JP2526471Y2 - 電子写真式印刷装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、感光ドラムと転写器を構成要素の一部と
して有する電子写真式印刷装置に関する。

［従来技術］ 従来の電子写真式印刷装置においては、第４図に示す
ように、感光ドラム41と転写器42の間における印刷媒体
の搬送手段としても、感光ドラムと転写器の前後にそれ
ぞれ搬送面を挟んで接触する一対のドライブローラとピ
ンチローラ43,44,45,46を配置し、各対のローラ間距離
を印刷媒体の長さよりもやや短くしている。

搬送面より感光ドラム側に設置されるローラ44,46
は、その周面が感光ドラム41の周面に接触しないように
離間する必要がある。そして、いずれのローラ44,46も
所要の径を有するから、前記感光ドラムと転写器の前後
の対のローラ間距離Ｌの最小値は、感光ドラム41とロー
ラ44,46の径により一義的に決定される。

ところが、印刷媒体の種類には、例えば航空搭乗券や
乗車券のように、長さが感光ドラムの径と対して比較的
短いものがある。従来の印刷装置のように、ローラのみ
を搬送手段として用いる場合は、このような印刷媒体を
感光ドラムと転写器の間で確実に搬送することが困難で
あり、搬送速度のムラにより、あるいは、印刷媒体の自
重による弛みによって印刷内容が不鮮明になったり、印
刷抜けが生じたりする問題がある。

さらに、長さが前後のローラ間距離より小さい印刷媒
体が誤って搬入された場合は、媒体が感光ドラムと転写
器の間に存在する状態でジャムする（搬送されない）こ
ととなるが、印刷媒体の転写器以後の部分には、転写し
たトナーが未定着状態にあるため、ジャム解消時にその
媒体のトナーが手に付着するので、ジャム処理（搬送さ
れない媒体の排除）作業に困るなどの問題がある。

［解決しようとする技術課題］ この考案は、上記の点に鑑み、感光ドラムと転写器の
前後に最小間隔をもって配置し得るローラの間の距離よ
りも短い印刷媒体をも、確実にかつ感光ドラムに対して
高密着性をもって搬送でき、従って、高い印刷品質、印
刷信頼度が得られる電子写真式印刷装置を提供しようと
するのである。

［課題を解決するための手段］ 上記の課題を解決するため、この考案に係る電子写真
式印刷装置は、感光ドラムとコロナ放電式転写器との間
に、前方より搬送される印刷媒体の印字範囲の両外側部
分の下側に、前記コロナ放電式転写器の前後と下側に配
置した３個のプーリにより逆三角形状に張設した印刷媒
体搬送用ベルトを前記感光ドラムの接線方向に設け、そ
の印刷媒体搬送用ベルトの上側で、かつ前記感光ドラム
の前後にアイドラローラをそれぞれ配置したことを特徴
としている。

［作用］ 前方より感光ドラムと転写器の間に向けて搬送される
印刷媒体は、前部アイドラローラとベルトより搬送力を
与えられて感光ドラムと転写器の間を通る。

その間も、印刷媒体には回転する感光ドラムとベルト
から搬送力が継続的に与えられる。

そしてまた、その印刷媒体は、後部アイドラローラと
ベルトより搬送力が与えられて、後方の定着器に向けて
送り出される。

こうして、印刷媒体には、前部アイドラローラから後
部アイドラローラを通過するまでの間中、一定の安定し
た搬送力が与えられ、かつ、下面がベルトに支持されて
いるので、感光ドラムに対する密着性がよい。

従って、短い印刷媒体でも、高い印刷品質が確保さ
れ、信頼度が向上する。

［この考案の実施例］ 次に、この考案の実施例を図面に基いて説明する。

この考案においては、感光ドラム１と転写器２の前後
に、プーリ3,4を搬送面より下側において設け、かつ、
転写器２の直ぐ下方にもう一つのプーリ５を設けて、こ
れらの三個のプーリに搬送ベルト６を逆三角形状に張設
して、そのベルトの平面部分を感光ドラムの周面の一部
に弱く接触させ、さらに、搬送面より上側にアイドラロ
ーラ7,8を、搬送ベルト６の前後のプーリ3,4に掛け回さ
れている部分に軽く押圧するように備えている。

第２図に示すように、従来と同様にして、前方からド
ライブローラとピンチローラなどの搬送手段によって搬
送されてくる印刷媒体９の印刷範囲pzの両外側部分にベ
ルト６が接触するように、三個のプーリと搬送ベルト及
び前後のアイドラローラが感光ドラム及び転写器の軸方
向両側にそれぞれ設けられている。

印刷装置を印刷範囲pzの幅寸法が一定の印刷媒体に専
用する場合は、上記二組の搬送ベルト間距離を固定にし
てもよい。また、印刷範囲の幅寸法の異なる印刷媒体に
対応できるようにするためには、二組のベルト間距離及
びアイドラローラ間距離を変更可能な構成とすればよ
い。

なお、搬送ベルト６は、四個のプーリで矩形状に張設
しても良いが、図示の例のように逆三角形状に張設する
場合は、設置スペースを可及的に小さくして、他の部品
の実装を容易にする利点がある。

上記の構成において、感光ドラム１の周速度と搬送ベ
ルト６の搬送速度が一致するように、伝動系が設計され
ている。そして、第１図において、右側から印刷媒体９
が通常の搬送手段により搬入されてくると、回転してい
る前部アイドラローラ７と搬送ベルト６の間に進入し
て、これらより搬送力を与えられ、さらに前進して印刷
範囲以外の部分で感光ドラムとベルトに挟まれて搬送力
が継続的に与えられ、感光ドラム１と転写器２の間を通
過した後は、さらに搬送ベルト６と後部アイドラローラ
８より搬送力を与えられて、後方に設けてある定着器に
向けて送り出される。

なお、感光ドラムの周面に、図示されていない現像器
によりトナーが付着されている場合は、その周面が転写
器２に最接近した位置において、印刷媒体に転写する。
この場合、そのトナーの転写効率は、印刷媒体と感光ド
ラム周面の密着性に依存するが、印刷媒体は、搬送ベル
トにより幅方向両側を感光ドラムに押圧された状態で転
写器２のコロナ放電用ワイヤ2aと感光ドラム１の回転中
心を結ぶ直線上を同期移動するから、密着性が良いた
め、非常に高い転写効率が得られる。

［この考案の効果］ 上述のように、この考案に係る印刷装置によれば、感
光ドラムと転写器の前後に最小間隔をもって配置し得る
ローラの間の距離よりも短い印刷媒体をも、確実に搬送
することができる。

また、印刷媒体を感光ドラムに対して高い密着性をも
って搬送できるから、高い印刷品質と印刷信頼度が得ら
れる。

さらに、印刷媒体搬送用ベルトを逆三角形状に張設し
たので、コロナ放電転写器の配設に必要なスペースを容
易に確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の要部の側面図、第２図は
感光ドラムを除去して示す斜視図、第３図は印刷媒体を
搬送中の要部の断面図である。 第４図は従来装置の要部を示す側面図である。 １…感光ドラム、２…転写器、3,4,5…プーリ、６…搬
送ベルト、7,8…アイドラローラ、９…印刷媒体。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】感光ドラムとコロナ放電式転写器との間
   に、前方より搬送される印刷媒体の印字範囲の両外側部
   分の下側に、前記コロナ放電式転写器の前後と下側に配
   置した３個のプーリにより逆三角形状に張設した印刷媒
   体搬送用ベルトを前記感光ドラムの接線方向に設け、そ
   の印刷媒体搬送用ベルトの上側で、かつ前記感光ドラム
   の前後にアイドラローラをそれぞれ配置したことを特徴
   とする電子写真式印刷装置。