JP2528709Y2 - バタフライ弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、バタフライ弁の新規なる構造に関し、更
に詳しくは弁棒を支持する軸受部と流体が流過する管路
部とを分割して、管路部を一般の配管用パイプを利用可
能としたバタフライ弁に関する。

（従来の技術） 従来、バタフライ弁は流体が流過する管路部と弁棒を
軸支する軸受部とを一体に形成した弁本体内に円板状の
弁体を弁棒で回動自在に軸支し、弁本体外部に取り付け
られたアクチュエータと駆動側弁棒とを連結して、アク
チュエータの駆動力で弁体を回動することにより弁の開
閉を行うようにした構造が一般的である。

しかしながら、かかる管路部と軸受部とを一体にした
弁本体は、構造が複雑となり製造コストが嵩むと共に、
重量が大となって来るのを避けることが出来なかった。

バタフライ弁は、その構造上流路閉止時の圧力を流路
断面に等しい弁体全体で受け、その応力は軸受部に軸支
された弁棒で支持される。又、弁体を開閉駆動するアク
チュエータは、軸受部外端に取り付けられ、駆動力の全
反力が該軸受部に負荷される。これに対して管路部に
は、流体内圧が負荷されるのみであり、一般に配管用パ
イプの肉厚から理解されるように、流体内圧の応力のみ
であれば管路部の肉厚はきわめて薄いもので充分であ
る。

（考案が解決しようとする課題） そこで、この考案は流路閉止時に弁体を介して弁棒に
負荷される応力や駆動力の反力を負担する軸受部と、流
体内圧の応力を負担する管路部とを別個独立の部材と
し、組み合わせることにより弁本体を構成して、構造の
簡単さ及び重量軽減を図り得るようにしたものである。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、この考案が採った手段
は、直径方向対向位置に弁棒（６）より大径のボス孔
（２）を穿孔した配管用パイプからなる管路部（１）
と、、該管路部（１）のボス孔（２）に挿着される大径
のボス部（13）（14）を形成し、管路部（１）の対向す
る両外周面にシールしつつ当接され互いに締結される２
つの軸受ブロック（７）（８）と、管路部（１）内に配
置され外周面が管路部（１）内周面に接離して流路を開
閉する円板状の弁体（３）と、該弁体（３）を軸支する
弁棒（６）とからなり、前記軸受ブロック（７）（８）
のボス部（13）（14）の中心に弁棒を挿入するための軸
孔（11）（12）を穿孔し、弁体（３）に回転方向を一体
にして連結した弁棒（６）の両端部を管路部（１）の外
方へ延出して前記軸受ブロック（７）（８）の軸孔（1
3）（14）に軸支し、弁棒（６）の一端にアクチュエー
タ（20）を接続したことを特徴とする。

（実施例） 以下に図面を参照しつつ、この考案の好ましい実施例
を詳細に説明する。図において、（１）はこの考案のバ
タフライ弁の管路部であり、一般の配管用パイプで構成
される。ここにおいて一般の配管用パイプとは、バタフ
ライ弁が取り付けられて流路の開閉がなされる管路に用
いられる配管用パイプを指称するものである。この考案
は、かかる一般の配管用パイプをそのまま弁本体の管路
部として利用することを一つの特徴とする。

該配管用パイプは、その弁取付位置に軸受部のボス部
を嵌挿するためのボス孔（２）が直径方向に対向して穿
孔される。

（３）は、前記管路部（１）内に回転自在に配設され
る円板状の弁体であって、外周面にゴム党の軟弾性材料
からなるシートリング（４）が固着される。シートリン
グ（４）の最大外径は管路部（１）の内径より若干大な
る寸法に形成され、その寸法差がシートリングの圧縮代
としてシール力の発生をもたらす。弁体（３）の中心に
は直径方向に貫通する弁軸孔（５）が形成され、該弁軸
孔（５）に弁棒（６）が挿入される。弁軸孔（５）と弁
棒（６）はテーパーピンの打ち込みやローレット或は角
接合等の手段により廻り止め状態に結合される。

弁棒（６）は弁体（２）を上下に貫通して前記管路部
（１）の外方へ延び出している。（７）（８）は軸受ブ
ロックであって、弁本体の軸受部を構成する。該軸受ブ
ロック（７）（８）は弁棒（６）に負荷される流体圧力
と駆動力の反力とを負担するに充分な強度を有してお
り、前記管路部（１）の直径方向対向位置から外方へ延
び出した弁棒（６）の両端部をそれぞれ別個に軸支す
る。各軸受ブロック（７）（８）の管路部（１）と当接
する当接面（９）（10）は、管路部（１）の外周面に做
った円弧面に形成され、管路部（１）の外周面に密着し
て着座するように構成されると共に、中央に弁棒（６）
を挿入する軸孔（11）（12）が穿孔され、該軸孔（11）
（12）の外周部に大径のボス部（13）（14）が形成さ
れ、管路部（１）のボス孔（２）に嵌挿する。

当接面（９）（10）と管路部（１）の外周面との間に
はガスケットパッキン（15）が介挿され、軸受ブロック
（７）（８）と管路部（１）との間をシールしている。
又、軸受ブロック（７）（８）とそこに挿入された弁棒
（６）との間に必要に応じてＯリング或はランドパッキ
ン（16）等の密封手段を適用して同様にシールする。

軸受ブロック（７）（８）の両側には、それぞれフラ
ンジ（17）（18）が形成され、該フランジ（17）（18）
間に架け渡されたタイボルト・ナット（19）により締結
されて、管路部（１）の外周面に固着される。

一方の軸受ブロック（７）の上部には、適宜のアクチ
ュエータ（20）が取り付けられ、前記弁棒（６）の一端
に連結されて、弁体（３）を駆動回転することが出来
る。

かくして、この考案のバタフライ弁は、タイボルト・
ナット（19）の締着により、弁の組み立て、分解を簡単
に行うことが出来る。

（作用） 一般の配管用パイプからなる管路部と、その直径方向
対向位置に配設されて締着固定される軸受ブロックとに
より弁本体を構成してあるので、管路部の外周面に軸受
ブロックを配置して締着するのみで弁本体の組み立てを
行うことが出来ると共に、このように組み立てられる弁
本体に弁体を内挿し、弁棒を挿入するのみでバタフライ
弁を構成することが出来る。

又、軸受ブロックの締着を分離するのみで、バタフラ
イ弁の分解を行うことが出来る。

（考案の効果） この考案によれば、軸受部と管路部とを別体の独立し
た部材で構成してあるので、管路部は流体内圧に耐える
肉厚で充分となり、一般の配管用パイプをそのまま利用
することが出来る結果、構造を簡単にして重量の軽減を
図ることが出来、組み立ても簡便となる。又、このよう
に、管路部を一般の配管用パイプで構成してあるので、
配管用パイプに弁棒挿通用のボス孔を穿設するのみで、
簡単にバタフライ弁の組み立て、製作が出来、管の溶
接、溶断等を要することなく、既存の管で簡単にバタフ
ライ弁を得ることが出来る。

更に、配管と管路部との接続も、種々のワンタッチ継
手やネジ込みフランジ等の市場から簡単に入手可能な接
続手段により行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るバタフライ弁の外観斜視図、第
２図は同分解斜視図、第３図は同側面図、第４図は同正
面図、第５図は同縦断面図、第６図は一部を切り欠いだ
弁体の斜視図である。 （１）……管路部、（２）……ボス孔 （３）……弁体、（４）……シートリング （５）……弁軸孔、（６）……弁棒 （７）（８）……軸受ブロック （９）（10）……当接面、（11）（12）……軸孔 （13）（14）……ボス部 （15）……ガスケットパッキン （16）……グランドパッキン （17）（18）……フランジ （19）……タイボルト・ナット （20）……アクチュエータ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直径方向対向位置に弁棒（６）より大径の
   ボス穴（２）を穿孔した配管用パイプからなる管路部
   （１）と、 該管路部（１）のボス穴（２）に挿着される大径のボス
   部（13）（14）を形成し、管路部（１）の対向する両外
   周面にシールしつつ当接され互いに締結される２つの軸
   受ブロック（７）（８）と、 管路部（１）内に配置され外周面が管路部（１）内周面
   に接離して流路を開閉する円板状の弁体（３）と、 該弁体（３）を軸支する弁棒（６）とからなり、 前記軸受ブロック（７）（８）のボス部（13）（14）の
   中心に弁棒を挿入するための軸孔（11）（12）を穿孔
   し、弁体（３）に回転方向を一体にして連結した弁棒
   （６）の両端部を管路部（１）の外方へ延出して前記軸
   受ブロック（７）（８）の軸孔（13）（14）に軸支し、
   弁棒（６）の一端にアクチュエータ（20）を接続したこ
   とを特徴とするバタフライ弁。