JP2528456B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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JP2528456B2
JP2528456B2 JP62037439A JP3743987A JP2528456B2 JP 2528456 B2 JP2528456 B2 JP 2528456B2 JP 62037439 A JP62037439 A JP 62037439A JP 3743987 A JP3743987 A JP 3743987A JP 2528456 B2 JP2528456 B2 JP 2528456B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アクセル操作子と機械的に非連結とされた
スロットル弁がアクセル操作子の操作に応じて開閉制御
される車両用駆動力制御装置に関する。
(従来の技術) 従来の車両用駆動力制御装置としては、例えば、特開
昭59−68537号公報に記載されている装置が知られてい
る。
この従来装置は、スリップ率が第2の基準スリップ率
より大きい時にはスロットル弁を所定角閉じ、第1の基
準スリップ率より小さい時にはスロットル弁を初期位置
に戻し、両基準スリップ率の範囲内にある時には、スロ
ットル開度をそのまま保持するという内容であった。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の車両用駆動力制御装
置にあっては、駆動輪スリップが発生した時には、一義
的な所定角だけスロットル弁を閉じ、スリップ抑制を行
なうようにしたものであった為、以下に述べるような問
題点があった。
例えば、駆動輪スリップが発生した時に、全開から全
閉までの最大スロットル開度だけスロットル弁を閉じる
場合であって、第18図実線に示すように、駆動輪スリッ
プの発生時にエンジン回転数が高い時には、駆動トルク
減少量ΔThが大きく、第18図点線に示すように、駆動輪
スリップの発生時に、エンジン回転数が低い時には、駆
動トルク減少量ΔTlが小さいという関係を示す。
尚、第18図の特性線図では、ギヤ位置一定で、スロット
ル弁の閉鎖速度が一定であるとする。
即ち、エンジン回転数が高い時には、負のトルク(エ
ンジンブレーキ)として得られる駆動トルク減少量ΔTh
が大き過ぎて過剰スリップ抑制となり、最適な駆動力制
御を望めないだけでなく、車両が急減速状態を示してド
ライバに違和感を与える。
また、スリップ抑制制御として、エンジン回転数が高い
時を基準にスロットル弁の閉鎖量を設定すると、駆動輪
スリップ発生時にエンジン回転数が低い場合に、駆動ト
ルク減少量が小さ過ぎて、十分なスリップ抑制がなされ
ず、駆動輪スリップが再発する恐れがある。
例えば、駆動輪スリップが発生した時に、全開から全
閉までの最スロットル開度だけスロットル弁を閉じる場
合であって、第19図実線に示すように、駆動輪スリップ
の発生時にギヤ位置が低速段(1速)の時には、駆動ト
ルク減少量ΔT1が大きく、第19図点線に示すように、駆
動輪スリップの発生時に、ギヤ位置が高速段(4速)の
時には、駆動トルク減少量ΔT4が小さいという関係を示
す。
尚、第19図の特性線図では、スロットル弁の閉鎖速度が
一定であるとする。
即ち、駆動輪スリップの発生時にギヤ位置が低速段で
ある時には、エンジン回転数が高い時と同様に、過剰ス
リップ抑制となり、最適な駆動力制御を望めないだけで
なく、車両が急減速状態を示してドライバに違和感を与
える。
また、スリップ抑制制御として、ギヤ位置が低速段であ
る時を基準にスロットル弁の閉鎖量を設定すると、駆動
輪スリップ発生時にギヤ位置が高速段の場合に、駆動ト
ルク減少量が小さ過ぎて、十分なスリップ抑制がなされ
ず、駆動輪スリップが再発する恐れがある。
これに対し、特開昭61−46725号公報には、駆動輪ス
リップの判断時、スロットル開度とエンジン回転数によ
り決まる一定のトルク変更量だけ低減し、同様に、駆動
輪スリップではないとの判断時、一定のトルク変更量だ
け増加させるスリップ防止技術が記載されている。
このスリップ防止技術によれば、駆動輪スリップ発生
時の車両状態にかかわらず、過不足のない駆動トルクの
減少量により安定したスリップ抑制を図ることができる
ものの、スリップ抑制制御を開始するスリップ判断しき
い値とスリップ抑制制御を解除するスリップ判断しきい
値とを同じスリップ判定レベルVTにより与えているた
め、スリップの発生状況がスリップ判定レベルVT付近の
時にはスリップ抑制とスリップ解除とを繰り返す制御ハ
ンチング状態となるのは勿論のこと、駆動スリップが収
束方向である時にもスリップ判定レベルVT以下にならな
いと駆動力を復帰させるリカバー制御が行なわれないこ
とで、スロットル開動作からエンジンが吹き上がり駆動
輪へ伝達されるまでの応答遅れにより、リカバー制御開
始直後の領域では駆動力が過度に落ち込み、スリップ抑
制解除後に十分な駆動力による加速走行を確保できない
という問題がある。
特に、リカバー制御において、スロットル全開復帰さ
せるのではなく、トルク増大量を制限して復帰させる場
合には、応答遅れ時間が長くなり、駆動力の落ち込みが
大きくなってしまう。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上述のような問題点を解決することを目的
としてなされたもので、この目的達成のために本発明で
は以下に述べる解決手段とした。
本発明の解決手段を、第1図に示すクレーム対応図に
より説明すると、 駆動輪速検出手段aから得られる車輪速度と車体速検
出手段bから得られる車体速度とによってタイヤ−路面
間のスリップ率を演算するスリップ率演算手段cと、 スロットル弁に実スロットル開度値を検出する実スロ
ットル開度値検出手段eと、 車両の駆動トルクを推定により検出する駆動トルク検出
手段fと、 駆動輪スリップが増大側が減少側かを判断する駆動輪
スリップ状況判断手段dと、 駆動輪スリップが増大側であり、前記スリップ率演算
値が第1設定スリップ率以上となった時は、その時の駆
動トルクに基づいてほぼ一定の駆動トルク低減量が得ら
れる目標開度値に設定するスリップ抑制目標開度値設定
手段hと、 スリップ抑制制御中において駆動輪スリップが減少側
となり、かつ、前記スリップ率演算値が第1設定スリッ
プ率より大きな第2設定スリップ率以下となった時に
は、その時の駆動トルクに基づいてほぼ一定の駆動トル
ク増大量が得られる目標開度値に設定するリカバー目標
開度値設定手段gと、 前記実スロットル開度値を前記目標スロットル開度値
に一致させる制御信号をスロットルアクチュエータiに
対して出力するスロットル弁開閉制御手段jと、 を備えていることを特徴とする手段とした。
(作用) 駆動輪スリップが発生するような走行時には、駆動輪
スリップ状況判断手段dによる判断で駆動輪スリップが
増大側であり、スリップ率演算手段cからのスリップ率
演算値が第1設定スリップ率以上となった時は、スリッ
プ抑制目標開度値設定手段hにおいて、駆動トルク検出
手段fにより検出されるその時の駆動トルクに基づいて
ほぼ一定の駆動トルク低減量が得られる目標開度値に設
定される。
そして、スロットル弁開閉制御手段jにおいて、実ス
ロットル開度値を設定された目標スロットル開度値に一
致させる制御信号がスロットルアクチュエータiに対し
て出力され、スロットル弁が目標スロットル開度値に相
当する位置まで閉鎖される。
従って、駆動輪スリップ発生時には、その時の駆動ト
ルクにかかわらず、過不足のないほぼ一定の駆動トルク
減少量が得られることになり、ドライバに対する違和感
がなく、安定したスリップ抑制制御を行なうことが出来
る。
上記スリップ抑制制御によりスリップが収束し始め、
駆動輪スリップ状況判断手段dによる駆動輪スリップが
減少側となり、かつ、スリップ率演算手段cからのスリ
ップ率演算値が第1設定スリップ率より大きな第2設定
スリップ率以下となった時には、リカバー目標開度値設
定手段gにおいて、駆動トルク検出手段fにより検出さ
れるその時の駆動トルクに基づいてほぼ一定の駆動トル
ク増大量が得られる目標開度値が設定される。
そして、スロットル弁開閉制御手段jにおいて、実ス
ロットル開度値を設定された目標スロットル開度値に一
致させる制御信号がスロットルアクチュエータiに対し
て出力され、スロットル弁が目標スロットル開度値に相
当する位置まで開かれる。
従って、スリップ抑制制御開始条件である第1設定ス
リップ率より大きな第2設定スリップ率をスリップ抑制
制御解除条件とする逆ヒステリシスにより、早期にスロ
ットル弁を開いて駆動力を回復させるようにしているた
め、スリップ抑制制御の解除後に十分な駆動力による走
行が確保される。
また、このリカバー制御において、その時の駆動トル
クに基づいてほぼ一定の駆動トルク増大量を得るように
しているため、再スリップを抑えながら、スリップ抑制
後の加速性が確保される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
尚、この実施例を述べるにあたって、後輪駆動車に適
用した駆動力制御装置を例にとる。
まず、第1実施例の構成を説明する。
第1実施例の駆動力制御装置A1が適用される後輪駆動
車のパワートレーンPは、第2図に示すように、エンジ
ン10、トランスミッション11、プロペラシャフト12、リ
ヤディファレンシャル13、リヤドライブシャフト14,1
5、後輪16,17を備えている。
前輪18,19は非駆動輪である。
第1実施例の駆動力制御装置A1は、アクセル操作子で
あるアクセルペダル20と、前記エンジン10の吸気系であ
るスロットルチャンバ21に設けられるスロットル弁22と
を機械的に非連結とし、アクセルコントロールワイヤ等
の機械的な連結手段に代えてアクセルペダル20とスロッ
トル弁22との間に設けられる制御装置で、入力センサと
して、後輪回転数センサ30、右前輪回転数センサ31、左
前輪回転数センサ32、アクセルポテンショメータ33、エ
ンジン回転数センサ36を備え、演算処理手段として、ス
ロットル弁制御回路34を備え、スロットルアクチュエー
タとして、ステップモータ35を備えている。
前記後輪回転数センサ30は、駆動輪速の検出手段で、
前記リヤディファレンシャル13の入力軸部に設けられ、
後輪回転速度VRに応じた後輪回転信号(vr)を出力す
る。
尚、後輪回転数センサ30としては光感知センサや磁気感
知センサ等が用いられ、後輪回転信号(vr)としてパル
ス信号が出力される場合には、スロットル弁制御回路34
内の入力インタフェース回路341において、F/Vコンバー
タでパルス信号の周波数に応じた電圧に変換され、さら
にA/Dコンバータで電圧値がデジタル値に変換され、CPU
342やメモリ343に読み込まれる。
前記右前輪回転数センサ31及び左前輪回転数センサ32
は、車体速の検出手段で、前記前輪18,19のそれぞれの
アクスル部に設けられ、右前輪回転速度VFR及び左前輪
回転速度VFLに応じた右前輪回転信号(vfr)及び左前輪
回転信号(vfl)を出力する。
尚、両前輪回転数センサ31,32からの出力信号をスロッ
トル弁制御回路34のCPU342で読み込むための信号変換
は、前記後輪回転数センサ30と同様になされる。
前記アクセルポテンショメータ33は、絶対アクセル操
作量lの検出手段で、前記アクセルペダル20の位置に設
けられ、絶対アクセル操作量lに応じた絶対アクセル操
作量信号(l)を出力する。
尚、このアクセルポテンショメータ33からの出力信号
は、電圧値によるアナログ信号であるため、入力インタ
フェース回路341のA/Dコンバータにてデジタル値に変換
され、CPU342やメモリ343に読み込まれる。
前記エンジン回転数センサ36(駆動トルク検出手段)
は、車両の駆動トルクを推定するためのエンジン回転数
Neを検出する手段で、エンジン回転数Neに応じたエンジ
ン回転数信号(ne)が出力される。
前記スロットル弁制御回路34は、前記入力センサから
の入力情報や、メモリ343に一時的あるいは予め記憶さ
れている情報を、所定の演算処理手順に従って処理し、
スロットルアクチュエータであるステップモータ35に対
しパルス制御信号(c)を出力するマイクロコンピュー
タを中心とする電子回路で、内部回路として、入力イン
タフェース回路341、CPU(セントラル・プロセシング・
ユニット)342、メモリ(RAM,ROM)343、出力インタフ
ェース回路344を備えている。
このスロットル弁制御回路34のメモリ343には、第3
図に示すように、絶対アクセル操作量lに対するスロッ
トル開度θの領域制御特性マップが設定されている。
また、メモリ343には、第4図に示すように、相対ア
クセル操作量Δlに対するスロットル開度変化量Δθと
の関係特性が三次曲線的な特性として設定されている。
前記スロットル弁制御回路34には、特許請求の範囲で
述べたステップ率演算手段、実スロットル開度値検出手
段、駆動輪ステップ状況判断手段、スリップ抑制目標開
度値設定手段、リカバー目標開度値設定手段、スロット
ル弁開閉制御手段が含まれている。
尚、前記実スロットル開度値検出手段は、スロットル弁
制御回路34のCPU342から出力インタフェース回路344へ
のSTEP指令信号を同時にメモリ343で受け、このメモリ3
43でSTEP数を書込みカウントする内部回路構成の手段で
あり、CPU342からの読み出し指令に従って実スロットル
開度値θoが随時CPU342へ読み出される。
前記ステップモータ35は、前記スロットル弁22を開閉
作動させるアクチュエータで、回転子と励磁巻線を有す
る複数の固定子とを備え、励磁巻線へのパルスの与え方
で正転方向及び逆転方向に1ステップずつ回転する。
次に、実施例の作用を説明する。
まず、CPU342におけるスロットル弁開閉制御作動の流
れを、第5図に示すメインルーチンのフローチャート図
と第6図に示すサブルーチンのフローチャート図とによ
って述べる。
尚、第5図のメインルーチンでの処理は、図示していな
いオペレーティングシステムにより所定周期(例えば20
msec)で起動される定時間割り込み処理であり、第6図
のサブルーチンでの処理は、この定時間割り込みにより
決定されるステップモータ35への信号出力周期に応じて
メインルーチン内で適宜起動されるoci(アウトプット
・コンペア・インタラプト)割り込み処理である。
(イ)初期設定 第5図に示すメインルーチンは、キーシリンダへエン
ジンキーを差し込み、イグニッションスイッチをOFFか
らONに切り換えた時点から起動が開始され、第1回目の
処理作動時には、最初かどうかの判断がなされ(ステッ
プ100)、次のイニシャライズステップ101に進む。
このイニシャライズステップ101では、MAPFLGをMAPFLG
=0に設定すると共に、他のFLGや基準値loo,θoo等の
情報を全てクリアにする。
(ロ)スリップ率演算処理 タイヤ−路面間のスリップ率Sの演算処理は、ステッ
プ102〜ステップ107で行なわれる。
まず、各回転数センサ30,31,32からの入力信号に基づ
いて後輪回転速度VR,右前輪回転速度VFR,左前輪回転
速度VFLが読み込まれ(ステップ102)、次に前輪回転速
度VFが演算される(ステップ103)。
尚、前輪回転速度VFの演算式は、 であり、平均値により求めている。
次に、駆動輪である後輪回転速度VRが40km/h以上かどう
かが判断され(ステップ104)、VR≧40(km/h)の場合
にはステップ105へ進み、このステップ105においてスリ
ップ率Sが演算される。
尚、スリップ率Sの演算式は、 である。
また、前記ステップ104でVR<40(km/h)と判断された
場合には、前後輪回転速度差ΔV(=VR−VF)が演算さ
れ(ステップ106)、演算により求められた前後輪回転
速度ΔVに応じてスリップ率Sが設定される(ステップ
107)。
従って、前記ステップ105またはステップ107で得られ
たスリップ率Sは、グラフにあらわすと、第7図に示す
ようになり、このスリップ率Sが以下の制御作動で各設
定スリップ率S0,S1,S2,S3,Sc,と比較する場合のし
きい値となる。
(ハ)車両加速度演算処理 車両加速度の演算処理は、ステップ108及びステッ
プ109で行なわれる。
まず、ステップ108は過去に演算された前輪回転速度V
FをVFOとしてセットするステップであり、ステップ109
では車両加速度が今回算出された前輪回転速度VFから
過去の前輪回転速度VFOを差し引くことで得られる。
尚、メインルーチンの起動は定時間で行なわれる為、回
転速度差は一定時間当たりの速度変化量、即ち、車両加
速度となる。
(ニ)駆動輪速変化量演算処理 駆動輪速変化量Rは、ステップ250において、今回の
後輪回転速度VRから前回の起動時に読み込まれた後輪速
度VR-1を差し引くことで、メインルーチンの起動周期当
たりの後輪回転速度変化量として求められることにな
る。
(ホ)制御情報の設定処理 後述するマップ選択処理やアクセルワーク判別処理で
用いられる制御情報の設定処理は、ステップ150〜ステ
ップ154で行なわれる。
まず、2周期前の処理においてサンプリングされ、1
周期前の処理において前回絶対アクセル操作量l1として
取り扱われたアクセルペダル踏み込み量が、前々回絶対
アクセル操作量l2としてセットされる(ステップ15
0)。
また、1周期前の処理においてサンプリングされ、今回
絶対アクセル操作量l0として取り扱われたアクセルペダ
ル踏み込み量が、前回絶対アクセル操作量l1としてセッ
トされる(ステップ151)。
次に、現在のアクセルペダル踏み込み量が、今回絶対ア
クセル操作量l0として、また、現在のスロットル弁開度
が実スロットル開度値θ0として、さらに、エンジン回
転数Neが読み込まれる(ステップ152)。
次いで、セット済みの今回絶対アクセル操作量l0から前
回絶対アクセル操作量l1が差し引かれることにより、1
周期前の処理時からのアクセルペダル踏み込み量の変化
量である今回相対アクセル操作量ΔLoが算出され(ステ
ップ153)、また、前回絶対アクセル操作量l1から前々
回絶対アクセル操作量l2が差し引かれることにより2周
期前の処理時から1周期前の処理時までに変化したアク
セルペダル踏み込み量の変化量である前回相対アクセル
操作量ΔL1が算出される(ステップ154)。
(ヘ)アクセルワーク判別処理 アクセルワーク判別処理は、相対アクセル操作量ΔL
を求める基準を定速走行アクセル操作時としていること
で、定速走行アクセル操作時であるか否かを判別するた
めに、前記ステップ150〜ステップ154で得られた情報に
基づいてステップ155〜159で行なわれる処理である。
まず、アクセルワークの判断論理は、前回相対アクセ
ル操作量ΔL1と今回相対アクセル操作量ΔL0を用いて、
アクセルペダル20が2周期前の処理時から引き続いて踏
み込み方向への操作中であるとの加速アクセル操作判定
が行なわれた時(ステップ155で肯定的,ステップ156で
肯定的)、あるいは、引き続いて戻し操作中であるとの
減速アクセル操作判定が行なわれた時(ステップ155で
否定的,ステップ157で否定的)には、次のステップ160
へ進む。
また、アクセルペダル20が停止操作されてその位置に保
持された場合(ステップ155で否定的,ステップ157で肯
定的)、アクセルペダル20の操作方向が踏み方向から戻
し方向へ切り替わった場合(ステップ155で肯定的,ス
テップ156で否定的)、あるいはその逆に切り替わった
場合(ステップ155で否定的,ステップ157で肯定的)に
は、アクセルペダル踏み込み量の変化量が0を含む増加
から0を含む減少または減少から増加に移行する定速走
行アクセル操作時と判定され、ステップ158へ進み、今
回絶対アクセル操作量l0がアクセル操作量基準値l00
してセットされ、さらにステップ159へ進み今回の実ス
ロットル開度値θがスロットル開度基準値θ00として
セットされる。
(ト)相対アクセルストローク演算処理 前述のアクセルワーク判別処理が行なわれた後は、ス
テップ160へ進み、相対アクセル操作量ΔLが演算され
る。
この相対アクセル操作量ΔLの演算式は、ΔL=l0−l
00であるため、加速アクセル操作時や減速アクセル操作
時には、最初に定速走行アクセル操作が行なわれた時か
ら今回絶対アクセル操作量l0までのアクセル操作変化量
として演算される。また、最初の定速走行アクセル操作
時には、ΔL=l00−l00となり相対アクセル操作量ΔL
はゼロとなる。
(チ)スロットル開度変化量演算 ステップ170では、ステップ160により求められた相対
アクセル操作量ΔLと、第4図に示すΔL−Δθ特性線
図とによってスロットル開度変化量Δθが演算される。
(リ)目標スロットル開度値設定処理 前記スロットル開度基準値θ00と前記ステップ170で
演算されたスロットル開度変化量Δθとによって得られ
る仮目標スロットル開度値θθと、予め設定されている
領域制御特性マップと今回絶対アクセル操作量l0(また
は、アクセル操作量基準値l00)によって求められるス
ロットル開度上限値θMAX及びスロットル開度下限値θ
MINとを比較して目標スロットル開度値θを設定する
処理は、ステップ180〜ステップ185で行なわれる。
まず、仮目標スロットル開度値θθは、ステップ180
でスロットル開度基準値θ00とスロットル開度変化量Δ
θとを加算する演算式、θθ=θ00+Δθで求められ
る。
この仮目標スロットル開度値θθとスロットル開度上
限値θMAX及びスロットル開度下限値θMINとの比較処理
は、まず仮目標スロットル開度値θθがスロットル開度
上限値θMAX以上かどうかが判断され(ステップ181)、
θθ>θMAXの場合にはスロットル開度上限値θMAXが目
標スロットル開度値θとして設定される(ステップ18
2)。また、θθ≦θMAXの場合には仮目標スロットル開
度値θθがスロットル開度下限値θMIN以下かどうかが
判断され(ステップ183)、θθ<θMINの場合にはスロ
ットル開度値θとして設定される(ステップ184)。
また、θMIN≦θθ≦θMAXの場合には、仮目標スロット
ル開度値θθがそのまま目標スロットル開度値θとし
て設定される(ステップ185)。
即ち、目標スロットル開度値θは、領域制御特性マ
ップの領域内に存在する値として設定される。
(ヌ)スリップ抑制目標開度設定処理 駆動輪スリップの発生がない通常の目標スロットル開
度値θは、前述のステップ180〜185による処理で設定
されるが、過大な駆動輪スリップの発生が予測される場
合には、その時のエンジン回転数Neによって最適(過不
足のない)駆動力を得るべくスロットル開度を全閉ある
いは全閉の近傍にする処理がステップ251〜259で行なわ
れる。
まず、駆動輪速度変化量RR≧0かどうかが判断
され(ステップ251)、駆動輪スリップが増大している
R≧0の時にはスリップ抑制制御開始条件であるスリ
ップ率Sが設定値Sc(例えばSc=0.2)を越えているか
どうかが判断される(ステップ252)。
S≦Scの場合にはそのままステップ200へ進むが、S>S
cの場合にはステップ253へ進み、スリップ抑制制御解除
条件であるスリップ率Sが設定値S3(例えばS3=0.3)
を越えているかどうかが判断され、S≦S3の場合には次
のステップ254へ進む。
尚、ステップ253でS>S3と判断された場合には、過大
スリップの発生とみなして目標スロットル開度値θ
ゼロに設定される。
ステップ254では、読み込まれたエンジン回転数Neに応
じたスロットル閉鎖開度θαが検索される。また、次の
ステップ255では、絶対アクセル操作量l0に応じたスロ
ットル規制開度θ′αが検索される。
ステップ256では、前記ステップ254及びステップ255で
得られた値のうち小さい方の値を選択し、選択された値
が目標スロットル開度値θとして設定される。
ステップ257では、スリップ抑制制御であることを示すF
LAG・C=1にセットされる。
(ル)リカバー目標開度値設定処理 前述のスリップ抑制目標開度値設定処理が行なわれた
後であって、駆動輪スリップが減少側であるR<0で
ある時には、スロットル復帰制御のためのリカバー目標
開度値設定処理がステップ259〜266で行なわれる。
駆動輪スリップが減少側であるR<0である時に
は、ステップ251からステップ259へ進み、スリップ抑制
制御解除条件であるS=S3が判断され、R<0でS=S
3の解除条件を満足すると、ステップ260へ進み、FLAG・
Cが0か1かの判断がなされ、FLAG・C=0の時はスロ
ットル復帰制御が終了しているためにステップ200へ進
み、FLAG・C=1の時はステップ261〜266のスロットル
復帰制御が行なわれる。
ステップ261では、エンジン回転数Neに対するスロット
ル復帰開度θβが検索される。ステップ262では、絶対
アクセル操作量l0に対するスロットル規制開度θ′βが
検索される。
ステップ263では、前記ステップで検索されたθβと
θ′βの値のうち小さい方を選択し、選択された値が目
標スロットル開度値θとして設定される。
次のステップ264及びステップ265では、今回絶対アクセ
ル操作量l0がアクセル操作量基準値l00に、目標スロッ
トル開度値θがスロットル開度基準値θ00にセットさ
れ、基準値の更新がなされる。そして、次のステップ26
6ではFLAG・C=0にセットされる。
(ヲ)スロットル弁開閉制御処理 前述の目標スロットル開度値設定処理によって目標ス
ロットル開度値θが決まったら、実スロットル開度値
θを目標スロットル開度値θに一致させる方向にス
ロットル弁22を作動させる処理が第5図のメインルーチ
ンでのステップ200〜202と、第6図のサブルーチンでの
ステップ300〜304で行なわれる。
まず、偏差εが目標スロットル開度値θから実スロ
ットル開度値θを差し引くことで演算され(ステップ
200)、この演算により得られた偏差εに基づいてステ
ップモータ35のモータスピードの算出,正転,逆転,保
持の判断,さらにはoci割り込みルーチンの起動周期が
求められ(ステップ201)、このステップ201で設定され
たステップモータ35の作動制御内容に従ってoci割り込
みルーチン(第6図)が起動される(ステップ202)。
次に、第6図によりoci割り込みルーチンのフローチ
ャート図について述べる。
まず、ステップモータ35の状態をそのまま保持する保
持指令出力時かどうかの判断がなされ(ステップ30
0)、保持指令が出力されている時にはステップモータ3
5の固定子側励磁状態を保持する(ステップ301)。
また、保持指令出力時以外の場合は、ステップモータ35
を逆転させる逆転指令出力時かどうかの判断がなされ
(ステップ302)、逆転指令が出力されている時には、S
TEPをSTEP−1にセットし(ステップ303)、STEP−1が
得られるパルス信号をステップモータ35に出力する(ス
テップ301)。さらに、ステップモータ35を正転させる
正転指令出力時には、STEPをSTEP+1にセットし(ステ
ップ304)、STEP+1が得られるパルス信号をステップ
モータ35に出力する(ステップ301)。
尚、このoci割り込みルーチンは、前記ステップ201で設
定された起動周期に従ってメインルーチンの起動周期内
で繰り返される。
次に、第8図〜第11図により雪路や氷路等の低摩擦係
数路での走行時におけるスリップ抑制制御及びリカバー
制御について説明する。
まず、エンジン回転数Neに対するエンジン軸トルク特
性は、第8図に示すような特性を示し、エンジン回転数
Neが高まるに従って全閉時の負のトルク(エンジンブレ
ーキ)が増大する関係にある。
この為、スリップ抑制制御において、全エンジン回転数
Neの領域で一定の駆動トルク減少量を得るために、第9
図に示すように、全閉時のトルク特性に合わせて、エン
ジン回転数Neが高まるに従ってスロットル閉鎖開度θα
を高く設定、即ち、低エンジン回転数E1sの時はほぼ全
閉のθ1sまで、中エンジン回転数E2sの時はθ2sまで、
高エンジン回転数E3 sの時はθ3 sまで、所定のスロット
ル開度θsから閉鎖するように設定されている。
また、スリップ抑制制御後のリカバー制御において、全
エンジン回転数Neの領域で一定の駆動トルク増大量を得
るために、第10図に示すように、全開時のトルク特性に
合わせて、エンジン回転数Neが高まるに従ってスロット
ル復帰開度θβを低く設定、即ち、低エンジン回転数E
1Rの時はθ1Rまで、中エンジン回転数E2Rの時はθ2R
で、高エンジン回転数E3 Rの時はθ3 Rまで、スリップ抑
制制御における各スロットル開度θ1s,θ2s,θ3 sから
開放するように設定されている。
従って、第11図のタイムチャート図に示すように、低
摩擦係数路での走行時には、スリップ発生時のエンジン
回転数Neに応じて一定の駆動トルク減少量が得られるス
ロットル閉鎖量でスリップ抑制制御が行なわれ、スリッ
プ時の駆動トルク減少量を過不足なく得られスリップ収
束性が高いと共に、スリップ抑制時のエンジン回転数Ne
に応じて一定の駆動トルク増大量が得られるスロットル
開放量でリカバー制御が行なわれ、再スリップを生じる
ことなく、スリップ抑制後の加速性が確保される。
尚、スリップ抑制後の加速性に関しては、例えば、スリ
ップ抑制制御を常に全閉制御で行なう場合には、スリッ
プが収まった後、再び加速する際に、スロットル弁を全
閉から開くのに応答遅れがあり、エンジンの吹き上り応
答遅れと併せて加速性が損なわれるし、また、復帰開度
をスリップが発生した開度までにすると、再スリップを
生じてしまう。
以上説明してきたように、第1実施例の駆動力制御装
置にあっては、以下に列挙するような効果が得られる。
設定されているl−θ制御特性マップが領域制御特性
マップであり、スロットル開度θの開閉制御は、定速走
行操作時の絶対アクセル操作量lを基準とした相対アク
セル操作量ΔLに基づいて行なわれるものであるため、
マップ領域内ではスロットル弁22の開閉制御ゲインがア
クセルワークに従って得られることになり、良好な車両
の加速性確保と、定速走行操作時の大きな車速変化防止
を両立できる。
ΔL−Δθ特性は、第4図に示すように、三次曲線的
な特性としているために、アクセル微量踏み込み時のギ
クシャク感が防止されるし、多めに踏み込んだ時の高い
加速性の確保が達成される。
スリップ率Sは、第7図に示すように、低車体速時に
は前後輪回転速度差ΔVによってスリップ率Sを求める
ようにしているため、わずかな前後輪回転速度差ΔVで
スリップ率Sが変化する低車体速時に、高検出精度や高
演算精度が要求されず、高い精度のスリップSの演算値
が得られ、スリップ抑制制御やリカバー制御等のスリッ
プ率Sに基づいて行なわれる制御精度を高めることが出
来る。
スロットル弁22のスリップ抑制制御開始条件(S>S
c)とスリップ抑制制御解除条件(S≦S3)とでは、Sc
<S3とし、逆ヒステリシスをもたせて早期にスロットル
弁22を開くようにしている為、駆動力の過度の落ち込み
が防止され、スロットル弁22によるスリップ抑制制御の
解除後に十分な駆動力による走行が確保される。
スリップ抑制制御においては、スリップ発生時のエン
ジン回転数Neに応じて一定の駆動トルク減少量が得られ
るスロットル閉鎖開度θαまでのスロットル弁22の閉作
動により行なわれる為、スリップ時の駆動トルク減少量
が過不足なく得られ、過大抑制や再スリップが発生する
ことなく、高いスリップ収束性を示す。
リカバー制御においては、スリップ抑制時のエンジン
回転数Neに応じて一定の駆動トルク増大量が得られるス
ロットル復帰開度θβまでのスロットル弁22の開作動に
より行なわれる為、再スリップを抑えながら、スリップ
抑制後の加速性を確保出来る。
次に、第12図〜第17図に示す第2実施例について説明
する。
この第2実施例は、第1実施例が駆動トルクをエンジ
ン回転数Neにより推定したのに対し、ギヤ位置により推
定するようにした例である。
具体的には、第12図に示すように、エンジン回転数セ
ンサ36に代えてギヤ位置センサ37が設けられている。
尚、他の構成は第1実施例と同様であるので説明を省略
する。
また、メインルーチンを示すフローチャート図(第13
図)では、第1実施例に比べてステップ267とステップ2
68とが異なっているだけであり、ステップ267では、ギ
ヤ位置Gpに応じたスロットル閉鎖開度θαが検索され、
ステップ268では、ギヤ位置Gpに応じたスロットル復帰
開度θβが検索される。
次に、第14図〜第17図により雪路や氷路等の低摩擦係
数路での走行時におけるスリップ抑制制御及びリカバー
制御について説明する。
まず、エンジン回転数Ne及びギヤ位置に対するエンジ
ン軸トルク特性は、第14図に示すような特性を示し、ギ
ヤ位置Gpが1速等の低速段位置にある程、スロットル開
度の変化量に対する駆動トルクの増減幅が大きく、4速
等の高速段位置にある程、スロットル開度の変化量に対
する駆動トルクの増減幅が小さいという関係にある。
この為、スリップ抑制制御において、全ギヤ位置Gpでほ
ぼ一定の駆動トルク減少量を得るために、第15図に示す
ように、所定開度θsからのスロットル閉鎖量を低速段
側で小さく、高速段側で大きく設定、即ち、1速位置の
時はθ1sまで、2速位置の時はθ2sまで、3速位置の時
はθ3 sまで、所定のスロットル開度θsから閉鎖するよ
うに設定されている。
また、スリップ抑制制御後のリカバー制御において、全
ギヤ位置Gpでほぼ一定の駆動トルク増大量(ギヤ比×エ
ンジントルク増大量)を得るために、第16図に示すよう
に、スリップ抑制制御におけるスロットル開度位置から
のスロットル開放量を低速段側で小さく、高速段側で大
きく設定、即ち、1速位置の時はθ1Rまで、2速位置の
時はθ2Rまで、3速位置の時はθ3 Rまで、各スロットル
開度θ1s,θ2s,θ3 sから開放するように設定されてい
る。
従って、第17図のタイムチャート図に示すように、低
摩擦係数路での走行時には、スリップ発生時のギヤ位置
Gpに応じて一定の駆動トルク減少量が得られるスロット
ル閉鎖量でスリップ抑制制御が行なわれ、スリップ時の
駆動トルク減少量を過不足なく得られスリップ収束性が
高いと共に、スリップ抑制時のギヤ位置Gpに応じて一定
の駆動トルク増大量が得られるスロットル開放量でリカ
バー制御が行なわれ、再スリップを生じることなく、ス
リップ抑制後の加速性が確保される。
以上説明してきたように、第2実施例の駆動力制御装
置にあっては、スリップ発生時及びスリップ抑制時の駆
動トルクの判断をギヤ位置Gpによって行なっている点が
相違するだけで、第1実施例と同様な効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、実施例では上限及び下限を有する領域制御特
性マップを複数設定した例を示したが、直線や折れ線や
曲線等による線型制御特性マップでもよいし、また、上
限のみを有する領域制御特性マップでもよい。
また、実施例では、駆動トルク検出手段として、エン
ジン回転数センサ及びギヤ位置センサの例を示したが、
スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段やエ
ンジン回転数とギヤ位置とを組み合わせて駆動トルクを
求めるような検出手段等を用いてもよい。
また、実施例では、過度の駆動輪スリップ発生時に
は、スロットル弁を全閉にする全閉制御を行なう例を示
したが、燃料供給制御や点火時期制御やブレーキ制御等
の他の駆動力制御と併用するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明にあっては、駆動輪
スリップ発生時にスロットル弁を閉じ方向に動作させて
の駆動トルク減少により駆動輪スリップを抑制する車両
用駆動力制御装置において、駆動輪スリップが増大側か
減少側かを判断する駆動輪スリップ状況判断手段と、駆
動輪スリップが増大側であり、スリップ率演算値が第1
設定スリップ率以上となった時は、その時の駆動トルク
に基づいてほぼ一定の駆動トルク低減量が得られる目標
開度値に設定するスリップ抑制目標開度値設定手段と、
スリップ抑制制御中において駆動輪スリップが減少側と
なり、かつ、スリップ率演算値が第1設定スリップ率よ
り大きな第2設定スリップ率以下となった時には、その
時の駆動トルクに基づいてほぼ一定の駆動トルク増大量
が得られる目標開度値に設定するリカバー目標開度値設
定手段と、を設けた構成とした為、スリップ発生時の車
両状態にかかわらず、過不足のない駆動トルクの減少量
により安定したスリップ抑制を図ることが出来ると共
に、逆ヒステリシスによるリカバー制御により駆動力の
過度の落ち込みを防止し、しかも、過不足のない駆動ト
ルクの増大量により再スリップを抑えながらスリップ抑
制後の加速性を確保することが出来るという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両用駆動力制御装置を示すクレーム
対応図、第2図は本発明第1実施例の駆動力制御装置を
示す全体図、第3図は第1実施例装置のスロットル弁制
御回路に設定されている領域制御特性マップ図、第4図
は第1実施例装置のスロットル弁制御回路に設定されて
いる相対アクセル操作量−スロットル開度変化量の関係
特性図、第5図は第1実施例のスロットル弁制御回路で
の制御作動のメインルーチンを示すフローチャート図、
第6図は第1実施例のスロットル弁制御回路での制御作
動のサブルーチンを示すフローチャート図、第7図は第
1実施例装置でのスリップ率しきい値特性図、第8図は
エンジン回転数に対するスロットル全開時及び全閉時の
軸トルク特性図、第9図はエンジン回転数に対するスロ
ットル閉鎖開度特性図、第10図はエンジン回転数に対す
るスロットル復帰開度特性図、第11図は低摩擦係数路走
行時におけるタイムチャート図、第12図は第2実施例の
駆動力制御装置を示す全体図、第13図は第2実施例のス
ロットル弁制御回路での制御作動のメインルーチンを示
すフローチャート図、第14図はエンジン回転数に対する
各ギヤ位置での軸トルク特性図、第15図はギヤ位置に対
するスロットル閉鎖開度特性図、第16図はギヤ位置に対
するスロットル復帰開度特性図、第17図は低摩擦係数路
走行時におけるタイムチャート図、第18図はエンジン回
転数に対するスロットル全開時及び全閉時の軸トルク特
性図、第19図はエンジン回転数に対する各ギヤ位置での
軸トルク特性図である。 a…駆動輪速検出手段 b…車体速検出手段 c…スリップ率演算手段 d…駆動輪スリップ状況判断手段 e…実スロットル開度値検出手段 f…駆動トルク検出手段 g…リカバー目標開度値設定手段 h…スリップ抑制目標開度値設定手段 i…スロットルアクチュエータ j…スロットル弁開閉制御手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪速検出手段から得られる車輪速度と
    車体速検出手段から得られる車体速度とによってタイヤ
    ー路面間のスリップ率を演算するスリップ率演算手段
    と、スロットル弁の実スロットル開度値を検出する実ス
    ロットル開度値検出手段と、 車両の駆動トルクを推定により検出する駆動トルク検出
    手段と、 駆動輪スリップが増大側か減少側かを判断する駆動輪ス
    リップ状況判断手段と、 駆動輪スリップが増大側であり、前記スリップ率演算値
    が第1設定スリップ率以上となった時は、その時の駆動
    トルクに基づいてほぼ一定の駆動トルク低減量が得られ
    る目標開度値に設定するスリップ抑制目標開度値設定手
    段と、 スリップ抑制制御中において駆動輪スリップが減少側と
    なり、かつ、前記スリップ率演算値が第1設定スリップ
    率より大きな第2設定スリップ率以下となった時には、
    その時の駆動トルクに基づいてほぼ一定の駆動トルク増
    大量が得られる目標開度値に設定するリカバー目標開度
    値設定手段と、 前記実スロットル開度値を前記目標スロットル開度値に
    一致させる制御信号をスロットルアクチュエータに対し
    て出力するスロットル弁開閉制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両用駆動力制御装置。
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