JP2525301Y2 - 木工用加工盤の安全装置および板厚検知装置 - Google Patents

木工用加工盤の安全装置および板厚検知装置

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JP2525301Y2
JP2525301Y2 JP1689491U JP1689491U JP2525301Y2 JP 2525301 Y2 JP2525301 Y2 JP 2525301Y2 JP 1689491 U JP1689491 U JP 1689491U JP 1689491 U JP1689491 U JP 1689491U JP 2525301 Y2 JP2525301 Y2 JP 2525301Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、木工用加工盤の安全装
置および板厚検知装置に係り、特に超仕上げ鉋盤に用い
られる板厚検知装置および安全装置の改良技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図4に従来の超仕上げ鉋盤の正面一部断
面図を示す。従来の超仕上げ鉋盤50は、被切削材Wを
水平移動可能に載置する鉋台2と、昇降用モータBMに
より上下動可能に配置したヘッド部3と、昇降用モータ
BMを駆動してヘッド部3を昇降させるための操作部5
1と、を備えている。
【0003】鉋台2は、被切削材Wを搬送するための送
りベルト5と、送りベルト5を駆動するためのベルト駆
動用モータMと、を備えている。ヘッド部3は、被切削
材Wの板厚を検知するための板厚検知リミットスイッチ
LS2 が設けられたヘッドストック部4と、実際の切削
加工を行う鉋刃10が格納されたナイフストック部9
と、を備えている。
【0004】操作部51は、昇降用モータBMによりヘ
ッド部3を上昇させるための上昇ボタン52と、昇降用
モータBMによりヘッド部3を下降させるための下降ボ
タン53と、を備えて構成されている。ヘッドストック
部4の板厚検知リミットスイッチLS2 により、被切削
材Wの板厚が検知されると複数のIC(Integrated Cir
cuit)を有して構成された図示しない板厚検知装置が、
送りベルト5を駆動して被切削材Wをヘッド部3下方に
搬送し、ナイフストック部9により一定量の切削加工を
行わせていた。
【0005】より具体的には、被切削材Wをヘッドスト
ック部4下面の材料差入れ側に挿入し、下降ボタン53
を押すと、前記板厚検知装置は昇降用モータBMを駆動
する。これによりヘッド部3は、昇降ねじ11を介して
ガイドバー12、12に案内されて下降する。その後、
被切削材Wが検知板21に当接し、板厚検知リミットス
イッチLS2 をオンにして板厚が検知されると、前記板
厚検知装置は昇降用モータBMの駆動を停止してヘッド
部3の下降を停止する。
【0006】さらに、前記板厚検知装置はベルト駆動用
駆動モータMを駆動して、送りベルト5を駆動し、被切
削材Wをヘッド部3のナイフストック部9下方に搬送し
て所定厚さの切削を行わせるようになっていた。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】上記従来の超仕上げ鉋
盤を移動させる際には、ヘッド部3の長手方向両端部分
を持って運ぶことがあるが、このとき作業者が電源を入
れたままの状態で超仕上げ鉋盤を運んでいるときに、板
厚検知リミットスイッチLS2 を指で誤って押し上げ、
ベルト駆動用モータMを駆動させ、指が送りベルト5に
巻き込まれてしまうという問題点があった。
【0008】また、従来の板厚検知装置においてはIC
が多用され、部品点数が多かったため、製作時の作業工
程が多く作業性が悪いとともに、故障時に不良箇所の特
定をすることが困難であるという問題点があった。さら
に、ICは高価であるため、コストアップになってしま
うという問題点があった。そこで本考案は、誤動作の防
止を確実にするとともに、故障時等のメンテナンスが容
易で安価な木工用加工装置の安全装置および板厚検知装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の考案は、加工時に被加工材料を送る送り手段
を有し、前記被加工材料を載置する載置台と、前記載置
台の上方に設けられ前記載置台との間に送材路を形成す
るとともに前記被加工材料の加工を行う加工手段と、前
記加工手段を昇降させる昇降手段と、を備え、前記被加
工材料の板厚に応じて加工を行う木工用加工盤の安全装
置であって、前記加工手段は、前記送材路側に前記被加
工材料の板厚を検知する板厚検知スイッチを有し、前記
載置台は、前記送材路側に前記板厚検知スイッチと直列
に接続した安全スイッチを備え、前記板厚検知スイッチ
および前記安全スイッチが同時にオンされた場合にのみ
前記送り手段の動作を行わせるように構成する。
【0010】また、第2の考案は、被加工材料の加工を
行う加工手段と、前記加工手段を昇降させる昇降手段
と、加工時に前記被加工材料を送る送り手段と、を備
え、前記被加工材料の板厚に応じて加工を行う木工用加
工盤の板厚検知装置において、前記板厚検知装置は、前
記被加工材料の板厚を検知する板厚検知スイッチと、前
記被加工材料の板厚が検知されると、前記送り手段を駆
動する第1リレー回路と、前記被加工材料の板厚検知前
には前記昇降手段に下降用の電源を供給し、前記被加工
材料の板厚が検知されると、前記第1リレー回路および
当該回路に電源を供給するとともに前記昇降手段の下降
動作を禁止する第2リレー回路と、前記加工手段の上昇
動作時に前記昇降手段に上昇用の電源を供給するととも
に、前記第1リレー回路および前記第2リレー回路の動
作を禁止する第3リレー回路と、を備えて構成する。
【0011】
【作用】第1の考案によれば、安全装置は、加工手段の
送材路側に設けられた板厚検知スイッチおよび載置台の
送材路側に設けられた安全スイッチが同時にオンされた
場合にのみ前記送り手段の動作を行わせる。したがっ
て、誤って2つのスイッチをオンすることが少ないの
で、木材用加工盤の誤動作を防止する。
【0012】第2の考案によれば、板厚検知スイッチは
前記被加工材料の板厚を検知する。第1リレー回路は前
記被加工材料の板厚が検知されると、前記送り手段を駆
動する。第2リレー回路は前記被加工材料の板厚検知前
には前記昇降手段に下降用の電源を供給し、前記被加工
材料の板厚が検知されると、前記第1リレー回路および
当該回路に電源を供給するとともに前記昇降手段の下降
動作を禁止する。第3リレー回路は前記加工手段の上昇
動作時に前記昇降手段に上昇用の電源を供給するととも
に、前記第1リレー回路および前記第2リレー回路の動
作を禁止する。
【0013】したがって、1つのスイッチと3つのリレ
ー回路で板厚検知装置を構成することができ、構成が簡
略化される。
【0014】
【実施例】図1乃至図3を参照して本考案の実施例を説
明する。図1に本考案に係る超仕上げ鉋盤の正面一部断
面図を示し、図2にその一部拡大図を示す。超仕上げ鉋
盤1は、被切削材Wを水平移動可能に載置する鉋台2
と、鉋台2の上方に上下動可能に配置したヘッド部3
と、を備えて構成されている。
【0015】鉋台2には、被切削材Wを送るための送り
ベルト5と、送りベルト5を駆動するためのベルト駆動
用モータMと、が設けられている。この送りベルト5
は、複数の受けローラ8により支持され、回転軸6を中
心に従動ローラ7と図示しない駆動ローラが回転する
と、被切削材Wをヘッド部3の下方に送り込む。ヘッド
部3は、被切削材Wの板厚を検知するための板厚検知リ
ミットスイッチLS2 が設けられたヘッドストック部4
と、実際の切削加工を行う鉋刃10が格納されたナイフ
ストック部9と、を備えている。
【0016】ナイフストック部9は、一定寸法歩出し設
定した鉋刃10が設けられ、ヘッド部3の被切削材Wの
板厚による昇降動作に伴って、刃当り位置を設定するこ
とにより被切削材Wを切削する。ヘッド部3の昇降は昇
降用モータBMにより昇降ねじ11を介して行われる。
これによりヘッド部3はガイドバー12、12に案内さ
れて昇降する。昇降用モータBMの駆動は図示しないフ
ットスイッチの操作で行う。
【0017】超仕上げ鉋盤1への被切削材Wの供給口の
上下、すなわちヘッド部3の下部および鉋台2の上部に
はほぼ相対するように、それぞれ板厚検知スイッチとし
て板厚を検出する板厚検知リミットスイッチLS2 と、
安全スイッチとしてベルト駆動用モータの動作を禁止す
る動作禁止リミットスイッチLS1 と、が設けられてお
り、両リミットスイッチLS1 、LS2 がオンしないか
ぎり、ベルト駆動用モータMは動作しないようになって
いる。
【0018】動作禁止リミットスイッチLS1 は、超仕
上げ鉋盤1の前定盤17内部にねじ19により固定され
たリミットスイッチ取付板18に取り付けられている。
前定盤17内部には一端がねじ41により固定されたリ
ミットスイッチ板31が設けられており、リミットスイ
ッチ板31の他端である自由端31aのやや固定端側は
凸部31bを形成し、被切削材Wに当接するように前定
盤17の上面からわずかに突出するように設置されてお
り、この凸部31bが、被切削材Wに当接することによ
り下方に押し下げられると、動作禁止リミットスイッチ
LS1 をオンするようになっている。
【0019】板厚検知リミットスイッチLS2 は、ナイ
フストック部9と一体に成形されたヘッドストック部4
内のリミットスイッチ取付板23に取り付けられてい
る。ヘッドストック部4の内側より突出した突起部15
には、一端がねじ16により固定された検知板21が設
けられており、検知板21の他端である下方向に円弧状
に湾曲した自由端21aが、被切削材Wに当接すること
により上方に押し上げられると、板厚検知リミットスイ
ッチLS2 をオンするようになっている。
【0020】次に、超仕上げ鉋盤の主な動作について説
明する。被切削材Wである木材をリミットスイッチ板3
1に当接するように置き、動作禁止リミットスイッチL
1 がオンになった状態で、フットスイッチの下降ペダ
ルを踏むと、昇降用モータBMが動作してヘッド部3が
下降する。これによりヘッドストック部4が木材に接近
して、検知板21に当接し、板厚検知リミットスイッチ
LS2 がオンされると、昇降用モータBMの動作が停止
し、ベルト駆動用モータMが動作する。そこで、木材を
ヘッド部3下部の送材路に押しいれると、木材は送りベ
ルト5により送られ、鉋刃10ですでに設定した厚さだ
け鉋削りされて、後定盤に送り出される。ここでフット
スイッチの上昇ペダルを踏むとベルト駆動用モータMの
動作が停止するとともに、昇降用モータBMが動作して
ヘッド部3が上昇することとなる。
【0021】図3に本考案の安全装置を有する板厚検知
回路のシーケンス図を示す。図3において、下降ボタン
(フットスイッチの下降ペダル)13を押すと、上昇ボ
タン(フットスイッチの上昇ペダル)14のa接点(常
閉接点)SUa、下降ボタン13のb接点(常開接点)S
Db、ストップボタンSTPの第2番目のa接点SSTa2
リレーR2のa接点SR2a を介して昇降用モータBMに
下降用の電源が供給され、ヘッド部3を下降させる。ま
た、上昇ボタン14を押すと、上昇ボタンのb接点SUb
を介してリレーR3に通電され、リレーR3のa接点S
R3a がオフとなり、b接点SR3b はオンとなる。これに
より昇降用モータには、上昇ボタンのb接点SUb、リレ
ーR3のb接点SR3b を介して上昇用の電源が供給さ
れ、ヘッド部3を上昇させることとなる。下降ボタン1
3および上昇ボタン14はともに手動操作自動復帰接点
であるのでボタンを押している間だけ有効となる。さら
に同時に下降ボタン13および上昇ボタン14が押され
た場合には、フェイルセーフとして上昇ボタン14のみ
が有効となるように構成されている。
【0022】動作禁止リミットスイッチLS1 および板
厚検知リミットスイッチLS2 は直列に接続されてお
り、両スイッチがオンした場合のみリレーR1、リレー
R2に通電される。両スイッチがオンした場合には、リ
レーR1のb接点SR1b がオンとなり、ベルト駆動用モ
ータMが動作し、送りベルト5により被切削材Wがヘッ
ド部3の下方に送り込まれることとなる。また、リレー
R2のb接点SR2b がオンとなり、その状態を保持す
る。これにより、それ以後、リレーR2のb接点
R2b 、ストップボタンSTPの第1番目のa接点S
STa1、リレーR3のa接点SR3a を介してリレーR1お
よびリレーR2は常に通電されることとなり、被切削材
Wの切削加工が終了してもベルト駆動用モータMが動作
しつづけることとなるが、上昇ボタン14またはストッ
プボタンSTPを押すことにより、リレーR2が非通電
状態となり、これによりリレーR1も非通電状態となっ
てベルト駆動用モータMは停止する。
【0023】以上の実施例においては、安全スイッチと
しての動作禁止リミットスイッチLS1 を、板厚検知リ
ミットスイッチLS2 に直列に接続することにより、両
リミットスイッチLS1 、LS2 がオンしなければベル
ト駆動用モータMは駆動しないので、電源を入れたまま
の状態で作業者がヘッド部3の長手方向両端部分を持っ
て運ぶ際に、誤って板厚検知リミットスイッチLS2
押し上げてもベルト駆動用モータMが駆動されることは
ないので、作業者の安全を確保することができる。
【0024】また、板厚検知回路は1つのリミットスイ
ッチと、3つのリレー回路により構成されており、従来
のICを用いた板厚検知回路と比較して、簡略化されて
おり、回路基板に実装する部品点数が減少するため作業
工程が減少して信頼性が向上する。さらに故障箇所の特
定が容易となっている。
【0025】
【考案の効果】第1の考案によれば、加工手段の送材路
側に前記被加工材料の板厚を検知する板厚検知スイッチ
を設け、載置台の送材路側に板厚検知スイッチと直列に
接続した安全スイッチを備え、板厚検知スイッチおよび
安全スイッチが同時にオンされた場合にのみ送り手段の
動作を行わせるので、作業者が木工用加工盤を移動する
際に同時に両スイッチがオンされることが無いので、送
り手段の誤動作を防止することができ、作業者の安全を
確保することができるという効果を奏する。
【0026】第2の考案によれば、1つのスイッチと3
つのリレー回路で板厚検知装置を構成することができ、
構成が簡略化され、回路基板に実装する部品点数が減少
するため作業工程が減少して信頼性が向上するととも
に、故障箇所の特定が容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の正面一部断面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】図1の実施例の動作シーケンス図である。
【図4】従来例の正面一部断面図である。
【符号の説明】
1…超仕上げ鉋盤 2…鉋台 3…ヘッド部 4…ヘッドストック部 5…送りベルト 6…回転軸 7…従動ローラ 8…受ローラ 9…ナイフストック部 10…鉋刃 11…昇降ねじ 12…ガイドバー 13…下降ボタン 14…上昇ボタン 15…突起部 16…ねじ 17…前定盤 19…ねじ 21…検知板 21a…自由端 23…リミット取付板 31…リミットスイッチ板 31a…自由端 31b…凸部 BM…昇降用モータ LS1 …動作禁止リミットスイッチ LS2 …板厚検知リミットスイッチ M…ベルト駆動用モータ SR2a 、SR3a 、SUa、SSTa1、SSTa2…a接点 SR1b 、SR2b 、SR3b 、SUb、SDb…b接点 STP…ストップボタン W…被切削材

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工時に被加工材料を送る送り手段を有
    し、前記被加工材料を載置する載置台と、前記載置台の
    上方に設けられ前記載置台との間に送材路を形成すると
    ともに前記被加工材料の加工を行う加工手段と、前記加
    工手段を昇降させる昇降手段と、を備え、前記被加工材
    料の板厚に応じて加工を行う木工用加工盤の安全装置で
    あって、前記加工手段は、前記送材路側に前記被加工材
    料の板厚を検知する板厚検知スイッチを有し、前記載置
    台は、前記送材路側に前記板厚検知スイッチと直列に接
    続した安全スイッチを備え、前記板厚検知スイッチおよ
    び前記安全スイッチが同時にオンされた場合にのみ前記
    送り手段の動作を行わせることを特徴とする木工用加工
    盤の安全装置。
  2. 【請求項2】 被加工材料の加工を行う加工手段と、前
    記加工手段を昇降させる昇降手段と、加工時に前記被加
    工材料を送る送り手段と、を備え、前記被加工材料の板
    厚に応じて加工を行う木工用加工盤の板厚検知装置にお
    いて、前記板厚検知装置は、前記被加工材料の板厚を検
    知する板厚検知スイッチと、前記被加工材料の板厚が検
    知されると、前記送り手段を駆動する第1リレー回路
    と、前記被加工材料の板厚検知前には前記昇降手段に下
    降用の電源を供給し、前記被加工材料の板厚が検知され
    ると、前記第1リレー回路および当該回路に電源を供給
    するとともに前記昇降手段の下降動作を禁止する第2リ
    レー回路と、前記加工手段の上昇動作時に前記昇降手段
    に上昇用の電源を供給するとともに、前記第1リレー回
    路および前記第2リレー回路の動作を禁止する第3リレ
    ー回路と、を備えたことを特徴とする木工用加工盤の板
    厚検知装置。
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