JP2528158B2 - 4−アセトキシ−3−ヒドロキシエチル−アゼチジノンの製造方法 - Google Patents

4−アセトキシ−3−ヒドロキシエチル−アゼチジノンの製造方法

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JP2528158B2 JP63031980A JP3198088A JP2528158B2 JP 2528158 B2 JP2528158 B2 JP 2528158B2 JP 63031980 A JP63031980 A JP 63031980A JP 3198088 A JP3198088 A JP 3198088A JP 2528158 B2 JP2528158 B2 JP 2528158B2
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    • C07D307/68Carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は4−アセトキシ−3−ヒドロキシエチル−
アゼチジノン及びそのジアステレオアイソマーの新規な
製造方法に関し、この化合物はβ−ラクタム抗生物質の
製造のための出発物質として使用することができる。こ
の発明はさらに、新規な中間体及び出発物質に関する。
〔従来の技術〕
本発明の方法に従って製造することができる次の式
(I): で表わされる4−アセトキシ−3−ヒドロキシエチル−
アゼチジノン、特に次の式(I a): で表わされる4(R)−アセトキシ−3(R)−(1′
(R)−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジノンは、多
数の非常に効果的な抗生物質、例えばペネム、カルバペ
ネムもしくは対応するオキサペネム、ペニシリン、又は
セファロスポリン誘導体の出発物質として適当である。
これらの反応において、アゼチジノンの4−位のアセト
キシ基が適当な硫黄又は炭素親核剤と交換される。この
様な反応は、例えば、W.Drckheimer等、Angew.Chem.I
nt.Ed.Engl.24,180(1985)による概説において説明さ
れている。
例えばペネムは、式(I)の化合物を、場合によって
はヒドロキシ基及び/又はラクタム窒素原子に保護基を
導入した後、メルカプタン、チオ酸、ジチオ酸、トリチ
オカルボネート又は関連化合物と反応せしめ、適当な酢
酸誘導体により窒素原子をアルキル化し、そして最後に
硫黄含有5−員環を閉じることにより得られる。カルバ
ペネムを合成するためには、例えば式(I)の化合物又
は該化合物の保護された誘導体を適当に置換されたエノ
ールシリルエーテル、錫エノラート、硼素エノラート、
テトラアリル錫又は関連化合物と反応せしめ、そして生
ずる生成物をさらに処理する。
ペネム及びカルバペネムの抗生物質活性のための本質
的規準は置換基の種類及び位置のみならず、空間的配置
も重要である。式(I a)のジアステレオアイソマー
は、抗菌活性を有するβ−ラクタム抗生物質のための出
発物質としてのその使用に好都合な、ヒドロキシ、ヒド
ロキシメチル及びアセトキシ基の空間配置を有する。し
かしながら、他のジアステレオアイソマーもまた他の処
理のために適当である。例えば、適当な反応条件下での
硫黄及び炭素親核剤との置換反応において、C(4)に
おいてエピマー的であるsic−化合物はまた、式(I a)
の化合物中にすでに存在するアゼチジノンにおいて置換
基のトランス配置をもたらす。後の段階において(R)
−ヒドロキシエチル化合物への転換が転化(inversio
n)を伴う置換により達成し得るから、C(1′)にお
いてエピマー的である(S)−ヒドロキシエチル化合物
を使用することができる。
式(I)の化合物の製造は知られている。例えば、EP
78026及びTetranedron Letters 23,2293−2296(198
2)は、N−保護アゼチジノン−4−カルボン酸のジア
ニオンのアシル化又はヒドロキシアルキル化によりL−
アスパラギン酸から製造する方法を記載している。EP 1
06652は、グリオキシル酸のシッフ塩基をジケテンと反
応せしめ、側鎖中のアセチル基をヒドロキシエチルに還
元し、そしてエナンチオマーをジアステレオアイソマー
エステルを介して分離する方法を記載している。EP 171
064には、4−エチニルアゼチジノンを環付加により合
成し、そして次にエチル基をアセチルに転換し、そして
最後にベーヤー−ビリガー(Baeyer−Villiger)反応に
よりアセトキシに転換する方法が記載されている。EP 1
81831は、α,β−エポキシブチリル−アセトニルアミ
ドを塩基により環化し、そして生成した3−ヒドロキシ
エチル−4−アセチルアゼチジノンを4−アセトキシ化
合物に酸化する方法を記載している。
〔発明の概要〕
本発明は、次の式(I): で表わされるジアステレオアイソマー的に純粋な化合
物、特に式(I a)で示される(3R,4R,1′R)−ジアス
テレオアイソマーの製造方法であって、次の式(II): (式中、R1は低級アルキルであり、そしてZ1はアミノ、
アリールメチルアミノ、アシルアミノ又はアジドであ
る)で表わされるエナンチオマー的に純粋な化合物、又
はその塩を水素で還元し、そして所望により、アシルア
ミノ基Z1及び/又は低級アルコキシカルボニル基COOR1
を加水分解し、次の式(III): (式中、R2は水素又は低級アルキルであり、そしてR3
びR4は一緒になって結合を表わし、そしてZ2はアミノ又
はアシルアミノである)で表わされる生ずる化合物、又
はその塩において、所望により基R2及びZ2を他のものに
転換した後及び/又はジアステレオアイソマーを他のも
のに転換した後、ラクトン環を塩基により開環し、そし
て、Z2がアシルアミノであれは該アシルアミノ基Z2を加
水分解し; R2が水素又は低級アルキルであり、R3がヒドロキシで
あり、R4が水素であり、そしてZ2がアミノである式(II
I)の生ずる化合物、又はその塩において、R3及びCOO
R4、並びにR2が水素であればさらにCOOR2を保護基によ
り保護し、β−ラクタム環を強塩基により閉環しそして
保護基を除去し;そして、 次の式(IV): で表わされる生ずる化合物又はその塩をアセテート生成
剤の存在下で酸化的に脱カルボキシル化する; ことを特徴とする方法に関する。
〔発明の効果〕
既知の方法に比べて、本発明の新規な方法は重要な利
点を有する。この方法により、式(I)の化合物及びそ
のジアステレオアイソマーを高い全体収量で、高い立体
特異性を伴って、少い反応段階及び簡単で安価な試薬を
用いて製造することができる。驚くべきことに、還元条
件を選択し、そしてさらに適当であれば引き続き異性化
することにより1個のみのキラル炭素原子を有する式
(II)のエナンチオマー的に純粋な化合物から出発し
て、3個のキラル炭素原子を有する式(III)の純粋な
ジアステレオアイソマーを得ることができる。さらにま
た驚くべきことに、感受性の官能基を含有する化合物
(I)を製造するための反応連鎖は、β−ラクタム環の
形成のためにのみ保護基を必要とし、この段階で保護基
をその場で(in situ)容易に導入しそして除去するこ
とができる。式(II)の出発物質から少い反応段階にお
いて式(I)の純粋なジアステレオアイソマーが得られ
るという事実は、この出発物質が安価なエナンチオマー
的に純粋な天然生成物から簡単に合成され、又は合成さ
れたラセミ体材料のエナンチオマー分離により得られる
ことを考慮すれば、やはり驚くべきことである。
〔具体的な説明〕
置換基を定義する場合に用いられる一般的用語及び名
称は好ましくは次の意味を有する。
例えば低級アルキル、低級アルコキシ又は低級アルカ
ノイルにおいて低級なる語は、示される基が1〜7個、
そして好ましくは1〜4個の炭素原子を含有することを
意味する。
低級アルキルR1又はR2は好ましくは1〜7個の炭素原
子を有し、そして例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル又はtert−ブチルであ
る。
アリールメチルアミノ、Z1は例えばベンジルアミノ、
ベンジルアミノ、2−,3−もしくは4−メチルベンジル
アミノ、α−もしくはβ−ナフチルメチルアミノ又はジ
フェニルメチルアミノである。
アシルアミノZ1又はZ2は、例えば、非置換のもしくは
置換されたアルカノイルアミノ、例えばホルミルアミ
ノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、tert−ブチ
ルカルボニルアミノ、クロロアセチルアミノ、トリクロ
ロアセチルアミノもしくはトリフルオロアセチルアミ
ノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、例えばtert−ブ
トキシカルボニルアミノ、アリール低級アルコキシカル
ボニルアミノ、例えばベンジルオキシカルボニルアミ
ノ、4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノもしく
はジフェニルメトキシカルボニルアミノ、又はアリール
カルボニルアミノ、例えばベンゾイルアミノである。
カルボキシ保護基R2又はR4はあるいは保護されたヒド
ロキシR3の保護基は、標準的研究、例えばJ.F.W.McOmi
e,“Protective Groups in Organic Chemistry"、プレ
ナムプレス、ロンドン及びニューヨーク1973;Th.W.Gree
ne,“Protective Groups in Organic Synthesis",Wile
y、ニューヨーク、1981;“The Peptides",Vol 3,E.Gros
s及びJ.Meienhofer編集、アカデミックプレス、ロンド
ン及びニューヨーク1981;並びに“Methoden der Organi
schen Chemie",Houben−Weyl、第4版、Vol 15/I、Geor
g Thieme Verlag、スタットガルト1974に記載されてい
る保護基の1つである。
好ましい保護基は、例えば、ヒドロキシ基及びカルボ
キシ基に同時に導入することができ、これらの官能基を
非親核性の又はごくわずかに親核性の塩基性試薬との反
応に対して保護し、そして穏和な条件下で加水分解によ
り再び除去され得る基である。適当なカルボキシ保護基
R2又はR4は特にトリ−低級アルキルシリル基、例えばト
リメチルシリル、トリブチルシリル、トリイソプロピル
シリル、tert−ブチル−ジメチル−シリル又は1,1,2,−
トリメチルプロピル−ジメチル−シリル、好ましくはト
リメチルシリル、しかしさらにアリール−置換されたシ
リル基、例えばジメチルフェニルシリル又はトリフェニ
ルシリルである。さらに、1−位において置換されてお
りそして/又は分岐している低級アルキル基、例えばte
rt−低級アルキル、例えばtert−ブチル、ジ−もしくは
トリ−アリールメチル、例えばジフェニルメチル、ジ
(p−メトキシフェニル)メチルもしくはトリチル、低
級アルコキシ−低級アルキル、例えばメトキシメチル、
1−メトキシエチルもしくは1−エトキシエチル、又は
低級アルキルチオ−低級アルキル、例えばメチルチオメ
チル又は1−エチルチオエチル、そしてさらに対応する
環状基、例えば5〜7個の環原子を有する2−オキサ−
及び2−チア−シクロアルキル、例えば2−テトラヒド
ロフリル又は2−テトラヒドロピラニルである。
保護されたヒドロキシR3は好ましくは、R2及びR4の前
記定義に対応する−オキシ基、例えばトリ−低級アルキ
ルシリルオキシ、例えばトリメチルシリルオキシ、アリ
ール−置換シリルオキシ、例えばトリフェニルシリルオ
キシ、1−位において置換されておりそして/又は分岐
している低級アルコキシ、例えばtert−ブトキシしくは
メトキシメトキシ、又は2−オキサ−もしくは2−チア
−シクロアルコキシ、例えば−2−テトラヒドロピラニ
ルオキシである。
塩は例えば、式(II)又は(III)の化合物中のアミ
ノ基の酸付加塩、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝
酸又はリン酸、あるいは有機カルボン酸又はスルホン
酸、例えば酢酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、フマル酸、
安息香酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、樟脳−10−スルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、4−ニトロベ
ンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸
又はナフタレン−2−スルホン酸の酸付加塩である。
式(III)及び(IV)のカルボン酸はアルカリ金属
塩、例えばナトリウム塩もしくはカリウム塩、又はさら
にアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩もしくは
カルシウム塩、重金属塩、例えば銅、鉛もしくは亜鉛
塩、アンモニウム塩、有機アミンとの塩、例えば、場合
によっては置換されているモノ−、ジ−又はトリ−アル
キルアミン、例えばシクロヘキシルアミン、ジエチルア
ミン、シクロヘキシルエチルアミン、ジブチルアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミンもしくはトリ−
(2−ヒドロキシエチル)−アミン、又はテトラ置換有
機アンモニウムイオン、例えばテトラメチルアンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム又はテトラブチルアンモ
ニウムとの塩である。
R2が水素であり、そして/又はR4水素でありそしてZ2
がアミノである式(III)の化合物はまた、内部塩を形
成することができる。
式(I)の化合物は相互に独立の3個のキラル炭素原
子を有し、これはβ−ラクタムの炭素原子3及び4個並
びに炭素原子1′であり、これはヒドロキシエチル側鎖
のヒドロキシ基を担持する。従って、式(I)の表示は
8個のジアステレオアイソマー化合物を含む。
この発明の方法は、これらジアステレオアイソマー化
合物のすべてを純粋な形で製造することに関する。式
(I)の(3R,4S,1′R)−及び(3R,4R,1′R)−ジア
ステレオアイソマー、特に式(I a)の(3R,4R,1′R)
−ジアステレオアイソマーを式(II)の化合物の(R)
−エナンチオマーから製造するのが特に好ましい。
この明細書において、“エナンチオマー的に純粋な
(enantiomerically pure)”、又は“ジアステレオア
イソマー的に純粋な(diastereomerically pure)”な
る語は、そこに定義されるエナンチオマー又はジアステ
レオアイソマーが他のエナンチオマー又は他のジアステ
レオアイソマーとの混合物中に80%以上の量で存在する
ことを意味する。1つのステレオアイソマーのこの高い
比率は、簡単な物理的分離法により、例えばこの発明の
化合物の、その適当な塩の又は適当な誘導体の再結晶化
により、そのステレオアイソマーの比率を例えば95%よ
り高く増加せしめることができ、又は常用の分析法によ
っては他のステレオアイソマーがもはや検出され得ない
程度に増加せしめることができることを意味する。
Z1がアミノ、アリールメチルアミノ又はアシルアミノ
である式(II)の化合物は、次の式(II a): (式中、Yはイミノ、アリールメチルイミノ又はアシル
イミノである) で表わされる互変異性形と平衡状態にある。互変異性体
平衡は置換基R1及びZ1/Y並びに物理的条件、例えば凝
集、溶剤、pH、圧力及び温度に依存し、そしてこの平衡
は式(II)又は式(II a)に示すように、結晶状態に凍
結され得る。
以後、“式(II)の化合物”はまた、式(II a)の互
変異性形をも包含する。
工程段階 Z1がアミノ、アリールメチルアミノ、アシルアミノ又
はアジドである式(II)の化合物、又はその塩の還元は
常用の水素化触媒のいずれかの存在下で水素を用いて行
うことができる。
還元のために適当なこのような水素化触媒は、貴金属
触媒、例えば白金、パラジウム、ルテニウム又はロジウ
ムの微細金属形であり、例えば大表面積を有する不活性
担体、例えば活性炭素、アロックス(Alox)、硫酸バリ
ウム又は他のアルカリ土類金属塩に適用される。C=C
二重結合の還元のために特に適当な貴金属水素化触媒、
例えば酸化白金を水素で還元して得られる白金、炭素上
パラジウム、アロックス上ロジウム、又はNishimura等
の白金/ロジウム合金が好ましい。他の適当な水素化触
媒は、ニッケル、例えば、ニッケル/アルミニウム合金
をアルカリにより分解することにより形成されるラネー
ニッケル、そしてさらに可溶性の貴金属錯体触媒、例え
ばロジウム/ホスフィン錯体又はイリジウム/ホスフィ
ン錯体である。
水素化は不活性溶剤中で、例えばアルコール、例えば
メタノール、エタノールもしくはイソプロパノール、ア
ルコール/水混合物、例えばエタノール水溶液中で(ア
ルコールはさらに鉱酸、例えば塩酸を含有することがで
きる)、カルボン酸中で、例えば酢酸もしくはプロピオ
ン酸、そしてさらに水性酢酸中で、極性エステル、例え
ば酢酸エチル中で、炭化水素、例えばトルエンもしくは
シクロヘキサン中で、又はハロゲン化炭化水素、例えば
塩化メチレン中で行われる。好ましくは、水素化は0℃
〜100℃の温度、例えば室温又は約80℃までのわずかに
上昇した温度において、置換基Z1及び選択された触媒に
依存して、常圧において、約5バールまでのわずかに上
昇した水素圧において、又は約100バールまでの高水素
圧において行われる。例えば、炭素上パラジウムを用い
る場合、水素化は好ましくは1〜5バールにおいて行わ
れ、そして白金、ロジウム又は白金/ロジウム合金を用
いる場合、上昇した圧力において、好ましくは50〜100
バールにおいて行われる。
Z1がアリールメチルアミノ又はアジドである化合物を
水素化する場合、反応は一段階で、又はZ1がアミノであ
る式(II)の対応する化合物を介して2段階で行われ
る。なぜなら、アリールメチルアミノ基及びアジド基は
C=C炭素二重結合よりも容易に水素化され得るからで
ある。好ましくは、アリールメチルアミノ基、例えばベ
ンジルアミノ基、又はアジド基は、炭素上パラジウムの
存在下室温又はわずかに上昇した温度で、1〜5バール
の水素圧、好ましくは常圧において、前記の溶剤のいず
れか、例えば塩酸/エタノール中又は酢酸エチル中で、
選択的に水素化される。
Z1がアミノである式(II)の化合物又はその塩は、式
(III)の化合物に直接に水素化され得る。他方、この
方法に代えて、水素化の前にアミノ基をアシルアミノ基
Z1に転換することができる。アシル化は、通常の反応条
件下で、例えば、アシル基に対応する酸無水物又は酸ハ
ロゲン化物、例えば酸塩化物を用いて、場合によっては
酸、例えばp−トルエンスルホン酸、又は塩素、例えば
第三級アミン、例えばトリエチルアミン、ジメチルベン
ジルアミンもしくはN−メチルホルホリン、アミジン、
例えば1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン又
は1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エン、
ピリジン塩基、例えばピリジンもしくはルチジン、又は
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、例え
ばナトリウム、カリウムもしくはカルシウムの炭酸塩を
添加して、過剰のアシル化剤又は不活性溶剤中で、例え
ばエーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ランもしくはジオキサン、ハロゲン化炭化水素、例えば
塩化メチレン、エステル、例えば酢酸エチル、アミド、
例えばジメチルホルムアミドもしくはN−メチルピロリ
ドン、又はニトリル、例えばアセトニトリル中で、−20
℃〜溶剤の沸点の温度において、好ましくは0℃〜50℃
において行われる。
Z1がアシルアミノである式(II)の化合物の還元の
後、所望により該アシルアミノ基を対応するアミノ基に
転換することができる。通常の条件下で、例えば酸又は
塩基を用いて加水分解を行う。
適当な酸は例えば鉱酸、例えば塩酸、硫酸もしくはリ
ン酸、あるいは有機酸、例えばアルカンスルホン酸又は
アレーンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸もしくはp−ニトロベンゼンスルホン
酸であり、好ましくは水性溶液中で、例えば水中で又は
水と有機溶剤との混合物、例えば水とメタノール、エタ
ノール、ジオキサン又はアセトニトリルとの混合物中で
使用され、温度は20℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃
である。R3がヒドロキシでありそしてR4が水素である場
合、これらは前記の酸性条件下で同時に除去され、その
際結合が形成される。
適当な塩基は金属水酸化物、例えばアルカリ金属水酸
化物、例えばリチウム、ナトリウムもしくはカリウムの
水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、例えばナトリウムもし
くはカリウムの炭酸塩、又はテトラ−置換水酸化アンモ
ニウム、ベンビルトリメチルアンモニウム水酸化物であ
り、好ましくは水中、又は前記の水と有機溶剤との混合
物中で使用し、温度は20℃〜120℃、例えば約50℃であ
る。過酸化水素を30%水溶液の形で加えて塩基性加水分
解を促進することができる。塩基性加水分解の間、同時
にラクトン環が開環され、そしてR3がヒドロキシであり
そしてR4が水素である式(III)の化合物が得られる。
これらの基R3及びR4は、酸、例えば前記の酸のいずれか
で処理することにより除去することができ、この際結合
が形成される。
アシル基Z1のための上記の酸性又は塩基性加水分解条
件はさらに、同時に低級アルキルエステル基COOR1の加
水分解を通常生じさせ、その結果R2が水素である式(II
I)の化合物が生成する。式(II)の化合物の水素化の
後、低級アルキルエステル基COOR1が選択的に加水分解
されるべき場合、全く穏和な反応条件で十分であろう。
エステルは、例えば水溶液としての前記の酸により、低
下した温度、例えば0℃〜室温において開裂される。強
有機カルボン酸、例えばクロロ酢酸、トリクロロ酢酸も
しくはトリフルオロ酢酸、又は有機アミン、例えばトリ
アルキルアミン、例えばトリエチルアミンもしくはトリ
ブチルアミン、又はピリジンを水溶液として使用するこ
ともできる。
次の段階において、R2が水素でありそしてR3及びR4
一緒になって結合を示す式(III)の化合物をR2が低級
アルキルである対応する化合物に転換しようとする場
合、この目的のために通常のエステル化条件が使用され
る。適当な条件は、例えば、酸、例えばできるだけ無水
の鉱酸、例えば塩酸、濃硫酸、ポリリン酸又は五酸化リ
ン、有機スルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸、
酸性イオン交換体又はルイス酸、例えばボロントリフル
オロエテレートの存在下、場合によっては除水剤、例え
ばモレキュラーシーブの存在下、あるいは、例えばハロ
ゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルムも
しくは四塩化炭素、又は芳香族炭化水素、例えばベンゼ
ンもしくはトルエンとの共沸蒸留による反応水の除去を
伴う、過剰の対応する低級アルカノールR2OHである。酸
性エステル化は、例えば0℃〜アルコールR2OHの沸点又
は前記の溶剤との共沸点の温度において行われる。エス
テル化はまた、アルキル化剤、例えばエタノール溶液中
ジアゾメタンを用いて達成される。
Z2がアミノでありそしてR3及びR4が一緒になって結合
を表わす式IIIの化合物を、Z2がアシルアミノである対
応する化合物に転換するために、式(II)の化合物につ
いて前記したアシル化条件が使用される。同様にして、
式(III)の化合物においてアシルアミノを表わすZ2
アミノを表わすZ2に転換されるべき場合、及び/又は低
級アルキルを表わすR2が水素を表わすR2に転換されるべ
き場合、前記の加水分解条件を用いることができる。
R2低級アルキルであり、そしてR3及びR4が一緒になっ
て結合を表わす式(III)の化合物において、適当な塩
基により、純粋なジアステレオアイソマー又はジアステ
レオアイソマーの混合物を、5−員ラクトン環における
すべての置換基CH3,COOR2及びZ2がトランス型であるジ
アステレオアイソマーに転換することができる。式(I
I)のエナンチオマー的に純粋な出発物質の選択により
あらかじめ決定された、メチル基を担持する炭素原子C
(4)の配置(configuration)に依存して、この転換
は(2S,3S,4R)−又は(2R,3R,4S)−ジアステレオアイ
ソマーをもたらす。この様な異性化のために適当な塩基
は例えば、第三アミン、例えばトリエチルアミンもしく
はトリブチルアミン、ピリジンもしくはピリジン誘導
体、例えばルチジン、アミン塩基、例えば1,5−ジアザ
ビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エンもしくは1.8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エン、又は塩基性ア
ルカリ土類金属塩、例えば炭酸ナトリウムもしくは炭酸
カリウム、又は弗化カリウムである。異性化は好ましく
は極性の無水溶剤、例えばメタノール、エタノール、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド又はジメチルスルホキシド中で、0℃
〜50℃の温度において、例えばおよそ室温において行わ
れる。
次の段階において、R3及びR4が一緒になって結合を表
わす式(III)の化合物中、ラクトン環の開環を、水性
塩基、例えば水性アルカリ金属水酸化物、例えばリチウ
ム、ナトリウムもしくはカリウムの水酸化物、又はアル
カリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムもしくは炭酸カ
リウムで処理することにより、所望により可溶化有機溶
剤、例えばエタノール又はエチレングリコールの存在下
で、好ましくは0℃〜室温において行う。アシルアミノ
基Z2の加水分解において前記した塩基性反応条件を適用
することもできる。塩基処理により形成された、R3がヒ
ドロキシでありそしてR4が水素である式(III)の化合
物の塩、例えばアルカリ金属塩は、等モル量のプロトン
生成酸、例えば鉱酸、例えば塩酸により酸性化される。
Z2がアシルアミノである場合、水性塩基によるラクトン
環の開環と同時に、又はそれに引き続いて、アシルアミ
ノ基Z2もまた前記と同様にして加水分解されるべきであ
る。
次の段階において、式(III)の化合物中、ヒドロキ
シ基R3、カルボキシ基COOR4、及びR2が水素である場合
にはさらにカルボキシ基COOR2は適当な保護基により保
護される。保護基の導入及び除去は保護基に関する前に
引用した標準的研究に記載されている。
シリル保護基、例えばトリメチルシリルは対応するシ
リルハライド、例えばイオジド、ブロミド又は好ましく
はクロリドにより、塩基、例えばピリジン、ジメチルア
ミノピリジン、イミダゾール、トリエチルアミン、ジシ
クロヘキシルアミン又はジ(トリメチルシリル)アミン
の存在下で、対応するシリルアミド、例えばトリメチル
シリルアセタミド又は3−(トリメチルシリル)−2−
オキサゾリジノンを介して、あるいは他の反応性シリル
誘導体を用いて導入される。上記の塩基の存在下での対
応するハライドはまた、tert−低級アルキル、ジアリー
ルメチル、トリアリールメチル、低級アルコキシメチル
又は低級アルキルチオメチル保護基の導入のたにも適当
である。tert−低級アルキル基、及び1−位において酸
素又は硫黄により置換されている基は好ましくは対応す
るオレフィン、例えばイソブチレン、エチルビニルエー
テル、2,3−ジヒドロフラン又は3,4−ジヒドロ−2H−ピ
ランにより、無水酸、例えば鉱酸、例えば塩化水素、ス
ルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸、又はルイス
酸、例えばボロントリフルオリドエテレートの存在下で
導入される。保護基の導入のため、好ましくは無水不活
性溶剤、例えば炭化水素、例えばトルエン、ハロゲン化
炭化水素、例えば塩化メチレン、又はエーテル、例えば
ジエチルエーテルもしくはテトラヒドロフランが0℃〜
溶剤の沸点の温度において、例えばおよそ室温において
使用される。アミノ基と保護基導入剤との反応を回避す
るため、反応は制御された条件下で、例えば等量の試薬
を用いて行われるべきであり、そして/又はアミノ基は
例えばアンモニア又は第三級アミン、例えばメチルアミ
ンとの反応により再び遊離化されるべきである。
R3が保護されたヒドロキシ基であり、COOR4が保護さ
れたカルボキシであり、そしてCOOR2が低級アルコキシ
カルボニル又は保護されたカルボキシである式(III)
の化合物は、強塩基により環化されβ−ラクタムが生成
する。適当な強塩基は、保護されたカルボキシ基、及び
適用可能であればアルコキシカルボニルCOOR2を同時に
修飾することなく、アミノ官能基を優先的に脱プロトン
化するものである。例えば、非−親核性アルカリ金属ア
ミド、例えばリチウムジイソプロピルアミド、リチウム
シクロヘキシルエチルアミド、リチウム2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジド又はカリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、又は1−位において分岐している低級アル
キルマグネシウム化合物又は低級アルキルリチウム化合
物、例えばtert−ブチルリチウム、イソプロピルマグネ
シウムハライド又は好ましくはtert−ブチルマグネシウ
ムハライド、例えばtert−ブチルマグネシウムクロリド
を、不活性溶剤、例えばエーテル、例えばジエチルエー
テル又はテトラヒドロフラン、炭化水素、例えばトルエ
ン、ペンタン、ヘキサン又はシクロヘキサン、あるいは
これらの溶剤の混合物中で、−80℃〜室温において、例
えば約0℃において用いるのが好ましい。
反応混合物の処理はpH2〜5の弱酸性水溶液、例え
ば、所望により緩衝化されている稀鉱酸水溶液、例えば
リン酸、カルボン酸、例えば酢酸の水溶液中で、あるい
は弱酸性塩溶液、例えば硫酸水素カリウム又は酒石酸水
素カリウムもしくはナトリウムの溶液中で行われ、ヒド
ロキシ保護基及びカルボキシ保護基が同時に除去され
る。
こうして得られた式(IV)の化合物は、四酢酸鉛によ
り、又は好ましくはアセテート生成剤の存在下で電気化
学的に、酸化的に脱カルボキシル化される。
化学的酸化的脱カルボキシル化のため、式(IV)の化
合物を等モル量の又は過剰量の四酢酸鉛と、好ましくは
1〜1.5当量で、不活性極性溶剤中20℃〜80℃の温度に
おいて、例えば約50℃において例えば酢酸、ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン
酸トリアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等、好
ましくは溶剤混合物、例えば酢酸/ジメチルホルムアミ
ド中で、そして例えばアルカリ金属の酢酸塩、例えば酢
酸ナトリウムもしくは酢酸カリウム、及び/又はアミ
ン、例えばピリジンもしくはルチジンを添加して、反応
せしめる。
電気化学的酸化的脱カルボキシル化のため、モノ−セ
ル(mono−cell)、あるいは、例えば多孔性粘土もしく
はガラス製の又はポリ塩化ビニル製の機械的隔壁を有す
る、又は例えばナフィオン(Nafion)の商品名のもとに
得られるイオン交換隔壁、及び貴金属、例えば白金、チ
タン合金、例えばチタン/イリジウム又はチタン/タン
タル、又はニッケル、二酸化鉛、グラスカーボン及び/
又はグラファイトで作られた電極を有する分割されたセ
ルが使用される。電気化学的脱カルボキシル化はアセテ
ート生成剤の存在下で、例えば酢酸、又は酢酸と不活性
有機溶剤、例えばアセトニトリル、ジオキサンもしくは
ジメチルホルムアミド中で行われ、この場合、アミン、
例えばトリ−低級アルキルアミン、例えばトリエチルア
ミンもしくはトリ−n−ブチルアミン、又はピリジン、
及び/又はアルカリ金属の酢酸塩、例えば酢酸ナトリウ
ムもしくは酢酸カリウム、及び追加の導電性塩、例えば
リチウム、ナトリウム、カリウム又はテトラアルキルア
ンモニウム塩、例えば対応する四弗化硼酸塩が添加され
る。電気分解のための適当な電流密度は10〜400mA/c
m2、例えば約40mA/cm2である。反応温度は0℃〜50℃、
好ましくは室温〜30℃である。
四酢酸鉛を用いる酸化的脱カルボキシル化、及びアセ
テート生成剤の存在下での電気化学的脱炭酸化は、C
(3)のヒドロキシエチル基及びC(4)のアセトキシ
基が相互に対してトランス位に配置されている式(I)
の化合物、すなわち(3R,4R)−又は(3S,4S)−配置を
有するジアステレオアイソマーを優先的にもたらす。
前記の化合物の塩は常法に従って得られる。式(II)
又は式(III)の化合物中のアミノ基の酸付加塩は、例
えば、酸又は適当な陰イオン交換剤で処理することによ
り形成され、この場合好ましくは理論量、又は好ましく
はわずかに過剰量の塩形成剤が使用される。例えば遊離
カルボキシ基を含有する式(III)の化合物の内部塩
は、例えば、塩、例えば酸付加塩を、例えば塩基により
等電点に中和するか、あるいはイオン交換体又はエポキ
シド、例えばプロピレンオキシドで処理することにより
形成することができる。カルボキシ基を有する式(II
I)又は(IV)の化合物の塩は、例えば、金属化合物、
例えば適当な有機カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば
2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩、無機アルカリ金
属又はアルカリ土類金属塩、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、理論量のもしくはわずかに過剰量のアルカリ金属水
酸化物、例えばリチウム、ナトリウムもしくはカリウム
の水酸化物、又はアンモニアもしくは適当な有機アミン
により処理することによって形成することができる。
塩は常法に従って遊離化合物に転換することができ
る。すなわち、金属塩又はアンモニウム塩は例えば適当
な酸で処理することにより、そして酸付加塩は例えば適
当な塩基性剤で処理することにより、それぞれ遊離化合
物に転換することができる。
この発明の方法はまた、中間体を単離し、そしてこれ
を用いて残りの工程を実施し、出発物質及び試薬をその
場で生成せしめ、そして/又は中間体及び最終生成物を
単離することなくさらに処理する、等、の変法を包含す
る。
この発明は特にまた、式(I)の化合物の製造のため
の全工程それ自体の、又はその一部としての、前の記載
した好ましい反応条件下での後に記載する新規な方法に
関する。
式(IV)の化合物又はその塩を、酢酸及び/又はアル
カリ金属酢酸塩、例えば酢酸ナトリウム又にカリウムの
存在下で、10〜400mA/cm2の電流密度及び0℃〜50℃の
温度において電気化学的に脱カルボキシル化することを
特徴とする式(I)の化合物の製造方法が好ましい。
式(IV)の化合物の(3S,4S,1′R)−ジアステレオ
アイソマーから式(I a)の化合物を製造するための前
記の方法がより一層好ましい。
そしてまた、R2が低級アルキルであり、R3がヒドロキ
シであり、R4が水素であり、そしてZ2がアミノである式
(III)の化合物又はその塩を、塩基、例えばアミン、
例えばヘキサメチルジシラザンの存在下、不活性溶剤中
でトリ−低級アルキルシリル化剤、例えばトリメチルシ
リルクロリドと反応せしめ、R2が低級アルキルであり、
R3トリ−低級アルキルシリルオキシであり、R4がトリ−
低級アルキルシリルでありそしてZ2がアミノである式
(III)の生ずる化合物を強塩基、例えば非親核性アル
カリ金属アミド、又は1−位において分岐している低級
アルキルマグネシウム化合物もしくは低級アルキルリチ
ウム化合物、例えばtert−ブチルマグネシウムハライド
により、不活性溶剤中−80℃〜室温にて環化し、そして
生ずる化合物を加水分解し、そして所望により、生ずる
塩を遊離化合物又は他の塩に、あるいは生ずる遊離化合
物を塩に転換することを特徴とする式(IV)の化合物又
はその塩の製造方法も好ましい。
さらに具体的には、式(III)の化合物の対応する(2
S,3S,4R)−ジアステレオアイソマーから式(IV)の化
合物の(3S,4S,1′R)−ジアステレオアイソマー又は
その塩を製造するための前記の部分工程が好ましい。
さらにまた、R2が低級アルキルであり、R3及びR4が一
緒になって結合を表わし、そしてZ2がアミノ又はアシル
アミノである式(III)の化合物又はその塩の製造方法
であって、R1が低級アルキルでありそしてZ1がアミノ、
アリールメチルアミノ、アシルアミノ又はアジドである
式(II)の化合物、又はその塩を、貴金属触媒、例えば
白金、パラジウム又はパラジウム/ロジウム触媒の存在
下、不活性溶剤中で、0℃〜100℃の温度でそして1〜1
00バールの水素圧において水素により還元し、そして所
望により、生ずるジアステレオアイソマー混合物を塩基
により、例えば第三アミン又はアミジンにより、無水極
性溶剤中、0℃〜50℃の温度において置換基のすべてが
トランス形であるジアステレオアイソマーに転換し、そ
して所望により、生ずる塩を遊離化合物もしくは異る塩
に、又は生ずる遊離化合物を塩に転換することを特徴と
する方法が好ましい。
一層具体的には、式(II)の化合物の純粋な(R)−
又は(S)−エナンチオマーから、式(III)の化合物
の(2S,3S,4R)−、(2R,3R,4S)−、(2R,3S,4S)−、
(2S,3R,4R)−、(2R,3S,4R)−及び(2S,3R,4S)−ジ
アステレオアイソマー並びにこれらの化合物の塩を製造
するための前記の部分工程が好ましい。
この発明は特に、例に記載する方法に関する。
その後の処理 式(I)の化合物、そして特に式(I a)の純粋なジ
アステレオアイソマーは、当業界において知られている
多くの方法の1つに従って価値ある最終生成物に転換す
ることができる。この目的のため、これらの方法のほと
んどは、ヒドロキシ基及び/又はβ−ラクタム窒素原子
が保護基により保護されている式(I)の化合物の誘導
体を必要とする。この様な保護基は、例えば、保護基に
関する前記の概説書の1つに記載されているようにして
容易に導入することができる。
しかしながら有利には、式(I)の化合物及びそのジ
アステレオアイソマーは、追加の反応段階を回避するた
めに保護基を伴わないでさらに処理される。例えば、式
(I a)の化合物は、ヨーロッパ特許出願No.215739に記
載されている様に、窒素原子において保護されているα
−アミノチオカルボン酸N−アリルオキシカルボニル−
チオグリシンと反応することができ、そしてさらに、少
数の段階において非常に有効な抗生物質(5R,6S,1′
R)−2−アミノメチル−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−ペネム−3−カルボン酸にすることができ
る。該最終生成物の価値ある性質及びその使用は、例え
ば独国特許出願DE3431980に記載されている。
中間体 この発明はさらに、新規な中間体に関する。
この発明は特に式(III)の化合物に関し、この式
中、R2は水素、低級アルキル、例えばメチルもしくはエ
チル、又はカルボキシ保護基、例えばトリ−低級アルキ
ルシリル、例えばトリメチルシリル、tert−ブチル−ジ
メチル−シリルもしくは1,1,2−トリメチルプロピル−
ジメチル−シリル、アリール置換シリル、例えばジメチ
ルフェニルシリルもしくはトリフェニルシリル、1−位
において低級アルキル置換されておりそして/又は分岐
している低級アルキル、例えばtert−ブチル、ジフェニ
ルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)メチル、トリチ
ル、メトキシメチル、1−エトキシエチルもしくはメチ
ルチオメチル、又は5〜7個の環原子を有する2−オキ
ソ−もしくは2−チア−シクロアルキル、例えば2−テ
トラヒドロフリルもしくは2−テトラヒドロピラニルで
あり、R3はヒドロキシ又は保護されたヒドロキシ、例え
ばトリ−低級アルキルシリルオキシ、例えばトリメチル
シリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシもし
くは1,1,2−トリメチルプロピル−ジメチル−シリルオ
キシ、アリール置換シリルオキシ、例えばジメチルフェ
ニルシリルオキシもしくはトリフェニルシリルオキシ、
1−位において置換されておりそして/又は分岐してい
る低級アルコキシ、例えばtret−ブトキシ、ジフェニル
メトキシ、ジ(p−メトキシフェニル)メトキシ、トリ
メチルオキシ、メトキシメトキシ、1−エトキシエトキ
シもしくはメチルチオメトキシ、又は5〜7個の環原子
を有する2−オキサ−もしくは2−チア−シクロアルコ
キシ、例えば2−テトラヒドロフリルオキシ又は2−テ
トラヒドロピラニルオキシであり、R4は水素又はカルボ
キシ保護基、例えばR2において前記したカルボキシ保護
基であり、あるいはR3とR4は一緒になって結合を表わ
し、そしてZ2はアミノ又はアシルアミノ、例えば非置換
のもしくは置換された低級アルカノイルアミノ、例えば
ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミ
ノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、クロロアセチルア
ミノ、トリクロロアセチルアミノもしくはトリフルオロ
アセチルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、例
えばtert−ブトキシカルボニルアミノ、アリール低級ア
ルコキシカルボニルアミノ、例えばベンジルオキシカル
ボニルアミノ、4−ニトロベンジルオキシカルボニルア
ミノもしくはジフェニルメトキシカルボニルアミノ、又
はアリールカルボニルアミノ、例えばベンゾイルアミノ
であり、さらにこれらの化合物の純粋なジアステレオア
イソマー及び塩に関する。
この発明は特に、式(III)の化合物の純粋なジアス
テレオアイソマー、及びその塩に関し、ここでR2は水
素、低級アルキル、例えばメチルもしくはエチル、又は
カルボキシ保護基、例えばトリ−低級アルキルシリル、
例えばトリメチルシリルであり、R3はヒドロキシ又は保
護されたヒドロキシ、例えばトリ−低級アルキルシリル
オキシ、例えばトリメチルシリルオキシであり、R4は水
素又はカルボキシ保護基、例えばトリ−低級アルキルシ
リル、例えばトリメチルシリルであり、あるいはR3及び
R4は一緒になって結合を表わし、そしてZ2はアミノ、低
級アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノもしくは
tert−ブチルカルボニルアミノ、低級アルコキシカルボ
ニルアミノ、例えばtert−ブトキシカルボニルアミノ、
又はアリールカルボニルアミノ、例えばベンゾイルアミ
ノである。
この発明は主として式(III)の化合物の(2S,3S,4
R)−、(2R,3R,4S)−、(2R,3S,4S)−、(2S,3R,4
R)−、(2R,3S,4R)−及び(2S,3R,4S)−ジアステレ
オアイソマー並びにこれらの塩に関し、ここでR2は水
素、低級アルキル、例えばメチルもしくはエチル、トリ
−低級アルキルシリル、例えばトリメチルシリルであ
り、R3はヒドロキシ又はトリ−低級アルキルシリルオ
キ、例えばトリメチルシリルオキシであり、R4は水素又
はトリ−低級アルキルシリル、例えばトリメチルシリル
であり、あるいはR3とR4は一緒になって結合を表わし、
そしてZ2はアミノ又は低級アルカノイルアミノ、例えば
アセチルアミノ又はtert−ブチルカルボニルアミノであ
る。
この発明は特に、R2が水素又は低級アルキル、例えば
メチル又はエチルであり、R3とR4が一緒になって結合を
表わし、そしてZ2がアミノ又は低級アルカノイルアミ
ノ、例えばアセチルアミノである式(III)の化合物の
(2S,3S,4R)−、(2R,3R,4S)−、(2R,3S,4S)−及び
(2R,3S,4R)−ジアステレオアイソマー、並びにこれら
の塩に関する。
同様に、この発明は、R2が水素又は低級アルキル、例
えばメチル又はエチルであり、R3がヒドロキシ又はトリ
−低級アルキルシリルオキシ、例えばトリメチルシリル
オキシであり、R4が水素又はトリ低級アルキルシリル、
例えばトリメチルシリルであり、そしてZ2がアミノであ
る式(III)の化合物の(2S,3S,4R)−ジアステレオア
イソマー及びその塩に関する。
この発明はまた、式(IV)の化合物及びその純粋なジ
アステレオアイソマー、特に(3S,4S,1′R)−ジアス
テレオアイソマーに関する。
この発明は特に例に記載する中間体に関する。
出発物質 この発明はまた、新規な出発物質及びその製造方法に
関する。この発明は特に、R1が低級アルキルであり、そ
してZ1がヒドロキシ、エーテル化ヒドロキシ、エステル
化ヒドロキシ、アミノ、アリールメチルアミノ、アシル
アミノ又はアジドである式(II)の化合物の純粋なエナ
ンチオマー、これらの化合物の互変異性形、例えばR1
低級アルキルであり、そしてYがオキソ、イミノ、アリ
ールメチルイミノ又はアシルイミノである式(II a)の
化合物、並びに塩形成基を有するこれらの化合物の塩に
関する。
エーテル化ヒドロキシZ1は例えば、非置換の又は置換
されている低級アルコキシ、例えば低級アルコキシ、例
えばメトキシもしくはエトキシ、低級アルコキシ−低級
アルコキシ、例えば1−もしくは2−メトキシエトキシ
もしくは−エトキシエトキシ、又はメトキシメトキシ、
低級アルカノイルオキシ−低級アルコキシ、例えばアセ
トメトキシメトキシもしくはtret−ブチルカルボニルオ
キシメトキシ、又はアリール低級アルコキシ、例えばベ
ンジルオキシもしくは2−フェニルエトキシ、アリール
オキシ、例えばフェノキシ、又はシリルオキシ、例えば
トリ−低級アルキルシリルオキシ、例えばトリメチルシ
リルオキシもしくはtert−ブチルジメチルシリルオキ
シ、又はトリアリールシリルオキシ、例えばトリフェニ
ルシリルオキシである。
エステル化ヒドロキシZ1は、例えば鉱酸、有機スルホ
ン酸又はカルボン酸によりエステル化されたものであ
り、そして例えば、ハロゲン、例えば塩素、臭素もしく
はヨウ素、非置換のもしくは置換された低級アルカンス
ルホニルオキシ、例えばメタンスルホニルオキシ、トリ
フルオロメタンスルホニルオキシもしくはカンファー−
10−スルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、例
えばベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニ
ルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシもしく
は2,4−ジニトロベンゼンスルホニルオキシ、非置換の
もしくは置換された低級アルカノイルオキシ、例えばホ
ルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、tert
−ブチルカルボニルオキシ、クロロアセトキシ、フルオ
ロアセトキシもしくはトリフルオロアセトキシ、低級ア
ルコキシカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル
オキシ、もしくはn−もしくはtert−ブトキシカルボニ
ルオキシ、又はアリールカルボニルオキシ、例えばベン
ゾイルオキシである。
この発明は特に、R1が低級アルキル、例えばメチル、
エチル又はtert−ブチルであり、そしてZ1はヒドロキ
シ、非置換のもしくは置換された低級アルコキシ、例え
ば非置換の低級アルコキシ、例えばメトキシもしくはエ
トキシ、低級アルキル−低級アルコキシ、例えば1−も
しくは2−メトキシエトキシもしくは−エトキシエトキ
シ、もしくはメトキシメトキシ、低級アルカノイルオキ
シ−低級アルコキシ、例えばアセトキシメトキシもしく
はtert−ブチルカルボニルオキシメトキシ、又はアリー
ル−低級アルコキシ、例えばベンジルオキシもしくは2
−フェニルエトキシ、アリールオキシ、例えばフェノキ
シ、シリルオキシ、例えばトリ−低級アルキルシリルオ
キシ、例えばトリメチルシリルオキシもしくはtert−ブ
チルジメチルシリルオキシ、又はトリアリールシリルオ
キシ、例えばトリフェニルシリルオキシ、ハロゲン、例
えば塩素、臭素もしくはヨウ素、非置換のもしくは置換
された低級アルカンスルホニルオシ、例えばメタンスル
ホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシも
しくはカンファー−10−スルホニルオキシ、アレーンス
ルホニルオキシ、例えばベンゼンスルホニルオキシ、p
−トルエンスルホニルオキシ、p−ニトロベンゼンスル
ホニルオキシもしくは2,4−ジニトロベンゼンスルホニ
ルオキシ、非置換のもしくは置換された低級アルカノイ
ルオキシ、例えばホルミルオキシ、アセトキシ、プロピ
オニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、クロロ
アセトキシ、フルオロアセトキシもしくはトリフルオロ
アセトキシ、低級カルコキシカルボニルオキシ、例えば
メトキシカルボニルオキシ又はn−もしくはtert−ブト
キシカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、例
えばベンゾイルオキシ、アミノ、アリールメチルアミ
ノ、例えばベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、2−,3
−もしくは4−メチルベンジルアミノ、α−もしくはβ
−ナフチルアミノ又はジフェニルメチルアミノ、非置換
のもしくは置換された低級アルカノイルアミノ、例えば
ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミ
ノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、クロロアセチルア
ミノ、トリクロロアセチルアミノもしくはトリフルオロ
アセチルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、例
えばtert−ブトキシカルボニルアミノ、アリール−低級
アルコキシカルボニルアミノ、例えばベンジルオキシカ
ルボニルアミノ、4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノもしくはジフェニルメトキシカルボニルアミノ、
アリールカルボニルアミノ、例えばベンゾイルアミノ、
又はアジドである式(II)の化合物の純粋なエナンチオ
マー;これらの化合物、例えばR1が低級アルキルであ
り、そしてYがオキソ、イミノ、アリールメチルイミノ
又はアシルイミノである式(II a)の化合物の互変異性
型;並びに塩形成基を有するこれらの化合物の塩に関す
る。
この発明は主として、R1が低級アルキル、例えばメチ
ル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてZ1がヒドロ
キシ、ハロゲン、例えば塩素、臭素もしくはヨウ素、非
置換のもしくは置換された低級アルカンスルホニルオキ
シ、例えばメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシもしくはカンファー−10−スルホニ
ルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、例えばベンゼン
スルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、p
−ニトロベンゼンスルホニルオキシもしくは2,4−ジニ
トロベンゼンスルホニルオキシ、アミノ、アリールメチ
ルアミノ、例えばベンジルアミノもしくはベンジルアミ
ノ、低級アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノも
しくはtert−ブチルカルボニルアミノ、低級アルコキシ
カルボニルアミノ、例えばtert−ブトキシカルボニルア
ミノ、アリールカルボニルアミノ、例えばベンゾイルア
ミノ、又はアジドである式(II)の化合物の純粋なエナ
ンチオマー;これらの化合物の、例えばR1が低アルキル
であり、そしてYがオキソ、イミノ、アリールメチルイ
ミノ又はアシルイミノである式(II a)の化合物の互変
異性体;並びに塩形成基を有するこれらの化合物の塩に
関する。
この発明は特に、R1が低級アルキル、例えばメチル、
エチル又はtert−ブチルであり、そしてZ1がヒドロキ
シ、低級アルカンスルホニルオキシ、例えばメタンスル
ホニルオキシ、カンファースルホニルオキシ、例えばd
−カンファー−10−スルホニルオキシ、アレーンスルホ
ニルオキシ、例えばp−トルエンスルホニルオキシ、p
−ニトロベンゼンスルホニルオキシもしくは2,4−ジニ
トロベンゼンスルホニルオキシ、アミノ、アリールメチ
ルアミノ、例えばベンジルアミノ、低級アルカノイルア
ミノ、例えばアセチルアミノ、又はアジドである式(I
I)の化合物の純粋なエナンチオマー;これらの化合物
の、例えばR1が低級アルキルであり、そしてYがオキ
ソ、イミノ、アリールメチルイミノ又は低級アルカノイ
ルイミドである式(II a)の化合物の互変異性体;並び
に塩形成基を有するこれらの化合物の塩に関する。
この発明の式(II)の新規な化合物、及びその塩は、
それ自体既知の方法により、例えば次の様にして製造す
ることができる。
a) 次の式(V): (式中、R1は低級アルキル基を表わす) で表わされるエナンチオマー的に純粋な化合物を蓚酸ジ
エステルと縮合せしめ;あるいは b) R1が低級アルキルでありそしてZ1がヒドロキシ、
アミノ又はアリールメチルアミノである式(II)のラセ
ミ体化合物をエナンチオマー的に純粋なキラル酸又はそ
の反応性誘導体と反応せしめ、生ずるジアステレオアイ
ソマー混合物をジアステレオアイソマーに分離し、そし
て所望により、純粋なジアステレオアイソマーを再び開
裂せしめ;あるいは、 c) 次の式(VI): 〔式中、R1は低級アルキルであり、そしてR4は水素、又
はカルボキシ保護基であり、そしてZ1は式(II)におい
て定義した通りである〕 で表わされるプロキラル化合物において、カルボニル基
をキラル還元剤により還元し、そして適用可能であれ
ば、保護基R4を除去した後ラクトン環を酸により閉環
し、そして所望により、式(II)の生ずるエナンチオマ
ー的に純粋な化合物を式(II)の異るエナンチオマー的
に純粋な化合物に転換し、そして/又は生ずる塩を遊離
化合物にもしくは異る塩に、又は生ずる遊離化合物を塩
に転換する。
変法(a)における縮合は、エステル交差縮合(cros
scondensation)の通常の反応条件下で行われる。ヒド
ロキシ酢酸エステルは2当量以上の強非−親核性塩基に
より脱プロトン化され、そして生成されるジアニオンが
極性の好ましくは非プロトン性溶剤中で蓚酸エステルと
反応する。
適当な非−親核性塩基は、例えばアルカリ金属アミ
ド、例えばリチウムジイソプロピルアミド、リチウムシ
クロヘキシルエチルアミド、リチウム2,2,6,6−トトラ
メチルピペリジン、又はリチウム、ナトリウムもしくは
カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、分岐したア
ルキルリチウム化合物、例えばtert−ブチルリチウム、
又はアルカリ金属ヒドリド、例えばナトリウムもしくは
カリウムヒドリドである。
適当な極性非プロトン性溶剤は例えばエーテル、例え
ばテトラヒドロフランもしくはジメトキシエタン、アミ
ド、例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ンもしくはヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルス
ルホキシド、環状尿素、例えばN,N′−ジメチル−N,N′
−プロピレン尿素、又はさらにこれらの溶剤相互の及び
/又は炭化水素、例えばn−ペンタン、n−ヘキサンも
しくはシクロヘキサンとの混合物である。溶剤として低
級アルカノール、例えばアルコールR1OH、例えばメタノ
ール、エタノール又はtert−ブタノールを使用すること
もでき、この場合、塩基として対応するアルカリ金属ア
ルコラート、例えばナトリウムメタノレート又はカリウ
ムtert−ブタノレートが使用される。
縮合反応は好ましくは低温において、例えば−100℃
〜0℃、例えば−78℃〜−30℃において、所望により保
護ガス雰囲気下で、例えば窒素又はアルゴン雰囲気下で
行われる。
変法(b)において、Z1がアミノ又はアリールメチル
アミノ、例えばベンジルアミノである式(II)のラセミ
体化合物が、エナンチオマー的に純粋なキラル酸を用い
て2つのジアステレオアイソマー酸付加塩の混合物に転
換される。適当な酸は、例えばキラルカルボン酸、例え
ば酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、グルタミン
酸、ピロリドン−5−カルボン酸(ピログルタミン
酸)、又はメトキシ酢酸、そしてさらにキラルスルホン
酸、例えばカンファー−10−スルホン酸である。得られ
るジアステレオマー塩が通常の物理的方法、例えば分別
結晶化により分割される。ジアステレオアイソマー的に
純粋な塩が、常法に従って、例えば塩基又はイオン交換
体による処理によって式(II)のエナンチオマー的に純
粋な化合物に再び開裂され得る。
Z1がヒドロキシである式(II)のラセミ体化合物はエ
ナンチオマー的に純粋な酸又はこの様な酸の適当な誘導
体によりエステル化される。上記のキラルカルボン酸の
いずれかによるエステル化は通常の条件下で、例えば、
式(III)の化合物のいずれかの他の化合物への転換に
ついて前に記載したように、無水鉱酸、有機スルホン酸
又はルイス酸の存在下で行われる。しかしながら好まし
くは、前記のキラルカルボン酸又はスルホン酸の誘導
体、例えば無水物、例えば対称カルボン酸無水物、又は
ハライド、例えば酸塩化物がエステル化のために使用さ
れる。塩化物、例えばピログルタミン酸塩化物、メトキ
シ酢酸塩化物、又は特にカンファー−10−スルホン酸塩
化物によるエステル化は、不活性溶剤、例えばトルエ
ン、ジエチルエーテル又は塩化メチレン中、塩基、例え
ば第三アミン、例えばトリエチルアミンもしくはN−メ
チルモルホリン、又はアルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属の炭酸塩、例えばナトリウム、カリウム又はカル
シウムの炭酸塩の存在下で、−30℃〜50℃、好ましくは
約0℃の温度において行われる。得られるジアステレオ
アイソマーエステルは通常の物理的方法、例えば分別結
晶化又はカラムクロマトグラフィーにより分割される。
得られるジアステレオアイソマー的に純粋なエステル
は、Z1がキラルにエステル化されたヒドロキシである式
(II)のエナンチオマー的に純粋な化合物である。所望
により、これらはエステル加水分解の常法に従って、Z1
がヒドロキシである式(II)のエナンチオマー的に純粋
な化合物に再び開裂され得る。
Z2がヒドロキシである式(II)のラセミ体化合物はま
た、ジ酸の無水物、例えばフタル酸、コハク酸又はマレ
イン酸無水物によりエステル化することができ、そして
得られる酸をエナンチオマー的に純粋なキラルアミン、
例えばα−フェネチルアミン、ブルシン又はアビエチル
アミンとの塩形成によりジアステレオアイソマー塩の混
合物に転換することができ、この塩を結晶化により分離
することができる。常法に従う開裂が式(II)のエナン
チオマー的に純粋な化合物をもたらす。
Z1がアミノ又はアリールメチルアミノである式(II)
のラセミ体化合物は前記のようにしてアミノ基において
アシル化することができる。使用されるアシル化剤がエ
ナンチオマー的に純粋なキラル酸の、例えば前記のカル
ボン酸又はスルホン酸の誘導体である場合、ジアステレ
オアイソマーアミドの混合物が形成され、これを分別結
晶化又はクロマトグラフィーにより分離することができ
る。得られるジアステレオアイソマー的に純粋な化合物
は、Z1がキラルアシルアミノである式(II)のエナンチ
オマー的に純粋な化合物である。
変法(c)のための適当なキラル還元剤は例えば、転
移性(transferable)水素原子を含有するエナンチオマ
ー的に純粋なキラルボラン、例えば(+)もしくは
(−)ジイソピノカンフェリルボラン、あるいはエナ
ンチオマー的に純粋なキラルアルコール、アミノアルコ
ール又はアミン、例えば1,1′−ジ(β−ナフトー
ル)、ダーボン(Darvon)アルコール又は2,6−ジメチ
ル−N−(2−ピロリジニルメチル)−アニリンの存在
下でのリチウムアルミニウムヒドリドである。適当な溶
剤はヒドロボレーション又はヒドリド還元において常用
されている溶剤、例えば無水エーテル、例えばジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン又は1,2−ジメトキシエ
タンである。好ましくは、還元は低温、例えば−100℃
〜0℃、例えば約−30℃において行われる。
還元により得られるヒドロキシ化合物は、もし適当で
あれば、保護基R4の除去の後、酸によって環化され、前
記のようにして式(II)のラクトンが生成する。適当な
酸及び反応条件は式(III)の化合物のエステル化にお
いて前に記載した通りであるが、ラクトン環の形成のた
めには式R2OHアルコールが省略される。
Z1がヒドロキシ、エーテル化ヒドロキシ又はエステル
化ヒドロキシである式(II)の化合物はそれ自体既知の
方法に従って、Z1がアミノ、アリールメチルアミノ、ア
シルアミノ又はアジドである式(II)の化合物に転換さ
れる。例えば、ヒドロキシ基は反応性脱離基、例えばハ
ライド、例えばクロリド、又はスルホネート、例えば低
級アルカンスルホネート、例えばメシレート、又はアレ
ーンスルホネート、例えばベンゼンスルホネート、p−
トルエンスルホネート、p−ニトロベンゼンスルホネー
ト又は2,4−ジニトロベンゼンスルホネートに転換さ
れ、そしてこの反応性脱離基がアリールメチルアミン、
例えばベンジルアミンもしくはジベンジルアミンによ
り、又はアジドにより置き換えられる。Z1がエーテル化
又はエステル化されたヒドロキシである式(II)の化合
物は、このエーテル化又はエステル化されたヒドロキシ
がアジドにより又はアリールメチルアミンにより置き換
えられ得る反応性脱離基、例えば2,4−ジニトロフェノ
キシ、ハロゲン、例えば塩素、臭素もしくはヨウ素、低
級アルカンスルホニルオキシ、例えばメシルオキシもし
くはカンファー−10−スルホニルオキシ、又はアレーン
スルホニルオキシ、例えばベンゼンスルホニルオキシ、
p−トルエンスルホニルオキシ、p−ニトロベンゼンス
ルホニルオキシもしくは2,4−ジニトロベンゼンスルホ
ニルオキシでなければ、Z1がヒドロキシである化合物に
あらかじめ転換される。
ヒドロキシのハロゲへの転換は、通常のハロゲン化
剤、例えば三ハロゲン化リン又は五ハロゲン化リン、例
えば三塩化リン又は五塩化リン、三臭化リン又はオキシ
塩化リン、トリフェニルリンジハライド、例えばトリフ
ェニルリンジクロリド、又は塩化チオニルを用いて、不
活性溶剤、例えばジエチルエーテル、トルエン、ジオキ
サンもしくはジメチルホルムアミド中で、又は過剰の試
薬中で、場合によっては塩基、例えばピリジンの存在下
で、−30℃〜50℃、例えば0℃〜室温において行われ
る。ヒドロキシのスルホネートへの転換は、好ましくは
対応するスルホン酸ハライド、例えばスルホン酸塩化物
を用いて、不活性溶剤、例えばトルエン、ジエチルエー
テル又は塩化メチレン中で、塩基、例えば第三級アミ
ン、例えばトリエチルアミンもしくはN−メチルモルホ
リン、又はアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭
酸塩、例えばナトリウム、カリウムもしくはカルシウム
の炭酸塩の存在下で、−30℃〜50℃、好ましくは約0℃
において行われる。
Z1が前記の脱離の1つである式(II)の化合物は、ア
リールメチルアミン、例えばベンジルアミン、ジベンジ
ルアミン,2−,3−もしくは4−メチルベンジルアミン、
α−もしくはβ−ナフチルメチルアミン又はジフェニル
メチルアミンと、あるいはアルカリ金属アジド、例えば
ナトリウムアジド又はカリウムアジドと、極性溶剤、例
えば水、アルコール、例えばメタノールもしくはエタノ
ール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド又はジメチルスルホキシド、あるいはこれらの
混合物中で、0℃〜50℃の温度において、好ましくは室
温において反応せしめる。アリールメチルアミンとの反
応はまた、溶剤を用いないで、過剰の試薬中で、又はわ
ずかに極性の溶剤、例えば塩化メチレン又はトルエン中
で行うこともできる。
式(V)のエナンチオマー的に純粋な化合物、例えば
(S)−又は(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルは既
知であり、又は既知の方法に従って、例えばポリヒドロ
キシ酢酸の脱重合により得られるヒドロキシ酸のエステ
ル化により製造することができる。
式(II)のラセミ体化合物は既知であり、あるいはR1
がエチルでありそしてZ1がヒドロキシである式(II)の
既知のラセミ体化合物から、式(II)又は(III)の化
合物の転換について前記した方法のいずれかに従って製
造することができる。
式(VI)の化合物は既知であり、あるいは既知の方法
に従って、例えば変法(a)において記載したのと類似
する方法で、アセト酢酸エステルと蓚酸エステルとの交
差縮合、又は酢酸エステルとオキサロ酢酸エステルとの
交差縮合により製造することができる。
次に、例によりこの発明をさらに説明するが、これに
よりこの発明の範囲を限定するものではない。陽子核共
鳴スペクトル(1H−NMR)の値は内部標準としてのテト
ラメチルシラン(δ=0)に基いてppm(百万分の一
部)として示す。s=シングレット、d=ダブレット、
t=トリブレット、q=クアルテット、m=マルチプレ
ット、d×d=二重タブレット。施光度〔α〕は、特
にことわらない限りナトリウム−D線において測定した
ものであり、濃度はg/100mlで示す。
例1. (R)−2−ヒドロキシ−3−メトキシカルボニ
ル−2−ペンテン−4−オリド n−ヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム溶液775mlを
−25℃にて20分間以内に、600mlのテトラヒドロフラン
中1.27molのジイソプロピルアミンの溶液に滴加する。
−70℃にて、70.9gの(R)−3−ヒドロキシ酢酸メチ
ルエステルを、30分間以内に滴加し、そして1時間後、
70.9gの蓚酸ジメチルエステルを40分間以内に滴加す
る。−60℃にて2時間の反応の後、全体を0℃に加温
し、そして430mlの6N塩酸によりpH2に酸性化する。酢酸
エチルで繰り返し抽出することにより生成物を単離し、
そして重炭酸塩水溶液への抽出、6N塩酸によるpH2.5へ
の酸性化、及び酢酸エチルによる再度の抽出により予備
精製する。溶剤を留去し、そして残渣をエーテル/石油
エーテルから再結晶化する。▲〔α〕20 D▼=+30.0゜
(CHCl2中3%)、融点94℃〜96℃。
例2 例1と同様にして次の化合物を製造する。
a)(R)−3−ヒドロキシ酢酸エチルエステルから、
(R)−2−ヒドロキシ−3−エトキシカルボニル−2
−ペンテン−4−オリド;▲〔α〕20 D▼=+25.0゜(C
HCl3中3%)、融点56℃〜57℃。
b)(S)−3−ヒドロキシ酢酸メチルエステルから、
(S)−2−ヒドロキシ−3−メトキシカルボニル−2
−ペンテン−4−オリド;▲〔α〕20 D▼=−30゜(CHC
l3中3%)、融点94℃〜96℃。
例3. (R)−及び(S)−2−(d−カンファー−10
−スルホニルオキシ)−3−エトキシカルボニル−2−
ペンテン−4−オリド 52.1gのラセミ体2−ヒドロキシ−3−エトキシカル
ボニル−2−ペンテン−4−オリド〔A.Ross;及びH.Sch
inz,Helv.Chim.Acta 31,473(1948)に従って製造され
る〕、及び87.8gのd(+)カンファー−10−スルホ
ニルクロリドを280mlのトルエンに溶解し、そして溶液
を−10℃にて33.4gのトリエチルアミンと反応せしめ
る。溶液を酸性化し、中性になるまで洗浄し、シリカゲ
ル上で濾過し、そして蒸発により濃縮する。橙赤色の油
状物を酢酸エチル/シクロヘキサンから分別結晶化によ
り結晶化せしめる。(S)/d−カンファースルホニル誘
導体がまず結晶化し、他方(R)/d−カンファースルホ
ニル誘導体は母液に濃縮される。分画を反復することに
より、(R)/d−カンファースルホニル誘導体も結晶の
形で得られる。
(S)/d−カンファースルホニル誘導体: ▲〔α〕20 D▼=−11゜(CHCl3中3%);融点 114℃〜115℃;IR 1765,1730,1710cm-1
(R)/d−カンファースルホニル誘導体: ▲〔α〕20 D▼=+16゜(CHCl3中3%);融点 75℃〜77℃;IR 1765,1730,1710cm-1
例4. (R)−2−メシルオキシ−3−メトキシカルボ
ニル−2−ペンテン−4−オリド 137.76gの(R)−2−ヒドロキシ−3−メトキシカ
ルボニル−2−ペネム−4−オリドを660mlのトルエン
に溶解し、そして−10゜にて110gのメタンスルホニルク
ロリド及び次に1時間以内に、97gのトリエチルアミン
を加える。350mlの水及び150mlの飽和塩化ナトリウム溶
液を加え、トルエン生成物相を取り出し、そして水相を
250mlのトルエンで2回再抽出する。トルエン相を塩化
ナトリウム溶液及び水で洗浄し、そして蒸発濃縮する。
オレンジ−赤色の油状物を得る。▲〔α〕20 D▼=+10.
6゜(CHCl3中3%)。
例5. (R)−2−(2,4−ジニトロベンゼンスルホニ
ルオキシ)−3−エトキシカルボニル−2−ペンテン−
4−オリド 2,4−ジニトロベンゼンスルホニルクロリド及び
(R)−2−ヒドロキシ−3−エトキシカルボニル−2
−ペンテン−4−オリドから例4の方法に類似する方法
により標記化合物を得る。
▲〔α〕20 D▼=−17゜(CHCl3中3%);融点95℃〜96
℃。
例6. (R)−2−(4−ニトロベンゼンスルホニルオ
キシ)−3−メトキシカルボニル−2−ペンテン−4−
オリド 34.44gの(R)−2−ヒドロキシ−3−メトキシカル
ボニル−2−ペンテン−4−オリドを170mlのトルエン
に40℃にて溶解し、160mlのトルエン中49.4gのp−ニト
ロベンゼンスルホニルクロリドを添加し、そして全体を
5℃に冷却する。30分間以内に、20.3gのN−メチルモ
ルホリンを0℃〜5℃にて加える。350mlの水を加え、
トルエン生成物相を取り出し、水相を100mlのトルエン
により2回再抽出する。トルエン相を塩化ナトリウム溶
液によりそして水により洗浄し、少量のシリカゲル上で
濾過し、そして蒸発濃縮する。残渣を酢酸エチル/シク
ロヘキサンから結晶化する。▲〔α〕20 D▼=+12.4゜
(CHCl3中3%);融点123℃〜124℃。
例7. (R)−2−ベンジルアミノ−3−メトキシカル
ボニル−2−ペンテン−4−オリド 0℃にて、25.5gのベンジルアミンを、1時間以内
に、250mlの塩化メチレン中35.7gの(R)−2−(4−
ニトロベンゼンスルホニルオキシ)−3−メトキシカル
ボニル−2−ペンテン−4−オリドの溶液に滴加する。
生ずるベンジルアミン−p−ニトロベンゼンスルホン酸
塩を濾去し、そして濾液を蒸発により濃縮し、シリカゲ
ル上でトルエンと共に濾過し、そしてエーテル/石油エ
ーテルから再結晶化する。▲〔α〕20 D▼=+22゜(CHC
l3中3%);融点68℃〜70℃;IR(CH2Cl2)1752,1678,1
632cm-1
例8. (R)−2−アジド−3−メトキシカルボニル−
2−ペンテン−4−オリド 180mlの水中62gのナトリウムアジドの溶液を、1時間
以内に20℃にて、275mlのアセトン及び55mlの氷酢酸中1
90.4gの(R)−2−メシルオキシ−3−メトキシカル
ボニル−2−ペンテン−4−オリドの溶液に、内部温度
が25℃を超えない様に滴加する。25℃にて4時間の後、
500mlの水及び500mlのトルエンを攪拌により混合する。
トルエン相を分離し、そしてロータリーエバポレーター
中で水相からアセトンを除去し、そしてトルエンにより
繰返し抽出する。トルエン抽出液を乾燥し、そして真空
濃縮して約30%の溶液とする。サンプルを蒸発濃縮し油
状物を得る。▲〔α〕20 D▼=+8゜(CH3CN中3%)、
IR 2110cm-1
同様にして、対応する(R)−2−(2,4−ジニトロ
ベンゼンスルホニルオキシ)−、2−(4−ニトロベン
ゼンスルホニルオキシ)−又は2−(d−カンファー−
10−スルホニルオキシ)−3−メトキシカルボニル−2
−ペンテン−4−オリドから標記化合物を得ることがで
きる。
例9. アジドの還元による(R)−2−アミノ−3−メ
トキシカルボニル−2−ペンテン−4−オリドの製造 例8の(R)−2−アジド−3−メトキシカルボニル
−2−ペンテン−4−オリド0.75molを含有する30%ト
ルエン溶液を1.0の酢酸エチルで稀釈し、22gのPd/C
(5%)を加え、そして全体を20℃〜25℃、常圧にて3
〜4時間水素化する。触媒を濾去し、溶剤を留去し、そ
して残渣を酢酸エチル/n−ヘプタンから再結晶化する。
▲〔α〕20 D▼=+30.9゜(CHCl3中3%);融点106℃
〜108℃。
例10. 例3のカンファースルホネートから出発し、そして対
応するアジドを経て、例8及び9と同様にして下記の化
合物を得る。
a)(R)−2−アミノ−3−エトキシカルボニル−2
−ペンテン−4−オリド;▲〔α〕20 D▼=+25.1゜。
b)(S)−2−アミノ−3−エトキシカルボニル−2
−ペンテン−4−オリド;▲〔α〕20 D▼=−24.5゜。
例11. ベンジルアミンの水素化による(R)−2−ア
ミノ−3−メトキシカルボニル−2−ペンテン−4−オ
リドの製造 3gの(R)−2−ベンジルアミノ−3−メトキシカル
ボニル−2−ペンテン−4−オリドを30mlのエタノール
に溶解し、0.3gのPd/C(5%)を添加し、そして全体を
4mlの10%エタノール性塩酸溶液で稀釈し、そして35
℃、常圧にて、飽和に達するまで水素化を行う。触媒を
濾去し、溶剤を留去し、そして残渣を酢酸エチル/シク
ロヘキサンから再結晶化する。▲〔α〕20 D▼=+31゜
(CHCl3中3%);融点106℃〜108℃。
例12. (R)−2−アセタミド−3−エトキシカルボ
ニル−2−ペンテン−4−オリド 12.04gの(R)−2−アミノ−3−エトキシカルボニ
ル−2−ペンテン−4−オリドを48mlの無水酢酸に溶解
し、125mgのトルエンスルホン酸一水和物を添加し、そ
して全体を40℃にて一夜攪拌する。混合物を蒸発濃縮
し、酢酸エチルに溶解し、そして水で洗浄する。酢酸エ
チルを留去し、そして残渣を酢酸エチル/シクロヘキサ
ンから再結晶化する。▲〔α〕20 D▼=+62.3゜(CHCl3
中3%);融点119℃〜122℃。
例13. 例12と同様にして次の化合物を製造する。
a)(R)−2−アセタミド−3−メトキシカルボニル
−2−ペンテン−4−オリド;▲〔α〕20 D▼=60.0゜
(CHCl3中3%);融点133℃〜134℃。
b)(S)−2−アセタミド−3−エトキシカルボニル
−2−ペンテン−4−オリド;▲〔α〕20 D▼=−63.0
゜(CHCl3中3%);融点121℃〜122℃。
例14. 2(S)−アセタミド−3(S)−メトキシカ
ルボニル−4(R)−ペンタノリド 169.2gの(R)−2−アセタミド−3−メトキシカル
ボニル−2−ペンテン−4−オリドを800mgのメタノー
ルに溶解し、10gのPd/C(5%)を添加し、そして全体
を30℃にて8時間、3〜5バールにて水素化する。触媒
を濾去し、メタノールで洗浄し、そして濾液を蒸発濃縮
する。HPLC分析により示された粗生成物のジアステレオ
アイソマーの比率は、(2S,3S,4R):(2R,3S,4R):
(2S,3R,4R)=約5:3:2である。(2R,3R,4R)−ジアス
テレオアイソマーの比率は1%未満である。混合物を50
0mlのメタノールに溶解し、12gの1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデク−7−エンを添加し、そして全体を
室温にて48時間攪拌し混合物を得る。この86〜88%が目
的とする(2S,3S,4R)−ジアステレオアイソマーから成
る。溶液を濃縮し、2N塩酸で中和し、酢酸エチルに入
れ、そして飽和塩化ナトリウム溶液で抽出する。酢酸エ
チル/シクロヘキサンからの結晶化によりジアステレオ
アイソマー的に純粋な標記化合物を得る。▲〔α〕20 D
▼=−49.5゜(CH3OH中3%);融点105℃〜106℃;IR 1
787,1740,1689,1510cm-1
粗生成物から分取用HPLCにより、(2R,3S,4R)−ジア
ステレオアイソマー及び(2S,3R,4R)−ジアステレオア
イソマーを純粋な形で単離することができる。
例15. 2(R)−アセタミド−3(S)−エトキシカ
ルボニル−4(S)−ペンタノリド 0.45gのロジウム/Al2O3触媒を、100mlの酢酸エチルに
溶解した15gの(S)−2−アセタミド−3−エトキシ
カルボニル−2−ペンテン−4−オリドに加え、そして
全体を50℃、50バールにて21時間水素化し、そして例14
におけるようにして処理する。HPLC分析により示された
粗生成物のジアステレオアイソマーの比率は(2R,3S,4
S):(2S,3R,4S):(2R,3R,4S)=約85:13:2である。
酢酸エチルからの結晶化によりジアステレオアイソマー
的に純粋な標記化合物が得られる。▲〔α〕20 D▼=−1
83.2゜(CHCl3中3%);融点165℃〜167℃。
Al2O3上Rhの代わりにNishimura触媒(Pt/Rh)を使用
することにより同じジアステレオアイソマーを得ること
ができる。
例16. 2(S)−アミノ−3(S)−カルボキシ(4
R)−ペンタノリド 114.4gの2(S)−アセタミド−3(S)−メトキシ
カルボニル−4(R)−ペンタノリドを半濃塩酸中で12
0℃にて24時間加熱する。溶液を徐々に0℃に冷却し、
そして沈澱を濾取し、酢酸エチルで洗浄し、高真空下で
乾燥し、そしてメタノールから再結晶化する。標記化合
物の塩酸塩を得る。
▲〔α〕20 D▼=−21.5゜(H2O中1%);融点>250
℃。
前記塩酸塩を熱メタノール中で過剰のプロピレンオキ
シドで処理することにより遊離の標記化合物を得る。▲
〔α〕20 D▼=−23.1゜(1N HCl中1%);融点196℃〜
200℃。
例17. 2(R)−アミノ−3(R)−カルボキシ−4
(S)−ペンタノリド 例14及び16と同様にして、(S)−2−アセタミド−
3−エトキシカルボニル−2−ペンテン−4−オリドか
ら標記化合物を得る。▲〔α〕20 D▼=+22.5゜(1N HC
l中1%);融点200℃〜204℃。
例18. 2(S)−アミノ−3(S)−メトキシカルボ
ニル−4(R)−ペンタノリド塩酸塩 19.56gの2(S)−アミノ−3(S)−カルボキシ−
4(R)−ペンタノリド塩酸塩をメタノールに懸濁し、
全体に塩化水素を15分間通気し、そして室温にて一夜攪
拌する。ロータリーエバポレーター中で溶剤を留去し、
そして残渣をクロロホルムから結晶化する。▲〔α〕20
D▼=−27.3゜(DMSO中1%);融点170℃〜172℃。
例19. 例18と同様にして次の化合物を製造する。
a) 2(R)−アミノ−3(R)−メトキシカルボニ
ル−4(S)−ペンタノリド塩酸塩;▲〔α〕20 D▼=
+26.7゜(DMSO中1%);融点171℃〜172℃。
b) 2(S)−アミノ−3(S)−エトキシカルボニ
ル−4(R)−ペンタノリド塩酸塩(メタノール中では
なくエタノール中で製造される);▲〔α〕20 D▼=−2
9.6゜(CHCl3中3%);非晶質。
例20. 2(S)−アミノ−3(R)−メトキシカルボ
ニル−4(R)−ペンタノリド塩酸塩 4.28gの(R)−2−アミノ−3−メトキシカルボニ
ル−2−ペンテン−4−オリド(例9)を45mlのメタノ
ール中約0.6M HClに溶解し、そして1gのAlox上ロジウム
(5%)の存在下、60℃〜65℃にて、約50バールで7時
間水素化する。触媒を濾去し、そしてメタノールで洗浄
する。濾液を蒸発濃縮し、そして残渣をクロロホルム/
シクロヘキサンから結晶化する。▲〔α〕20 D▼=+11
3.4゜(DMSO中1%);融点178〜179℃;1H−NMR(DMS
O):1.26(3H,d 6.4Hz),3.69(3H,s),3.74(1H,dxd
7.2及び5.3Hz),4.77(1H,d 7.2Hz),4.92(1H,dxq 6.4
及び5.3Hz),9.1(3H,broad,NH3 +)。
標記化合物を、例14と同様にして、メタノール中1,8
−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エンによ
り、(2S,3S,4R)−ジアステレオアイソマー(例18)に
エピマー化し、そしてクロロホルムから塩酸塩の形でエ
ピマー化する。▲〔α〕20 D▼=−27.3゜(DMSO中1
%);融点170℃〜172℃。
例21. 2(S)−アミノ−3(S)−カルボキシ−4
(R)−ヒドロキシペンタン酸〔β(S)−(1′
(R)−ヒドロキシエチル)−L−アスパラギン酸〕 2.07gの2(S)−アミノ−3(S)−カルボキシ−
4(R)−ペンタノリドを10mlのメタノール中に懸濁
し、そして13mlの2N水酸化ナトリウム水溶液の添加によ
り、室温にて攪拌しながら溶解せしめる。溶剤混合物を
留去し、そして油状残渣にアセトニトリルを加える。徐
々に生成する結晶を濾取し、少量のアセトニトリルで洗
浄し、そして高真空下で乾燥する。標記化合物の二ナト
リウム塩が残る。▲〔α〕20 D▼=−9.0゜(水中1
%);1H−NMR(D2O);1.21(3H,d 6.4 Hz),2.54(1H,d
xd 6.4及び8.4Hz),3.49(1H,d 6Hz),3.97(1H,dxq 8.
4及び6.4Hz)。
前記二ナトリウム塩を等モル量の1N塩酸に溶解するこ
とにより遊離酸が得られる。
例22. 2(S)−アミノ−3(S)−エトキシカルボ
ニル−4(R)−ヒドロキシ−ペンタン酸 56.0gの2(S)−アミノ−3(S)−エトキシカル
ボニル−4(R)−ペンタノリド塩酸塩を塩化メチレン
に溶解し、そして炭酸水素ナトリウム溶液によりpHを7.
5に調整する。塩化メチレン相を分離し、水相を塩化ナ
トリウムで飽和し、そして塩化メチレンで繰り返し抽出
し、そして有機相を蒸発濃縮する。120mlのエタノール
中この残渣に、0℃にて6時間以内に、106mlの2N水酸
化ナトリウム溶液を滴加する。次に、この溶液をその半
容量に濃縮し、103mlの2N塩酸によりpH3.9に調整し、そ
して完全に蒸発乾燥する。残渣をイソプロパノール/ジ
イソプロピルエーテルから結晶化し、メタノールと共に
攪拌し、そしてシリカゲル上で濾過する。▲〔α〕20
365▼=+14.5゜(H2O中1%);融点150℃〜151℃。
例23. 3(S)−(1′(R)−ヒドロキシエチル)
−2−アゼチジノン−4(S)−カルボン酸 7.9gの2(S)−アミノ−3(S)−エトキシカルボ
ニル−4(R)−ヒドロキシペンタン酸を40mlのトルエ
ン中に懸濁し、9.5mlのヘキサメチリジシラン及び2.85m
lのトリメチルクロロシランを加え、次に全体を一夜還
流する。冷却した後、水分を排除しながらアルゴン雰囲
気下で、沈澱した塩化アンモニウムを濾去し、そしてト
ルエンを留去する。約1gのアンモニアガスを油状残渣に
導入し、この残渣を室温にて一夜攪拌し、そして脱気す
る。出発物質のビス−シリル化合物が無色油状物の形で
残る。沸点110℃/0.01m バール;▲〔α〕20 D▼=−11.
8゜(CH2Cl2中3%)。
20mlの純テトラヒドロフラン中7.75gの上記ビス−シ
リル化合物の溶液を−5℃にて30分間以内に、テトラヒ
ドロフラン中tert−ブチルマグネシウムクロリド溶液
(45ml、73.2mmol)に滴加する。次に、全体を室温にて
4時間攪拌する。混合物を0℃にて10mlの水と共に注意
深く加水分解し、そして希リン酸によりpH4.0に調整す
る。テトラヒドロフランを留去し、沈澱したリン酸水素
ナトリウムを濾去し、そして透明な水溶液を濃縮し、リ
ン酸によりpH2.8に調整し、そして次に5Mアンモニア水
溶液によりpH4.5に調整し、そして再び濾過する。濾液
を蒸発により濃縮し、そして残渣をシリカゲル上でクロ
マトグラフ処理する。生成物をメタノール、イソプロパ
ノール及びアセトンから結晶化する。IR(DMSO):1759,
1724cm-1。ナトリウム塩、▲〔α〕20 436▼=−3.8゜
(DMSO中0.45%);IR(DMSO):1747,1616,1426cm-1;1H
−NMR(DMSO):1.14(3H,d 6.2Hz),2.86(1H,m),3.71
(1H,d 2.5Hz),3.89(1H,m),5.08(1H,broad,OH),7.
9(1H,s,NH)。
例24. 4(R)−アセトキシ−3(R)−(1′
(R)−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジノン 例23の反応混合物を水及びリン酸により加水分解する
代りに、これを蒸発乾固する。3.05gのこの粗生成物
〔その約50%が3(S)−(1′(R)−ヒドロキシエ
チル)−2−アゼチジノン−4(S)−カルボン酸であ
る〕を40mlの氷酢酸及び5mlのトリエチルアミン(水含
量0.5%)中に溶解し、そして白金電極を用いてモノ−
セル中で、40mA/cmの電流密度及び30℃の温度にて電気
分解する。電気分解中に生成される生成物の成分をポラ
ログラフィーにより追跡する。約5ファラデー/モルの
電流を通した後、混合物をトルエンに入れ、そしてロー
タリーエバポレーター中で45℃より低い温度において蒸
発濃縮する。後に残る油状物を塩化メチレンと共にシリ
カゲル上で濾過して塩及び副生物を除去し、そしてトル
エンから再結晶化する。▲〔α〕20 D▼=+63゜(CHCl3
中1%);融点108℃〜110℃;Rf(酢酸エチル)=0.4
5。生成物は、目的とする(3R,4R,1′R)−ジアステレ
オアイソマーのほかに、約10%の(3R,4S,1′R)−ジ
アステレオアイソマー(すなわち、シス−型)を含有す
る。Rf(酢酸エチル)=0.35。
例25. 4(R)−(N−アリルオキシカルボニルグリ
シルチオ)−3(S)−(1′(R)−ヒドロキシエチ
ル)−2−アゼチジノン 1.2mlの1N水酸化ナトリウム水溶液中426mgのN−アリ
ルオキシカルボニル−チオグリシン−ジシクロヘキシル
アンモニウム塩を溶液を1.5mgのCH2Cl2により3回洗浄
し、そして0.1N塩酸によりpH8〜9に調整する。生ずる
チオール酸水性溶液を25℃にて、1.7mlのアセトニトリ
ル中173.2mgの4(R)−アセトキシ−3(R)−
(1′(R)−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジノン
の溶液に流し込む。0.1mlの0.1N水酸化ナトリウム水溶
液を添加した後、全体を21℃〜23℃にてさらに35分間攪
拌する。処理するため、250mlの酢酸エチル及び30gのNa
Clを分液漏斗に入れ、これに反応混合物を添加する。十
分に振とうし、そして水相を除去した後、有機相を50ml
の5%NaHCO3水溶液、及び2回の50ml塩水により洗浄
し、そして硫酸ナトリウムで乾燥する。ロータリーエバ
ポレーター中で溶剤を除去する。標記化合物を不定形粉
末の形で得る。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(トルエン/酢酸エチル2:3)上でクロマトグラフィ
ーにより精製する。Rf=0.23(メルク製プレコートプレ
ート;トルエン/酢酸エチル=1:4;発色剤ニンヒドリ
ン)。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式(I): で表わされるジアステレオアイソマー的に純粋な化合物
    の製造方法であって、次の式(II): (式中、R1は低級アルキルであり、そしてZ1はアミノ、
    アリールメチルアミノ、アシルアミノ又はアジドであ
    る)で表わされるエナンチオマー的に純粋な化合物、又
    はその塩を水素で還元し、そして所望により、アシルア
    ミノ基Z1及び/又は低級アルコキシカルボニル基COOR1
    を加水分解し、次の式(III): (式中、R2は水素又は低級アルキルであり、そしてR3
    びR4は一緒になって結合を表わし、そしてZ2はアミノ又
    はアシルアミノである)で表わされる生ずる化合物、又
    はその塩において、所望により基R2及びZ2を他のものに
    転換した後及び/又はジアステレオアイソマーを他のも
    のに転換した後、ラクトン環を塩基により開環し、そし
    て、Z2がアシルアミノであれば該アシルアミノ基Z2を加
    水分解し; R2が水素又は低級アルキルであり、R3がヒドロキシであ
    り、R4が水素であり、そしてZ2がアミノである式(II
    I)の生ずる化合物、又はその塩において、R3及びCOO
    R4、並びにR2が水素であればさらにCOOR2を保護基によ
    り保護し、β−ラクタム環を強塩基により閉環しそして
    保護基を除去し;そして、 次の式(IV): で表わされる生ずる化合物又はその塩をアセテート生成
    剤の存在下で酸化的に脱カルボキシル化する; ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】次の式(I a): で表わされるジアステレオアイソマー的に純粋な化合物
    を、式(II)の化合物の(R)−エナンチオマーから製
    造するための、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】次の式(I): で表わされる化合物の製造方法であって、次の式(I
    V): で表わされる化合物又はその塩を、酢酸及び/又はアル
    カリ金属酢酸塩の存在下で、10〜400mA/cm2の電流密度
    において、そして0℃〜50℃の温度において、電気化学
    的に、酸化的に脱カルボキシル化することを特徴とする
    方法。
  4. 【請求項4】次の式(I a): で表わされるジアステレオアイソマー的に純粋な化合物
    を、式(IV)の化合物の(3R,4S,1′R)−ジアステレ
    オアイソマーから製造するための、請求項3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】次の式(IV): で表わされる化合物及びこれらの化合物の塩の製造方法
    であって、次の式(III): (式中、R2は低級アルキルであり、R3はヒドロキシであ
    り、R4は水素であり、そしてZ2はアミノである)で表わ
    される化合物又はその塩を、不活性溶剤中塩基の存在下
    でトリ−低級アルキルシリル化剤と反応せしめ、R2が低
    級アルキルであり、R3がトリ−低級アルキルシリルオキ
    シであり、R4がトリ−低級アルキルシリルでありそして
    Z2がアミノである式(III)の生ずる化合物を、不活性
    溶剤中−80℃〜室温の温度において強塩基により環化
    し、そして生ずる化合物を加水分解し、そして所望によ
    り、生ずる塩を遊離化合物に又は異る塩に転換し、又は
    生ずる遊離化合物を塩に転換することを特徴とする方
    法。
  6. 【請求項6】前記トリ−低級アルキルシリル化剤として
    トリメチルシリルクロリド又はヘキサメチルジシラザン
    を使用することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記強塩基として非−親核性アルカリ金属
    アミド、1−位において分岐した低級アルキルリチウム
    化合物、又は1−位において分岐した低級アルキルマグ
    ネシウム化合物を使用することを特徴とする請求項5に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】式(IV)の化合物の(3S,4S,1′R)−ジ
    アステレオアイソマーを式(III)の化合物の対応する
    (2S,3S,4R)−ジアステレオアイソマーから製造するた
    めの、請求項5,6又は7に記載の方法。
  9. 【請求項9】次の式(IV): で表わされる化合物の純粋な(3S,4S,1′R)ジアステ
    レオアイソマー、及びこの化合物の塩。
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