JP2527941Y2 - 電子カメラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、電子カメラ、例えば磁気ディスクカート
リッジを記録媒体として用いる電子スチールカメラに関
するものである。

［従来の技術］ 最近、フロッピディスクカセットのように偏平な薄型
のカートリッジ内に、磁気ディスクを記録媒体として回
転自在に収納した磁気ディスクカートリッジを、感光フ
ィルムの代わりに用いた電子スチールカメラが実用化さ
れている。この電子スチールカメラは、記録媒体が繰り
返し使用できること、および撮影した画像がビデオプロ
セッサを介してCRT等のディスプレイによって即座に再
現できること等の、ビデオカメラと同様の利点を有して
いるほか、ビデオカメラよりも小型軽量に構成されてい
るため、大変重宝なものとなっている。

そして、この電子スチールカメラは、偏平な薄型の磁
気ディスクカートリッジを記録媒体として用いるに当た
り、同カートリッジがカメラ本体内に水平態位を保持し
て配設されるようにカメラ本体内に装填されるので、カ
メラ本体の形状は、レンズ光学系をほぼ中央部の前後方
向に配設した、単純な長方形の偏平な箱型形状のものと
なっている。

［考案が解決しようとする課題］ このようにカメラボディが長方形の偏平な箱型形状に
形成されている従来の電子スチールカメラ（例えば、実
公昭62-2848号公報のもの）は、これを把持するのに双
眼鏡式に両手で持つようになっており、特に把持する位
置は特定されていないため、保持しにくく、把持感およ
びフィット感覚の悪いものとなっていた。特に片手で保
持する場合、上記不具合により手振れ等のない良好な撮
影を行なうことが困難であった。

そこで、本考案の目的は、片手でカメラを保持した場
合でも手振れ等の虞れがなく、良好な撮影を行なうこと
ができると共に、他方の手で記録媒体を素早く容易に挿
脱することができ、更に、机上等に載置した場合にも安
定性が良く、静置された姿勢が保たれた状態で再生操作
を行なうことができる電子カメラを提供することにあ
る。

［問題を解決するための手段および作用］ 本考案による電子カメラは、上記目的を達成するため
に、自己の前後方向に延長されるようにして、且つ自己
の一側縁側に偏って位置するようにして撮像光学系が内
蔵され、全体として、この撮像光学系を側方に拡がるよ
うな概略偏平形状に成形されていて、上記撮像光学系が
内蔵された部位の厚み寸法が相対的に大きくなされた外
装体と、上記外装体の厚み寸法が相対的に大きくなされ
た、上記撮像光学系が内蔵された部位に設けられ、カメ
ラ本体を把持するための把持部と、上記外装体の一側縁
側とは反対側の他側縁部に設けられ、記録媒体を上記撮
像光学系の光軸と直交する方向に略沿って挿脱するよう
になされた記録媒体収納部と、上記外装体の前面におい
て上記撮像光学系が配置された一側縁側とは反対側の他
側縁側に配置されたストロボ発光窓とを具備したことを
特徴とする。

［実施例］ 以下、図示の実施例によって本考案を説明する。

第１図は、本考案の第１実施例を示したものであっ
て、電子スチールカメラ１は、内部に撮像光学系が前面
1aから後面にわたって貫通するように配置されていて、
外装体が上記光学系の両側方に拡がるように延び出した
偏平形状を呈する箱型に形成されたカメラ本体1Aを有し
ている。上記前面1aには撮影レンズ２が露呈しており、
後面にはファインダ窓３が配設されている。そして、カ
メラ本体1Aの一側面（一側縁）1b側に偏った位置に記録
媒体を収納保持する記録媒体収納部が設けられ、一側面
1bの後部寄りの上部には、記録媒体である磁気ディスク
カートリッジをカメラ本体1A内の所定位置に着脱自在に
装填するためのカートリッジ挿脱口４が設けられてい
る。

本実施例では、このようにカメラ本体1Aが偏平箱型タ
イプに形成されている電子スチールカメラ１において、
カメラ本体1Aの上面1cの、上記撮像光学系に対応する部
位に突出部５（指掛け部）が形成されている。この突出
部５はレンズ鏡筒と同心円をなす部分円弧状の前後方向
に長い蒲鉾状に形成してある。

このように形成された突出部５を設けた本考案によれ
ば、カメラ本体1Aを、例えば右手で把持した場合、その
拇指がカメラ本体1Aの下面に、また人差指，中指，薬指
等がカメラ本体1Aの上面1cに当てられて本体1Aを把持す
ることになるが、この際、上面1cに当てられる人差指，
中指，薬指等の腹部が上記突出部５にかぶせられて、こ
れに掛けられるため、滑り難くなり、把持感も良く、し
っかりとフィットしてカメラ本体1Aを保持することがで
きる。また、上述のように撮像光学系に対応する部位を
把持するため、指により押さえられた部位と光学系との
間のモーメント長は極小となり、従って、カメラを把持
したときの微小な指の振動がモーメント長によって増幅
されて手振れが増長される虞れもない。更に、概略偏平
形状であるため、机上等に特段の補助部材を使用しなく
とも安定に載置することができて、安定に静置された姿
勢が保たれた状態で再生操作等を行なうことができる。
このため操作がし易く操作感が良い。その上、撮像光学
系が内蔵された一側縁側とは反対の他側縁側に記録媒体
収納部が設けられ、記録媒体をこの他側縁側から撮像光
学系を見込む方向に略沿って挿脱するようになされてい
るため、片手でカメラを安定に保持しながら、他方の手
で記録媒体を素早く容易に挿脱することができる。

一方、外装体の前面において撮像光学系が配置された
一側縁側とは反対の他側縁側にストロボ発光窓が配され
ているので、カメラの大幅な薄型化を図ることが可能と
なる。また、撮像光学系とストロボ発光窓とが離間され
ているので、ストロボ光の正反射光が撮像光学系に入射
することが減少し、特に撮像素子のダイナミックレンジ
が狭い電子カメラにおいて、被写体つぶれが減少して有
効な照明が可能となると共に、ストロボから発生する高
周波成分がノイズとして撮像素子に悪影響を及ぼす虞れ
がなくなる。

第２図は、本考案の第２実施例を示したものである。
この実施例は、カメラ本体1Aの上面の、上記撮像光学系
に対応する部位に、上記第１実施例と同様に、突出部5A
を設けると共に、この突出部5Aの表面に軟質ゴム等の摩
擦係数の高い材質をコーティングし、更に外装体の表面
には梨地加工を施してある。その他は上記第１実施例の
電子スチールカメラと全く同様に構成されている。

このように構成した第２実施例によれば、上記第１実
施例と同様の効果、即ち、突出部5Aに指が掛ってしっか
りと保持でき、把持感覚およびフィット感覚もよいほ
か、突出部5Aが軟質ゴム等でコーティングされていて、
更に表面も梨地処理を施されて滑り止め機能が向上して
いるため、手の汗等で滑って把持し難いというようなこ
とが全くなくなるという効果が得られる。

なお、上記軟質ゴム等による突出部5Aのコーティング
や梨地加工等の表面処理は、滑り止め効果が発揮される
ものであれば良く、例えば細かい凹凸形状を有する表面
処理や多数の小突起を有する表面処理等であってもよい
ことは勿論である。

次に、第３図は本考案の第３実施例を示したものであ
る。この第３実施例の電子スチールカメラ11は、その内
部を前後方向に貫通するようにして配設されている撮像
光学系の鏡筒６の上部6aを、カメラ本体1Aの上面1c上に
前後方向にわたって全面的に突出露呈させてある。その
他の構成は、上記第１および第２実施例のカメラと全く
同様に構成されている。

このように構成した第３実施例によれば、上記第１実
施例で得られる効果のほかに、突出部6aがカメラ本体1A
の上面の前後方向の全体にわたって形成されているの
で、ホールディング箇所が限定されず、任意の把持し易
い箇所を保持することができるという効果が得られる。

また、第４図は本考案の第４実施例を示したものであ
る。この第４実施例は、カメラ本体1Aの上面1cに、上記
第３実施例の突出部6aと同様の突出部6Aaを形成すると
共に、同突出部6Aaの表面に軟質ゴム等の摩擦係数の高
い材質を滑り止めとしてコーティングし、更に上記突出
部6Aaの両側に拡がるように延び出した外装体上面1c
を、カメラ本体1Aの左右両側面の上縁に向けて傾斜する
斜面1dで形成するようにしたものである。従って、この
実施例では偏平箱型に形成されたカメラ本体1Aの両側部
の厚味が薄くなっている。その他の構成は上記第３実施
例と同様である。

このように構成された第４実施例によれば、上記第１
実施例に比し全体として一層の薄型化を図ることが可能
となる。

従って、突出部6Aaに指が掛ることにより把持し易
く、かつ軟質ゴム等のコーティングによって滑らず、そ
して、両サイドの厚味が中央部に較べて薄くなっている
ため、良い感じでフィットして把持することができる。
また上記コーティングを行なうことによりレンズ鏡筒の
保護を強化することができるという効果も発揮される。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案によれば、片手でもカメラを
安定に保持することができ、手振れ等を有効に抑制する
ことができるため、良好な撮影を行なうことができると
共に、他方の手で記録媒体を素早く容易に挿脱すること
ができ、更に、机上等に載置しても安定した状態で再生
操作等を行なうことができ操作感にも優れる。また、撮
像光学系とストロボ発光窓とが離間されているため、被
写体つぶれが減少して有効な照明が可能になると共に、
ストロボから発生する高周波成分がノイズとして撮像素
子に悪影響を及ぼす虞れがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例を示す電子スチールカメ
ラの斜視図、 第２図〜第４図は、本考案の第2,第3,第４実施例をそれ
ぞれ示すカメラの斜視図である。 1,11……カメラ 1A……カメラ本体 ２……撮影レンズ 5,5A,6a,6Aa……突出部（指掛け部）

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自己の前後方向に延長されるようにして、
   且つ自己の一側縁側に偏って位置するようにして撮像光
   学系が内蔵され、全体として、この撮像光学系を側方に
   拡がるような概略偏平形状に成形されていて、上記撮像
   光学系が内蔵された部位の厚み寸法が相対的に大きくな
   された外装体と、 上記外装体の厚み寸法が相対的に大きくなされた、上記
   撮像光学系が内蔵された部位に設けられ、カメラ本体を
   把持するための把持部と、 上記外装体の一側縁側とは反対側の他側縁部に設けら
   れ、記録媒体を上記撮像光学系の光軸と直交する方向に
   略沿って挿脱するようになされた記録媒体収納部と、 上記外装体の前面において上記撮像光学系が配置された
   一側縁側とは反対側の他側縁側に配置されたストロボ発
   光窓と、 を具備したことを特徴とする電子カメラ。