JP2578872B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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JP2578872B2
JP2578872B2 JP63007836A JP783688A JP2578872B2 JP 2578872 B2 JP2578872 B2 JP 2578872B2 JP 63007836 A JP63007836 A JP 63007836A JP 783688 A JP783688 A JP 783688A JP 2578872 B2 JP2578872 B2 JP 2578872B2
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アクセル操作子と機械的に非連結とされた
スロットル弁がアクセル操作子の操作に応じて開閉制御
される車両用駆動力制御装置に関する。
(従来の技術) 従来の車両用駆動力制御装置としては、例えば、特開
昭60−43133号公報に記載されている装置が知られてい
る。
この従来装置は、アクセルペダル位置に応じて、エン
ジンへの燃料供給量を変化させてエンジン出力を制御す
る自動車のエンジン出力制御装置において、駆動輪回転
数検出手段、非駆動輪回転数検出手段、両検出手段出力
からタイヤ−路面間の滑り率を演算する演算手段、演算
された滑り率と設定滑り率を比較する比較手段、演算さ
れた滑り率が大きい時に前記アクセルペダル位置に基づ
いた制御出力に優先して強制的にエンジンへの燃料供給
を減少させる信号を出力する滑り率制御手段を備えたこ
とを特徴とするものであった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の車両用駆動力制御装
置にあっては、設定スリップ率を越えた時にはエンジン
への燃料供給を減少させてスリップを回避し、スリップ
回避後は、そのままスリップ回避前の状態に復帰させる
制御を行なう為、スリップを回避した後に同様なスリッ
プが再度生じてしまうという課題があった。
また、駆動輪スリップが発生し易い低摩擦係数路での
走行時には、アクセル操作とは無関係にエンジンへの燃
料供給減少と燃料供給増大とが繰り返されるハンチング
状態となり、ガクガク振動を生起させる。
また、スリップ率が大きい時には、アクセルペダル位
置に基づいたスロットル開度制御に優先して強制的にエ
ンジン駆動力の制御がなされる為、スリップ防止制御時
にはアクセルペダル操作とエンジン駆動力との対応関係
がなくなり、アクセル操作違和感が生じる。
そこで、これらの課題を解決するべく本出願人は、先
に特願昭61−157389号の出願を行なった。
しかし、この先行出願では、スリップ率が設定スリッ
プ率を越えた時、その時点での制御特性マップに基づ
き、そのマップより下位のマップを選択する構成となっ
ていた為、スリップ率が小さい時にマップが上位に移行
し、その結果スリップ率が大きくなった場合、その時点
でのマップに基づき下位マップを選択するのは、エンジ
ンの応答遅れ等が考慮されなく不合理である。
即ち、現時点でのマップの持つ意味がないにもかかわ
らず、そのマップに基づいて新たなマップを選択するの
は、設定次第で加速不良あるいはスリップ再発を招く。
また、スリップの履歴により制御特性マップが最適値
に定まるものの、トランスミッションのギヤ比変化によ
るマップの補正がなされていない構成となっていた為、
シフトアップした時、その時の制御特性マップでは駆動
力不足となり、加速不良感を招く。特に、オートマチッ
クトランスミッション車では、シフトアップしたことを
ドライバーが感知しにくい為、アクセル操作量がそのま
ま保持されて駆動力不足となる。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述のような課題を解決することを目的と
してなされたもので、この目的達成のために本発明では
以下に述べる解決手段とした。
請求項1記載の解決手段を、第1図に示すクレーム対
応図により説明すると、駆動輪速検出手段aから得られ
る車輪速度と車体速度検出手段bから得られる車体速度
とによってタイヤ−路面間のスリップ率を演算するスリ
ップ率演算手段cと、 アクセル操作子に対するアクセル操作量を検出するア
クセル操作量検出手段dと、 トランスミッションのギヤ位置を検出するギヤ位置検
出手段eと、 スロットル弁の実スロットル開度値を検出する実スロ
ットル開度値検出手段fと、 アクセル操作量に対するスロットル開度の関係を、制
御特性マップとして複数設定させているマップ設定手段
gと、 前記スリップ率が設定スリップ率を下回っているとい
う条件と高速側ギヤ位置へのシフトアップという条件の
うち少なくとも一方の条件を満足する場合、現在の制御
特性マップよりアクセル操作量に対するスロットル開度
の増大比率を上げた上位の制御特性マップへ移行すると
共に、スリップ率が設定スリップ率を越える毎に、エン
ジン応答遅れを考慮して決められた設定時間前の制御特
性マップよりアクセル操作量に対するスロットル開度の
増大比率を下げた下位の制御特性マップを選択するマッ
プ選択手段hと、 該マップ選択手段hにより選択されている制御特性マ
ップと前記アクセル操作量とによって目標スロットル開
度値を求める目標スロットル開度値設定手段iと、 前記実スロットル開度値を前記目標スロットル開度値
に一致させる制御信号をスロットルアクチュエータjに
対して出力するスロットル弁開閉制御手段kと、 を備えていることを特徴とする手段とした。
請求項2記載の解決手段は、請求項1記載の車両用駆
動力制御装置において、 前記マップ選択手段hを、スリップ率が設定スリップ
率を下回っているという条件と高速側ギヤ位置へのシフ
トアップという条件のうち少なくとも一方の条件を満足
する場合、現在の制御特性マップよりアクセル操作量に
対するスロットル開度の増大比率を上げた上位の制御特
性マップへ移行すると共に、スリップ率が設定スリップ
率を越える毎に、エンジン応答遅れを考慮して決められ
た設定時間前の制御特性マップよりアクセル操作量に対
するスロットル開度の増大比率を下げた下位の制御特性
マップを選択し、且つ、スリップ率が設定スリップ率を
越えた時、その時点での制御特性マップと設定時間前の
制御特性マップとが共にアクセル操作量に対するスロッ
トル開度の増大比率が最も高い制御特性マップである場
合、ギヤ位置が高速側ギヤ位置であるほど上位側のマッ
プを予め設定しておき、その時に検出されたギヤ位置に
応じた制御特性マップを選択する手段としたことを特徴
とする。
(作 用) 高摩擦係数路での走行時等で、駆動輪スリップの発生
がなくスリップ率が設定スリップ率を下回っている場合
には、マップ選択手段hにおいて、現在の制御特性マッ
プよりアクセル操作量に対するスロットル開度の増大比
率を上げた上位の制御特性マップへ移行する制御が行な
われ、スロットル弁が開方向に作動するため、駆動力が
上昇し、タイヤグリップに対応して加速性が確保され
る。
また、高速側ギヤ位置へシフトアップした場合にも、
スリップ率の大きさ如何にかかわらず、前述と同様に、
上位の制御特性マップへ移行するマップ上げ制御が行な
われ、シフトアップ時の駆動力不足を補い、加速不良感
が解消される。
低路面摩擦係数路での走行時や高摩擦係数路での加速
走行時等において、駆動輪スリップが発生した場合に
は、マップ選択手段hにおいて、スリップ率が設定スリ
ップ率を越える毎に、エンジン応答遅れを考慮して決め
られた設定時間前の制御特性マップよりアクセル操作量
に対するスロットル開度の増大比率を下げた下位の制御
特性マップが選択され、スロットル弁が閉じ方向に作動
するため、駆動力が低下して駆動輪スリップが防止され
る。
つまり、このマップ落ち制御は、エンジンの応答遅れ
により設定時間前の制御特性マップ位置によって現在の
スリップが発生したと推定し、その制御特性マップを基
準として下位のマップに移行させることで、現在の路面
摩擦係数に適合したスロットル弁開度を選択することが
できる。
そして、前述のようなマップ落ち制御がなされた後
は、所定のマップ上り条件を満足するか、スリップ率が
新たに設定スリップ率を越えるまでは下位の制御特性マ
ップがそのまま保持されるため、駆動輪スリップ回避後
であっても直ちに駆動輪スリップを生じた前の駆動力レ
ベルまで復帰することがなく、再スリップは防止される
し、さらに、駆動輪スリップに対してはスロットル開度
を小さくして駆動力を減少させる方向の制御となるた
め、駆動力の増減に伴なうハンチングの発生もない。
また、スリップ防止制御時であっても、マップ落ちに
より選択されている制御特性マップに基づきアクセル操
作量に応じたスロットル開度に制御されるため、アクセ
ル操作違和感が生じない。
また、請求項2記載の発明では発進時や乾燥路から低
摩擦係数路への進入時等で、スリップが発生し、その時
点での制御特性マップと設定時間前の制御特性マップと
が共にアクセル操作量に対するスロットル開度の増大比
率が最も高い特性マップである場合、マップ選択手段h
において、ギヤ位置が高速側ギヤ位置であるほど上位側
のマップを予め設定しておき、その時に検出されたギヤ
位置に応じた制御特性マップが選択されるため、ギヤ位
置に応じた最適な駆動力低減により駆動輪スリップの抑
制を行なうことができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
尚、この実施例を述べるにあたって、後輪駆動車に適
用した駆動力制御装置を例にとる。
まず、実施例の構成を説明する。
実施例の駆動力制御装置Aが適用される後輪駆動車の
パワートレーンPは、第2図に示すように、エンジン1
0、オートマチックトランスミッション11、プロペラシ
ャフト12、リヤディファレンシャル13、リヤドライブシ
ャフト14,15、後輪16,17を備えている。
前輪18,19は非駆動輪である。
実施例の駆動力制御装置Aは、アクセル操作子である
アクセルペダル20と、前記エンジン10の吸気系であるス
ロットルチャンバ21に設けられるスロットル弁22とを機
械的に非連結とし、アクセルコントロールワイヤ等の機
械的な連結手段に代えてアクセルペダル20とスロットル
弁22との間に設けられる制御装置で、入力センサとし
て、後輪回転数センサ30、右前輪回転数センサ31、左前
輪回転数センサ32、アクセルポテンショメータ33を備
え、演算処理手段として、スロットル弁制御回路34を備
え、スロットルアクチュエータとして、ステップモータ
35を備えている。
尚、スロットル弁制御回路34には、オートマチックト
ランスミッション11の変速制御をするA/T制御回路36か
らギヤ位置指令信号が入力され、この信号でギヤ位置を
検出する。
前記後輪回転数センサ30は、駆動輪速の検出手段で、
前記リヤディファレンシャル13の入力軸部に設けられ、
後輪回転速度VRに応じた後輪回転信号(vr)を出力す
る。
尚、後輪回転数センサ30としては光感知センサや磁気
感知センサ等が用いられ、後輪回転信号(vr)としてパ
ルス信号が出力される場合には、スロットル弁制御回路
34内の入力インタフェース回路341において、F/Vコンバ
ータでパルス信号の周波数に応じた電圧に変換され、さ
らにA/Dコンバータで電圧値がデジタル値に変換され、C
PU342やメモリ343に読み込まれる。
前記右前輪回転数センサ31及び左前輪回転数センサ32
は、車体速の検出手段で、前記前輪18,19のそれぞれの
アクスル部に設けられ、右前輪回転速度VFR及び左前輪
回転速度VFLに応じた右前輪回転信号(vfr)及び左前輪
回転信号(vfl)を出力する。
尚、両前輪回転数センサ31,32からの出力信号をスロ
ットル弁制御回路34のCPU342で読み込むための信号変換
は、前記後輪回転数センサ30と同様になされる。
前記アクセルポテンショメータ33は、絶対アクセル操
作量lの検出手段で、前記アクセルペダル20の位置に設
けられ、絶対アクセル操作量lに応じた絶対アクセル操
作量信号(l)を出力する。
尚、このアクセルポテンショメータ33からの出力信号
は、電圧値によるアナログ信号であるため、入力インタ
フェース回路341のA/Dコンバータにてデジタル値に変換
され、CPU342やメモリ343に読み込まれる。
前記スロットル弁制御回路34は、前記入力センサから
の入力情報や、メモリ343に一時的あるいは予め記憶さ
れている情報を、所定の演算処理手順に従って処理し、
スロットルアクチュエータであるステップモータ35に対
しパルス制御信号(c)を出力するマイクロコンピュー
タを中心とする電子回路で、内部回路として、入力イン
タフェース回路341、CPU(セントラル・プロセシング・
ユニット)342、メモリ(RAM,ROM)343、出力インタフ
ェース回路344を備えている。
このスロットル弁制御回路34のマップ設定手段として
の機能をもつメモリ343には、第3図に示すように、絶
対アクセル操作量lに対するスロットル開度θの制御特
性マップとして8種類の上限及び下限を有する領域制御
特性マップ#0〜#7が設定されていて、各マップ#0
〜#7は、路面摩擦係数μを下記の表1とした場合の最
大駆動力を発生するスロットル開度θに相当する。
尚、各マップ#0〜#7の上限は、絶対アクセル操作
量3/4でのスロットル開度最大値とゼロ基準点とを結ぶ
線と、絶対アクセル操作量3/4〜4/4におけるスロットル
開度最大値の線とで形成され、下限は、絶対アクセル操
作量4/4でのスロットル開度最大値とゼロ基準点とを結
ぶ線で形成されている。
また、スロットル弁制御回路34のメモリ343には、第
4図に示すように、相対アクセル操作量Δlに対するス
ロットル開度変化量Δθとの関係特性が三次曲線的な特
性として設定されている。
前記スロットル弁制御回路34には、特許請求の範囲で
述べたスリップ率演算手段、実スロットル開度検出手
段、マップ選択手段、目標スロットル開度値設定手段、
スロットル弁開閉制御手段が含まれている。
尚、前記実スロットル開度検出手段は、スロットル弁
制御回路34のCPU342から出力インタフェース回路344へ
のSTEP指令信号を同時にメモリ343で受け、このメモリ3
43でSTEP数を書込みカウントする内部回路構成の手段で
あり、CPU342からの読み出し指令に従って実スロットル
開度値θが随時CPU342へ読み出される。
また、前記マップ選択手段には、マップ上り選択手段
とマップ落ち選択手段とが含まれている。
前記ステップモータ35は、前記スロットル弁22を開閉
作動させるアクチュエータで、回転子と励磁巻線を有す
る複数の固定子とを備え、励磁巻線へのパルスの与え方
で正転方向及び逆転方向に1ステップずつ回転する。
次に、第1実施例の作用を説明する。
まず、CPU342におけるスロットル弁開閉制御作動の流
れを、第5図に示すメインルーチンのフローチャート図
と第6図に示すサブルーチンのフローチャート図とによ
って述べる。
尚、第5図のメインルーチンでの処理は、図示してい
ないオペレーティングシステムにより所定周期(例えば
20msec)で起動される定時間割り込み処理であり、第6
図のサブルーチンでの処理は、この定時間割り込みによ
り決定されるステップモータ35への信号出力周期に応じ
てメインルーチン内で適宜起動されるoci(アウトプッ
ト・コンベア・インタラプト)割り込み処理である。
(イ)初期設定 第5図に示すメインルーチンは、キーシリンダへエン
ジンキーを差し込み、イグニッションスイッチをOFFか
らONに切り換えた時点から起動が開始され、第1回目の
処理作動時には、最初かどうかの判断がなされ(ステッ
プ100)、次のイニシャライズステップ101に進む。
このイニシャライズステップ101では、MAPFLGをMAPFL
G=0に設定すると共に、他のFLGや基準値l0000等の
情報を全てクリアにする。
(ロ)スリップ率演算処理 タイヤー路面間のスリップ率Sの演算処理は、ステッ
プ102〜ステップ107で行なわれる。
まず、各回転数センサ30,31,32からの入力信号に基づ
いて後輪回転速度VR,右前輪回転速度VFR,左前輪回転速
度VFLが読み込まれ(ステップ102)、次に前輪回転速度
VFが演算される(ステップ103)。
尚、演算式は、 であり、平均値により求めている。
次に、駆動輪である後輪回転速度VRが40km/h以上かど
うかが判断され(ステップ104)、VR≧40(km/h)の場
合にはステップ105へ進み、このステップ105においてス
リップ率Sが演算される。
尚、スリップ率Sの演算式は、 である。
また、前記ステップ104でVR<40(km/h)と判断され
た場合には、前後輪回転速度差ΔV(=VR−VF)が演算
され(ステップ106)、演算により求められた前後輪回
転速度差ΔVに応じてスリップ率Sが設定される(ステ
ップ107)。
従って、前記ステップ105またはステップ107で得られ
たスリップ率Sは、グラフにあらわすと、第7図に示す
ようになり、このスリップ率Sが以下の制御作動で各設
定スリップ率S0,S1,S2と比較する場合のしきい値とな
る。
(ハ)制御情報の設定処理 後述するマップ選択処理やアクセルワーク判別処理で
用いられる制御情報の設定処理は、ステップ150〜ステ
ップ154及びステップ251〜ステップ255で行なわれる。
まず、2周期前の処理においてサンプリングされ、1
周期前の処理において前回絶対アクセル操作量l1として
取り扱われたアクセルペダル踏み込み量が、前々回絶対
アクセル操作量l2としてセットされる(ステップ15
0)。また、1周期前の処理においてサンプリングさ
れ、今回絶対アクセル操作量l0として取り扱われたアク
セルペダル踏み込み量が、前回絶対アクセル操作量l1
してセットされる(ステップ151)。次に、現在のアク
セルペダル踏み込み量が、今回絶対アクセル操作量l0
して、また、現在のスロットル弁開度が実スロットル開
度値θとしてサンプリングされて読み込まれる(ステ
ップ152)。次いで、セット済みの今回絶対アクセル操
作量l0から前回絶対アクセル操作量l1が差し引かれるこ
とにより、1周期前の処理時からのアクセルペダル踏み
込み量の変化量である今回相対アクセル操作量ΔL0が算
出され(ステップ153)、また、前回絶対アクセル操作
量l1から前々回絶対アクセル操作量l2が差し引かれるこ
とにより2周期前の処理時から1周期前の処理時までに
変化したアクセルペダル踏み込み量の変化量である前回
相対アクセル操作量ΔL1が算出される(ステップ15
4)。
ステップ251〜ステップ255では、制御特性マップMAPF
LGの所定時間前(ここでは600msec前)までの間の記憶
を行なっている。
カウンタCTRは、MAPFLGを所定個(実施例では600msec
/20msec=30個)の番地に記憶させる為にループさせる
回数を定めるカウンタであり、ステップ251→ステップ2
53の間を29回ループさせた後、ステップ254以後へ進む
ようにしている。ステップ252ではMAPFLGの値が記憶さ
れているメモリ番地にCTRの値を加えた番地(「(MAPFL
G)+CTR」)の値を+1番地のメモリ番地に記憶してい
る。ループに従って順次+1番地のメモリに過去のMAPF
LGの値が記憶されていく為、後述するステップ123,124
及びステップ129,130で用いる600msec前のMAPFLGの値MA
POLDはMAPFLG+30番地に記憶されている。
ステップ254では、ステップ252の29回目のループで得
られた「MAPFLG+30」番地の内容、即ち、MAPFLGの600m
sec前の値をMAPFLGに記憶する。
尚、ステップ253で示すカウンタCTRのクリア処理によ
り1制御サイクルに1回、MAPOLDが「600msec前のMAPFL
Gの値」として書き換えられる。
(ニ)マップ上り選択処理 尚、この処理は、後述するマップ落ち制御手段により
領域制御特性が最上位領域制御特性マップより下位の領
域制御特性マップにある場合に行なわれる。
現在選択されている領域制御特性マップより絶対アク
セル操作量lに対するスロットル開度θの増大比率を上
げた上位の領域制御特性マップを選択するマップ上り選
択処理は、ステップ110〜ステップ119及びステップ161
〜ステップ163で行なわれる。
まず、今回絶対アクセル操作量l0が高設定アクセル操
作量lH以上であるかどうかが判断される(ステップ11
5)。尚、第1実施例での高設定アクセル操作量lHは、
最大アクセル操作量を1とした場合、キックダウン的な
領域境界であるlH=3/4に設定されている。
また、今回絶対アクセル操作量l0が低設定アクセル操
作量lL以上であるかどうかが判断される(ステップ25
0)。尚、第1実施例での低設定アクセル操作量lLは、
低アクセル操作領域境界としてlL=1/4に設定してい
る。
そして、ステップ115でl0<lH及びステップ250でl0
lLと判断された場合は(つまりlL≦L0<lHの場合)、今
回相対アクセル操作量ΔL0がΔL0>0かどうか、すなわ
ちアクセルペダル20に対して踏み込み操作時であるかど
うかが判断され(ステップ110)、次にスリップ率Sが
S≦S0(例えば、S0=0.1)であるかどうか、すなわち
設定スリップ率S0以下で駆動輪スリップがほとんど発生
していないかどうかが判断され(ステップ111)、次に
実スロットル開度値θがθ≧θMAXかどうか、すな
わち実スロットル開度値θが前回に選択されている領
域制御特性マップによるスロットル開度上限値θMAX
どうかが判断され(ステップ112)、次にMAPFLGがMAPFL
G=0かどうか、すなわちマップ上りが可能なマップ#
1〜#7であるかどうかが判断され(ステップ113)、
これらのマップ上り条件を全て満足している時にだけス
テップ114へ進み、MAPFLGの番号(#1〜#7)が1番
下げられ(ステップ114)領域制御特性マップとしては
1段階上位のマップの移行する。尚、前記ステップ110
〜ステップ113で述べたマップ上り条件を1つでも満足
しない時は、新たにマップ上り条件の全てが満足される
までその時に選択されている領域制御特性マップが保持
される。
また、ステップ115でl0と判断された場合は、ス
リップ率SがS≦S0(例えば、S0=0.1)であるかどう
かが判断され(ステップ116)、S≦S0の時はステップ1
17へ進み、タイマアップかどうかが判断され、タイマア
ップとなっていない場合にはステップ118へ進みタイマ
値増大がなされる。このように、ステップ115→ステッ
プ116→ステップ117→ステップ118という流れが継続し
て繰り返され、ステップ117でタイマアップであると判
断された場合には、ステップ161でMAPFLGがMAPFLG=0
かどうか、すなわちマップ上り可能なマップ#1〜#7
であるかどうかが判断され、l0≧lHで、S≦S0が所定時
間継続し、MAPFLG≠0というマップ上り条件を全て満足
していたらステップ162へ進み、MAPFLGの番号(#1〜
#7)が1番下げられ、領域制御特性マップとしては1
段階上位のマップに移行する。尚、ステップ119及びス
テップ163は、タイマクリアステップであり、スリップ
率SがS>S0となった場合、及びマップ上り制御が終了
した場合に、次のタイマ値カウントのためにタイマクリ
アされる。また、第1実施例でタイマアップとなる設定
時間T0は、0.8secに設定されている。
また、ステップ256〜ステップ259は、スリップ率Sに
かかわらずアップシフト時に行なわれるマップ上り処理
であって、ステップ256では、今回読み込まれたギヤ位
置ATPOSが1制御サイクル前のギヤ位置ATPOSOよりも大
きいかどうか、つまり、高速側ギヤ位置へのアップシフ
ト時かどうかが判断され、アップシフト時である場合に
は、ステップ257へ進み、最上位のマップであるMAPFLG
=0かどうかが判断されマップ上りが可能なMAPFLG≠0
の時には、ステップ258へ進み、MAPFLGの番号(#1〜
#7)が1番下げられ領域制御特性マップとしては1段
階上位のマップに移行する。尚、ステップ259では今回
読み込まれたギヤ位置ATPOSをATPOSOとして記憶する。
(ホ)マップ落ち選択処理 現在選択されている領域制御特性マップより絶対アク
セル操作量lに対するスロットル開度θの増大比率を下
げた下位の領域制御特性マップを選択するマップ落ち選
択処理は、ステップ120〜ステップ131で行なわれる。
まず、スリップ率Sと第1設定値S1(例えば、S1=0.
1)とが比較され、マップ1枚落しの上限であるS>S1
かどうか、すなわち駆動輪スリップが発生しているかど
うかが判断され(ステップ120)、S>S1の場合には次
のステップ121へ進みFLAG・A=0かどうかが判断さ
れ、FLAG・A=0である場合にはFLAG・A=1にセット
され(ステップ122)、次のステップ123ではMAPFLGの60
0msec前の値MAPOLD(ステップ254)が7かどうかが判断
され、MAPOLD≠7の時はマップ1枚落しの条件を満足し
ていることでMAPFLGの番号(#0〜#6)が1番上げら
れて、その値をMAPFLGの番地にメモリされる(ステップ
124)。
尚、ステップ124でマップ1枚落ちが行なわれた後
は、ステップ120でS≦S1と判断され、ステップ125を経
過してFLAG・A=0にセットされ、しかも、新たにS>
S1とならない限り、マップ1枚落ちの選択処理はなされ
ず、ステップ124でのマップ1枚落ちにより選択された
領域制御特性マップがそのまま保持される。
ただし、FLAG・A=1の時でステップ121からステッ
プ126へ進み、後述するS>S2というマップ落しの条件
を満足している場合は別である。
また、前記ステップ124から次のステップ126へ進む
と、スリップ率Sと第2設定値S2(例えば、S2=0.3)
とが比較され、マップの1枚落し条件であるS>S2かど
うか、すなわち過大な駆動輪スリップが発生しているか
どうかが判断され、S>S2の場合には次のステップ127
へ進みFLAG・B=0かどうかが判断され、FLAG・B=0
である場合にはFLAG・B=1にセットされ(ステップ12
8)、次のステップ129ではMAPFLGの600msec前の値MAPOL
D(ステップ254)が7かどうかが判断され、MAPOLD≠7
の時はマップ1枚落しの条件(S>S2かつMAPOLD≠7)
を満足していることでMAPOLDの暗号(#0〜#6)が1
番上げられ領域制御特性マップとして1段階下位のマッ
プに移行しMAPOLDの値がMAPFLGに記憶される(ステップ
130)。
尚、ステップ130でマップ1枚落ちが行なわれた後
は、ステップ126でS≦S2と判断され、ステップ131を経
過してFLAG・B=0にセットされ、しかも、新たにS>
S2とならない限り、マップ1枚落ちの選択処理はなされ
ず、ステップ130でのマップ1枚落ちにより選択された
領域制御特性マップがそのまま保持される。
(ヘ)領域制御特性マップの設定 ステップ140では、前述のマップ上り選択処理とマッ
プ落ち選択処理との経過によって選択されているMAPFLG
の番号と同じ番号の領域制御特性マップが設定される。
(ト)マップ保持処理 l0≦lLの時は、前述のステップ250でマップ上り選択
処理のステップ110〜ステップ114をバイパスするので、
現在選択されている領域制御特性マップがそのまま保持
されていることになる。
尚、l0≦lLの時には当然l0≦lHとなるので、ステップ
116〜ステップ119,ステップ161〜ステップ163のもう1
つのマップ上り選択処理に信号が入力されることはな
い。
また、ステップ164では今回絶対アクセル操作量l0
低設定アクセル操作量lLを超えているかどうかが判断さ
れ、l0>lLの時はステップ155〜ステップ157の後述する
アクセルワーク判断処理がなされ、l0≦lLの時はどのよ
うなアクセル操作をしてもステップ158及びステップ159
へ進み、基準値l0000を更新するために、選択されて
いる領域制御特性マップの下限に沿うスロットル開度θ
となる。
尚、第1実施例での低設定アクセル操作量lLは微小ア
クセス操作領域境界としてlL=1/4に設定している。
また、l0≦lLの時は、前述のステップ250で、マップ
上り選択処理のステップ110〜ステップ114をバイパスす
るので、選択されている領域制御特性マップがそのまま
保持されることになる。
(チ)アクセルワーク判別処理 アクセルワーク判別処理は、相対アクセル操作量ΔL
を求める基準を定速走行アクセル操作時としていること
で、定速走行アクセル操作時であるか否かを判別するた
めに、前記ステップ150〜ステップ154で得られた情報に
基づいてステップ155〜ステップ159で行なわれる処理で
ある。
まず、アクセルワークの判断論理は、前回相対アクセ
ル操作量ΔL1と今回相対アクセル操作量ΔL0を用いて、
アクセルペダル20が2周期前の処理時から引き続いて踏
み込み方向への操作中であるとの加速アクセル操作判定
が行なわれた時(ステップ155で肯定的,ステップ156で
肯定的)、あるいは、引き続いて戻し操作中であるとの
減速アクセル操作判定が行なわれた時(ステップ155で
否定的,ステップ157で否定的)には、次のステップ160
へ進む。
また、アクセルペダル20が停止操作されてその位置に
保持された場合(ステップ155で否定的,ステップ157で
肯定的)、アクセルペダル20の操作方法が踏み方向から
戻し方向へ切り替わった場合(ステップ155で肯定的,
ステップ156で否定的)、あるいはその逆に切り替わっ
た場合(ステップ155で否定的,ステップ157で肯定的)
には、アクセルペダル踏み込み量の変化量が0を含む増
加から0を含む減少または減少から増加に移行する定速
走行アクセル操作時と判定され、ステップ158へ進み、
今回絶対アクセル操作量l0がアクセル操作量基準値l00
としてセットされ、さらにステップ159へ進み今回の実
スロットル開度値θがスロットル開度基準値θ00とし
てセットされる。
(リ)相対アクセルストローク演算処理 前述のアクセルワーク判別処理が行なわれた後は、ス
テップ160へ進み、相対アクセル操作量ΔLが演算され
る。
この相対アクセル操作量ΔLの演算式は、ΔL=l0
l00であるため、加速アクセル操作時や減速アクセル操
作時には、最初に定速走行アクセル操作が行なわれた時
から今回絶対アクセル操作量l0までのアクセル操作変化
量として演算される。また、最初の定速走行アクセル操
作時には、ΔL=l00−l00となり相対アクセル操作量Δ
Lはゼロとなる。
(ヌ)スロットル開度変化量演算 ステップ170では、ステップ160により求められた相対
アクセル操作量ΔLと、第4図に示すΔL−Δθ特性線
図とによってスロットル開度変化量Δθが演算される。
(ル)目標スロットル開度値設定処理 前記スロットル開度基準値θ00と前記ステップ170で
演算されたスロットル開度変化量Δθとによって得られ
る仮目標スロットル開度値θθと、前記ステップ140で
設定された領域制御特性マップと今回絶対アクセル操作
量l0(又は、アクセル操作量基準値l00)によって求め
られるスロットル開度上限値θMAX及びスロットル開度
下限値θMINとを比較して目標スロットル開度値θ
設定する処理は、ステップ180〜ステップ185で行なわれ
る。
まず、仮目標スロットル開度値θθは、ステップ180
でスロットル開度基準値θ00とスロットル開度変化量Δ
θとを加算する演算式、θθ=θ00+Δθで求められ
る。
この仮目標スロットル開度値θθとスロットル開度上
限値θMAX及びスロットル開度下限値θMINとの比較処理
は、まず仮目標スロットル開度値θθがスロットル開度
上限値θMAX以上かどうかが判断され(ステップ181)、
θθ>θMAXの場合にはスロットル開度上限値θMAXが目
標スロットル開度値θとして設定される(ステップ18
2)。また、θθ≦θMAXの場合には仮目標スロットル開
度値θθがスロットル開度下限値θMIN以下かどうかが
判断され(ステップ183)、θθ<θMINの場合にはスロ
ットル開度下限値θMINが目標スロットル開度値θ
して設定される(ステップ184)。また、θMIN≦θθ≦
θMAXの場合には、仮目標スロットル開度値θθがその
まま目標スロットル開度値θとして設定される(ステ
ップ185)。
すなわち、目標スロットル開度値θは、選択されて
いる領域制御特性マップの領域内に存在する値として設
定される。
(ヲ)スロットル弁開閉制御処理 前述の目標スロットル開度値設定処理によって目標ス
ロットル開度値θが決まったら、実スロットル開度値
θを目標スロットル開度値θに一致させる方向にス
ロットル弁22を作動させる処理が第5図のメインルーチ
ンでのステップ200〜202と、第6図のサブルーチンでの
ステップ300〜304で行なわれる。
まず、偏差εが目標スロットル開度値θから実スロ
ットル開度値θを差し引くことで演算され(ステップ
200)、この演算により得られた偏差εに基づいてステ
ップモータ35のモータスピードの算出,正転,逆転,保
持の判断、さらにはoci割り込みルーチンの起動周期が
求められ(ステップ201)、このステップ201で設定され
たステップモータ35の作動制御内容に従ってoci割り込
みルーチン(第6図)が起動される(ステップ202)。
次に、第6図によりoci割り込みルーチンのフローチ
ャート図について述べる。
まず、ステップモータ35の状態をそのまま保持する保
持指令出力時かどうかの判断がなされ(ステップ30
0)、保持指令が出力されている時にはステップモータ3
5の固定子側励磁状態を保持する(ステップ301)。
また、保持指令出力時以外の場合は、ステップモータ
35を逆転させる逆転指令出力時かどうかの判断がなされ
(ステップ302)、逆転指令が出力されている時には、S
TEPをSTEP−1にセットし(ステップ303)、STEP−1が
得られるパルス信号をステップモータ35に出力する(ス
テップ301)。さらに、ステップモータ35を正転させる
正転指令出力時には、STEPをSTEP+1にセットし(ステ
ップ304)、STEP+1が得られるパルス信号をステップ
モータ35に出力する(ステップ301)。
尚、このoci割り込みルーチンは、前記ステップ201で
設定された起動周期に従ってメインルーチンの起動周期
内で繰り返される。
次に、マップ上りとマップ落ちによる駆動力制御作動
を説明する。
(A)マップ上り制御 マップ上り制御は以下に述べる条件を満足した場合、
制御特性マップを1枚上げることで行なわれる。
・アクセル操作量l0がlL≦l0<lHの場合には、踏み込み
操作時で、スリップ率Sが設定スリップ率S0を越えず、
実スロットル開度値θが選択されている領域制御特性
マップによるスロットル開度上限値θMAXである時(ス
テップ110〜ステップ114)。
・アクセル操作量l0がl0>lHの場合には、スリップ率S
が設定スリップ率S0を越えない状態が所定時間続いた時
(ステップ116〜ステップ163)。
・アップシフト時(ステップ256〜ステップ259)。
(B)マップ落ち制御 マップ落ち制御は、スリップ率Sが設定スリップ率S1
を越えた時、更に、スリップ率Sが設定スリップ率S1
越えた時、600msec前に選択されている制御特性マップ
か1枚あるいは2枚マップを落とすことで行なわれる
(ステップ120〜ステップ130)。
以上説明してきたように、第1実施例の駆動力制御装
置にあっては、以下に列挙するような効果が得られる。
設定されているl−θ制御特性マップが領域制御特
性マップであり、スロットル開度θの開閉制御は、定速
走行操作時の絶対アクセル操作量lを基準とした相対ア
クセル操作量ΔLに基づいて行なわれるものであるた
め、マップ領域内ではスロットル弁22の開閉制御ゲイン
がアクセルワークに従って得られることになり、良好な
車両の加速性確保と、定速走行操作時の大きな車速変化
防止を両立できる。
ΔL−Δθ特性は、第4図に示すように、三次曲線
的な特性としているために、アクセル微量踏み込み時の
ギクシャク感が防止されるし、多めに踏み込んだ時の高
い加速性の確保が達成される。
スリップ率Sは、第7図に示すように、低車体速時
には前後輪回転速度差ΔVによってスリップ率Sを求め
るようにしているため、わずかな前後輪回転速度差ΔV
でスリップ率Sが変化する低車体速時に、高検出精度や
高演算精度が要求されないし、演算誤差によるスリップ
率Sの演算値によりマップ上り制御やマップ落ち制御や
スロットル全閉制御が行なわれることもない。
今回絶対アクセル操作量l0がl0≦lLの微小アクセル
操作量領域では、マップ上りせずにその時選択されてい
る領域制御特性マップが保持されるために、絶対アクセ
ル操作量lとスロットル開度θとの対応関係が安定し、
マップ上りによりわずかなアクセルペダル20への踏み込
み操作でスロットル弁20が大きく開いてしまうというこ
とがなく、低アクセル操作量領域での大きなトルク変動
を防止することができると共に、微妙なアクセル操作が
可能である。
尚、車両停車時からの発進にあたってl0≦lLの時には
領域制御特性マップの下限に沿わせるようにした場合に
は、絶対アクセル操作量lに対するスロットル開度θの
制御ゲインを最も小さく抑えることができ、より微妙な
アクセル操作が可能となる。
今回絶対アクセル操作量l0がlL<l0<lHでの中間ア
クセル操作量領域での領域制御特性マップのマップ上り
制御は、アクセルペダル20への踏み込み操作時で、スリ
ップ率SがS≦S0であることを条件に行なわれるもので
あるため、スロットル弁22の開き方がアクセル操作に対
応し、ドライバへの違和感が少ないし、自然な加速感を
得ることができる。
また、実スロットル開度値θがスロットル開度上限
値θMAXであることが条件に加わっているため、急なエ
ンジン駆動力上昇がない。
今回絶対アクセル操作量l0がl0≧lHでの高アクセル
操作量領域での領域制御特性マップのマップ上り制御
は、スリップ率SがS≦S0の状態が設定時間T0継続して
いることを条件に行なわれるものであるため、高アクセ
ル操作量領域でドライバが意図する高い加速感を得るこ
とができる。
尚、l0≧lHというドライバの加速意志を示す条件が加
わっているために、絶対アクセル操作量lとスロットル
開度θとに直接の対応関係がなくても、アクセル操作違
和感は生じない。
領域制御特性マップのマップ落ち制御は、スリップ
率SがS>S1であり、FLAG・A=0であることを条件に
行なわれるものであるために、マップ落ち条件を満足し
てマップ1枚落ちがなされた後にスリップ率が一旦S≦
S1となっても、マップ上り条件を満足するか、スリップ
率Sが新たに設定スリップ率S1もしくはS2を越えるまで
は下位の領域制御特性マップがそのまま保持されるた
め、駆動輪スリップ回避後であっても直ちに駆動輪スリ
ップを生じた前回の駆動力レベルまで復帰することがな
く、再スリップが防止される。
また、新たに設定スリップ率S1を越えたらさらにマッ
プ落ちするように、駆動輪スリップの発生に対してはス
ロットル開度θを小さくして駆動力を減少させる方向に
だけ制御されるため、駆動力増減に伴なうハンチングの
発生もなく、ガクガク振動が防止される。
マップ上り制御に基づいてスロットル開度が開いて
ゆく過程においてスリップした場合、エンジン応答遅れ
を考慮に入れて約600msec前のスロットル開度によって
現在のスリップが発生したと推定し、その開度を基準と
してさらに1枚落し(過大スリップ時には2枚落し)す
るマップ落ち制御としている為、加速不良や再スリップ
の誘発がない、現在の路面摩擦係数に適合したスロット
ル開度を得ることが出来る。
高速側ギヤ位置へシフトアップした場合にも、スリ
ップ率Sの大きさ如何にかかわらず、上位の制御特性マ
ップへ移行する制御が行なわれる為、シフトアップ時の
駆動力不足を補い、加速不良感が解消される。
特に、オートマチックトランスミッション車のよう
に、シフトアップしたことをドライバーが感知しにくく
アクセル操作量がそのまま保持される場合に有用とな
る。
次に、第8図により請求項2の発明の実施例である第
2実施例について説明する。
第1実施例とは、異なるマップ落ち処理についてのみ
第8図のフローチャート図に基づいて説明する。
ステップ265とステップ266とによって現在のマップMA
PFLGと600msec前のマップMAPOLDが共に最上位のマップ
であるマップ#0か否かが判断され、両方共に#0の場
合には、ステップ267へ進んでギヤ位置が判断され、1
速の時にはMAPFLG=6(ステップ268)、2速の時にはM
APFLG=5(ステップ269)、3速の時にはMAPFLG=4
(ステップ270)、4速の時にはMAPFLG=3(ステップ2
71)というように、各ギヤ位置に応じて所定のマップに
設定される。
また、MAPFLG,MAPOLDのどちらか一方が0でない時に
はステップ260へ進み、現在のマップMAPFLGと600msec前
のマップMAPOLDとの比較を行ない、MAPFLG≧MAPOLDの時
はステップ261へ進み、そうでないならばステップ262へ
進む。ステップ261ではマップをインクリメント(アク
セル操作量に対するスロットル開度が小さくなる方向へ
マップを1枚落す)し、ステップ126へ進む。
ステップ262では600msec前のマップMAPOLD=7かどう
かを判断し、MAPOLD=7ならばステップ264でMAPFLG=
7としてステップ140へ進む。
MAPOLD≠7の時はステップ263でMAPOLDをインクリメ
ント(マップ1枚落し)し、MAPFLGに書き換えた後、ス
テップ126へ進む。
従って、この第2実施例では、スリップ率Sが設定ス
リップ率S1を越えた時、その時点での制御特性マップと
600msec前の制御特性マップとが共にマップ#0の時に
は、その時のギヤ位置により予め設定された所定の制御
特性マップ(高速ギヤ位置程マップを上位に設定する)
を選択するようにしている為、高速ギヤ側ほど、駆動力
が小さいのに対応して補正されることになり、高摩擦係
数路でのアクセル踏み込み過ぎ等で駆動輪スリップが発
生した場合に、適正なマップ落ち制御で駆動輪スリップ
の抑制を図ることが出来る。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、さかのぼり時間NAGOの決定にあたっては、ギ
ヤ位置やエンジン回転数やエンジン過給圧やエンジン吸
気負圧等、エンジンの応答性とは密接に関連する他の要
素によりさかのぼり時間を決定するようにしても良い。
また、実施例では上限及び下限を有する領域制御特性
マップを複数設定した例を示したが、直線や折れ線や曲
線等による線型制御特性マップでもよいし、また、上限
のみを有する領域制御特性マップでもよい。
また、マップ落ち制御では、スリップ率の時間変化率
を加味し、スリップ率の上昇度合に応じてマップを何枚
落すか決定するようにしてもよい。
また、実施例では、ΔL−Δθ特性として1つの特性
を示したが、例えば、第4図の点線に示すような特性を
加え、マップ#0が選択されている時には実線の特性に
基づいてΔθが設定され、マップ#1〜#7が選択され
ている時には点線の特性に基づいてΔθが設定されるよ
うにしてもよく、この場合には絶対アクセル操作量に対
するスロットル開度の制御ゲインを走行路面状態に対応
させることができ、駆動輪スリップが未然に防止され
る。
また、スリップ率が新たな設定値を越えた時は、無条
件にスロットル弁を全閉にさせて駆動輪スリップを早期
に回避するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上説明してきたように、請求項1記載の本発明の車
両用駆動力制御装置にあっては、スリップ率が設定スリ
ップ率を下回っているという条件と高速側ギヤ位置への
シフトアップという条件のうち少なくとも一方の条件を
満足する場合、現在の制御特性マップよりアクセル操作
量に対するスロットル開度の増大比率を上げた上位の制
御特性マップへ移行すると共に、スリップ率が設定スリ
ップ率を越える毎に、エンジン応答遅れを考慮して決め
られた設定時間前の制御特性マップよりアクセル操作量
に対するスロットル開度の増大比率を下げた下位の制御
特性マップを選択するマップ選択手段を設けた構成とし
たため、再スリップの防止,ガクガク振動の防止及びア
クセル操作違和感の解消を図り得ると共に、エンジン応
答遅れを考慮に入れた的確なマップ落ち制御により路面
摩擦係数に適合して速やかに駆動輪スリップが抑制さ
れ、駆動輪スリップ防止制御後の加速不良あるいはスリ
ップ再発を防止できるという効果が得られる。さらに、
アップシフト時にも自動的にマップ上り制御が行なわれ
ることで、アップシフト時の加速感不良を防止すること
ができるという効果が得られる。
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載
の車両用駆動力制御装置において、マップ選択手段を、
スリップ率が設定スリップ率を越えた時、その時点での
制御特性マップと設定時間前の制御特性マップとが共に
アクセル操作量に対するスロットル開度の増大比率が最
も高い制御特性マップである場合、ギヤ位置が高速側ギ
ヤ位置であるほど上位側のマップを予め設定しておき、
その時に検出されたギヤ位置に応じた制御特性マップを
選択する手段としたため、前述の効果に加え、ギヤ位置
に対応した駆動力の低減制御により、駆動力の急な落ち
込み等がなくて、速やかに駆動輪スリップを抑制できる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両用駆動力制御装置を示すクレーム
対応図、第2図は本発明第1実施例の駆動力制御装置を
示す全体図、第3図は第1実施例装置のスロットル弁制
御回路に設定されている領域制御特性マップ図、第4図
は第1実施例装置のスロットル弁制御回路に設定されて
いる相対アクセル操作量−スロットル開度変化量の関係
特性図、第5図は第1実施例のスロットル弁制御回路で
の制御作動のメインルーチンを示すフローチャート図、
第6図は第1実施例のスロットル弁制御回路での制御作
動のサブルーチンを示すフローチャート図、第7図は第
1実施例装置でのスリップ率しきい値特性図、第8図は
第2実施例での要部を示すフローチャート図である。 a……駆動輪速検出手段 b……車体速検出手段 c……スリップ率演算手段 d……アクセル操作量検出手段 e……ギヤ位置検出手段 f……実スロットル開度値検出手段 g……マップ設定手段 h……マップ選択手段 i……目標スロットル開度値設定手段 j……スロットルアクチュエータ k……スロットル弁開閉制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 徹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−88527(JP,A) 特開 昭63−134828(JP,A) 特開 昭63−147939(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪速検出手段から得られる車輪速度と
    車体速度検出手段から得られる車体速度とによってタイ
    ヤ−路面間のスリップ率を演算するスリップ率演算手段
    と、 アクセル操作子に対するアクセル操作量を検出するアク
    セル操作量検出手段と、 トランスミッションのギヤ位置を検出するギヤ位置検出
    手段と、 スロットル弁の実スロットル開度値を検出する実スロッ
    トル開度値検出手段と、 アクセル操作量に対するスロットル開度の関係を、制御
    特性マップとして複数設定させているマップ設定手段
    と、 前記スリップ率が設定スリップ率を下回っているという
    条件と高速側ギヤ位置へのシフトアップという条件のう
    ち少なくとも一方の条件を満足する場合、現在の制御特
    性マップよりアクセル操作量に対するスロットル開度の
    増大比率を上げた上位の制御特性マップへ移行すると共
    に、スリップ率が設定スリップ率を越える毎に、エンジ
    ン応答遅れを考慮して決められた設定時間前の制御特性
    マップよりアクセル操作量に対するスロットル開度の増
    大比率を下げた下位の制御特性マップを選択するマップ
    選択手段と、 該マップ選択手段により選択されている制御特性マップ
    と前記アクセル操作量とによって目標スロットル開度値
    を求める目標スロットル開度値設定手段と、 前記実スロットル開度値を前記目標スロットル開度値に
    一致させる制御信号をスロットルアクチュエータに対し
    て出力するスロットル弁開閉制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車両用駆動力制御装置にお
    いて、 前記マップ選択手段を、スリップ率が設定スリップ率を
    下回っているという条件と高速側ギヤ位置へのシフトア
    ップという条件のうち少なくとも一方の条件を満足する
    場合、現在の制御特性マップよりアクセル操作量に対す
    るスロットル開度の増大比率を上げた上位の制御特性マ
    ップへ移行すると共に、スリップ率が設定スリップ率を
    越える毎に、エンジン応答遅れを考慮して決められた設
    定時間前の制御特性マップよりアクセル操作量に対する
    スロットル開度の増大比率を下げた下位の制御特性マッ
    プを選択し、且つ、スリップ率が設定スリップ率を越え
    た時、その時点での制御特性マップと設定時間前の制御
    特性マップとが共にアクセル操作量に対するスロットル
    開度の増大比率が最も高い制御特性マップである場合、
    ギヤ位置が高速側ギヤ位置であるほど上位側のマップを
    予め設定しておき、その時に検出されたギヤ位置に応じ
    た制御特性マップを選択する手段としたことを特徴とす
    る車両用駆動力制御装置。
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