JP2528087Y2 - 電力ケーブルの吊止構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はビルシャフト内、タテ抗内、鉄塔立上げ部等
で吊下架設された高圧電力ケーブルの吊止め構造に関す
るものである。

（従来の技術） 第３図は従来の電力ケーブルの吊止構造の一例の説明
図である。

電力ケーブル（10）の導体（11）端部に吊止金具（2
1）を圧縮接続し、上記吊止金具（21）の一端を構築物
（23）に取付けた懸垂碍子（22）等にボルト等にて取付
けており、上記吊止金具（21）の導体（11）係止部から
電力ケーブル（10）のシース（15）にわたって保護層を
施す等して端末処理（17）を行なって吊下している。従
って、電力ケーブル（10）の充電部は露出した状態にあ
る。

（解決しようとする課題） 上述した従来の電力ケーブルの吊止構造においては、
充電部が露出しているため、相間距離及び端末処理部の
長さを大きくとる必要があり、例えば6.6kv電力ケーブ
ルの場合、相間距離は200mm以上必要であり、端末処理
部の長さは約600mm必要である。

又充電部が露出しているため、危険で、人が近づけない
という問題がある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上述の問題点を解消し、充電部を遮蔽し、か
つケーブルの自重に耐えるようにした電力ケーブルの吊
止構造を提供するもので、その特徴は、ケーブル導体端
部に圧縮接続した導体金具を樹脂成形体に埋込んだ埋込
金具に係止し、上記樹脂成形体の上部外周面を吊上げ金
具のフランジ部に嵌合し、さらにケーブル導体露出部と
樹脂成形体を該絶縁筒は導体金具の露出部を覆う内部半
導電層、全体を覆う絶縁層及び該絶縁層上の外部半導電
層より成り、これらを一体成形したものであって、樹脂
成形体の内面と埋込金具及び樹脂成形体の外周面と吊上
げ金具のフランジ部のそれぞれの接触界面が圧縮力が作
用するようにテーパー状に形成したことにある。

第１図は本考案に係る電力ケーブルの吊止構造の具体
例の縦断面図である。

図面において、（10）は例えば架橋ポリエチレン絶縁
等の電力ケーブルで、（11）はケーブル導体、（12）は
ゴム、プラスチック等の絶縁層、（13）は外部半導電
層、（14）は金属遮蔽層、（15）はポリエチレン、塩化
ビニル等のケーブルシース、（16）は上記金属遮蔽層
（14）に接続した接地線である。

上記ケーブル導体（11）の端部には導体金具（１）が
圧縮接続してあり、該導体金具（１）の上端部は、樹脂
成形体（２）内に埋込み、これと一体成形した埋込金具
（３）内にネジ等で機械的に係止してある。上記埋込金
具（３）を一体形成したエポキシ樹脂等の樹脂形成体
（２）の上部外周面は吊上げ金具（４）のフランジ部
（4a）に嵌合し、保持されている。

しかして、前記吊上げ金具（４）のフランジ部（4a）
とエポキシ樹脂等の樹脂成形体（２）の接触界面
（Ａ）、及び樹脂成形体（２）と埋込金具（３）の接触
界面（Ｂ）には、後述するように、電力ケーブル（10）
を吊上げたとき圧縮力が作用するようにテーパー状に形
成してある。

又前記樹脂成形体（２）とケーブル導体（11）端部に
圧縮接続した導体金具（１）の露出部を電気的に絶縁す
るため、樹脂形成体（２）の外周面からケーブル絶縁層
（12）上にわたつて絶縁筒（５）を設けてある。この絶
縁筒（５）は導体金具（１）の露出部を覆う内部半導電
層（51）、全体を覆う絶縁層（52）及び該絶縁層（52）
上の外部半導電層（53）より成り、これらを一体形成し
たものである。さらに、上記絶縁筒（５）の端部付近か
らケーブルシース（15）にわたって粘着性ビニルテープ
巻き等による保護層（６）を設ける。

（作用） 上述した本考案の電力ケーブルの吊止構造において
は、樹脂成形体と埋込金具の接触界面（Ｂ）、及び樹脂
成形体と吊上げ金具のフランジ部の接触界面（Ａ）に圧
縮力が作用するようにテーパー状に形成することによ
り、電力ケーブルを吊上げたとき、第２図の矢印のよう
にこれら接触界面には圧縮力が働き、電力ケーブルの自
重に充分耐えることが可能となる。

上記接触界面のテーパー角度は１〜30°の範囲が好ま
しい。１°以下は加工上の誤差範囲内となって無意味で
あり、30°以上とすることは外径が大きくなりすぎて実
用的でない。

又導体端末部に圧縮接続した導体金具を樹脂成形体と
絶縁筒と絶縁し、絶縁筒の外面は半導電性物質で完全に
覆われていることにより危険性がなくなると共に、相間
距離が短縮することが可能となる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の電力ケーブルの吊止構
造によれば、樹脂成形体と導体金具及び吊上げ金具のフ
ランジ部との接触界面に圧縮力が作用するようにテーパ
ーを形成することにより、電力ケーブルの吊上げ時にケ
ーブル自重に充分耐えることが可能となる。

又充電部を絶縁筒で遮蔽するこにより、相間距離及び
端末処理部の長さを短縮することが出来ると共に、安全
性を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電力ケーブルの吊止構造の具体例
の縦断面図であり、第２図はその作用の説明図である。 第３図は従来の吊止構造の一例の説明図である。 １……導体金具、２……樹脂成形体、３……埋込金具、
４……吊上げ金具、4a……フランジ部、５……絶縁筒、
６……保護層、10……電力ケーブル、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーブル導体端部に圧縮接続した導体金具
   を樹脂成形体に埋込んだ埋込金具に係止し、上記樹脂成
   形体の上部外周面を吊上げ金具のフランジ部に嵌合し、
   さらにケーブル導体露出部と上記樹脂成形体を絶縁筒で
   絶縁して成り、該絶縁筒は上記導体金具の露出部を覆う
   内部半導電層、該内部半導電層を覆い、ケーブル絶縁層
   から上記樹脂成形体の一部もしくは全部にわたって覆う
   ように成形した絶縁層、及び該絶縁層を覆いかつ上記フ
   ランジ部と少なくとも一部が接触するように成形した外
   部半導電層より成り、これらを一体成形したものであっ
   て、上記樹脂成形体の内周面と上記埋込金具の外周面及
   び上記樹脂成形体の外周面と上記吊上げ金具のフランジ
   部の内周面のそれぞれの接触界面で圧縮力が作用するよ
   うにテーパー状に形成したことを特徴とする電力ケーブ
   ルの吊止部。