１４の頭部を叩打するよ
うに設けてあるので、周知の回転クランプユニットやこ
れに把持される電線自体の慣性力で電線を鞭のように湾
曲して曲げないようにするばかりでなく、電線を所定の
位置に正確に案内してストリップをアンビル２に載置で
きるから、端子の圧着不良を解消できると共に生産効率
及び品質や信頼性の向上を図ることができる等の優れた
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の端子圧着装置における電線のセンター
ガイド装置の側面図。

【図２】同上正面図

【図３】既に提案されている端子圧着装置の側面図。

【図４】既に提案されている端子圧着装置の要部を取出
して示す拡大斜視図。

【符号の説明】

１ フレーム ２ アンビル ６ アップリケータ ７ クリンパー １０ ガイド支持部材 １２ 浮上部材 １３ 電線案内部材 １４ 調整ストッパ １５ ダンパー装置 １６ 案内幇助部材 １８ リンク部材 ２１ 叩打杆

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電線のストリップに端子を圧着する端子圧
   着装置において、フレーム１の基板１ａにガイド支持部
   材１０を設け、このガイド支持部材１０の両端部に各案
   内孔１１を穿設し、この各案内孔１１に浮上部材１２を
   ダンパー装置１５で上方へ浮上するように付勢して昇降
   自在に設け、この浮上部材１２に高さ調整可能な調整ス
   トッパ１４を設け、上記フレーム１に電線を案内するよ
   うに形成された円弧状の電線案内部材１３を設け、この
   電線案内部材１３に案内幇助部材１６を電線案内部材１
   ３の立上り基部１３ａへ電線を案内するように支軸１７
   で揺動自在に枢着し、上記案内幇助部材１６の一部にリ
   ンク部材１８をピン１９で連結し、このリンク部材１８
   の他端部を上記浮上部材１２の一部にピン２０で連結
   し、上記調整ストッパ１４の直上に叩打杆２１をアップ
   リケータ６のクリンパー７と同期して上記調整ストッパ
   １４の頭部を叩打するように設けたことを特徴とする端
   子圧着装置における電線のセンターガイド装置。