JPH09273637A - バタフライ弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管フランジの締付量に拘らず、シートリン
グの偏りがなく、弁棒回動トルクの増大もないと共に、
組立・分解を容易にすること。 【解決手段】 両端に配管接続用のフランジ面３ａを設
けた本体３と弁体５との間にシートリング４を備え、弁
体５の直径方向外方に延びる弁棒６を弁棒挿通部７の弁
棒ガイド１３を介して支持すると共に、本体３を、フラ
ンジ面３ａと平行し且つ弁棒の軸心を通る分割面に沿っ
て本体部材３Ａと３Ｂに２分割し、それらの内周面端部
に分割面に平行して段部３ｃを形成し、該段部３ｃに、
シートリング４の弾性密封材４ａからなる端部を圧接
し、本体部材３Ａ，３Ｂを結合ボルト３ｂで接合し、更
に弁棒挿通部７の取り合いフランジ７ａと底蓋９を、六
角ボルト８と９ａによって本体部材３Ａ，３Ｂに固定し
て、これらを一体化している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本体（弁本体）の
内面にシートリングを装着したバタフライ弁に関し、特
に弁主要部を別体にして組立て可能にしたバタフライ弁
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、内部に円筒状の流体通路を貫通形
成した本体の内部に、円板状の弁体を回動自在に軸支
し、本体の内周面と弁体の外周面との間にシートリング
を介挿すると共に、該シートリングの内周面に弁体の外
周面を接離させて流路の開閉、制御を行なうようにした
バタフライ弁は公知であり、種々の流体の制御に多用さ
れている。

【０００３】上記のシートリングには、弾性シートリン
グの耳部をウエハ形（薄形）本体の両側面部に設けられ
た環状の溝部に嵌め込んで本体内面に装着し、配管フラ
ンジ間に挟持させた時、上記耳部がガスケットの役目を
する締め代となるものと、弾性シートリングの内部に剛
性体からなる補強用のリング状コア（芯）を埋設したコ
ア入りシートリングとがある。

【０００４】上記コア入りシートリングを本体内面に装
着したバタフライ弁の一例として、リング状コアの弁棒
挿通部に軸封用のＯリングケースを固着し、該リング状
コアが露出しないように弾性材によって完全に被覆し、
該弾性材の層が接合面の存在しない均一組織に成形した
ものが、本出願人によって先に提案されている（特公昭
63− 46306号公報参照）。このものは、一体化されたシ
ートリングが本体の面間寸法（幅）より若干長く形成さ
れ、本体を配管フランジ間に挟持してボルトによって締
結するとき、該シートリングの両端部が本体部の面間寸
法まで圧接され、上記フランジ間からの流体外部漏洩を
防止するようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来公知のバ
タフライ弁にあっては、本体を配管フランジ間に挟持さ
せる場合に、左右の配管フランジを均等にシートリング
の両端部に加えないと、弁軸孔に対して弁棒が偏芯する
ことになり、この結果、弁軸孔からの流体の外部漏洩及
び、弁棒回動トルクの増大となる欠点があった。

【０００６】また、本体は単体で構成されているため、
弁の組立時にシートリング、弁体を順次、本体内に開口
部から挿着する必要があり、本体の組立、分解に工数を
要しコスト高になる欠点があった。

【０００７】また、本体にシートリングを流れ方向から
挿通しており若干の寸法精度の誤差に対しても、配管接
続前の自由状態時においてフランジ面に均等にシートリ
ングが突出していないために、ガスケット効果がなく外
部流体漏洩の原因になっていた。

【０００８】また、管端（パイプエンド）へ接続ができ
ないという問題点があった。

【０００９】また、前記本出願人の先の提案にかかるも
のは、シートリングの外径（外周）部が弾性体で形成さ
れているため、剛体からなる本体内周部への挿入が、剛
体同士でないので半固定的で不安定であり、また、芯金
が弾性体の中央部分に安定設定できず、成形後に芯金の
偏心により圧力のシール保持に差異がでるという問題点
があった。

【００１０】本発明は、本体を配管フランジ間に挟持さ
せる中芯形バタフライ弁において、配管フランジの締付
量に拘らず、シートリングの偏りがなく、弁棒回動トル
クの増大もないと共に、組立、分解を容易にすることを
課題としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、内部に円筒状の流体通路を
形成すると共に、両端に配管接続用のフランジ面を設け
た本体と、該本体に回動自在に軸支される円板状の弁体
と、本体と弁体との間に介挿されるシートリングを備
え、弁体の外周対向位置から直径方向外方に伸びる弁棒
を本体に設けた弁棒孔に整合させて弁体を本体内に回動
自在に軸支するようにしたバタフライ弁において、本体
をフランジ面と平行し且弁棒の軸心を通る分割面に沿っ
て二つの本体部材に分割し、該本体部材の内周面端部
に、分割面に平行して段部を形成し、該段部に前記シー
トリングの端部を圧接すると共に、本体部材を分割面で
相互に接合一体化する締結手段を設けたことを特徴とし
ている。

【００１２】上記２分割された本体部材を、フランジ面
から突出しないボルトにより一体に接合すると共に、別
体にして形成された弁棒挿通部材の下端の取り合いフラ
ンジ及び底蓋を、ボルトを介して２分割された本体部材
のそれぞれに固定して一体化したことを特徴としてい
る。

【００１３】また、シートリングの内周面及び両端面を
弾性密封材で構成し、外周面を硬質の剛体で構成し、こ
れらを一体化成形し、該シートリングの弾性密封材で構
成された両端面にフランジ部一次シール用の環状の凸部
を形成し、外周面に一体化成形された硬質の剛体に、二
次シール用のＯリングを挿着したことを特徴としてい
る。

【００１４】また、上記２分割された本体部材の端部
に、接続フランジを一体に形成したことを特徴としてい
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に記載した実施例を用いて説明する。図１は、本発明の
一実施形態を示すバタフライ弁の全閉状態を示す断面図
である。

【００１６】図において、１は本発明に係るバタフライ
弁を示し、内部に円筒状の流体通路２を貫通形成して本
体（弁本体）３を備えており、該本体３が形成する流体
通路２の内周面にシートリング４を挿着し、流体通路２
内に回動自在に軸支された円板状の弁体５の外周面をシ
ートリング４の内周面に接離させ、弁棒６を介し弁体を
駆動して流体通路２を開閉制御するようになっている点
は、従来のものと変りはない。

【００１７】上記本体３は、両端に配管接続用のフラン
ジ面３ａを備え、該フランジ面３ａと平行し且つ弁棒６
の軸心を通る中央の分割面に沿って二つの本体部材３Ａ
と３Ｂに分割されており、これら本体部材３Ａと３Ｂ
は、両側のフランジ面３ａから挿通される突出しないボ
ルト３ｂを介して一体に接合されるようになっており、
更に別体として構成された弁棒挿通部材７の下端の取り
合いフランジ７ａと、上記２分割された本体部材３Ａと
３Ｂとが、それぞれ六角ボルト８を介して一体に固定さ
れ、同様に、下端の底蓋９と上記２分割された本体部材
３Ａと３Ｂとが、六角ボルト９ａ（中心線のみ示されて
いる。）によって固定され、これらを一体化するように
なっている。

【００１８】一方、シートリング４は、図２に拡大して
示すように、内周面と両端面が弾性密封材４ａで構成さ
れ、外周面が、耐食性金属又は耐食性を有し且つ十分な
剛性を有する、一例としてＰＰＳ（ポリ・フェニーレン
・サルファイド）及びナイロン系等の樹脂４ｂで一体化
成形されている。そして該シートリング４は、前記２分
割された本体部材３Ａ，３Ｂの内周面端部に分割面に平
行して形成された段部３ｃに、該シートリング４の弾性
密封材４ａからなる両端面が接合され、該弾性密封材４
ａからなる両端面に形成されたフランジ部一次シール用
の環状の断面半円状の凸部４ｃによって、この部分から
の流体の外部漏洩を防止している。

【００１９】また、二次シールとして、硬質の剛体４ｂ
部の半径方向外周にＯリング１０が挿着され、より確実
にシール性能を保っており、更に該硬質の剛体４ｂの弁
棒貫通部の溝部にＯリング１１が挿着され、半径方向外
方より半割り状の弁棒ガイド１３、及び下方の弁棒６ａ
に嵌合される円筒状の弁棒ガイド１４により固定され、
より確実にシール性能を保っている。なお、弾性密封材
４ａの弁棒貫通部（通称グランド）は、弁体５の弁棒貫
通部のスラストを受ける平面に接触し、一次シール１２
を形成している。

【００２０】なお、図中、３ｄは本体３の両側面部に形
成されたパッキン溝、４ｄはシートリング４の側端、６
ｂは弁棒６と弁体５との接合部、６ｃは弁棒６の外方端
の図示しないアクチュエータとの接合部、１５は弁棒６
を経て外方への流体漏洩防止及びダストシールを兼ねた
パッキン、１６は配管１７の配管フランジ、１８は締結
ボルト・ナットである。

【００２１】上記のように構成されているので、シート
リング４、弁体５、弁棒６，６ａを事前に組立てた後
に、２分割された本体部材３Ａ，３Ｂの間に組み込ん
で、これらの本体部材３Ａ，３Ｂを締結ボルト３ｂによ
り接合すると共に、これらの両本体部材３Ａ，３Ｂと、
弁棒挿通部７及び底蓋９とが六角ボルト８と９ａとによ
り一体化され、同芯となるので、偏ることなく、配管フ
ランジ間に挟持された時に、シートリングが左右に移動
することがなく、また、弁棒６，６ａが弁軸ガイド１
３，１４を介して挿通されることにより、所定の回動ト
ルクで弁棒６が回動されることになり、弁棒に沿った一
次及び二次のシール作用が確保されると共に、偏心によ
る軸部のカジリも防止することができる。

【００２２】図３は、本発明の他の実施形態を示すバタ
フライ弁の正面図、図４は、図３の右側よりみた側面図
であり、図中、図１，２に記載した符号と同一の符号は
同一ないし同類部分を示すものとする。

【００２３】この実施形態では、フランジ面３ａと平行
し弁棒６の軸心を通る分割面３ｅに沿って二つに分割さ
れた本体部材３Ａ，３Ｂの両端部に、外形が円形又は角
形の接続フランジ３Ｆがそれぞれ一体に形成され、配管
接続時、該接続フランジ３Ｆを、ガスケット１９を介し
て配管フランジ１６と当接接合させ、ボルト・ナット１
８によって締結するようにした点で、先の実施形態（図
１，２）と異なっている。図４において、３ｆは本体３
の外径、３ｂは２分割された本体部材３Ａ，３Ｂの結合
ボルト用の孔、３ｇは接続フランジ３Ｆのパッキン溝、
７ｂは、弁棒挿通部７の取り合いフランジ７ａの本体部
材との接合平面部である。

【００２４】この実施形態によれば、配管の端部（パイ
プエンド）にも当該バタフライ弁を取付けることがで
き、この際、配管フランジ１６と接続フランジ３Ｆとの
間の流体シールは、両フランジ１６と３Ｆの間に介在さ
れるガスケット１９によって行われるので、本体内面に
装着されるシートリングの偏り（移動）が阻止され、液
洩れ及び回動トルクの増大を防ぐことができる。

【００２５】上記した実施形態（図３，４）において、
本体部材３Ａ，３Ｂの両端部にそれぞれ接続フランジ３
Ｆを一体にした構造について説明したが、一端部のみに
接続フランジを設けることも可能である。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
内部に円筒状の流体通路を形成すると共に、両端に配管
接続用のフランジ面を設けた本体と、該本体に回動自在
に軸支される円板状の弁体と、本体と弁体との間に介挿
されるシートリングを備え、弁体の外周対向位置から直
径方向外方に伸びる弁棒を本体に設けた弁棒孔に整合さ
せて弁体を本体内に回動自在に軸支するようにしたバタ
フライ弁において、本体をフランジ面と平行し且弁棒の
軸心を通る分割面に沿って二つの本体部材に分割し、該
本体部材の内周面端部に、分割面に平行して段部を形成
し、該段部に前記シートリングの端部を圧接すると共
に、本体部材を分割面で相互に接合一体化する締結手段
を設けたことにより、次のような効果を奏することがで
きる。

【００２７】（ｉ）２分割された本体部材の接合一体化
により、シートリングの両端面が均等に圧縮され、一方
に偏ることがなく、弁体の回動トルクが安定し、且つ流
体の外部漏洩が製作段階で事前に確認できるので、使用
時にトラブルがなく、使用者に安心感を与える。

【００２８】（ii）弁の組立時、シートリング、弁体及
び弁棒の主要部を別体にして事前に仮組立てができるの
で、製作効率が向上し、また、分解時も、本体を２分割
しているので、作業が容易になり、作業効率が向上す
る。

【００２９】また、ボルトによって一体に接合された２
分割された本体部材を、弁棒挿通部材の下端の取り合い
フランジ及び底蓋にボルトを介して固定して一体化した
ことにより、シートリング、２分割された本体部及び弁
棒挿通部の芯が正確に出て弁棒が挿通されるので、弁体
の回動トルクを安定させることができる。

【００３０】また、内周面及び両端面を弾性密封材で構
成したシートリングの外周面を、硬質の剛体で構成して
一体化成形したことにより、真空状態での使用、弁開度
や流速等によるシートリングの内径方向への突び出しや
脱落をなくすことができ、また、成形時芯金が弾性体内
に安定して設定することができるばかりでなく、２分割
された本体部材の接合時の管軸に対する半径方向の芯出
しが可能となる。

【００３１】また、シートリングの弾性密封材で構成さ
れた両端面に環状の凸部を形成し、外周面に一体化成形
された硬質の剛体の外周面及び弁棒挿通部にそれぞれＯ
リングを挿着したことにより、シートリングの端部及び
弁棒挿通部は共に２重のシール構造になるので、流体の
外部漏洩を防止することができる。

【００３２】また、２分割された本体部材の端部に、接
続フランジを一体に形成することにより、管端（パイプ
エンド）に設置することが可能となり、従来のウエハ形
バタフライ弁で不可能であったものを解決することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態（実施例）を示すバタフラ
イ弁の全閉時の断面図である。

【図２】図１の要部拡大断面図である。

【図３】本発明の他の実施形態（実施例）を示すバタフ
ライ弁の正面図である。

【図４】図３の右側からみた側面図である。

【符号の説明】

１ バタフライ弁 ２ 流体通路 ３ 本体（弁本体） ３Ａ，３Ｂ 本体部材 ３Ｆ 接続フランジ ３ａ フランジ面 ３ｂ 結合ボルト ３ｃ 段部 ３ｄ パッキン溝 ３ｅ 本体の分割面 ３ｆ 本体外径 ３ｇ 接合フランジのパッキン溝 ４ シートリング ４ａ 弾性密封材 ４ｂ 硬質の剛体 ４ｃ 一次シール用環状凸部 ４ｄ シートリングの側端 ５ 弁体 ６，６ａ 弁棒 ７ 弁棒挿通部 ７ａ 弁棒挿通部の取り合いフランジ ７ｂ 取り合いフランジの接合平面部 ８ 六角ボルト ９ 底蓋 １０，１１ Ｏリング １２ グランド部一次シール １３ 弁棒ガイド（半割り） １４ 弁棒ガイド（円筒状） １６ 配管フランジ １７ 配管 １８ 締結用ボルト・ナット

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に円筒状の流体通路を形成すると共
   に、両端に配管接続用のフランジ面を設けた本体と、該
   本体に回動自在に軸支される円板状の弁体と、本体と弁
   体との間に介挿されるシートリングを備え、弁体の外周
   対向位置から直径方向外方に伸びる弁棒を本体に設けた
   弁棒孔に整合させて弁体を本体内に回動自在に軸支する
   ようにしたバタフライ弁において、本体をフランジ面と
   平行し且弁棒の軸心を通る分割面に沿って二つの本体部
   材に分割し、該本体部材の内周面端部に、分割面に平行
   して段部を形成し、該段部に前記シートリングの端部を
   圧接すると共に、本体部材を分割面で相互に接合一体化
   する締結手段を設けたことを特徴とするバタフライ弁。
2. 【請求項２】 フランジ面に平行し且つ弁棒の軸心を通
   る分割面に沿って２分割された本体部材を、上記フラン
   ジ面から突出しないボルトにより一体に接合すると共
   に、別体にして形成された弁棒挿通部材の下端の取り合
   いフランジ及び底蓋を、ボルトを介して上記２分割され
   た本体部材のそれぞれに固定して一体化したことを特徴
   とする請求項１記載のバタフライ弁。
3. 【請求項３】 シートリングの内周面及び両端面を弾性
   密封材で構成し、外周面を硬質の剛体で構成し、これら
   を一体化成形し、該シートリングの弾性密封材で構成さ
   れた両端面に、フランジ部一次シール用の環状の凸部を
   形成し、外周面に一体化成形された硬質の剛体に、二次
   シール用のＯリングを挿着したことを特徴とする請求項
   １又は２記載のバタフライ弁。
4. 【請求項４】 フランジ面に平行し且つ弁棒の軸心を通
   る分割面に沿って２分割された本体部材の端部に、接続
   フランジを一体に形成したことを特徴とする請求項１な
   いし３の何れか１項記載のバタフライ弁。