JP2525097B2 - 中空構造物の漏れ検査方法 - Google Patents

中空構造物の漏れ検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミ鋳造製インレッ
トマニホールド等の中空鋳造物や、溶接により中空に形
成した中空溶接物等の中空構造物の漏れの程度による良
・不良の判定を行うための検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製作後の中空構造物の漏れを調べ
る手段として、中空部分に高圧気体を封入した中空構造
物を液中に没して漏れによる気泡の発生の有無を目視判
定する液中浸漬法、石鹸水等の発泡性の溶液を塗った中
空構造物内に気体を注入して漏れによる泡の発生を目視
判定する発泡法、内部を真空にした中空構造物にヘリウ
ムガス等を外部から吹き付け、内部に侵入したガス成分
を質量分析機等のガス検出器によって測定する方法、中
空構造物に高圧気体を封入して所定時間後の封入ガス圧
の変化から漏れを測定する方法、測定対象の中空構造物
と中空基準物とに同じ圧力の高圧気体を封入して所定時
間後の両者の内圧の差を測定し、この差圧と規定値との
比較によって漏れを判定する方法等が知られている。
【0003】しかるに、前記の液中浸漬法や発泡法で
は、高精度の判定が困難であると共に、目視判定である
ために担当者の熟練度によって判定精度が左右される欠
点がある上、測定時間が長くなるために量産品の生産工
程に組み込む検査手段として適さない場合が多い。また
前記のガス検出器による測定方法では、高精度の測定が
可能であるが、設備費と消耗費が高く付く上、測定に時
間がかかることから、特に高精度の漏れ測定を要する場
合以外、生産工程での検査手段には不向きである。更に
前記の封入した高圧気体の圧力変化から漏れを測定する
方法では、温度変化に伴う測定圧力値の変動が大きいた
め、測定結果の信頼性に欠けると共に微量の漏れ測定が
困難であるという問題があった。
【0004】一方、前記の中空基準物との内圧の差から
漏れを判定する方法では、高圧気体を封入した被検査物
の中空構造物自体の内圧を測定するのではなく、同じ条
件下に置かれた漏れのない中空基準物との差圧を測定す
るものであるから、測定時の温度の違いによる内圧の変
化があっても、この変化は被検査物の中空構造物と中空
基準物とに共に現れるから、中空構造物に漏れがあれ
ば、温度変化による両者の内圧値の変化に関わらず上記
の差圧を生じることになる。従って、被検査物の中空構
造物に微量の漏れがあっても、その漏れの有無を差圧測
定で判定でき、また測定時間が短く生産工程に組み込み
易いという利点もあり、有用な漏れ検査方法であると言
える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
差圧測定による検査方法でも、実際には温度変化による
判定精度への影響が大きく、そのための対策が必要にな
っている。これは、注入気体の圧力による配管や封止部
のパッキンの変形等の様々な要因によるノイズがあるた
め、検査対象の中空構造物に全く漏れがない場合でも差
圧の測定値がゼロになることが殆どなく、また通常の被
検査物では微量の漏れがあっても製品として許容できる
範囲であれば良品とすべきこと等より、良否判定が差圧
の有無ではなく設定した基準値を上回るか否かでなされ
るのに対し、温度による気体の圧力変化が大きいため、
同じ漏れでも温度によって差圧値が変動することに起因
するとされている。
【0006】そこで、上記の対策として、従来では、被
検査物の中空構造物と、測定部位の気温又は中空基準物
との温度差を測定し、予め判明している気体の温度−圧
力の関係から測定された温度差に対応する気体の圧力変
化量を求め、これに基づいて差圧の測定値を補正する、
所謂温度補償が行われている。なお、実際の漏れ検査装
置(リークテスター)では、この測定された温度差から
差圧測定値を補正する過程が電子的プログラムとして判
定処理システムに組み込まれ、自動的に温度補償のもと
で良否判定が行われる(例えば、特開昭53−1108
1号公報)。
【0007】しかしながら、上述のような温度補償を加
えた差圧方式の漏れ検査システムによっても、本来良品
であるべきものが不良となったり逆に不良品が良品とな
る誤判定が少なからず発生しており、特に夏期と冬期に
おける誤判定の発生率が高く、頻繁な判定基準の再調整
を余儀なくされるという問題があった。
【0008】本発明者らは、差圧方式の漏れ検査システ
ムによる良否判定の精度と信頼性を高める手段を提供す
べく、まず上記のような誤判定を生じる原因について種
々検討を重ねた。その結果、被検査物である中空構造物
の温度変化に伴う差圧測定値の変化は、封入気体の温度
による圧力変化のみが要因ではなく、中空構造物自体の
温度による膨張−収縮変形の影響が大きいことが判明し
た。すなわち、被検査物である中空構造物が変形すれ
ば、高圧気体を封入している中空部分の体積そのものが
変化する上に、漏れがある場合には、その漏れを生じて
いる孔の大きさも変わり、これによって漏れの度合
(量)が変わってくる。しかも、中空構造物の形状・構
造によって前記変形の仕方も異なることになる。従っ
て、気体の温度−圧力の関係に基づく温度補償では、実
際の温度変化に伴う差圧変化には充分に対応できず、前
記の誤判定を生じていたのであり、特に気温変化の大き
い夏期と冬期に誤判定が生じ易かったのである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】そこで、上述の知見に
基づき、誤判定の防止には被検査物たる中空構造物の変
形による影響を排除することが肝要であるとの観点に立
って鋭意検討を重ねた結果、該中空構造物に特定の前処
理を施し、且つ該前処理の効果が持続する環境下で差圧
測定を行えば、差圧測定時の該中空構造物側の温度条件
が均一化するため、その中空部の容積ならびに漏れの度
合が安定し、もって誤判定を生じることなく高精度の良
否判定が可能になることを究明し、本発明をなすに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明の請求項1に係る中空構
造物の漏れ検査方法は、被検査物である中空構造物を一
定温度の湯洗タンクに一定時間浸漬したのちに取り出
し、この中空構造物の中空内部の温水を排出した上で前
記湯洗タンクの温度に近似した雰囲気温度の密閉室に中
空基準物と共に収容し、該密閉室内で被検査物である中
空構造物と中空基準物の両者の中空内部に、同じ供給源
からの同圧力の高圧気体を注入して密封し、密封した両
者の気体圧の差を測定し、この差圧が規定値を越えるか
否かによって被検査物である中空構造物の良否を判定す
ることを特徴とする構成を採用したものである。
【0011】また請求項2の発明は、上記請求項1に記
載の中空構造物の漏れ検査方法において、中空構造物の
温度を段階的に複数の温度領域に区分し、各温度領域毎
に前記の良否を判定するための差圧の規定値を予め定め
ておき、密閉室内に収容した被検査物である中空構造物
の温度を高圧気体の注入前に測定し、この測定した温度
に対応する前記温度領域の差圧の規定値を判定基準とし
て、前記差圧測定後の中空構造物の良否を判定すること
を特徴とする構成を採用したものである。
【0012】
【作用】本発明の請求項1にあっては、被検査物たる中
空構造物を差圧測定の前に一定温度の湯洗タンクに一定
時間浸漬するため、それまでの温度履歴(気温、外気に
晒された時間、製造における各種熱処理の温度、熱処理
後の経過時間、製造工程途上の温度変化等)の差による
個々の温度の違いに関わらず、差圧測定に供する該中空
構造物が一定温度に設定されることになり、しかも該浸
漬後の該中空構造物を前記湯洗タンクの温度に近似した
雰囲気温度の密閉室に収容した状態で差圧測定を行うこ
とから、上記の湯洗タンクへの浸漬によって設定された
中空構造物の温度が差圧測定時まで殆ど変化せずに持続
する。従って、差圧測定時の中空構造物は常に略一定の
温度条件で同様の変形状態となり、この変形状態の違い
による中空部の容積変化ならびに漏れ度合の変化が殆ど
なく、また封入された高圧気体の温度による圧力変化も
殆どないから、測定される差圧値は被検査物たる中空構
造物の漏れの程度を表わすものとして信頼できることに
なり、この差圧測定値と予め設定した規定値との比較に
より正確な良否判定を行え、誤判定が防止される。
【0013】また本発明の請求項2にあっては、上記請
求項1の方法において、密閉室内に収容した被検査物で
ある中空構造物の温度を高圧気体の注入前に測定し、こ
の測定した温度に対応する温度領域の差圧の規定値を判
定基準として、前記差圧測定後の中空構造物の良否を判
定するため、より正確な良否判定を行え、誤判定が完全
に防止される。すなわち、差圧測定時の中空構造物の温
度は、既述のように湯洗タンクへの浸漬を経て略一定化
されるが、厳密には同一温度でなく、また上記浸漬から
密閉室内への移すまでの過程での雰囲気温度の影響や、
密閉室内の雰囲気温度の設定の狂いや局部的な温度の違
いによる影響等を受けるため、差圧測定時の中空構造物
の温度には僅か範囲で振れがある。しかるに、本方法で
は、実際の温度測定による温度条件に厳密に対応する規
定値を用いて良否判定を行うので、前記の僅かな温度の
違いによる差圧測定値への影響(主として封入気体の温
度差による圧力変化)も排除できる。
【0014】しかして、上記の温度条件に厳密に対応す
る規定値を用いるためには、各温度領域毎に良否判定の
基準となる規定値を予め設定する必要がある。これは、
他の漏れ検査手段によって既に良否が判明している同一
形状の中空構造物の良品と不良品とに対して漏れのない
同一形状の中空基準物を使用し、種々の温度条件に設定
した中空構造物と同一条件の中空基準物との比較によっ
て各種の温度条件における中空構造物の差圧データを取
り、このデータを統計的に処理した資料を基にして温度
と漏れの相関関係を算出し、この相関関係に基づいて細
かい温度領域毎の良否判定用の規定値を設定すればよ
い。そして、これら規定値は温度の実測値から自動的に
対応する規定値が選択されるようにプログラム化して良
否判定システムに組み込んでおけばよい。
【0015】
【実施例】次に、本発明の検査方法について図面を参照
して詳細に説明する。以下における漏れの検査は、図1
に示すようなアルミ鋳造品であるインレットマニホール
ドAを被検査物Aとして、該マニホールドAの中空部a
からの漏れが許容範囲にあるか否かを検査しようとする
ものである。そして、該インレットマニホールドAと同
一形状であって、全く漏れのないことが既に判明してい
るインレットマニホールドを中空基準物Bとする。
【0016】図2は本発明の一実施例を作業手順の流れ
図として示している。図中、1は漏れ測定制御装置であ
り、前もって数種類から10種類程度の中空構造物、例
えば中空鋳造物Aの良品と不良品とに対して、漏れの無
い中空基準物Bを使用して、中空鋳造物Aの各種類、例
えば形状の相違に対して数段階から10段階程度の環境
温度における測定データを取り、これを統計的に処理し
た資料データを基にして作成した測定手順及び判定基準
がプログラム化して記憶されている。2は中空鋳造物A
の製作工程である。3は漏れの検査工程であり、漏れ測
定制御装置1に記憶されたプログラムにより、後述する
3b〜3fの各工程の工程時間を含む手順が制御信号に
従って実行される。
【0017】3aは検査工程3に入る前に行われる浸漬
工程であり、所定の温度に保持された湯洗タンク15に
中空鋳造物Aを所定の時間侵漬することにより、該中空
鋳造物Aを略一定温度に加温するようになっている。
【0018】3bは検査工程3の最初にある加圧工程で
あり、予備加圧と本加圧とからなり、高圧気体源である
調圧装置11から中空鋳造物A及び中空基準物Bの両中
空部へ所定圧力の高圧気体を所定の時間をかけて注入す
る。3cは安定工程(平衡工程)であり、中空鋳造物A
及び中空基準物Bに注入された気体の渦流等の流れの影
響を小さくするために、注入気体が静止するまで時間待
ちする。3dは測定工程であり、高圧気体を注入した中
空鋳造物Aと中空基準物Bとの間の差圧を所定の時間継
続して測定する。3eは判定工程であり、測定工程3で
測定される差圧の測定値を規定値と比較して中空鋳造物
Aの漏れに関する良否を決める。3fは検査工程3の終
了工程であり、中空鋳造物A及び中空基準物Bに注入さ
れた高圧気体を密閉状態から解放して放出し、中空鋳造
物Aを検査工程から解放する。しかして、判定工程3e
で良品とされた中空鋳造物は仕上工程4に送り、不良品
の場合には廃棄等の処分工程5に移す。
【0019】図3は本発明の一実施例における検査工程
3での差圧を測定する測定装置をブロック図で示す。漏
れ測定制御装置1に記憶されたプログラムにより、測定
する中空鋳造物Aの種類と温度を選択すると、図2の加
熱工程3aの湯洗タンク15の温度と加熱時間が決定さ
れる。例えば、次頁の表1及び表2は、被検査物である
アルミ鋳造製インレットマニホールドを5個(ワークN
o.1〜5)用意し、湯洗タンク15にそれぞれ1分間
浸して引き上げたときのインレットマニホールドの温度
を測定した結果を示す。この表1及び表2より、温水の
温度が一定であれば、各インレットマニホールドの温度
も略一定になることがわかる。
【0020】
【0021】湯洗タンク15に所定の時間浸漬された中
空鋳造物Aは、湯洗タンク15から取り出され、内部の
温水を放出した上で密閉室に移される。この密閉室の雰
囲気温度は湯洗タンク15の温水の温度と同程度に設定
されている。そして、この密閉室内において、中空鋳造
物Aと中空基準物Bとに高圧気体を注入する加圧工程3
bが行われる。
【0022】加圧工程3bの作動を図3に従って説明す
ると、6は非接触型温度計(赤外線放射温度計)であ
り、前記加圧工程3bに入る前に、中空鋳造物Aの表面
温度を連続して計測し、これによって検出されるアナロ
グ電圧の変化を中継機9(オムロン製デジタルパネルK
3TX−VD11−B1)によってBCD信号に変換し
て、漏れ測定制御装置1に測定結果を入力する。漏れ測
定制御装置1では非接触型温度計6から送られて来る測
定温度によって、予め記憶されている温度条件毎のプロ
グラム中より該測定温度に合うプログラムの条件を選択
し、もって中空鋳造物Aの良否判定の基準となる規定値
が前記測定温度に対応するように改訂される。7は中空
鋳造物Aと基準物Bとの内圧の差圧を測定する差圧変換
器であり、配管14によって中空鋳造物Aと基準物Bと
の内圧は差圧変換器7の夫々のポートに接続されてい
る。
【0023】例えば、下記の表3では、構造が異なる2
種の中空構造物A1,A2を対象として、それぞれ赤外
線放射温度計6で検出される中空鋳造物の温度を29.
0〜33.9°Cの範囲で1゜C差毎に、中継機9のデ
ジタルパネルに表示される数値と制御装置(リークテス
ター)にプログラムされる良否判定用の各規定値を設定
した例を示している。すなわち、例えば漏れ検査する中
空構造物A1の放射温度計による測定温度が30.5℃
であった場合は、デジタルパネルを介してグループ2の
リークテスターが自動的または手動で選択され、これに
よって測定温度に厳密に対応した規定値による良否判定
が行えるようになっている。
【0024】
【0025】11は高圧気体源の調圧装置であり、漏れ
測定制御装置1の指令信号により、所定の圧力に保持し
て、配管14と電磁弁等の遠隔開閉弁12、13、16
を夫々経由して中空鋳造物Aと中空基準物Bとに同一圧
力の高圧気体が注入される。そして漏れ測定制御装置1
の指令信号により遠隔開閉弁12、13が閉止し、中空
鋳造物Aと中空基準物Bに同一圧力の気体が封入された
状態で差圧測定が開始される。遠隔開閉弁16は三方向
弁であり、調圧装置11と中空鋳造物Aと中空基準物B
との配管14の中間にあり、調圧装置11の気体を中空
鋳造物Aと中空基準物Bに供給するめたの入力ポートと
出力ポートのほかに、中空鋳造物Aと中空基準物Bとに
充填された気体を放出するための放出ポートの計3ポー
トを持っている。
【0026】中空鋳造物Aと中空基準物Bとに圧力気体
を注入する時、その中空内部の全体に高圧空気が行き渡
るまでの時間は中空鋳造物Aの形状、大きさにより大き
く変化する。それ故、コンピューターによるプログラム
の手順により、中空鋳造物Aの種類に対応する予備測定
データを基にして、高圧気体の注入開始から遠隔開閉弁
12、13を閉止して注入を停止するまでの時間が設定
される。
【0027】気体の注入中も差圧変換器7により中空鋳
造物Aと基準物Bの差圧が測定されているが、気体注入
が終了し、それぞれの中空内部の高圧気体が安定すると
正規の測定(測定工程3d)になる。この注入終了から
封入された高圧気体が安定するまでの時間(安定工程3
c)は、前記同様に、コンピューターによるプログラム
の手順により、中空鋳造物Aの種類に対応する予備測定
データを基にして設定される。測定した差圧変換器7の
出力は差圧増幅器10により増幅し、所定の形態の信号
に信号変換して漏れ測定制御装置1に送る。尚、差圧増
幅器10の出力の基準設定は、封入された高圧気体が安
定した時になされるように設定され、これによって初期
設定の誤差を除去して測定精度の向上を計っている。
【0028】測定工程3dでは、所定の時間内における
差圧が漏れ測定制御装置1に記憶されたプログラムで指
示される規定値より小さければ良品、即ち漏れ無しと見
做され、該規定値を越えると差圧測定が停止され、不良
品であることを表示して終了工程3fに移る。所定の時
間の差圧測定が終了すると、遠隔開閉弁12、13が解
放され、遠隔開閉弁16は放出ポートに切り替わり、中
空鋳造物Aと中空基準物Bと遠隔開閉弁16の放出ポー
トとが接続され、中空鋳造物Aと中空基準物B内の気体
が外部に放出される。気体の放出が完了すると、差圧増
幅器10の出力によって漏れ測定制御装置1が良品と不
良品の識別信号を表示すると共に、夫々の識別信号に応
じた方向に中空鋳造物Aが取り出され、仕上げ工程4ま
たは廃棄等の処分工程5に移される。
【0029】図4は漏れ測定制御装置(リークテスタ
ー)1に現れた圧力変化値(差圧の最大値)をグラフ化
したものである。この場合、湯洗タンク15の温度は3
7°C、湯洗タンク15への浸漬時間1分、密閉室の雰
囲気温度37°Cとし、加圧工程3bの予備加圧8秒、
本加圧17秒、安定(平衡)工程3cを8秒、測定(検
出)工程3dを20秒として設定した。
【0030】図4において、漏れのない中空鋳造物Aは
圧力変化を起こさないので、圧力変化(差圧)値は0を
示す筈であるが、実際には封入された高圧気体によっ
て、中空鋳造物Aの変形や中空鋳造物Aの開口部を塞い
でいるパッキンの変形、また中空鋳造物Aへ圧縮空気を
送り込む配管の変形といったような様々なノイズも発生
するために、圧力変化(差圧)値が0を示すことはあま
りない。従って、圧力変化(差圧)が現れても規定値を
下回る場合は、何かの変形によるノイズであると解釈し
無視することができる。例えば、1分間に2cc以上漏
れる中空鋳造物Aは不良品として処理する場合、この1
分間に2ccの漏れが圧力変化(差圧)値として20.
1mmHOに相当するとすれば、判定基準とする差圧
の規定値は20.1mmHOとなり、図4のグラフか
らは、7個目(圧力変化値=28.2mmHO)と1
2個目(圧力変化値=20.1mmHO)の被測定物
(中空構造物A)が自動的に不良品として判定されるこ
とになる。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、中空構造物
の漏れの程度による良・不良の判定を高圧気体の封入状
態における中空基準物との差圧測定に基づいて行う漏れ
検査方法として、被検査物たる中空構造物を差圧測定の
前に一定温度の湯洗タンクに一定時間浸漬し、且つ該浸
漬後の該中空構造物を前記湯洗タンクの温度に近似した
雰囲気温度の密閉室に収容した状態で差圧測定を行うこ
とから、差圧測定時の中空構造物を元の温度と関係なく
常に略一定の温度条件で同様の変形状態とでき、この変
形状態の違いによる差圧測定値への影響が排除され、ま
た封入された高圧気体の温度による圧力変化も殆どな
く、もって測定される差圧値が被検査物たる中空構造物
の漏れの程度を表わすものとして予め設定した規定値と
比較することにより、正確な良否判定を行え、誤判定を
防止できる方法が提供される。
【0032】また本発明の請求項2によれば、上記の漏
れ検査方法として、より正確な良否判定を行え、誤判定
を完全に防止できる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漏れ検査方法を適用する被検査物たる
中空構造物の一例を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施例の作業手順を示す流れ図であ
る。
【図3】本発明の一実施例に用いる漏れ検査装置のブロ
ック図である。
【図4】本発明の一実施例による差圧測定の測定結果を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 漏れ測定制御装置 2 製作工程 3 検査工程 3a 侵漬工程 3b 加圧工程 3c 安定工程 3d 測定工程 3e 判定工程 3f 終了工程 4 仕上工程 5 処分工程 6 非接触型温度計 7 差圧変換器 9 中継機 10 差圧増幅器 11 調圧装置 12 遠隔開閉弁 13 遠隔開閉弁 14 配管 15 湯洗タンク 16 遠隔開閉弁 A 中空構造物 B 中空基準物

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査物である中空構造物を一定温度の
    湯洗タンクに一定時間浸漬したのちに取り出し、この中
    空構造物の中空内部の温水を排出した上で前記湯洗タン
    クの温度に近似した雰囲気温度の密閉室に中空基準物と
    共に収容し、該密閉室内で被検査物である中空構造物と
    中空基準物の両者の中空内部に、同じ供給源からの同圧
    力の高圧気体を注入して密封し、密封した両者の気体圧
    の差を測定し、この差圧が規定値を越えるか否かによっ
    て被検査物である中空構造物の良否を判定することを特
    徴とする中空構造物の漏れ検査方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中空構造物の漏れ検査
    方法において、中空構造物の温度を段階的に複数の温度
    領域に区分し、各温度領域毎に前記の良否を判定するた
    めの差圧の規定値を予め定めておき、密閉室内に収容し
    た被検査物である中空構造物の温度を高圧気体の注入前
    に測定し、この測定した温度に対応する前記温度領域の
    差圧の規定値を判定基準として、前記差圧測定後の中空
    構造物の良否を判定することを特徴とする中空構造物の
    漏れ検査方法。
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