JP2525301B2 - テ―プ付合成樹脂着脱具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ブラジャー、ボディス
ーツ等のファンデーション、インナーウェアおよびスポ
ーツ用衣料、アウターウェア等における衣料品に用いる
テープ付合成樹脂着脱具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】女性用インナー、ファンデーションおよ
びアウターウェア等の衣料品には各種の着脱具（釦、金
属スナップ釦、フアスナー、テーピースナッパー、グリ
ッパーテープなど）がその用途と機能に応じて使い分け
されているが、これらの着脱具は次のような特質を必要
としている。

【０００３】着用した場合の運動時における体表面の変
化による衣服の伸縮に対応して係る外部応力に耐えられ
ること、着用した時に安全であること、着脱の操作が容
易であること、繰り返し使用によっても機能が低下しな
いこと、着脱具自体が衣料用とし周囲と同化し違和感が
ないこと等が上げられる。

【０００４】前記着脱具のなかでも、最近はスナップボ
タンを大型化したグリッパーテープ（商品名）や金属製
造スナップボタンを樹脂化したテーピースナッパー（商
品名）が多く用いられてきている。

【０００５】

【課題を解決しようとする課題】しかしながら、グリッ
パーテープの場合は、縫製の替わりに金属のリベット構
造で上下よりテープを挾み込み着脱具を取付けているか
ら、大型化したことで強度は向上するが、取付けがリベ
ット構造であるため、テープ両側からの挾み込み位置の
ずれが製造工程で発生した場合、金属リベットリングの
めくれとはみ出しが発生し着用者の肌を傷つけるおそれ
がある。また、繰り返し使用しているうちに内部スプリ
ングの疲労による固定力がよわくなる問題点がある。

【０００６】また、テーピースナッパーの場合は、固定
構造として金属スナップボタンのスプリングの替わりに
樹脂の無理ばめと弾力性を利用している関係上、着脱時
の摩擦による摩耗が発生するので着脱具の引張り方向と
直角に発生する固定力の低下はさけられなかった。

【０００７】さらに、両者とも図４，５に示すように、
雄ボタン１と雌ボタン２が嵌合した際の引張り方向の支
点ａ，ａと嵌合部の接点ｂが一直線上に一致しないた
め、両側から横引き力がかかると嵌合部に斜め方向に力
がかかり嵌合部に回転モーメントが生じ、係合を解く力
が働き引張り力に対して極めて弱いという問題点があっ
た。

【０００８】本発明はこのような問題点を解決したもの
で、引張り方向の強度に強く、かつ着脱時の繰り返しに
よる耐久性、着用者に傷付けることのない安全性、さら
にはデザイン性にも優れたテープ付合成樹脂着脱具を提
供するものである。

【０００９】

【課題を解決しようとする課題】上記目的を達成するた
め、本発明のテープ付合成樹脂着脱具は、テープ３，４
の対向する一側縁に、一側方に突出する首部５を設け、
該首部５と直交する膨出頭部６を有する雄着脱具１と、
前記首部５が嵌る切欠溝８を設けた側壁を有する と共
に、膨出頭部６が嵌る嵌合溝７を設けた雌金具２をそれ
ぞれ一体成形し、雄、雌着脱具１，２の嵌合部９とテー
プ３，４の固着位置を同一高さとしたものである。

【００１０】

【作用】雄着脱具１の膨出頭部６を雌着脱具２の嵌合溝
７に重ね合わせて軽く押しつけると雌着脱具２の嵌合溝
７がやや拡がり膨出頭部６が嵌合する。この時、嵌合確
認のため、従来のスナップボタンと同様のクリック感
（カチンと入る感触）が得られ、操作も変わらず簡単で
ある。嵌合するとその嵌合部９が雄、雌着脱具１，２に
取付けられているテープ３，４と同一高さなので、両側
からの横引き力が加わったとしても、嵌合部９に何ら回
転モーメントが発生せず、その係合が解かれることがな
い。

【００１１】雄、雌着脱具１，２の係合を解くには、雌
着脱具２を押さえておき、雄着脱具１を嵌合部９の垂直
方向へ軽く引張ったり、或いは雄、雌着脱具１．２を軽
く捻ることで簡単に取り外すことができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明すると、１，２は合成樹脂製の適宜厚さからなる雄、
雌着脱具で、布テープ３，４の一側縁に一体成形されて
いる。この雄着脱具１は、上面が方形状に形成されてい
ると共に、一側縁の厚さ方向の中央に首部５を突出さ
せ、その先端に首部５と直交する膨出頭部６を設けてあ
る。

【００１３】雌着脱具２は、雄着脱具１と同様の上面が
方形状に形成されていて、一側縁に膨出頭部６が嵌るＵ
字状の嵌合溝７を設けていると共に、側壁の中央には首
部５が嵌る切欠溝８を形成してある。これらの雄、雌着
脱具１，２はいずれも厚さ方向の中間に布テープ３，４
が取付けられてあり、雄、雌着脱具１，２が嵌合した時
の嵌合部９と同じ高さになっている。

【００１４】このような雄、雌着脱具１，２を得るに
は、図３に示すように、上下金型１０，１１の間に布テ
ープ３を入れ、上下金型１０，１１の成形室１０ａ，１
１ａのピン１２，１３で布テープ３の一側縁で、かつ雄
着脱具１の厚さ方向の中央部になるよう固定して溶融樹
脂を注入して、成形室１０ａ，１１ａの内を樹脂で充満
させ、硬化したのち、脱型すればできるものである。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、テープ３，４の対向する一側
縁に、一側方に突出する首部５を設け、該首部５と直交
する膨出頭部６を有する雄着脱具１と、前記首部５が嵌
る切欠溝８を設けた側壁を有すると共に、膨出頭部６が
嵌る嵌合溝７を設けた雌着脱具２をそれぞれ一体成形
し、雄、雌着脱具１，２の嵌合部９とテープ３，４の固
着位置を同一高さとしたものであるから、両側からの引
張り力がかかっても、嵌合部に回転モーメントが発生せ
ず、その係合が解かれることなく、横方向の引張り強度
に優れると共に、繰り返しの着脱によっても何らその強
さは変わることがない。

【００１６】また、その着脱はワンタッチで簡単に操作
できると共に、耐久性があり、デザインにも優れテープ
に装着した場合にあっては違和感なく調和するものであ
ることから、インナーウェアのみでなく、アウターウェ
アにも充分に利用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】雄、雌着脱具の斜視図である。

【図２】雄、雌着脱具の嵌合状態の中央縦断面図であ
る。

【図３】雄着脱具の製造状態を示す中央縦断面図であ
る。

【図４】従来の着脱具の嵌合状態を示す中央縦断面図で
ある。

【図５】従来の着脱具の嵌合状態を示す中央縦断面図で
ある。

【符合の説明】

１ 雄着脱具 ２ 雌着脱具 ３ テープ ４ テープ ５ 首部 ６ 膨出頭部 ７ 嵌合溝 ８ 切欠溝 ９ 嵌合部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 テープ３，４の対向する一側縁に、一側
   方に突出する首部５を設け、該首部５と直交する膨出頭
   部６を有する雄着脱具１と、前記首部５が嵌る切欠溝８
   を設けた側壁を有すると共に、膨出頭部６が嵌る嵌合溝
   ７を設けた雌着脱具具２をそれぞれ一体成形し、雄、雌
   着脱具１，２の嵌合部９とテープ３，４の固着位置を同
   一高さとしたことを特徴とするテープ付合成樹脂着脱
   具。