JPH0749754Y2 - 端子圧着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば、電線のストリ
ップに端子を圧着する端子圧着装置に係り、特に、この
端子圧着装置における電線のセンタークランプ下げ装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】既に提案されている電線のストリップに
端子を圧着する端子圧着装置は、図４及び図５に示され
るように構成されている。

【０００３】図４及び図５において、略コ字状をなすフ
レーム１の基板１ａには、アンビル２が敷設されてお
り、このアンビル２の傍らの上記基板１ａには、電線位
置決め部材３が周知の回転クランプユニット４に把持さ
れた電線Ｗを圧着時の位置決めするように付設されてい
る。又、上記基板１ａの端部には、センタークランプ装
置５が上記電線Ｗを一時的に把持して妄りに移動しない
ように開閉自在に設けられており、上記アンビル２の直
上の上記フレーム１の上部１ｂには、着脱自在のアップ
リケータ６と一体をなすクリンパー７が昇降自在に設け
られている。

【０００４】従って、上述した端子圧着装置は、間欠的
に回動する回転クランプユニット４が電線Ｗを把持して
所定の圧着位置に停止すると、予め、開口していた上記
センタークランプ装置５が上記電線Ｗを一時的に把持し
て妄りに移動しないように保持すると共に、上記電線Ｗ
を上記電線位置決め部材３へ当接してストリップＷａを
上記アンビル２に予め載置された端子Ｗｂ上へ乗せる。
しかる後、上記アップリケータ６と一体をなすクリンパ
ー７が降下して上記アンビル２と共同してストリップＷ
ａに端子Ｗｂを圧着して連鎖端子のブリッジを切断して
いる。

【０００５】この圧着動作が終了すると、上記センター
クランプ装置５が開いて上記電線Ｗを解放すると同時
に、上記回転クランプユニット４が電線Ｗを間欠的に回
動した後、次の工程で上記電線Ｗを解放と共に回転クラ
ンプユニット４の他の把持爪で電線Ｗを把持している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た端子圧着装置における上記センタークランプ装置５
は、アームが比較的に長いために、上記電線Ｗを一時的
に把持する際、アームの慣性力で電線Ｗをリバウンドし
て把持するため、電線Ｗが湾曲するおそれがあり、これ
に起因して、ストリップＷａが上記アンビル２の正確な
位置に乗せることが困難になるばかりでなく、圧着不良
を生じるおそれもあり、品質の向上や信頼性に問題があ
る。

【０００７】又一方、上述した端子圧着装置における上
記センタークランプ装置５は、アンビル２より高い高さ
に構成されている関係上、端子の形状や大きさによって
交換して使用されるアップリケータ６の交換が上記セン
タークランプ装置５の一部で邪魔されるから、熟練を要
するばかりでなく、少量多品種の端子圧着作業に時間と
労力を費やす等の問題がある。

【０００８】本考案は、上述した問題を解消するため
に、センタークランプ装置を昇降するように構成してア
ームを短く形成し、把持する際の慣性力で電線の曲りの
発生をなくし、ストリップをアンビルの正確な位置に載
置して圧着不良を解消し、品質や信頼性の向上を図ると
共に、アップリケータの交換を容易にして少量多品種の
量産による省力化を図るようにした端子圧着装置を提供
することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案は、アンビル及び
クリンパとで回転クランプユニットに把持された電線の
ストリップに端子を圧着する圧着装置において、フレー
ムの基板にガイド支持部材を設け、このガイド支持部材
に上記回転クランプユニットの一部に係合した浮上カム
フォロアを上方へ浮上するように付勢して昇降自在に設
け、この浮上カムフォロアの上位の上記基板にガイドレ
ールを垂直に設け、このガイドレールに電線を把持する
センタークランプ装置を昇降自在に設け、このセンター
クランプ装置に連杆を上記浮上カムフォロアの一部で連
動するように連結し、上記回転クランプユニットの直上
に叩打杆を上記クリンパと同期して上記回転クランプユ
ニットを叩打するように設けたものである。

【００１０】

【作用】本考案は、端子の圧着時、間欠的に回転する回
転クランプユニットが電線を把持して所定の圧着位置へ
案内部材で案内して停止すると、上記センタークランプ
装置で電線を把持し、電線のストリップを上記アンビル
の端子上へ乗せ、上記クリンパーと同期して叩打杆を降
下し、この叩打杆で上記回転クランプユニットの上部を
叩打し、この回転クランプユニットのローラに係合して
いる浮上カムフォロアで連杆を介して上記センタークラ
ンプ装置全体をガイドレールに沿ってダンパを兼ねた下
げシリンダー装置のダンパ作用を受けながら降下すると
同時に上記クリンパーを降下し、このクリンパーと上記
アンビルとでストリップに端子を圧着し、同時に連鎖端
子のブリッジを切断し、把持する際の慣性力で電線の曲
りをなくし、ストリップをアンビルの正確な位置に載置
して圧着不良を解消し、品質や信頼性の向上を図ると共
に、アップリケータの交換を容易にして少量多品種の量
産による省力化を図るものである。

【００１１】

【実施例】以下、本考案を図示のー実施例について説明
する。

【００１２】なお、本考案は、上述した具体例と同一構
成部材には、同じ符号を付して説明する。

【００１３】図１乃至図４において、符号１は、略コ字
状をなすフレームであって、このフレーム１の基板１ａ
には、アンビル２及び端子Ｗｂの案内レール１０が敷設
されており、このアンビル２の傍らの上記基板１ａの端
面には、ガイド支持部材１１が設けられており、このガ
イド支持部材１１の両側には、一対の案内孔１２が穿設
されている。又、この両案内孔１２には、浮上カムフォ
ロア１３の両案内杆１３ａが昇降自在に嵌装されてお
り、この浮上カムフォロア１３は上記ガイド支持部材１
１に介装されたコイルばね１４の弾力で所定の高さまで
浮上するように設けられている。さらに、上記浮上カム
フォロア１３のカムフォロア部１３ｂには、間欠的に回
動する周知の回転クランプユニット１５のローラ１５ａ
が係合しており、このローラ１５ａは上記浮上カムフォ
ロア１３をコイルばね１４の弾力に抗して押し下げるよ
うになっている。

【００１４】他方、上記浮上カムフォロア１３の上位の
上記基板１ａには、ガイドレール１６が垂直に設けられ
ており、このガイドレール１６には、電線Ｗを把持する
センタークランプ装置１７が昇降自在に設けられてい
る。

【００１５】すなわち、このセンタークランプ装置１７
の保持部材１８は上記ガイドレール１６に摺動可能に嵌
装されており、この保持部材１８の下部には、連杆１９
が長さを調整可能に連結されている。又、この連杆１９
の下端部には、ローラ１９ａが付設されており、このロ
ーラ１９ａは上記浮上カムフォロア１３の下げ片１３ｃ
に当接している。さらに、上記アンビル２の傍らの上記
保持部材１８には、開閉シリンダー装置２０が垂設され
ており、この開閉シリンダー装置２０の出力軸２０ａに
は、両面ラック２１ａ、２１ｂが上方へ突出して連結さ
れている。さらに又、この両面ラック２１ａ、２１ｂの
両側には、一対のブラケット１８ａ、１８ｂが立設され
ており、この両ブラケット１８ａ、１８ｂには、各ピニ
オン２２及び各把持爪２３が各支軸で共軸一体に軸装さ
れており、この両ピニオン２２は上記両面ラック２１
ａ、２１ｂに互いに噛合っており、上記両把持爪２３は
上記回転クランプユニット１５に把持された電線Ｗをク
ランプして上記アンビル２の中心位置へ案内するように
している。

【００１６】従って、上記電線Ｗを把持するセンターク
ランプ装置１７は、上記開閉シリンダー装置２０を駆動
すると、この開閉シリンダー装置２０の出力軸２０ａと
一体の両面ラック２１ａ、２１ｂを下方へ降下するか
ら、この両面ラック２１ａ、２１ｂに噛合う各ピニオン
２２と各把持爪２３が互いに内方へ回動して上記電線Ｗ
を把持するようにしている。

【００１７】さらに、上記ブラケット１８ａには、円弧
状をなす案内部材２４が電線Ｗを案内するように付設さ
れており、この案内部材２４は上記回転クランプユニッ
ト１５に把持された電線Ｗを案内すると共に圧着する停
止位置を規制している。

【００１８】一方、図１に示されるように、上記基板１
ａと一体の取付部材２７には、ダンパを兼ねた下げシリ
ンダー装置２５が垂設されており、この下げシリンダー
装置２５の出力軸２５ａは上記センタークランプ装置１
７の保持部材１８にピン軸２６で連結されている。又、
このセンタークランプ装置１７は、端子圧着の作動時に
は、叩打作用による衝撃を緩和するためのダンパ作用を
しており、アップリケータ６の交換時には、このセンタ
ークランプ装置１７はセンタークランプ装置１７全体を
強制的にアンビル２の高さよりも低く押し下げてアップ
リケータ６の交換を容易にしている。

【００１９】又一方、図３及び図４に示されるように、
上記回転クランプユニット１５の直上の上記フレーム１
の上部１ｂには、上記アップリケータ６と一体をなすク
リンパー７が昇降自在に設けられており、このアップリ
ケータ６の一部には、硬質ウレタン材２８ａを有する叩
打杆２８が上記クリンパ７と同期して上記回転クランプ
ユニット１５の上部を叩打するように設けられている。

【００２０】なお、図３に示されるように、上記アップ
リケータ６の一部には、作動ピン６ａが付設されてお
り、この作動ピン６ａは上記フレーム１の上部１ｂに支
軸２９ｂで枢着された作動腕杆２９のカム溝２９ａへ嵌
合しており、この作動腕杆２９の下部には、送り爪３０
が連鎖端子を間欠的に移送するようにばねで下方へ付勢
して付設されている。

【００２１】以下、本考案の作用について説明する。

【００２２】従って、ストリップＷａに端子Ｗｂを圧着
する時、間欠的に回転する回転クランプユニット１５が
電線Ｗを把持して所定の位置に上記案内部材２４で案内
されて圧着位置に停止すると、ストリップＷａを上記ア
ンビル２上の端子Ｗｂへ乗せると同時に、上記センター
クランプ装置１７が前述したように電線Ｗを把持する。

【００２３】次に、上記クリンパー７と同期して叩打杆
２８が降下し、この叩打杆２８で上記回転クランプユニ
ット１５の上部を叩打すると、この回転クランプユニッ
ト１５のローラ１５ａに係合している浮上カムフォロア
１３の下げ片１３ｃが連杆１９のローラ１９ａを押し下
げるから、この連杆１９が上記センタークランプ装置１
７をガイドレール１６に沿って上記下げシリンダー装置
２５のダンパ作用を受けながら降下すると同時に、上記
クリンパー７を降下して上記アンビル２と共同してスト
リップＷａに端子Ｗｂを圧着し、同時に連鎖端子のブリ
ッジを切断する。

【００２４】他方、上記アップリケータ６を交換する
時、上記センタークランプ装置１７を作動して上記セン
タークランプ装置１７全体を強制的にアンビル２の高さ
よりも低く押し下げてアップリケータ６の交換を容易に
している。

【００２５】このようにして本考案は、把持する際の慣
性力で電線Ｗの曲りをなくし、ストリップＷａをアンビ
ル２の正確な位置に載置して圧着不良を解消し、品質や
信頼性の向上を図ると共に、アップリケータの交換を容
易にして少量多品種の量産による省力化を図っている。

【００２６】

【考案の効果】以上述べたように本考案は、フレームの
基板にガイド支持部材を設け、このガイド支持部材に上
記回転クランプユニットの一部に係合した浮上カムフォ
ロアを上方へ浮上するように付勢して昇降自在に設け、
この浮上カムフォロアの上位の上記基板にガイドレール
を垂直に設け、このガイドレールに電線を把持するセン
タークランプ装置を昇降自在に設け、このセンタークラ
ンプ装置に連杆を上記浮上カムフォロアの一部で連動す
るように連結し、上記回転クランプユニットの直上に叩
打杆を上記クリンパと同期して上記回転クランプユニッ
トを叩打するように設けてあるので、把持する際の慣性
力で電線の曲りをなくし、ストリップをアンビルの正確
な位置に載置して圧着不良を解消できるばかりでなく、
品質や信頼性の向上を図ることができるし、さらに、ア
ップリケータの交換を容易にして少量多品種の量産によ
る省力化を図ることができる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の端子圧着装置の側面図。

【図２】同上左側面図。

【図３】本考案の端子圧着装置の正面図。

【図４】既に提案されている端子圧着装置の側面図。

【図５】既に提案されている端子圧着装置の要部を取出
して示す拡大斜視図。

【符号の説明】

１ フレーム ２ アンビル ７ クリンパ １１ ガイド支持部材 １３ 浮上カムフォロア １５ 回転クランプユニット １６ ガイドレール １７ センタークランプ装置 １９ 連杆 ２８ 叩打杆

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アンビル及びクリンパとで回転クランプユ
   ニットに把持された電線のストリップに端子を圧着する
   圧着装置において、フレームの基板に設けられたガイド
   支持部材と、このガイド支持部材に上方へ浮上するよう
   に付勢して昇降自在に設けられと共に上記回転クランプ
   ユニットの一部に係合した浮上カムフォロアと、この浮
   上カムフォロアの上位の上記基板に垂直に設けられたガ
   イドレールと、このガイドレールに昇降自在に設けられ
   たセンタークランプ装置と、このセンタークランプ装置
   に連結されると共に上記浮上カムフォロアの一部で連動
   する連杆と、上記回転クランプユニットの直上に上記ク
   リンパと同期して上記回転クランプユニットを叩打する
   ように設けられた叩打杆とを具備したことを特徴とする
   端子圧着装置。
2. 【請求項２】基板にダンパを兼ねた下げシリンダー装置
   をセンタークランプ装置の一部へ連結して設けたことを
   特徴とする請求項１記載の端子圧着装置。