JP2528308B2 - ベニヤ単板の乾燥装置 - Google Patents

ベニヤ単板の乾燥装置

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JP2528308B2 JP62080300A JP8030087A JP2528308B2 JP 2528308 B2 JP2528308 B2 JP 2528308B2 JP 62080300 A JP62080300 A JP 62080300A JP 8030087 A JP8030087 A JP 8030087A JP 2528308 B2 JP2528308 B2 JP 2528308B2
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憲行 本田
由起夫 阿部
誠 磯部
信博 仲田
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はベニヤ単板の乾燥装置に関するものである。
従来、ベニヤ単板(以下、単に単板と称す)の乾燥装
置として、例えば「厚単板等の素材の連続プレス乾燥装
置」(実公昭59−34872号公報)・「板材の乾燥装置」
(特公昭60−12547号公報)等に開示される如く、一対
の無端帯を間歇走行可能に上下に対設して、一段の加熱
経路を含む単板の搬送路を形成すると共に、前記加熱経
路の上方及び下方へ、少なくともいずれか一方が昇降可
能な適数対の加熱盤を配設して成り、前記無端帯により
単板を間歇的に搬送する過程で、前記加熱盤により無端
帯を介して単板を繰返し加熱して乾燥する、所謂間歇搬
送式熱盤乾燥装置が公知であり、既知のこの形式の装置
は、単板の搬送方向に制約がなく、また熱効率も比較的
良好であって、特に前記公報の名称からも明らかなよう
に、極く厚い単板の乾燥に好適であるとされていた。
ところで、極く厚い単板の乾燥に好適であることは、
逆に比較的薄い単板の乾燥に不適であることを暗示し、
一般的な合板工場に於ては殆ど実用されていないのが実
状であるが、その原因の一つは、既知の装置に於ける加
熱形態にあったことが、本発明の開発過程で判明した。
即ち、既知の装置に於ける個々の加熱盤の加熱温度
は、加熱盤のいずれの部分に於ても可及的に同じに揃う
よう、熱媒体の温度・通路等を考慮して設定されてお
り、全面に亙って単板を均等に加熱するものであるのに
対し、加熱に伴って蒸発する単板の水分は、単板の繊維
方向の中央部に比べて両端部の方が外部へ排除され易い
為に、単板の繊維方向の中央部に比べて両端部がより速
く乾燥して収縮する傾向があって、乾燥及び収縮の差異
が発生し易く、而も収縮の差異は、単板の繊維方向の両
端部側に割れを発生させる要因となるが、比較的薄い単
板ほど、繊維と直交方向の強度が微弱である故に、収縮
の差異に起因する割れの発生が顕著化することから、結
果的に比較的薄い単板の乾燥に不適であるとされていた
ことが判明した。
本発明は、既知のものを含む、この形式の装置に於け
る前記問題点を、合理的な構成を以って解決し、その汎
用性・実用性を向上させるべく開発したものであって、
具体的には、無端帯による単板の搬送方向を、該単板の
繊維と直交方向に特定(限定)すると共に、少なくとも
加熱経路の末端に位置する一対の加熱盤を除く、他の適
数対の加熱盤の加熱温度を、無端帯の走行方向と直交方
向に対する中央部に於ては高温に、また両端部に於いて
は中央部に比べて若干低温に夫々設定したことを特徴と
する乾燥装置である。
斯様に構成した乾燥装置によれば、無端帯の走行方向
と直交方向に対する中央部と両端部の加熱温度を、高温
と若干低温とに夫々相違させて設定した対の加熱盤の位
置に於ては、該設定温度の相違により、単板が些か不均
等に加熱され、単板の繊維方向の中央部と両端部とに、
乾燥及び収縮の差異が生じる現象が抑制されるので、収
縮の差異に起因する割れの発生も防止乃至は軽減される
傾向となり、比較的薄い単板をも良好に乾燥することが
可能となって、前記形式の乾燥装置の汎用性・実用性が
従来に比べて著しく向上するので効果的である。
勿論、加熱経路の末端に位置する少なくとも一対の加
熱盤については、従来通り、加熱温度がいずれの部分に
於ても同じに揃うよう設定してあるので、最終的に単板
の含水率に著しいムラが生る虞はない。
以下本発明を図面に例示した実施の一例と共に更に詳
述する。
本発明に係る乾燥装置は、第1図からも明らかなよう
に、単板10を繊維と直交方向に搬送する、加熱経路を含
めた単板搬送路を形成すべく、一対の無端帯1と2を、
ロール1a・1b・1cと2a・2b・2cとを夫々介して対向状に
張設し、減速機付電動機等から成る駆動源5により、ロ
ール1bと2bとを介して図示矢印方向へ間歇的に走行させ
ると共に、加熱経路の上方及び下方へ、複数対の上部加
熱盤3a・3b・3c・3d及び下部加熱盤4a・4b・4c・4dを、
例えば上部加熱盤3a・3b・3c・3dについては固定的に、
また下部加熱盤4a・4b・4c・4dについては、シリンダー
等から成る昇降部材6aと制御器6bとを有する昇降機構6
の作動により、無端帯1・2の間歇走行に同期して間歇
的に昇降可能に夫々配設し、更に少なくとも加熱経路の
末端に位置する一対の上部加熱盤3dと下部加熱盤4dを除
く、他の加熱盤の内の適数対の加熱盤、例えば上部加熱
盤3aと下部加熱盤4aの加熱温度も、無端帯1・2の走行
方向と直交方向に対する中央部に於ては、例えば単板10
の乾燥が顕著化する摂氏約180度を越える高温に、また
両端部に於ては、中央部に比べて若干低温に、例えば単
板10の乾燥が顕著化する摂氏約180度を下回る低温に夫
々設定して構成する。
述上の如き温度設定は、例えば各加熱盤の熱源を加熱
蒸気・加熱油等の熱媒体とする場合にあっては、第2図
からも明らかなように、上部加熱盤3aと下部加熱盤4aの
中央部B1(無端帯1・2の走行方向と直交方向に対す
る)に位置する通路8a・9aには、高温の熱媒体を流通さ
せ、また両端部B2に位置する通路8b・9bには、中央部に
比べて若干低温の熱媒体を夫々流通させることにより、
容易に設定可能である。
図中、7は、発条・流体シリンダー等から成る緊張部
材であって、ロール1c及び2cを介して無端帯1・2に適
度の張力を付与する。
本発明に係る乾燥装置は、例えば前記の如く構成する
ものであって、第1図に於ける左側から単板10を繊維と
直交方向へ搬入すると、無端帯1・2の間歇走行に伴
い、単板10が搬送路を間歇的に搬送される過程に於て、
無端帯1・2の停止に同期して、昇降機構6が下部加熱
盤4a・4b・4c・4dを上昇させるので、無端帯1・2を介
して、上部加熱盤3a・3b・3c・3dと下部加熱盤4a・4b・
4c・4dとによる加熱が行なわれ、次いで所定時間経過後
に、昇降機構6が下部加熱盤4a・4b・4c・4dを下降させ
るのに同期して、無端帯1・2が暫時走行して停止する
と、昇降機構6が下部加熱盤4a・4b・4c・4dを上昇させ
るので、再び上部加熱盤3a・3b・3c・3dと下部加熱盤4a
・4b・4c・4dとによる加熱が行なわれる。
以下、同様の動作の繰返しにより、順次単板10への加
熱が繰返され、該単板10はやがて乾燥されて、第1図に
於ける右側へ搬出されることになるが、前記装置に於て
は、上部加熱盤3aと下部加熱盤4aの加熱温度は、無端帯
1・2の走行方向と直交方向に対する中央部に於ては高
温に、また両端部に於ては中央部に比べて若干低温に夫
々設定してあるので、該設定温度の相違により、単板10
が初期に限って些か不均等に加熱され、単板10の繊維方
向の中央部と両端部とに、乾燥及び収縮の差異が生じる
現象が抑制されるので、収縮の差異に起因する割れの発
生も防止乃至は軽減される傾向となり、たとえ単板10が
薄くても良好に乾燥することが可能となって、この形式
の乾燥装置、所謂間歇搬送式熱盤乾燥装置の汎用性・実
用性が従来に比べて著しく向上するので効果的である。
尚、単板の搬送路の形態は、前記実施例の形態に限る
ものではなく、図示は省略したが、この形式の装置に於
ける他の重大な問題点の一つである、装置の長大化を解
消すべく、本出願人が先に「ベニヤ単板の乾燥装置」
(特開昭63−91477号公報)・「ベニヤ単板の乾燥装置
における無端帯の軌道修正方法」(特開昭63−226588号
公報)等に於て提案した新型乾燥装置の如く、平坦路・
屈曲路・平坦路・屈曲路・平坦路の組合わせで成る。換
言すると、上中下三段の加熱経路と、上段の加熱経路の
末端から中段の加熱経路の始端へ、及び中段の加熱経路
の末端から下段の加熱経路の始端へ至る二つの屈曲経路
の組合わせで成る、一連の蛇行状の搬送路を形成する形
態であっても、要は単板を繊維と直交方向に搬送できれ
ば差支えない。
また無端帯の走行方向と直交方向に対する中央部と両
端部の加熱温度を、高温と若干低温とに相違させて設定
した加熱盤の配設対数・配設位置等も、前記実施例の形
態に限るものではなく、図示は省略したが、例えば乾燥
初期から乾燥中期に該当する、加熱経路の始端から中程
かけて比較的広範囲に多数対配設しても、或は例えば収
縮の差異の発生が特に顕在化し易い、乾燥中期(単板の
含水率が約30%を切る時期)該当する、加熱経路の中程
にのみに小数対重点的に配設しても、要は単板の繊維方
向の中央部と両端部とに、乾燥及び収縮の差異が生じる
現象が抑制できれば足りるが、実際の単板の収縮は、単
板の厚さ・初期含水率・所望乾燥度合・加熱回数・加熱
盤の温度差の程度等々の各種条件によって変動し、必ず
しも一律ではないので、好ましくは、それら条件に対応
するよう、実験に基いて設定するのが良い。
そして、各加熱盤を熱源としても、前記実施例の熱媒
体に限らず、例えば電熱器、或はバーナー等、従来公知
の種々の熱源を用いて差支えなく、またそれら熱源によ
る高温と若干低温との温度設定も、前記実施例の如く熱
源自体の温度を調整・制御する設定手段の外に、熱源の
密度に差異を設け、供給し得る熱容量を調整・制御する
設定手段によっても、容易に設定が可能であり、要は単
板を加熱するに際して、収縮の差異に起因する割れの発
生が抑制される程度の温度差が設定し得れば足るが、単
板の収縮性からして、高温域と低温域の境界に於ける温
度変化は、緩やかであるのが望ましく、収縮の差異に起
因する割れの発生が抑制される程度に、温度変化が緩や
かであり高温側からの伝導加熱を得て低温側が若干低温
に加熱されていれば、低温側には熱源を設けなくても実
用上支障ない。
また図示は省略したが、必要に応じては、各加熱盤の
加熱面以外の面に、放熱を制約する断熱処理を施すのも
効果的であり、或は装置の略全体を断熱壁で覆うのも効
果的である。
一方、伝熱性・強度等からして、前記各無端帯は金属
性とするのが望ましく、而もステンレス等の耐腐食性を
有する金属類、又はメッキ等の耐腐食性被覆を施した金
属類が好ましいが、必ずしも無孔の帯体に限定するもの
ではなく、無端帯の駆動源・緊張形態、或は加熱盤の昇
降機構等を含めて、加熱盤以外の部材の形態について特
段の制約はない。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を説明する為のものであって、第1図は本
発明に係る乾燥装置の側面説明図、第2図は第1図の線
A−Aに於ける部分断面図である。 1,2……無端帯、3a,3b,3c,3d……上部加熱盤、4a,4b,4
c,4d……下部加熱盤、5……駆動源、6……昇降機構、
7……緊張部材、10……単板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の無端帯を間歇走行可能に対設して、
    少なくとも一段の加熱経路を含むベニヤ単板の搬送路を
    形成すると共に、前記加熱経路の上方及び下方へ、少な
    くともいずれか一方が昇降可能な複数対の加熱盤を配設
    して成り、前記無端帯によりベニヤ単板を繊維と直交方
    向へ間歇的に搬送する過程で、前記加熱盤により無端帯
    を介してベニヤ単板を繰返し加熱して乾燥するベニヤ単
    板の乾燥装置であって、少なくとも加熱経路の末端に位
    置する一対の加熱盤を除く、他の適数対の加熱盤の加熱
    温度を、無端帯の走行方向と直交方向に対する中央部に
    於ては高温に、また両端部に於ては中央部に比べて若干
    低温に夫々設定したことを特徴とするベニヤ単板の乾燥
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5687786A (en) * 1979-12-17 1981-07-16 Meinan Machinery Works Method of dehydrating veneer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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