JP2526872Y2 - 流量センサー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、回転体の回転数を流体の流量に変換して管
路内の流量を検出する流量センサーに関する。

［従来の技術］ 従来の流量センサーを用いた一般的な水道直結式温水
洗浄装置の系統図を第１図に示す。１は水道本管、２は
逆止弁、３は電磁弁である。４はガバナで、水道圧の変
動による内部機構の損失を防ぐために、二次側給水圧の
調整を行なう。前記ガバナ４の下流には、水調器５を設
け、図示しないが水量操作部と、流量センサー６からの
信号に基づき駆動用モーター７を駆動して、流路開度を
調節し、水量操作部で決定された給水量になるように動
作する。８は温水タンクで、流入した洗浄水を適温に加
熱し、噴出部開閉用電磁弁９から噴出部10に至る。

従来の流量センサー６として、発光素子、受光素子を
利用をして検出するものや、プラスチックマグネットで
形成される羽根車と磁気センサーとによって検出するも
のが知られている。

このうち、発光，受光素子を利用した光電式の流量セ
ンサーは、流水によって回転する羽根車が各素子間の透
光を遮断する毎にパルス信号を出力し流量を検出するも
のであるが、長期の使用により流水中に含まれる鉄分や
カルキ等の不純物が発光素子もしくは受光素子に付着す
ると、使用不可になるという問題が生じている。

そこで昨今、磁界変化を利用した第２図に示すような
流量センサーが提案されている。第２図において、11は
プラスチックマグネットでなる羽根車で、複数の羽根11
aを成形している。12は前記羽根車11の車軸で、管路内
側の一端に支持体13を介して、羽根車11が可動するよう
に車軸12を支持体13で支持している。このような構成で
あって、流体が車軸12の軸方向より入水して、羽根車11
を回転させ、管路外側に設けられた磁気センサー14で、
羽根車11の回転を検出し、流量を求めるしくみになって
いる。

［考案が解決しようとしている問題点］ しかしながら、このような流量センサーでは、プラス
チックマグネットで形成された羽根車11を、給水管路内
部に位置させるために、羽根車11や車軸12,支持体13に
流体中の不純物が付着しやすく、その結果回転不良が発
生し確実な流量検出が行なえないという問題を有してい
た。また、プラスチックマグネットは今なお材料として
かなり高価である上、成形上多くの制約条件がありコス
ト的に大きな負担があった。

［問題点を解決するための手段］ このような問題点を解決するために、入水口と出水口
とを設けて流水路を形成したケーシングと、該ケーシン
グ内に収容され前記流水路の流れにより固定する回転体
と、該回転体の回転により磁束変化を生じる位置に設け
たバイアス磁石と、該磁石の磁束変化を検出する磁気セ
ンサーとを備え、前記回転体は磁性を有する羽根板を交
差状に組み合わせた羽根部と、一面に該羽根部を嵌合す
る溝部を有し他面に回転軸を突出した側板とからなり、
該側板によって羽根部を挾持して形成した流量センサー
を提供するものである。

［実施例］ 以下、第３図、第４図の図面をもとに本考案の実施例
を説明する。第３図は、本考案の流量センサーの詳細図
である。15はケーシング、16は流体の入水口、17は流体
の出水口、23は入水口16から出水口17に至る流水路であ
る。18は回転体に相当する水車で、19は水車の羽根部で
ある。ケーシング15内への入水は、水車18の車軸に直交
する方向より行われ、ケーシング15内へ進入してきた流
体が、水車の羽根部19のいずれか先端部に接して羽根部
19に回転運動を与える。20は水車室で、ケーシング15内
に水車18を納めるために設けられている。水車室20は、
水車18が回転運動出来るよう水車18と適宜クリアランス
を有し若干大きめに構成されている。また、水車室20
は、水車18の車軸となる部分が入り込むための凹部を中
心に設けてあり、水車18の位置決めをしている。21は磁
気センサーで、水車18の近傍で、ケーシング15の外側に
位置し、この磁気センサー21に磁界を与えるバイアス磁
石22は、磁気センサー21に対向し、水車18と共に磁気セ
ンサー21を挾むような位置に固定されている。

ここで、水車18の組立図を第４図に示す。23,23はそ
れぞれSUS430等の強磁性体からなる長方形の羽根板で、
中心部に切り込み部23a,23aを設け、羽根板23,23が直交
するように切り込み部23a,23aを組み合わせる。24,24は
側板で一方の面に十字形をなした溝24a,24aを持ち、他
方の面には、車軸24b,24bを突出し、水車の羽根部19を
左右方向より挾持して水車18を形成している。

以上の構成からなる流量センサーを第１図の装置に使
用した場合を例として、その動作を説明する。電磁弁３
が開口すると、流体はガバナ４および水調器５を介して
流量センサー６のケーシング14内に導かれる。流量セン
サー６において、流体の入水口16から入水した流体によ
り、ケーシング15内の水車18が回転運動をする。水車18
の回転に伴い、磁性を有する羽根部19の先端がバイアス
磁石21に近づく。バイアス磁石21の磁束は、水車の羽根
部19が近づくことにより作用方向が変化し、その変化を
磁気センサー21で検出している。検出された水車18の回
転数を図示しない制御回路で演算して流体を導きだし、
使用者の設定と算出した流量が食い違う場合は、駆動モ
ーター７を駆動して、その流量を調節する。

なお、本考案は上記局部洗浄装置への使用に限らず、
ガス湯沸器やボイラー、給油装置などのあらゆる流量検
出手段として使用可能である。

［考案の効果］ 以上のように本考案は、流水によって回転する回転体
を磁性を有する羽根板を交差状に組み合わせた羽根部
と、該羽根部を挾持する側板とから構成したので、形状
が単純化して製造技術，組立性が容易になり、材料コス
トも安価にすることができる。また、羽根部の形状が単
純であるので鉄粉やカルキ等の異物が付着しにくくな
り、回転不良や錆びの発生を防ぐことができる。更に、
回転体の軸部が流水に接しにくくなり、抵抗がなく確実
な流量検出が行えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は流量センサーを用いた一般的な水道直結式局部
洗浄装置の系統図、第２図は従来の流量センサーの断面
図、第３図は本考案の流量センサーの断面図、第４図は
本考案の流量センサーにおける水車の組立図である。 ６…流量センサー、15…ケーシング、16…流体の入水
口、17…流体の出水口、18…回転体に相当する水車、21
…磁気センサー、22…バイアス磁石、23…流水路。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】入水口と出水口とを設けて流水路を形成し
   たケーシングと、該ケーシング内に収容され前記流水路
   の流れにより回転する回転体と、該回転体の回転により
   磁束変化を生じる位置に設けたバイアス磁石と、該磁石
   の磁束変化を検出する磁気センサーとを備え、前記回転
   体は磁性を有する羽根板を交差状に組み合わせた羽根部
   と、一面に該羽根部を嵌合する溝部を有し他面に回転軸
   を突出した側板とからなり、該側板によって羽根部を挾
   持して形成したことを特徴とする流量センサー。