JP2528149Y2 - メンバーマウント - Google Patents
メンバーマウントInfo
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- JP2528149Y2 JP2528149Y2 JP1991016815U JP1681591U JP2528149Y2 JP 2528149 Y2 JP2528149 Y2 JP 2528149Y2 JP 1991016815 U JP1991016815 U JP 1991016815U JP 1681591 U JP1681591 U JP 1681591U JP 2528149 Y2 JP2528149 Y2 JP 2528149Y2
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- JP
- Japan
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- vehicle
- bottom portion
- elastic member
- force
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- Springs (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、メンバーマウントに関
し、詳しくはフロント又はリア用サスペンションにおい
て、車輪を支持するメンバーと車体との間に介装される
メンバーマウントの改良に関する。
し、詳しくはフロント又はリア用サスペンションにおい
て、車輪を支持するメンバーと車体との間に介装される
メンバーマウントの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばセミトレーディングアーム式リア
サスペンションでは、図4に示すように、サブフレーム
メンバ90に支持され傾斜した揺動軸をもつアーム9
1、92が採用されており、デファレンシャル93と連
結された車輪Wはアーム91、92で支持されている。
この型式のサスペンションでは、サブフレームメンバ9
0と車体との間にメンバーマウント94、94が介装さ
れている。
サスペンションでは、図4に示すように、サブフレーム
メンバ90に支持され傾斜した揺動軸をもつアーム9
1、92が採用されており、デファレンシャル93と連
結された車輪Wはアーム91、92で支持されている。
この型式のサスペンションでは、サブフレームメンバ9
0と車体との間にメンバーマウント94、94が介装さ
れている。
【0003】図5及び図6に示す従来のメンバーマウン
ト94は、例えば上記型式サスペンションの場合、略円
筒状の外筒金具81と、この外筒金具81と同心状に配
設された単純な円筒状の内筒金具82と、外筒金具81
と内筒金具82との間に介在された弾性部材83とで構
成されている。外筒金具81は上記サスペンションのサ
ブフレームメンバ90に略垂直に圧入される。内筒金具
82は、上端がボルト(図示せず)等により車体(図示
せず)に略垂直に取り付けられ、下端にはリバウンドス
トッパ金具95がボルト96等により取り付けられる。
また、弾性部材83には、こうして外筒金具81及び内
筒金具82が車体等に組付けられた際、車両の前後方向
Qにあたる位置にすぐり831が弾性部材83を貫通し
て形成されている。
ト94は、例えば上記型式サスペンションの場合、略円
筒状の外筒金具81と、この外筒金具81と同心状に配
設された単純な円筒状の内筒金具82と、外筒金具81
と内筒金具82との間に介在された弾性部材83とで構
成されている。外筒金具81は上記サスペンションのサ
ブフレームメンバ90に略垂直に圧入される。内筒金具
82は、上端がボルト(図示せず)等により車体(図示
せず)に略垂直に取り付けられ、下端にはリバウンドス
トッパ金具95がボルト96等により取り付けられる。
また、弾性部材83には、こうして外筒金具81及び内
筒金具82が車体等に組付けられた際、車両の前後方向
Qにあたる位置にすぐり831が弾性部材83を貫通し
て形成されている。
【0004】このメンバーマウント94は、外筒金具8
1と内筒金具82との間の弾性部材83で車両の上下方
向の力Pを支えるとともに車両の左右方向Rの力をも支
持し、かつすぐり831により車両の前後方向の力Qを
和らげている。このときのばね比は、 P:Q:R=1:(1.2〜3):(4〜9) ……式(1) である。これによって、車両は、操縦安定性の向上と、
かつ車輪Wからの振動及び騒音の緩和という相反する要
望を満足させている。
1と内筒金具82との間の弾性部材83で車両の上下方
向の力Pを支えるとともに車両の左右方向Rの力をも支
持し、かつすぐり831により車両の前後方向の力Qを
和らげている。このときのばね比は、 P:Q:R=1:(1.2〜3):(4〜9) ……式(1) である。これによって、車両は、操縦安定性の向上と、
かつ車輪Wからの振動及び騒音の緩和という相反する要
望を満足させている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかし、近年の車両の
高性能化から、より一層の操縦安定性の向上及び振動等
の緩和が要求されている。すなわち、従来のメンバーマ
ウントでは、高性能な車両においては、上下方向の力P
を十分に支えることができない場合があった。かといっ
て、車両の上下方向の力Pを十分に支えんとして、すぐ
り831を無くせば、車両の前後方向の力Qが車内に伝
達しやすくなり、路面の突起等を車輪Wが通過する際に
生じるハーシュネスを十分に吸収できない場合がある。
このため、メンバーマウントとして、高性能な車両のサ
スペンションに採用した場合、上下方向の力Pを十分に
支えつつ前後方向の力Qを十分に和らげることのできる
ものが要望されていた。
高性能化から、より一層の操縦安定性の向上及び振動等
の緩和が要求されている。すなわち、従来のメンバーマ
ウントでは、高性能な車両においては、上下方向の力P
を十分に支えることができない場合があった。かといっ
て、車両の上下方向の力Pを十分に支えんとして、すぐ
り831を無くせば、車両の前後方向の力Qが車内に伝
達しやすくなり、路面の突起等を車輪Wが通過する際に
生じるハーシュネスを十分に吸収できない場合がある。
このため、メンバーマウントとして、高性能な車両のサ
スペンションに採用した場合、上下方向の力Pを十分に
支えつつ前後方向の力Qを十分に和らげることのできる
ものが要望されていた。
【0006】本考案は、上記従来の要望に鑑みてなされ
たものであって、従来よりもより一層上下方向の力を十
分に支えることができ、かつ前後方向の力を十分に和ら
げることのできるメンバーマウントを提供することを目
的とする。
たものであって、従来よりもより一層上下方向の力を十
分に支えることができ、かつ前後方向の力を十分に和ら
げることのできるメンバーマウントを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案のメンバーマウン
トは、メンバに車両の上下方向に圧入される外筒金具
と、車体に上端が取り付けられ該外筒金具と同心状に配
設された内筒金具と、該外筒金具と該内筒金具との間に
介在されすぐりが形成された弾性部材とをもつメンバー
マウントにおいて、前記すぐりは、少なくとも前記車両
の前後方向で周方向に延び、かつ前記弾性部材の一端面
から軸方向に延びて、開口部が底部よりも径方向で幅広
に凹設された第1すぐりと、少なくとも該車両の前後方
向で周方向に延び、かつ該弾性部材の他端面から軸方向
に延びて、開口部が底部よりも径方向で幅広に凹設され
た第2すぐりと、該車両の前後方向で周方向に延び、か
つ該第1すぐりの底部から軸方向に延びて、底部が該第
2すぐりの底部よりも径方向外側に位置し、前記外筒金
具を前記メンバに圧入する前、かつ前記内筒金具を前記
車体に取り付ける前には、該底部が該第2すぐりの底部
よりも該他端面側に位置されて凹設された第3すぐり
と、からなることを特徴とするものである。
トは、メンバに車両の上下方向に圧入される外筒金具
と、車体に上端が取り付けられ該外筒金具と同心状に配
設された内筒金具と、該外筒金具と該内筒金具との間に
介在されすぐりが形成された弾性部材とをもつメンバー
マウントにおいて、前記すぐりは、少なくとも前記車両
の前後方向で周方向に延び、かつ前記弾性部材の一端面
から軸方向に延びて、開口部が底部よりも径方向で幅広
に凹設された第1すぐりと、少なくとも該車両の前後方
向で周方向に延び、かつ該弾性部材の他端面から軸方向
に延びて、開口部が底部よりも径方向で幅広に凹設され
た第2すぐりと、該車両の前後方向で周方向に延び、か
つ該第1すぐりの底部から軸方向に延びて、底部が該第
2すぐりの底部よりも径方向外側に位置し、前記外筒金
具を前記メンバに圧入する前、かつ前記内筒金具を前記
車体に取り付ける前には、該底部が該第2すぐりの底部
よりも該他端面側に位置されて凹設された第3すぐり
と、からなることを特徴とするものである。
【0008】第1〜3すぐりにおいて、内筒金具又は外
筒金具の端面から各底部までの軸方向の長さをすぐり深
さという。第1〜3すぐりは、車両の前後方向に向かっ
て所定の角度で広がる円弧状に形成されることができ
る。このときの角度をすぐり角度という。第1〜3すぐ
りのすぐり深さ及びすぐり角度の選択により、車両の上
下方向の力、前後方向の力及び左右方向の力のばね比を
所望値に設定することができる。
筒金具の端面から各底部までの軸方向の長さをすぐり深
さという。第1〜3すぐりは、車両の前後方向に向かっ
て所定の角度で広がる円弧状に形成されることができ
る。このときの角度をすぐり角度という。第1〜3すぐ
りのすぐり深さ及びすぐり角度の選択により、車両の上
下方向の力、前後方向の力及び左右方向の力のばね比を
所望値に設定することができる。
【0009】
【作用】本考案のメンバーマウントでは、弾性部材の第
1〜3すぐりがその弾性部材を軸方向に貫通していない
ため従来は貫通により存在しなかった位置にも弾性部材
が存在している。このため、このメンバーマウントで
は、弾性部材における車両の上下方向に対するばね力が
高まっており、その上下方向の力が作用した場合でも、
従来よりも強固にその力を支えることができる。 また、
車両の前後方向における内外筒金具の軸直角方向での相
対的な変位入力に対しては、第3すぐりの周方向を内側
で区画する弾性部材であって、車両の前後方向に面した
内筒金具の外周面の中央近傍に対応する狭い範囲の部
分、つまり第3すぐりと第2すぐりとの間の仕切り壁が
ばね力として寄与するだけであるので、車両の前後方向
に対するばね力はさほど高くならず、その前後方向の力
が作用した場合でも、従来と同様にその力を和らげるこ
とができる。 このため、上下方向と前後方向との目的と
するばね比が有利に得られる。
1〜3すぐりがその弾性部材を軸方向に貫通していない
ため従来は貫通により存在しなかった位置にも弾性部材
が存在している。このため、このメンバーマウントで
は、弾性部材における車両の上下方向に対するばね力が
高まっており、その上下方向の力が作用した場合でも、
従来よりも強固にその力を支えることができる。 また、
車両の前後方向における内外筒金具の軸直角方向での相
対的な変位入力に対しては、第3すぐりの周方向を内側
で区画する弾性部材であって、車両の前後方向に面した
内筒金具の外周面の中央近傍に対応する狭い範囲の部
分、つまり第3すぐりと第2すぐりとの間の仕切り壁が
ばね力として寄与するだけであるので、車両の前後方向
に対するばね力はさほど高くならず、その前後方向の力
が作用した場合でも、従来と同様にその力を和らげるこ
とができる。 このため、上下方向と前後方向との目的と
するばね比が有利に得られる。
【0010】
【実施例】以下、本考案を具体化した実施例を図面を参
照しつつ説明する。このメンバーマウントは、図1に示
すように、略円筒状の外筒金具1と、この外筒金具1と
同心状に配設された略円筒状の内筒金具2と、外筒金具
1と内筒金具2との間に介在された弾性部材3とをも
つ。
照しつつ説明する。このメンバーマウントは、図1に示
すように、略円筒状の外筒金具1と、この外筒金具1と
同心状に配設された略円筒状の内筒金具2と、外筒金具
1と内筒金具2との間に介在された弾性部材3とをも
つ。
【0011】外筒金具1は、上端に外周側に広がる外向
きフランジ11をもち、下端側には一段小径にされた段
部12と、この段部12と連続して内周側に狭まる内向
きフランジ13とをもつ。内筒金具2は、外周側面の上
端に弾性部材3と下面が固着されつつ広がるフランジ2
1をもつ。このフランジ21は、取り付け座面の面圧を
下げるために形成されている。
きフランジ11をもち、下端側には一段小径にされた段
部12と、この段部12と連続して内周側に狭まる内向
きフランジ13とをもつ。内筒金具2は、外周側面の上
端に弾性部材3と下面が固着されつつ広がるフランジ2
1をもつ。このフランジ21は、取り付け座面の面圧を
下げるために形成されている。
【0012】弾性部材3は所定のゴム硬さの天然ゴムか
らなる。この弾性部材3の上端面は全周にわたって延び
るとともに軸方向に延びる第1すぐり31を形成してい
る。この第1すぐり31は、内筒金具2のフランジ21
の下面から開口部31aが底部31bよりも径方向で幅
広に凹設される曲線を母線として、外筒金具1の外向き
フランジ11の上面に所定の肉厚を有して形成されてい
る。 また、弾性部材3の下端面は全周にわたって延びる
とともに軸方向に延びる第2すぐり32を形成してい
る。この第2すぐり32は、内筒金具2の下端から開口
部32aが底部32bよりも径方向で幅広に凹設される
曲線を母線として、外筒金具1の内向きフランジ13の
下面に所定の肉厚を有して形成されている。 なお、弾性
部材3の内部には、内筒金具2の外周側面の中央に強固
に結合された硬質合成樹脂、アルミ材、鉄等からなるリ
ング状の突出部材33が設けられている。 さらに、弾性
部材3には、図2に示すように、外筒金具1及び内筒金
具2が車体等に組付けられた際の車両の前後方向Qで周
方向に所定の長さで延び、かつ、図1に示すように、第
1すぐり31の底部31bから軸方向に延びる第3すぐ
り34が形成されている。内筒金具2のフランジ21の
上面から第3すぐり34の底部34bまでのすぐり深さ
はLであり、第3すぐり34のすぐり角度はθである。
この第3すぐり34は、開口部34aから底部34bま
で径方向で同一の幅に凹設されているとともに、底部3
4bが第2すぐり32の底部32bよりも径方向外側に
位置されている。また、この第3すぐり34は、組付け
前には、底部34bが第2すぐり32の底部32bより
も下端面側に位置されて凹設されている。
らなる。この弾性部材3の上端面は全周にわたって延び
るとともに軸方向に延びる第1すぐり31を形成してい
る。この第1すぐり31は、内筒金具2のフランジ21
の下面から開口部31aが底部31bよりも径方向で幅
広に凹設される曲線を母線として、外筒金具1の外向き
フランジ11の上面に所定の肉厚を有して形成されてい
る。 また、弾性部材3の下端面は全周にわたって延びる
とともに軸方向に延びる第2すぐり32を形成してい
る。この第2すぐり32は、内筒金具2の下端から開口
部32aが底部32bよりも径方向で幅広に凹設される
曲線を母線として、外筒金具1の内向きフランジ13の
下面に所定の肉厚を有して形成されている。 なお、弾性
部材3の内部には、内筒金具2の外周側面の中央に強固
に結合された硬質合成樹脂、アルミ材、鉄等からなるリ
ング状の突出部材33が設けられている。 さらに、弾性
部材3には、図2に示すように、外筒金具1及び内筒金
具2が車体等に組付けられた際の車両の前後方向Qで周
方向に所定の長さで延び、かつ、図1に示すように、第
1すぐり31の底部31bから軸方向に延びる第3すぐ
り34が形成されている。内筒金具2のフランジ21の
上面から第3すぐり34の底部34bまでのすぐり深さ
はLであり、第3すぐり34のすぐり角度はθである。
この第3すぐり34は、開口部34aから底部34bま
で径方向で同一の幅に凹設されているとともに、底部3
4bが第2すぐり32の底部32bよりも径方向外側に
位置されている。また、この第3すぐり34は、組付け
前には、底部34bが第2すぐり32の底部32bより
も下端面側に位置されて凹設されている。
【0013】このメンバーマウントは、図3に示すよう
に、例えばセミトレーディングアーム式リアサスペンシ
ョン(図4参照)に組付けられる。すなわち、このメン
バーマウントは、外筒金具1がサブフレームメンバ41
に略垂直に圧入され、内筒金具2のフランジ21が車体
(図示せず)に略垂直にボルト(図示せず)等により取
り付けられ、内筒金具2の下端にはリバウンドストッパ
金具42がボルト43等により取り付けられる。そし
て、このメンバーマウントは、外筒金具1と内筒金具2
との間の弾性部材3により車両の上下方向の力Pを支え
るとともに図2に示すように車両の左右方向Rの力をも
支持し、かつ第3すぐり34により車両の前後方向の力
Qを和らげている。このときのばね比は、 P:Q:R=1:(0.8〜1.0):(2.5〜5) ……式(2) であった。
に、例えばセミトレーディングアーム式リアサスペンシ
ョン(図4参照)に組付けられる。すなわち、このメン
バーマウントは、外筒金具1がサブフレームメンバ41
に略垂直に圧入され、内筒金具2のフランジ21が車体
(図示せず)に略垂直にボルト(図示せず)等により取
り付けられ、内筒金具2の下端にはリバウンドストッパ
金具42がボルト43等により取り付けられる。そし
て、このメンバーマウントは、外筒金具1と内筒金具2
との間の弾性部材3により車両の上下方向の力Pを支え
るとともに図2に示すように車両の左右方向Rの力をも
支持し、かつ第3すぐり34により車両の前後方向の力
Qを和らげている。このときのばね比は、 P:Q:R=1:(0.8〜1.0):(2.5〜5) ……式(2) であった。
【0014】つまり、このメンバーマウントでは、上記
式(1)と比較して、車両の上下方向の力Pのばね比に
対して車両の前後方向の力Qのばね比が減少しており、
Q/Pが1以下にされている。このため、このメンバー
マウントでは、従来のメンバーマウントよりも、車両の
上下方向の力Pに対して強く、車両の前後方向の力Qに
対して柔軟にされている。
式(1)と比較して、車両の上下方向の力Pのばね比に
対して車両の前後方向の力Qのばね比が減少しており、
Q/Pが1以下にされている。このため、このメンバー
マウントでは、従来のメンバーマウントよりも、車両の
上下方向の力Pに対して強く、車両の前後方向の力Qに
対して柔軟にされている。
【0015】すなわち、このメンバーマウントでは、従
来は貫通により存在しなかった位置Cにも弾性部材3が
存在しているため、車両の上下方向、つまり内外筒金具
2、1の軸方向での相対的な変位入力に対しては、第3
すぐり34の周方向全体にわたる位置Cの弾性部材3も
ばね力として寄与するので、車両の上下方向のばね力が
高まり、その上下方向の力Pが作用した場合に、従来よ
りも強固にその力Pを支えることができる。
来は貫通により存在しなかった位置Cにも弾性部材3が
存在しているため、車両の上下方向、つまり内外筒金具
2、1の軸方向での相対的な変位入力に対しては、第3
すぐり34の周方向全体にわたる位置Cの弾性部材3も
ばね力として寄与するので、車両の上下方向のばね力が
高まり、その上下方向の力Pが作用した場合に、従来よ
りも強固にその力Pを支えることができる。
【0016】また、車両の前後方向における内外筒金具
2、1の軸直角方向での相対的な変位入力に対しては、
第3すぐり34の周方向を内側で区画する弾性部材3で
あって、車両の前後方向に面した内筒金具2の外周面の
中央近傍に対応する狭い範囲の部分、つまり第3すぐり
34と第2すぐり32との間の仕切り壁Dがばね力とし
て寄与するだけであるので、車両の前後方向に対するば
ね力はさほど高くならず、その前後方向の力Qが作用し
た場合でも、従来と同様にその力Qを和らげることがで
きる。このため、上下方向と前後方向との目的とするば
ね比が有利に得られる。
2、1の軸直角方向での相対的な変位入力に対しては、
第3すぐり34の周方向を内側で区画する弾性部材3で
あって、車両の前後方向に面した内筒金具2の外周面の
中央近傍に対応する狭い範囲の部分、つまり第3すぐり
34と第2すぐり32との間の仕切り壁Dがばね力とし
て寄与するだけであるので、車両の前後方向に対するば
ね力はさほど高くならず、その前後方向の力Qが作用し
た場合でも、従来と同様にその力Qを和らげることがで
きる。このため、上下方向と前後方向との目的とするば
ね比が有利に得られる。
【0017】したがって、サスペンションにこのメンバ
ーマウントを採用した車両は、その車両が従来よりも高
性能なものであっても、メンバーマウントが上下方向の
力Pをより十分に支えつつ、前後方向の力Qをより十分
に和らげることができるため、操縦安定性の向上と、か
つ車輪Wからの振動及び騒音の緩和という相反する要望
をより一層満足させることができる。
ーマウントを採用した車両は、その車両が従来よりも高
性能なものであっても、メンバーマウントが上下方向の
力Pをより十分に支えつつ、前後方向の力Qをより十分
に和らげることができるため、操縦安定性の向上と、か
つ車輪Wからの振動及び騒音の緩和という相反する要望
をより一層満足させることができる。
【0018】なお、このメンバーマウントにおいて、第
3すぐり34のすぐり角度θを広くとれば車両の前後方
向の力Qに対してより一層柔軟にすることができる。ま
た、このメンバーマウントは、内筒金具2に突出部材3
3を設け、フランジ21が内筒金具2の外周側面の上端
に設けられ、外筒金具1が上端に外向きフランジ11、
下端に内向きフランジ13を有するものであるが、本考
案の効果を得るための必須の構成ではない。
3すぐり34のすぐり角度θを広くとれば車両の前後方
向の力Qに対してより一層柔軟にすることができる。ま
た、このメンバーマウントは、内筒金具2に突出部材3
3を設け、フランジ21が内筒金具2の外周側面の上端
に設けられ、外筒金具1が上端に外向きフランジ11、
下端に内向きフランジ13を有するものであるが、本考
案の効果を得るための必須の構成ではない。
【0019】さらに、車両の前後方向Qにおける弾性部
材3の径方向最小肉厚の位置に、軸方向に貫通したすぐ
りを設けるとともに、その周方向両側に軸方向に貫通し
ないすぐりを設けることにより本考案の効果を得ること
もできる。そして、上記説明ではこのメンバーマウント
をセミトレーディングアーム式リアサスペンションに組
付けた場合で説明したが、他の型式のリア用サスペンシ
ョンやサブフレーム式等のフロント用サスペンションに
も利用できる。
材3の径方向最小肉厚の位置に、軸方向に貫通したすぐ
りを設けるとともに、その周方向両側に軸方向に貫通し
ないすぐりを設けることにより本考案の効果を得ること
もできる。そして、上記説明ではこのメンバーマウント
をセミトレーディングアーム式リアサスペンションに組
付けた場合で説明したが、他の型式のリア用サスペンシ
ョンやサブフレーム式等のフロント用サスペンションに
も利用できる。
【0020】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案のメンバー
マウントでは、車両の前後方向に設けられたすぐりが弾
性部材を軸方向に貫通することなく形成されているた
め、上下方向の力を十分に支えつつ前後方向の力を十分
に和らげることができる。したがって、このメンバーマ
ウントを車両のサスペンションに採用すれば、その車両
が高性能なものであっても、上下方向の力及び左右方向
の力を十分に支えることができ、十分な操縦安定性の向
上が得られるとともに、車両の前後方向の力が車内に伝
達するのを有効に防止し、ハーシュネスをも十分に吸収
して効果的な振動等の緩和をも得ることができる。
マウントでは、車両の前後方向に設けられたすぐりが弾
性部材を軸方向に貫通することなく形成されているた
め、上下方向の力を十分に支えつつ前後方向の力を十分
に和らげることができる。したがって、このメンバーマ
ウントを車両のサスペンションに採用すれば、その車両
が高性能なものであっても、上下方向の力及び左右方向
の力を十分に支えることができ、十分な操縦安定性の向
上が得られるとともに、車両の前後方向の力が車内に伝
達するのを有効に防止し、ハーシュネスをも十分に吸収
して効果的な振動等の緩和をも得ることができる。
【図1】実施例のメンバーマウントに係り、図2のA−
A矢視断面図である。
A矢視断面図である。
【図2】実施例のメンバーマウントの平面図である。
【図3】実施例のメンバーマウントをサスペンションに
組付けた状態を示す一部断面図である。
組付けた状態を示す一部断面図である。
【図4】一般的なサスペンションの模式平面図である。
【図5】従来のメンバーマウントの平面図である。
【図6】従来のメンバーマウントに係り、図5のB−B
矢視断面図である。
矢視断面図である。
1…外筒金具 2…内筒金具 3…弾
性部材31…第1すぐり 31a…開口部 31b
…底部 32…第2すぐり 32a…開口部 32b
…底部 34…第3すぐり 34a…開口部 34b
…底部
性部材31…第1すぐり 31a…開口部 31b
…底部 32…第2すぐり 32a…開口部 32b
…底部 34…第3すぐり 34a…開口部 34b
…底部
Claims (1)
- 【請求項1】メンバに車両の上下方向に圧入される外筒
金具と、車体に上端が取り付けられ該外筒金具と同心状
に配設された内筒金具と、該外筒金具と該内筒金具との
間に介在されすぐりが形成された弾性部材とをもつメン
バーマウントにおいて、 前記すぐりは、少なくとも前記車両の前後方向で周方向
に延び、かつ前記弾性部材の一端面から軸方向に延び
て、開口部が底部よりも径方向で幅広に凹設された第1
すぐりと、 少なくとも該車両の前後方向で周方向に延び、かつ該弾
性部材の他端面から軸方向に延びて、開口部が底部より
も径方向で幅広に凹設された第2すぐりと、 該車両の前後方向で周方向に延び、かつ該第1すぐりの
底部から軸方向に延びて、底部が該第2すぐりの底部よ
りも径方向外側に位置し、前記外筒金具を前記メンバに
圧入する前、かつ前記内筒金具を前記車体に取り付ける
前には、該底部が該第2すぐりの底部よりも該他端面側
に位置されて凹設された第3すぐりと、からなることを
特徴とするメンバーマウント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991016815U JP2528149Y2 (ja) | 1991-03-20 | 1991-03-20 | メンバーマウント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991016815U JP2528149Y2 (ja) | 1991-03-20 | 1991-03-20 | メンバーマウント |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04113343U JPH04113343U (ja) | 1992-10-02 |
JP2528149Y2 true JP2528149Y2 (ja) | 1997-03-05 |
Family
ID=31903689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991016815U Expired - Lifetime JP2528149Y2 (ja) | 1991-03-20 | 1991-03-20 | メンバーマウント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528149Y2 (ja) |
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JPS59194690A (ja) * | 1983-04-18 | 1984-11-05 | Aida Eng Ltd | 複数モ−タの同期装置 |
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JPH0723635Y2 (ja) * | 1985-05-30 | 1995-05-31 | 東洋ゴム工業株式会社 | 緩衝体の抜け防止装置 |
DE3724432A1 (de) * | 1987-07-23 | 1989-02-02 | Freudenberg Carl Fa | Huelsengummifeder |
JPH0751975B2 (ja) * | 1989-05-19 | 1995-06-05 | 日産自動車株式会社 | 2部材の結合構造 |
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-
1991
- 1991-03-20 JP JP1991016815U patent/JP2528149Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH04113343U (ja) | 1992-10-02 |
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