JP2528504Y2 - 化粧台ユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、キャビネットや化粧鏡を組み込んだ化粧台
ユニットに関する。

〔従来の技術〕 近年、フロアキャビネットの上に洗面器を固定し、そ
の上に化粧鏡を配置した比較的小型の洗面化粧台に代え
て、洗面のほかにも様々の用途に利用できるようにシス
テム化した洗面化粧台が開発されている。このシステム
化した洗面化粧台は、洗面や洗髪に関連する種々の機能
を持たせるとともに、タオルや衣料の収納保管までも限
られた据え付けスペースを有効に利用して行うようにし
たものである。

キャビネットや洗面器等をシステム化することによっ
て、洗髪や洗顔等の際に機器を取り扱う使い勝手が大幅
に向上する。ところが、洗髪や洗顔の際には、システム
中に含まれた洗面器，化粧鏡及び水栓等のほかに、化粧
品の類，洗髪後のドライヤー及び手元鏡等の器具を手に
取って使うことが多い。このため、キャビネットや洗面
器等の相互のレイアウトが使い勝手上で好ましいように
設計されていても、これらの器具を簡単に取り扱えるよ
うにしておかなければ、システムとしての機能が十分に
活かせない。たとえば、ドライヤー等の器具を、使わな
いときにはキャビネットの引き出し等に収納しておき、
使うときにいちいちこれを取り出して使うという使い方
はまことに不便である。また、ドライヤーをそのままカ
ウンター上に放置していては、見栄えが悪いばかりでは
なく、電気コード等が他の作業の邪魔になってしまう。

このような問題に対し、特開昭57-196915号公報に記
載されているように、化粧鏡の横に配置するサイドキャ
ビネットの天板の下面や扉の裏面にアームやバーを設
け、これらアームやバーにドライヤーや手元鏡等の器具
を取り付け、扉を開いて、器具をアームやバーに取り付
けたまま使用できるようにしたものが提案されている。

また、サイドキャビネットの側板に設けたバーに取り
付けたホルダにドライヤーを係止するようにしたもの
（たとえば実開昭63-79748号公報）や、サイドキャビネ
ット内にドライヤーユニットの本体を固定し、ノズルを
ユニット本体またはキャビネット内に設けたホルダに係
止する構造としたもの（たとえば実開昭64-4132号公
報）などが提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前記特開昭57-196915号公報に記載のもの
は、たとえばバーを扉の裏面に設けてこれに器具を取り
付けると、器具の嵩がキャビネットの物品収納容量に影
響を与えてしまう。また、たとえば天板の下面に設けた
アームに器具を取り付けた場合、扉を開けて使うとき
に、アームが前側に突き出すので使い勝手はよいが、扉
を閉じたときにアームがキャビネットの中に大きく入り
込むため、収納部の障害となって物品の収納空間が充分
に確保できない。また棚板をキャビネットの中に設ける
にしても、アームと干渉し易いため、棚板の大きさにも
制限を受けることになる。

また、前記実開昭63-79748号公報に記載のものは、器
具ホルダを有するバーがサイドキャビネットに移動でき
ないように固定されているので、器具を使用する際に身
体をのばさないと器具ホルダの調整ができない。また、
実開昭64-4132号公報に記載のものは、ドライヤーを使
用するときは在来の手持ち式のドライヤーと同じく、一
方の手でノズルを持った状態であるので、髪の乾燥に際
して両手が使えず不自由であり、また、長い時間使用す
ると腕が疲れるという欠点がある。

本考案が解決すべき課題は、ドライヤーや手元鏡等の
器具を他の物品の収納に与える影響を最小限にして化粧
台のサイドキャビネットに取り付け、かつ器具を取り付
けたままの状態で使用できるようにすることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の化粧台ユニットは、化粧鏡の側方にサイドキ
ャビネットを設け、このサイドキャビネットの一部であ
って縦方向に展開する面を形成した構成部材に、縦向き
の姿勢としたバーを構成部材の展開する面に沿って外側
まで繰り出し可能に連接すると共にこのバーには器具ホ
ルダを縦方向に移動可能に取り付け、更に器具ホルダに
は、構成部材から外側に離れた位置で操作可能であって
前記バーを拘束して器具ホルダ自身を固定するための固
定手段を備えてなることを特徴とする。

〔作用〕

サイドキャビネットにおいて縦方向に展開する面を持
つ構成部材としては、化粧鏡側から見て左右に位置する
側板やこれらの前面に配置される扉等が含まれ、たとえ
ばいずれか一方の側板の内壁にバーを縦向きの姿勢とし
て配置することができる。そして、このバーを側板の内
壁に沿って外まで繰り出せるようにすることで、バーに
固定した器具ホルダも外に臨ませることができ、この器
具ホルダにセットした各種の器具をキャビネットの外で
手に取ったり戻したりすることが可能となる。

また、器具ホルダに固定手段を設けておきこれを構成
部材から離れた位置で操作できるようにしておけば、外
に繰り出したときにはこの固定手段を取り扱うことがで
きるので、構成部材が邪魔になることなくこの固定手段
を手で楽に操作でき、器具ホルダの高さ調整も簡単に行
える。なお、器具ホルダには、小型のドライヤーまたは
ドライヤーユニットのノズルを係止し、あるいは手元鏡
等を取り付けることができる。

〔実施例〕

第１図は本考案の第１実施例における洗面化粧台ユニ
ットのサイドキャビネットを示す斜視図であり、第２図
はホルダ取付け用バーの取付け構造を示す一部切欠き部
分拡大図であり、第３図は洗面化粧台ユニットの全体構
成を示す斜視図である。

第３図に示すように、洗面化粧台ユニットは、洗面化
粧台１と、その左に配置したサイドキャビネット２と、
上方に配置したウォールキャビネット３とから構成され
ている。洗面化粧台１のカウンター11には洗面器12が組
み込まれるとともに、ハンドシャワー型の吐水ヘッド13
及び給水，給湯用の湯水混合栓14が取り付けられてい
る。カウンター11の上方には化粧鏡15、その右側に鏡を
取り付けた扉付きの収納部16、上部に照明具17が配置さ
れている。

サイドキャビネット２は、フロアキャビネット18に隣
接配置した下段のサイドキャビネット21と、化粧鏡15に
隣接配置した上段のサイドキャビネット22とからなり、
本考案に係るホルダ取付け用バー４及び器具ホルダ５は
上段のサイドキャビネット22の側板23の内側に設けてい
る。

第１図に示すように、サイドキャビネット22は、扉24
を備え、内部には、ドライヤーユニット６を設置すると
ともに、残りの空間を棚板25を設けた収納部としてい
る。また、サイドキャビネット22の下部にはドライヤー
ユニット６の操作パネル61を設けている。なお、図中の
符番７は電源コードである。

ドライヤーユニット６は、送風器と温風発生器を内蔵
したドライヤーユニット本体62と蛇腹ホース63とノズル
64とからなり、ドライヤーユニット本体62をサイドキャ
ビネット22の一方の側に固定し、ノズル64は使用しない
ときはドライヤーユニット本体62に係止しておき、使用
する際には、ノズル64をホルダ取付け用バー４に取り付
けた器具ホルダ５に係止して使用する。

ホルダ取付け用バー４は、第１図及び第２図（ａ）
（一部切欠き部分拡大平面図），第２図（ｂ）（一部切
欠き部分拡大側面図）に示すように、上下に摺動用バー
41,42を有し、側板23の内側に固定した取付け具43,44に
この摺動用バー41,42を挿通して、ホルダ取付け用バー
４を縦方向の姿勢でサイドキャビネット22の奥行き方向
に移動可能に取り付けている。摺動バー41,42の後端に
は、ホルダ取付け用バー４の抜け防止用のストッパ45を
取り付けている。第１図にはホルダ取付け用バー４がサ
イドキャビネット22の前方に突き出た状態で示している
が、ホルダ取付け用バー４は奥側へ押し込むと、サイド
キャビネット22の中に納まる。

器具ホルダ５は、第２図（ａ）及び同図（ｂ）に示す
ように、ホルダ取付け用バー４に上下動及び旋回可能に
取り付けている。器具ホルダ５を所望の位置に動かした
後は、本実施例における固定手段として備えた締付け具
51をねじ込んでその位置に固定する。ドライヤーを使用
するときは、ホルダ取付け用バー４を手前側の適当な位
置まで引き出し、器具ホルダ５を適当な高さ及び向きに
固定して、この器具ホルダ５にノズル64を係止して使用
する。

第２図（ｃ）及び第２図（ｄ）はホルダ取付け用バー
４の取付け構造の別の例を示す一部切欠き部分拡大平面
図及び一部切欠き部分拡大側面図である。この例におい
ては、ホルダ取付け用バー４の上下の摺動部46に溝47を
設け、取付け具48に通して、締付け具52をねじ込んでそ
の位置に固定する。

このように、ホルダ取付け用バー４に器具ホルダ５に
よって取り付けたノズル64の位置や姿勢を変えることが
できるので、手にノズル64を持つことなく髪を乾かすこ
とができる。無論、ノズル64は器具ホルダ５に着脱でき
るので、必要なときはノズル64を手で持って使うことも
できる。

また、ホルダ取付け用バー４を動かすときに、サイド
キャビネット22の収納部内で動くのは、摺動用バー41,4
2だけであるので、サイドキャビネット22内に収納物品
があっても支障なくホルダ取付け用バー４を動かすこと
ができ、また、サイドキャビネット22の物品収納容量へ
の影響も僅かである。

第４図は本考案の第２の実施例における洗面化粧台ユ
ニットの使用状態における要部を示す斜視図であり、第
５図はサイドキャビネットを洗面化粧台ユニットの正面
側から見た図である。

本実施例では、洗面器側に向いた面を開放したサイド
キャビネット８の側板81の内側に、ホルダ取付け用バー
82を縦方向の姿勢でサイドキャビネット８の奥行き方向
に移動可能に取り付けている。このホルダ取付け用バー
82に、器具ホルダ83を上下動及び旋回可能に取り付けて
いる。側板81へのホルダ取付け用バー82の取付け方法及
びホルダ取付け用バー82への器具ホルダ83の取付けと固
定の方法は、第１の実施例の場合と同様である。

本実施例における器具ホルダ83は、手持ち式のドライ
ヤー84を係止するためのものであり、ドライヤー84を使
用するときは、ホルダ取付け用バー82を手前側の適当な
位置まで引き出し、器具ホルダ83を適当な高さ及び向き
に固定して、この器具ホルダ83にドライヤー84の把手部
を係止して使用する。

このように、ホルダ取付け用バー82に器具ホルダ83に
よって取り付けたドライヤー84の位置や姿勢を変えるこ
とができるので、手にドライヤー84を持つことなく髪を
乾かすことができる。無論、ドライヤー84は器具ホルダ
83に着脱できるので、必要なときはドライヤー84を手で
持って使うこともできる。

また、第１の実施例の場合と同様に、ホルダ取付け用
バー82を動かす際にサイドキャビネット８内に収納物品
があっても支障なくホルダ取付け用バー82を動かすこと
ができ、また、サイドキャビネット８の物品収納容量へ
の影響も僅かである。

第６図は本考案の第３の実施例における洗面化粧台ユ
ニットの使用状態における要部を示す斜視図であり、第
７図はサイドキャビネットの扉の裏面図である。

本実施例では、化粧鏡の右側のサイドキャビネット９
の扉91の裏面に、ホルダ取付け用バー92を縦方向の姿勢
で扉91の幅方向に移動可能に取り付けている。このホル
ダ取付け用バー92に、器具ホルダ93を上下動及び旋回可
能に取り付けている。扉91へのホルダ取付け用バー92の
取付け方法及びホルダ取付け用バー92への器具ホルダ93
の取付けと固定の方法は、第１の実施例の場合と同様で
ある。

本実施例における器具ホルダ93も、第２の実施例の場
合と同様に、手持ち式のドライヤー94を係止するための
ものであり、ドライヤー94を使用するときは、扉91を開
いたうえで、ホルダ取付け用バー92を手前側の適当な位
置まで引き出し、器具ホルダ93を適当な高さ及び向きに
固定して、この器具ホルダ93にドライヤー94の把手部を
係止して使用する。

さらに本実施例においては、ホルダ取付け用バー92
に、手元鏡95を取り付けるための器具ホルダ96を上下動
及び旋回可能に取り付けている。器具ホルダ96は、ホル
ダ取付け用バー92への固定部材96aと手元鏡95を取り付
ける保持部材96bとをヒンジ96cによって連結したもので
あり、保持部材96bはヒンジ96c周りに旋回可能である。
なお、手元鏡95自体を保持部材96bに対して上下回動あ
るいは旋回可能なように取り付けてもよい。手元鏡95を
使用する際は、第６図に示すように、固定部材96aと保
持部材96bを旋回させて手元鏡95を手前側に引き出し、
使用後は第７図に示すように、固定部材96aと保持部材9
6bを折り畳んで収納する。

このように、ホルダ取付け用バー92に器具ホルダ93,9
6によって取り付けたドライヤー94や手元鏡95の位置や
姿勢を変えることによって、髪の乾燥や化粧直し等を楽
に行うことができる。たとえば、ドライヤー94は器具ホ
ルダ93によってその高さや姿勢が変わるので、手にドラ
イヤー94を持つことなく髪を乾かすことができる。無
論、ドライヤー94は器具ホルダ93に着脱できるので、必
要なときは手で持って使うこともできる。また、手元鏡
95も同様にその高さや姿勢を変えることができるので、
楽な姿勢で化粧直し等が行える。

また、ホルダ取付け用バー92は扉91を開けた状態で動
かすようにしているので、ホルダ取付け用バー92を動か
す際にサイドキャビネット９内の収納物品の有無に関係
なくホルダ取付け用バー92を動かすことができ、また、
サイドキャビネット９の物品収納容量への影響も僅かで
ある。

第８図は本考案の第４の実施例における洗面化粧台ユ
ニットの使用状態における要部を示す斜視図である。

本実施例は、サイドキャビネット10の側板101の外側
に、ホルダ取付け用バー102を縦方向の姿勢でサイドキ
ャビネット10の奥行き方向に移動可能に取り付け、この
ホルダ取付け用バー102に器具ホルダ103を上下動及び旋
回可能に取り付けたものである。側板101へのホルダ取
付け用バー102の取付け方法及びホルダ取付け用バー102
への器具ホルダ103の取付けと固定の方法は、第２の実
施例の場合と同様であり、また、ドライヤー104の使い
方も第２の実施例の場合と同様である。

本実施例の場合は、ホルダ取付け用バー102をサイド
キャビネット10の側板101の外側に取り付けているの
で、サイドキャビネット10の物品の収納に対してなんら
影響はない。

〔考案の効果〕

本考案では、たとえばキャビネットの構成部材の一つ
である側板の内壁等にバーを縦向きに取り付けて外に繰
り出せるようにし、このバーに器具ホルダを上下に移動
できるように取り付けたことによって、器具ホルダにセ
ットしたドライヤ等の器具を手元に近い位置で簡単に取
り扱うことができるほか、そのまま器具を掛けたままで
使うことができ、使い勝手の向上が図れる。

また、バーは側板の内壁に沿う位置に配置されていて
固定手段は外に繰り出したときにこれを取り扱えるよう
にしているので、固定手段をキャビネットの中に納めた
ときには固定手段が側壁に近寄った位置であって手を掛
けられない配置としても支障がない。このため、固定手
段が嵩の張るものであっても、側板に沿ってこれを納め
ることができるので、キャビネットの内部の収納空間に
対する干渉も抑えられ、品物の収納に影響を及ぼすこと
もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例における洗面化粧台ユニ
ットのサイドキャビネットを示す斜視図、第２図はホル
ダ取付け用バーの取付け構造を示す一部切欠き部分拡大
図、第３図は洗面化粧台ユニットの全体構成を示す斜視
図である。第４図は本考案の第２の実施例における洗面
化粧台ユニットの使用状態における要部を示す斜視図、
第５図はサイドキャビネットを洗面化粧台ユニットの正
面側から見た図である。第６図は本考案の第３の実施例
における洗面化粧台ユニットの使用状態における要部を
示す斜視図、第７図はサイドキャビネットの扉の裏面図
である。第８図は本考案の第４の実施例における洗面化
粧台ユニットの使用状態における要部を示す斜視図であ
る。 1:洗面化粧台 2,8,9,21,22:サイドキャビネト 3:ウォールキャビネット 4,82,92,102:ホルダ取付け用バー 5,83,93,96,103:器具ホルダ 6:ドライヤーユニット、7:電源コード 11:カウンター、12:洗面器 13:吐水ヘッド、14:湯水混合栓 15:化粧鏡、16:収納部 17:照明具、18:フロアキャビネット 23,81,101:側板、24,91:扉 25:棚板、41,42:摺動用バー 43,44,48:取付け具、45:ストッパ 46:摺動部、47:溝 51,52:締付け具、61:操作パネル 62:ドライヤー本体、63:蛇腹ホース 64:ノズル、84,94,104:ドライヤー 95:手元鏡、96a:固定部材 96b:保持部材、96c:ヒンジ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧鏡の側方にサイドキャビネットを設
   け、このサイドキャビネットの一部であって縦方向に展
   開する面を形成した構成部材に、縦向きの姿勢としたバ
   ーを構成部材の展開する面に沿って外側まで繰り出し可
   能に連接すると共にこのバーには器具ホルダを縦方向に
   移動可能に取り付け、更に器具ホルダには、構成部材か
   ら外側に離れた位置で操作可能であって前記バーを拘束
   して器具ホルダ自身を固定するための固定手段を備えて
   なる化粧台ユニット。