JP6373209B2 - リーク検査装置リーク検査方法 - Google Patents

リーク検査装置リーク検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6373209B2
JP6373209B2 JP2015058447A JP2015058447A JP6373209B2 JP 6373209 B2 JP6373209 B2 JP 6373209B2 JP 2015058447 A JP2015058447 A JP 2015058447A JP 2015058447 A JP2015058447 A JP 2015058447A JP 6373209 B2 JP6373209 B2 JP 6373209B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
space
valve
pressure
inspection
leak inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015058447A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016176859A (ja
Inventor
順裕 土屋
順裕 土屋
田中 良彦
良彦 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AIM TECH CO.,LTD.
Original Assignee
AIM TECH CO.,LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AIM TECH CO.,LTD. filed Critical AIM TECH CO.,LTD.
Priority to JP2015058447A priority Critical patent/JP6373209B2/ja
Publication of JP2016176859A publication Critical patent/JP2016176859A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6373209B2 publication Critical patent/JP6373209B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、検査対象の容器からの漏れを検査するリーク検査装置およびリーク検査方法に関する。
容器の密閉性を検査する方法として、差圧計の一方に検査対象の容器(ワーク)を接続し、他方に検査対象と同一で漏れのない容器(マスタ)を接続し、これらの双方に同時に気体を導入して目標圧力に加圧した後、両者の圧力の低下状況の違いを差圧計で検出する方法がある。
図7は、上記の検査を行うための検査装置の構成および動作の概要を示す図である。加圧工程では、弁101〜弁103を開、排気弁104を閉、とした状態でエア源100から加圧気体をワークとマスタを含む検査系に導入する。加圧の際に、検査系内に存在していた気体が略断熱圧縮されて発熱する。加圧工程の後、弁102、弁103を閉じて、ワークおよびマスタ内の圧力が安定(加圧工程で生じた熱の放熱が完了)するのを待つ(平衡工程)。次の検査工程では、ワーク内とマスタ内の圧力差を差圧計105で測定する。このとき、ワークに漏れがあると基準値を超える差圧が生じる。検査後、弁101を閉じ、弁102、103を開いた後、排気弁104を開いて検査系内の気体を外部に排気する排気工程を行う。次のワークを検査するときは、ワークを付け替えて加圧工程から再度行う。
上記の検査では、加圧工程、排気工程において差圧計105の両側が連通しているので、高い圧力で加圧しても、差圧計105の両側に加わる圧力差、検査工程で生じるわずかなものである。そのため、耐圧が低いが、わずかな圧力差を検出できる高精度の差圧計を用いることができる。
この検査において、加圧された気体は断熱圧縮して発熱するが、ワークとマスタが同じ容器ならば放熱特性も同じなので、問題なく検査を進めることができる。しかし、2個目以降のワークの検査において、1個目と同じマスタを使用すると、マスタには前回までの検査で生じた熱が蓄積しているので、放熱の具合がワークとマスタで相違してしまい、精度の良い検査が難しくなる。
そこで、差圧計の一方に漏れのないマスタを、他方に小さい容積で漏れのないマスタ(小マスタとする)を接続し、両者を同時に目標圧力まで加圧し、その後、差圧計の検出値の経時変化を測定し、これを基準特性として記憶しておき、ワークと小マスタで同じ検査を行ったときの差圧計の検出値の経時変化が基準特性と同じになれば、漏れていないと判定するリーク検査方法が提案されている(下記特許文献1参照。)。この方法では、小マスタは、マスタに比べて、容積の割に表面積が大きく、すぐに冷えるため、複数回の検査を比較的短時間で続けて行うことができる。
特開2004−61201号公報
小マスタを使用する場合であっても、小マスタは測定毎に大気開放から目標圧力まで加圧されるので、10回、20回と測定を続けるうちに小マスタに蓄熱が生じる。そのため、最初の測定とは差圧計の検出値の経時変化の様子が異なるようになり、基準特性との比較では、漏れの有無を正確に検査できなくなってしまう。すなわち、小マスタの放熱に必要な時間を検査毎に設けて蓄熱を解消しないと複数回の連続測定ができない(差圧計の一端側)。それと共に、2個目以降のワークの検査において、ワークに通じる管路にも熱が蓄積する(差圧計の他端側)。この2者(漏れ検査時における差圧計の両端に通じる空間)の蓄熱の差異が略解消しないで次の測定を行うと、放熱の具合がワークとマスタで相違してしまい、精度の良い検査が難しくなる。
このように、引用文献1に開示の方法は、検査終了後(次の検査開始前)に差圧計の両方を大気開放(開放系)し、次の検査では、再度、マスタとワークの双方に加圧気体を導入するので、図7に示す従来方法の進化系に過ぎない。
800KPaや1000KPaのような高い圧力に加圧してリーク検査を行う場合には、上記の問題はより顕著になる。また、このような高い圧力に加圧して検査を行う場合、単圧式の圧力計では、0.025%/フルスケールといった高精度のものを使用しても、200Pa〜250Paの誤差を含んでしまう。そのため、10Pa程度の精度で検査したい場合には全く使い物にならない。
さらに蓄熱されるのはこれにとどまらず、図8に示すように差圧計105内も含む、各分岐の端部が発熱・蓄熱する。すなわち、図7、図8に示すように、大気開放部分(例えば交換されたワーク内大気開放部分、測定終了時に大気開放される部分等)に対して圧縮エア源100から圧縮空気が送られると、例えば大気圧時に室温であった大気開放部分は、圧縮エア源100からの圧縮空気に押されて移動し、下流の片隅に追いやられて圧縮され、発熱する。図8の例では、グレー色で示す箇所(熱溜まり箇所)、具体的には、ワークやマスタの内部のほか、差圧計105の内部や閉じた排気弁104で行き止まりになっている箇所において発熱・蓄熱が生じる。
なお、圧縮エア源100からの圧縮空気は大気開放部分で一時的に減圧膨張してマイナスの発熱をするものの、その後、元の圧力まで加圧されると元の温度に戻るので、発熱の対象外である。
また、差圧計内で発熱・蓄熱が生じることによって以下のような問題が生じていることを本願発明者は見出した。実験によれば、漏れのないワークを複数回検査した場合に、計測初期は不合格の判定が出るものの、10回、20回と測定を続けると、複数回計測後に測定値(漏れ値)が、例えば小マスタとワークとの相関関係における所定範囲内(漏れ値が約ゼロとなる範囲内)に収束し、所定回数後の検査結果が、すべて合格判定になる。漏れのないワークを検査しているのであるから、計測初期から合格判定になるはずのところ、上記のように計測初期に不合格判定が出る原因は、差圧計内部の発熱にあった。
すなわち、差圧計は、内部にあるサーミスタ等温度補正素子によって検温し、この検温結果に基づいて圧力を校正(フィードバック)している。しかし、温度が変化した場合は、その温度変化に対して検温による校正が有効に作用するまでにはある程度のタイムラグがある。そのため、前述の現象が生じている。したがって、検査をより迅速に進めるためには、差圧計内部の発熱・蓄積を抑制することも望まれる。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、複数の検査対象を検査する間、差圧計の両側の空間を加圧された状態に維持することによって、断熱圧縮による発熱・蓄熱の影響を抑制し、かつ、ワーク交換時にも差圧計に耐圧を超える差圧が加わらないようにして、複数の検査対象を高精度に続けて検査することのできるリーク検査方法、リーク検査装置を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]差圧センサと、
前記差圧センサの一方の接続口に接続された配管内部の第1空間と、
前記第1空間を圧縮エア源に通じた状態と密閉状態とに切り替える第1開閉弁と、
前記差圧センサの他方の接続口に接続された配管内部の第2空間と、
検査対象が着脱可能に接続される配管内部の空間と検査対象の内部空間を合わせた第3空間と、
前記第2空間を、前記第3空間に通じた状態と密閉状態とに切り替える第2開閉弁と、
前記第3空間を圧縮エア源に連通させるか否かを切り替える第3開閉弁と、
を有するリーク検査装置において、
前記第1空間と前記第2空間に同時に気体を加圧導入して前記第1空間と前記第2空間を目標の圧力に加圧した後、
前記第1空間は複数の検査対象の検査が完了するまで密閉状態に維持し、
検査対象の交換は、前記第2空間を密閉状態にすることで、前記第3空間を前記第2空間から切り離してから行い、
交換後の検査対象のリーク検査は、前記第3空間を前記目標の圧力に加圧してから前記第2空間に連通させて行う
ことを特徴とするリーク検査方法。
上記発明および下記[7]に記載の発明では、第1空間は、最初に目標圧力に加圧されると、その後は密閉されて目標圧力に維持される。第2空間は、検査対象の交換時は密閉され、検査時は目標圧力に加圧済であって検査対象を含む第3空間に連通される。したがって、交換時、検査時ともに、差圧センサの両側は、差圧がほとんどなく略目標圧力に維持される。検査対象を交換しても、第1空間および第2空間の大気圧からの加圧は最初の1回のみで済むので、断熱圧縮による熱の発生が防止される。
[2]前記検査対象の交換の際に前記第3空間を切り離した後であって前記リーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧する前に、前記第3空間における配管内部の空間を掃気する
ことを特徴とする[1]に記載のリーク検査方法。
上記発明および下記[8]に記載の発明では、リーク検査の前に第3空間における配管内部の空間を掃気するので、複数のワークを検査しても第3空間の蓄熱が進まず、同じ条件で検査することができる。
[3]前記交換後の検査対象のリーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧するとき、前記目標の圧力より高い圧力まで加圧した後、前記第3空間を前記第2空間に連通させ、前記第3空間に設けた排気弁から少しずつ気体を逃がして、前記差圧センサの検出値に基づいて前記第3空間を前記目標の圧力に調整する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のリーク検査方法。
[4]前記目標の圧力より高い圧力まで加圧する際に、前記第3空間内の圧力を測定する圧力計の測定値が前記圧力計で生じる測定誤差分だけ前記目標の圧力より高い圧力値になるまで加圧する
ことを特徴とする[3]に記載のリーク検査方法。
上記[3]、[4]に記載の発明および下記[9]、[10]に記載の発明では、差圧センサにダメージを与えない程度の差圧になるように第3空間を目標圧力よりやや高い圧力に加圧してから、第3空間を第2空間に連通させ、排気弁から少しずつ気体を逃がしながら差圧センサの検出値を監視して、第3空間を目標圧力に調整する。
]前記第1空間を構成する配管と前記第1開閉弁前記第1開閉弁から前記圧縮エア源に通じる配管のうちの前記第1開閉弁の直近所定範囲恒温槽に入れておく
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のリーク検査方法。
上記発明および下記[11]に記載の発明では、第2空間を目標圧力に加圧し、冷えた安定状態にするまでの所要時間を短くすることができる。
]前記第1空間の容積は、前記検査対象の容積に比べて小さい
ことを特徴とする[1]乃至[]のいずれか1つに記載のリーク検査方法。
上記発明および下記[12]に記載の発明では、検査対象に比べて、第1空間は容積の割に表面積が大きくなるので、最初の加圧時の断熱圧縮で発生した熱を短時間に放熱することができる。
[7]差圧センサと、
前記差圧センサの一方の接続口に接続された配管内部の第1空間と、
前記第1空間を圧縮エア源に通じた状態と密閉状態とに切り替える第1開閉弁と、
前記差圧センサの他方の接続口に接続された配管内部の第2空間と、
検査対象が着脱可能に接続される配管内部の空間と検査対象の内部空間を合わせた第3空間と、
前記第2空間を、前記第3空間に通じた状態と密閉状態とに切り替える第2開閉弁と、
前記第3空間を圧縮エア源に連通させるか否かを切り替える第3開閉弁と、
を有し、
前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁を開いた状態で圧縮エア源から前記第1空間と前記第2空間と前記第3空間に同時に気体を加圧導入して前記第1空間と前記第2空間と前記第3空間を目標の圧力に加圧した後、
前記第1開閉弁を閉じて前記第1空間を複数の検査対象の検査が完了するまで密閉状態に維持し、
前記検査対象の交換は、前記第2開閉弁を閉じて前記第2空間を密閉状態にすることで、前記第3空間を前記第2空間から切り離してから行い、
交換後の検査対象のリーク検査は、前記第3空間を前記目標の圧力に加圧してから前記第3開閉弁を閉じ、かつ、前記第2開閉弁を開いて前記第3空間を前記第2空間に連通させて行う
ことを特徴とするリーク検査装置。
[8]前記検査対象の交換の際に前記第2開閉弁を閉じ後であって前記リーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧する前に、前記第3空間における配管内部を掃気する
ことを特徴とする[7]に記載のリーク検査装置。
[9]前記第3空間に排気弁を設け、
前記交換後の検査対象のリーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧するとき、前記目標の圧力より高い圧力まで加圧した後、前記第2開閉弁を開き、前記排気弁から少しずつ気体を逃がして、前記差圧センサの検出値に基づいて前記目標の圧力に調整する
ことを特徴とする[7]または[8]に記載のリーク検査装置。
[10]前記目標の圧力より高い圧力まで加圧する際に、前記第3空間内の圧力を測定する圧力計の測定値が前記圧力計で生じる測定誤差分だけ前記目標の圧力より高い圧力値になるまで加圧する
ことを特徴とする[9]に記載のリーク検査装置。
11]前記第1空間を構成する配管と前記第1開閉弁前記第1開閉弁から前記圧縮エア源に通じる配管のうちの前記第1開閉弁の直近所定範囲収容する恒温槽をさらに有する
ことを特徴とする[]乃至[10]のいずれか1つに記載のリーク検査装置。
[12]前記第1空間の容積は、前記検査対象の容積に比べて小さい
ことを特徴とする[]乃至[11]のいずれか1つに記載のリーク検査装置。
本発明に係るリーク検査方法、リーク検査装置によれば、差圧計のマスタ側を閉鎖系とすることで、マスタ側の断熱圧縮による発熱の影響を受けることなく、かつ、差圧計の一方(マスタ側)のみ、過大な圧力かからないようにワーク側も閉鎖系にできるようにしている。これにより、差圧センサを高精度のものを用いる事ができるので、複数の検査対象を続けて、かつ、高精度にリーク検査することができる。
本発明の実施の形態に係るリーク検査装置の概略構成を示す図である。 第1空間、第2空間、第3空間の位置を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係るリーク検査装置を用いたリーク検査の手順を示す流れ図である。 本発明の実施の形態に係るリーク検査装置において熱溜まりの生じる箇所を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例に係るリーク検査装置の概略構成を示す図である。 ワークW内の加圧後の放熱および減圧後の吸熱による温度変化を示す図である。 従来のリーク検査工程を示す図である。 加圧時に生じる熱溜まり箇所を示す図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るリーク検査装置5の概略構成を示している。リーク検査装置5は、検査対象となる容器の漏れを検査する装置である。
リーク検査装置5は、一端が、加圧気体の供給元である圧縮エア源3に通じ、他端に、検査対象となるワークWの接続口11aを備えた主管路11を有している。主管路11には圧縮エア源3のある上流側から順に電空レギュレータ21、第1圧力センサ22、第3開閉弁33、第2圧力センサ24が設けられている。電空レギュレータ21は、下流側が設定圧力を超えないようにする機能を果たす。
主管路11の第2圧力センサ24より下流の所定箇所から排気管12と第1分岐管13がそれぞれ分岐している。排気管12の途中には排気弁34が設けてあり、排気管12の末端は排気ポート12aを介して大気に開放されている。排気管12の分岐箇所と接続口11aとの間の主管路11には手動弁27が介挿されている。手動弁27は接続口1、2、3を備え、開状態では接続口1、2を連通させ接続口3を封鎖し、閉状態では接続口1を封鎖し、接続口2、3を連通させる。
第1分岐管13は、第2開閉弁32を介して差圧センサ26の一方の接続口に接続されている。主管路11の第2圧力センサ24より下流であって第1分岐管13の分岐箇所より上流の所定箇所から第2分岐管14が分岐している。第2分岐管14は、第1開閉弁31を介して差圧センサ26の他方の接続口に接続されている。
さらにリーク検査装置5は、恒温槽40を備えている。第2分岐管14および第1開閉弁31は恒温槽40に収容されている。恒温槽40は、断熱圧縮によって発熱した第2分岐管14および第1開閉弁31を冷却して一定温度に維持する役割を果たす。
第1開閉弁31、第2開閉弁32、第3開閉弁33、排気弁34は、コイルの発熱を回避するために電磁弁ではなく、エアオペレート式のバルブ(スプリングリターン単動作動形)を採用している。また、排気弁34は、駆動時に閉じて非駆動時に開くノーマルオープン型であり、第1開閉弁31、第2開閉弁32、第3開閉弁33は、駆動時に開き非駆動時に閉じるノーマルクローズ型である。バルブは内部に弁体があると共に配管取付部を持つ。従って通常の管と異なり、内部容積の割には熱容量が大きい。
第1圧力センサ22、第2圧力センサ24は、単圧式の圧力センサである。定格圧力0〜1000KPa、測定精度(誤差)は、±0.025%/フルスケール程度である。従って、測定レンジ1000KPa時には250Pa程度の誤差を含む。差圧センサ26は定格差圧0〜5KPa(定格圧力−5〜+5KPa)と第1圧力センサ22、第2圧力センサ24に比してわずかな圧力(圧力差)で壊れる(破壊圧力は定格圧力に略比例)。その代わりに、例えば2.5Pa程度の誤差しかないので、わずかな差圧を判別でき、高精度で検査することができる。
このほかリーク検査装置5は、当該リーク検査装置5の動作全体の制御、電空レギュレータ21や第1開閉弁31、第2開閉弁32、第3開閉弁33、排気弁34の駆動、第1圧力センサ22、第2圧力センサ24、差圧センサ26の駆動および出力値の読み取りなどを行う制御基板(図示省略)を備えている。電空レギュレータ21内にも圧力センサを備えているが、第1圧力センサ22等と同じ単圧式の圧力センサであり、定格圧力が高いものを用いている。
図2に示すように、第2分岐管14のうちの第1開閉弁31と差圧センサ26の間の部分を第1空間51、第1分岐管13のうちの第2開閉弁32と差圧センサ26との間の部分を第2空間52とする。また、第3開閉弁33より下流の主管路11および排気弁34より上流の排気管12、第2開閉弁32より上流の第1分岐管13、第1開閉弁31より上流の第2分岐管14および接続口11aに接続されたワークWの内部を合わせて第3空間53とする。図2では、第1空間51、第2空間52は太線で、第3空間53は太破線で示してある。なお第1空間51は、例えば特許文献1に開示されているような小マスタであってもかまわない。
第1空間51と第2空間52は、同一の放熱係数を有するように構成してある。すなわち。差圧センサ26の両端と第1開閉弁31、第2開閉弁32との間の配管は、同一材質、同一表面積、同一体積として、同じ放熱係数を持たせてある。
ここでは、圧縮エア源3による加圧は、例えば400〜1000KPaを目標圧力として行うものとする。また、ワークWの容積に比べて、第1空間51の容積は十分に小さくされている。たとえば、ワークWは150L、第1空間51は25mL=タンク状膨らみ13mL+配管12mLにされる。
次に、リーク検査装置5によるリーク検査の手順について説明する。
図3はリーク検査装置5によるリーク検査の手順を示す流れ図である。まず、検査準備として、第1空間51と第2空間52を目標圧力に加圧した後、冷やして、安定な状態にする。
詳細には、接続口11aに何も接続せずに、第1開閉弁31、第2開閉弁32を開き、手動弁27と排気弁34を閉じる(ステップS101)。次に、第3開閉弁33を開いて、圧縮エア源3からの加圧気体を導入し、第1空間51、第2空間52、第3空間53を目標圧力に加圧する。このとき、第1空間51、第2空間52、第3空間53は連通しているので、これらは同一圧力になる。加圧が完了したら第3開閉弁33を閉じる(ステップS102)。図8で従来構造のリーク検査装置における断熱圧縮による発熱箇所を図示したが、ステップS102での加圧による発熱箇所は、図4においてグレー色で示す箇所となる。すなわち、排気管12と排気弁34との接続箇所a1、手動弁27とその上流側の主管路11との接続箇所a2、差圧センサ26内部a3、である。断熱圧縮により気体が発熱し、この熱がリーク検査装置5の該当箇所表面に伝熱することで熱を持つ。目標圧力になったか否かは第2圧力センサ24の検出値で確認する。
ステップS102の加圧により、第1空間51に面する差圧センサ26内(図4の熱溜まり箇所a3)が、断熱圧縮により発熱した気体で満たされるため、その後、その発熱が放熱して安定状態が形成されるまで(この時間を安定経過時間とする)待つ。安定経過時間の経過後に第1開閉弁31を閉じて第1空間51を密閉状態にし(ステップS103)、さらに第2開閉弁32を閉じて第2空間52を密閉状態にする(ステップS104)。そして、検査準備が完了する。この作業は例えば終業時に行う。第1開閉弁31は、この後、閉じた状態に維持される。
なお、このような安定経過時間を設けない場合、あるいは設定した安定経過時間が不十分な(短い)場合には、第1開閉弁31を閉じた後も放熱が進み、該放熱と共に第1空間51内の圧力が下がってしまうので、第1空間51がワークWのリーク検査における基準にならなくなってしまう。そのため、十分な安定状態が形成されるだけの安定経過時間の経過を待ってから第1空間51を密閉している。
なお、例えば翌朝の始業時に、前日のステップS102において、第1空間51および第2空間52、第3空間53を同時に目標圧力まで加圧しきれていなかった場合には、目標圧力まで補充加圧することを繰り返し行って、冷えた状態で目標圧力になるようにする。補充加圧による断熱圧縮で発生する熱量は少ない。なお、前日の安定経過時間が十分ならば一度(前日)で目標圧力となっているので、補充加圧は不要となる。また、第1開閉弁31より上流側の第2分岐管14が恒温槽40によって温度が一定に保たれているので、補充加圧を行うときには第2分岐管14内の一定温度に保たれた気体が第1空間51に入る。そのため、補充加圧を行っても、短時間のうちに第1空間51内の気体を安定した状態に戻すことができ、比較的短時間で目標圧力に加圧して安定させることができる。
次に、第1空間51とマスタMの、圧縮エア導入後の差圧の経時変化を測定し、リーク検査(第1空間51とワークWの、圧縮エア導入後の差圧の経時変化測定検査)での漏れを判定するための、判定値(以後基準特性)を求める工程を行う(ステップS105〜S109)。マスタMは、漏れのないワークWと同形状、同体積である(同一放熱特性を持つ)。
検査準備が完了した状態では、第1開閉弁31、第2開閉弁32は閉じてあるので排気弁34を開いても差圧センサ26の両側の第1空間51と第2空間52は高い圧力(目標圧力)に維持される。そして、排気弁34を開いて第3空間53を大気開放し、この状態で、第3開閉弁33を開けることで、主管路11、排気管12を掃気する(ステップS105)。
この時本実施の形態では、第1分岐管13や、その分岐箇所から手動弁27までの管は短いので、前述した掃気の流れにより掃気される。なお、これらの管が長い場合には、必要に応じて掃気用の排気弁を増設して第2分岐管14を除く第3空間53内を掃気する(例えば第2開閉弁32を3方弁とし、1:3方を閉、2:第1分岐管13と第2空間52を連通、3:第1分岐管13と大気を連通の3方向に切り替えできるようにすると共に、3の位置で掃気するようにしても良い)。第2分岐管14は恒温槽内にあるので、これにより掃気の必要性を低減しているが、第1開閉弁31を3方弁として、第2分岐管14と大気とを連通できるようにし、この位置を用いて掃気するようにしても良い。
所定時間の掃気を行ったならば、第3開閉弁33を閉じて掃気を終了する。この掃気はマスタM取り付け前、複数回繰り返されるワークW検査のワークW取り付け前に行い、第3空間53を同一条件として、検査精度を高めるための工程である。なお、所定時間の掃気に替えて、サーミスタ等を1か所又は各3方弁等の掃気時排気出口(例えば排気管12等)に取り付けて検出される温度に基づいて(例えば微分値等を用いて)掃気の終了時期を直接検出するようにしてもかまわない。
次に、接続口11aに漏れのないワークWであるマスタMを接続し、手動弁27を開き、排気弁34を閉じた後(ステップS106)、第3開閉弁33を開き、第3空間53を目標圧力まで加圧し、加圧が完了したら第3開閉弁33を閉じる(ステップS107)。なお、掃気後の第3空間53は断熱圧縮により温度が上昇する。温度が上昇する部分(熱溜まり箇所)は図4のハッチングを施した丸印等の部分(4箇所)である。具体的には、排気管12と排気弁34との接続箇所b1(a1と同じ箇所)、第2開閉弁32とその上流側の第1分岐管13との接続箇所b2、第1開閉弁31とその上流側の第2分岐管14との接続箇所b3、ワークW内の行き止まり箇所b4、である。なお、熱溜まり箇所b3に溜まる熱量は、第1開閉弁31より上流側の第2分岐管14の長さの影響を受けるので、第2分岐管14の長さを短くすることで熱溜まり箇所b3での発熱を低減する、あるいは第2分岐管14の長さをゼロにして発熱を防止することができる。
次に、第2開閉弁32を開いて第3空間53と第2空間52を連通させる(ステップS108)。
なお、第3空間53を目標圧力に加圧する際には、第2圧力センサ24の検出値に基づいて、第3空間53を目標圧力より少し高い圧力まで加圧する。たとえば、目標圧力800KPaに対して、800.25KPaまで(第2圧力センサ24の誤差分以上まで)加圧する。第2圧力センサ24は誤差が大きいので、第2圧力センサ24の測定レンジ(フルスケール)1000KPaにて検出値が800.25KPaを示していても、例えば第2圧力センサ24の測定精度(誤差)が、0.025%/フルスケールの場合、実際には、800.0〜800.5KPaの範囲の圧力になる。したがって、第1空間51よりも第3空間53は、0〜0.5KPaだけ高い圧力になる。
その後、第2開閉弁32を開き、第2空間52と第3空間53を連通させる。そして、差圧センサ26の検出値が、第1空間51と第2空間52の圧力が等しくなったことを示すまで、排気弁34から少しずつ気体を外界へ逃がすようにして、第2空間52側の圧力を目標圧力に合わせ込む。このようにすることで、第2圧力センサ24の測定誤差を差圧センサ26で校正して、正確に目標圧力(第1空間51側と同じ圧力)に加圧することができる。特に加圧後に排気弁34から気体を逃がして合わせ込むようにすることで、加圧時の圧縮によって排気弁34の部分(図4の熱溜まり箇所b1)で発熱した温度の高い気体を速やかに排出して掃気することができる。なお、ワークWのリーク検査でも、加圧後に排気弁34から気体を逃がして合わせ込む方法の掃気を実施して静定時間を短くした高速測定を行うので、これとマッチングできるように基準特性を取る前にも同じ方法の掃気を行う。これにより、正確な基準特性を取る準備ができる。また、合わせ込みの差圧を第2圧力センサ24の測定誤差として記憶しておく。
なお、第3空間53を目標圧力より少し高い圧力800.25KPaに加圧する際も一度800.25KPaより高くしておいてから減圧しながら800.25KPaとすると、第2圧力センサ24のヒステリシスによる誤差を少なくすることができる。また、差圧センサ26で求めた第2圧力センサ24の測定誤差を用いて、次回以降の目標圧力より少し高い第3空間53内加圧の程度を少なくすることで、排気弁34から気体を外界へ逃がす時間を少なくし、検査時間を短くするようにしても良い。
その後、基準特性を求める(ステップS109)。詳細には、所定時間が経過するまでの間、差圧センサ26の検出値を測定し、差圧センサ26の検出値と経過時間との関係を示す特性を取得し、その時の周囲湿度、周囲温度、周囲気圧、加圧時の圧縮エア源3内のエア温度・湿度・圧力(周囲との圧力差)、加圧時間、加圧完了時の検査系内のエア温度など(以後検査条件)と共に記憶する。すなわち、第3空間53とマスタMは断熱圧縮により温度が上昇しているので、時間と共に内部の熱い気体が対流により移動(図4の例ではワークW内の熱溜まりb4にあった熱い気体がワークW内の上部c4に移動)したりしながら冷却され、これに伴い内部の圧力が低下する。これに対し、封止された恒温槽40内の第1空間51内圧力は一定値を保つ。そしてこの2者の差圧(差圧センサ26の検出値)は第3空間53内の気体の温度降下とともに大きくなり、第3空間53内とマスタM内の気体温度が下がり周囲温度との差が小さくなるにつれて温度降下の程度が少なくなり、2者の差圧の開きは一定値に至る。
なお、本実施の形態では差圧の開きが一定値に至るまで基準特性を取得するのではなく、後述のワークWのリーク検査を行う所定時間と同一時間の経時変化特性を取得するようにして、比較誤差がでないようにもしている。なお基準特性は、例えば10時の休憩、昼食時の休憩、15時の休憩等で測定、更新することが好ましい。
なお、加圧完了後、放熱(漏れ以外の要因)による圧力低下がほぼ収まるまでの所定の時間を静定時間として設定し、マスタについて該静定時間が経過したときの圧力差の値を基準特性として取得し、ワークWの検査において静定時間が経過したときに検出された圧力差と基準特性としての静定時間経過後の圧力差とを比較し、その差が所定の閾値未満ならばワークWは漏れなし(検査合格)と判定し、閾値以上ならば漏れあり(検査不合格)と判定するようにしてもよい。
基準特性を得られたならワークWのリーク検査を行う(ステップS110〜S115)。まず、基準特性の取得を終えた時点では、第2開閉弁32が開いているので、これを閉じる(ステップS110)。これにより、第1開閉弁31、第2開閉弁32はいずれも閉じた状態となり、排気弁34を開いても差圧センサ26の両側の第1空間51と第2空間52は高い圧力かつ少ない圧力差に維持される。すなわち、次のリーク検査開始にあたって、差圧センサ26の両方を閉鎖系とする。
次に、排気弁34を開いて第3空間53を大気開放し、基準特性を求めた時と同じ所定時間の掃気を行う(ステップS111)。この掃気により前回第3空間53内で断熱圧縮により温度が上昇した気体が掃気される。この掃気は、検査毎に行うことで、検査を繰り返しても第3空間53内を同じ条件とすること(断熱圧縮による第3空間53内の熱の蓄積を防止すること)ができる。次に、接続口11aに接続されているマスタMをワークWに交換(前回がワークWのリーク検査ならば、次のワークWに交換)して、再び排気弁34を閉じる(ステップS112)。
次に、第3開閉弁33を開き、第3空間53を目標圧力まで加圧する。加圧が完了したら第3開閉弁33を閉じる(ステップS113)。この時の発熱・蓄熱箇所はステップS107と同じ(図4の熱溜まり箇所b1〜b4)である。次に、第2開閉弁32を開いて第3空間53と第2空間52を連通させる(ステップS114)。
なお、第3空間53を目標圧力に加圧する際には、第2圧力センサ24の検出値に基づいて、第3空間53を目標圧力より少し高い圧力まで加圧する。たとえば、目標圧力800KPaに対して、800.25KPaまで加圧する。第2圧力センサ24は誤差が大きいので、第2圧力センサ24の検出値が800.25KPaを示していても、実際には、800.0〜800.5KPaの範囲の圧力になる。したがって、第1空間51よりも第3空間53は、0〜0.5KPaだけ高い圧力になる。
その後、第2開閉弁32を開き、第2空間52と第3空間53を連通させる。そして、差圧センサ26の検出値が、第1空間51と第2空間52の圧力が等しくなったことを示すまで、排気弁34から少しずつ気体を外界へ逃がすようにして、第2空間52側の圧力を目標圧力に合わせ込む。このようにすることで、第2圧力センサ24の測定誤差を差圧センサ26で校正して、正確に目標圧力に加圧することができる。
すなわち、第2圧力センサ24は目標圧力800KPaに対して、800.25KPaまで加圧しても誤差があるので、本当の圧力は800.0〜800.5KPaの範囲の圧力であることしか判らない(誤差250Pa)。そこで、事前に第1空間51を加圧しておいた差圧センサ26の検出にバトンタッチし、第1空間51内圧力を基準とした圧力合わせ込みで、第1空間51に対する誤差を2.5Pa以内に抑える。この合わせ込みによって、第2圧力センサ24の高耐圧という利点と差圧センサ26のわずかな差圧を見つけることができるという利点を併せ持ったセンサを用いたのと略同等のリーク検査(後述のS115)を行う準備ができる(第1空間51の圧力が250Paの誤差を持つので、必ずしも同等ではないがステップS109の基準特性が第1空間51の圧力を基準に取得するので、略同等のリーク検査を行うことができる)。
その後、ワークWのリーク検査を行う。詳細には、所定時間が経過するまでの間、差圧センサ26の検出値を測定し、差圧センサ26の検出値と経過時間との関係を示す特性を取得し、これを基準特性と比較してワークWに気体の漏れがあるか否かを判定する(ステップS115)。あるいは前述した静定時間経過後の差圧を検出し、該差圧と基準特性が示す差圧と比較して漏れの有無を判定する。
次のワークWについてリーク検査を行う場合は(ステップS116;No)、ステップS110に戻って作業を継続する。すべてのワークWのリーク検査が終了した場合は(ステップS116;Yes)、第2開閉弁32を閉じて(ステップS117)から排気弁34を開き、最後に検査したワークWを取り外して(ステップS118)、作業を終了する(エンド)。すなわち検査終了後、差圧センサ26の両方を閉鎖系として排気弁34を開き、作業を終了する。
つぎの日に検査を再開する際には、ステップS111から行えばよい。又は終業時にステップS101〜S104を行ってつぎの日の検査に備えても良い。図3の手順は、作業員が行う、あるいは一部(ワークWの取り付け、取り外しなど)は作業員の手を借り、その他は制御基板が制御して実行する。
このようにリーク検査装置5では、複数のワークWについてのリーク検査を続けて行う場合でも、第1空間51への気体の加圧は一度だけで済むので、断熱圧縮が繰り返し行われて第1空間51に熱が蓄積され、検査の精度が低下するといったことがない。すなわち、第1空間51を作る第1開閉弁31を差圧センサ26のワークW側の圧力を検出しない側に設けて加圧した気体を封止することで、第1空間51に熱が蓄積され、検査の精度が低下するといったことがない。つまり、第1空間51の放熱に必要な時間を検査毎に設ける必要がないので短時間の複数回連続測定ができる。
詳述すると、ワークWのリーク検査を基準特性と比較する場合に、大きな誤差を生む第1空間51内の熱蓄積に差がないので、ステップS108において第3空間53内と第1空間51内の差圧の経時特性は基準特性と良く一致するために、2者の差圧(差圧センサ26の検出値)の開きが一定値に至る時間まで待たずに漏れの有無を高精度で判断できる。さらに、第3空間53内の蓄熱も掃気工程を用いることで阻止でき、もって短時間測定に貢献している。
また、ワークWを交換するときは、第2開閉弁32を閉じて第2空間52を密閉状態にするので(この時も第1開閉弁31は閉じてあるので)、差圧センサ26の両側の圧力がほぼ検査時の圧力に維持されて差圧がほとんどなく、差圧センサ26にダメージを与えることがない。すなわち、差圧センサ26の両側に開閉弁(第1開閉弁31、第2開閉弁32)を持ち、ワークW交換時や後述の停電等で差圧センサ26の一端が大気開放になりそうな時には差圧センサ26の両側開閉弁を閉じることでダメージを与えることを防ぐことができる。
本実施の形態では、差圧センサ26の両側に第1開閉弁31と第2開閉弁32の2つの弁をもつことで、蓄熱を防ぐために第1空間51内を封止した際におけるワークW交換で、第2空間52が大気開放となることを防止しできる。この結果、第3空間53が4大気開放となっても壊れない。また、耐圧が高い(定格差圧が大きい)が低精度(判別圧力差が大)の差圧センサではなく、耐圧が低い(定格差圧が小さい)が高精度(判別圧力差が小)の差圧センサ26を用いることが可能となるので、高精度でわずかな漏れを検出できる。
すなわち、ワークWの交換で、第2空間52が大気開放となると、例えば800KPaや1000KPaのような高い圧力下で検査するためには、差圧センサ26の定格差圧や片耐圧の最大値が例えば800KPaや1000KPa以上必要となる。しかし、ワークWの交換で、第2空間52が大気開放とならなければ、ライン圧力(両耐圧)が高い、すなわち差圧センサ26の圧力検知センサ部を収納している密閉容器の耐圧が高いセンサであれば、圧力検知センサ部の感度が高いが故に検知センサ部の強度が弱いセンサでも用いることができる。換言すればワークWの交換で、第2空間52が大気開放となる場合には、検知センサ部の強度が強いセンサ(片耐圧が例えば1000KPa以上)で、かつ、例えば10Pa程度のわずかな差圧を判別できるようなセンサが必要となるが、このようなセンサは現時点で存在しない。
そこで、高耐圧(片耐圧が例えば1000KPa以上、定格1000KPa)だがわずかな差圧を判別できない(誤差250Pa、測定精度(誤差)0.025%/フルスケール)第2圧力センサ24と、低耐圧(片耐圧が例えば250KPa、定格−5〜+5KPa)だがわずかな差圧を判別できる(誤差2.5Pa、測定精度(誤差)0.00025%/フルスケール)差圧センサ26とを併用し、さらにステップS114に記載される圧力合わせ込み等の制御を含む本願制御、並びに、差圧センサ26の両側に第1開閉弁31と第2開閉弁32の2つの弁をもつ特有の構造をもって、あたかも高耐圧(片耐圧が例えば1000KPa以上)で、かつ、わずかな差圧を判別できる(誤差2.5Pa、測定精度(誤差)0.00025%/フルスケール)センサを用いたのと略同等の測定、すなわち高精度でわずかな漏れを検出することができる。
さらに、ワークWを交換した後に、第3空間53を目標圧力に加圧し、掃気操作を経て、その加圧用気体の流れが止まってから、第2開閉弁32を開いて、第2空間52と連通されるので、第2空間52内に熱い第3空間53内気体が流入、撹拌することが防止される。
さらに、第2分岐管14と第1開閉弁31(第1空間51とその上流側の所定範囲の気体通路に相当)を恒温槽40に入れて一定温度にしているので、第1空間51の圧力を一定に維持することができる。
また、第1開閉弁31、第2開閉弁32がノーマルクローズ型のバルブなので、停電等があっても差圧センサ26を保護することができる。すなわち、差圧センサ26の片側だけが大気開放となることが防止されるので、上限を超える差圧で差圧センサ26が破壊されることがない。
さらに終業時にリーク検査装置5の電源を切ると、第1開閉弁31と第2開閉弁32が共に閉じるので、差圧センサ26の両側が密閉され、圧力が高いまま封止される。そのため、翌日の検査開始にあたって、第1空間51と第2空間52を大気開放から加圧し直す必要がなく、始業時間までに熱平衡となっているので、すぐにリーク検査を開始することができる。また、記憶された同一検査条件の基準特性を用いて、基準特性を求める工程を省いてもかまわない。又は同一検査条件でなくても、各種条件補正を演算によって求めても良い。
<変形例>
図5は、本発明の実施の形態の変形例に係るリーク検査装置5Bの概略構成を示している。図1に示すリーク検査装置5と同一部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。リーク検査装置5Bでは、差圧センサ26の両側はバイパス管15で接続されており、このバイパス管15の途中には該バイパス管15を封鎖状態と開通状態とに切り替えるノーマルオープン型エアオペレート式のバルブ(スプリングリターン単動作動形)を用いた第4開閉弁35が設けてある。
リーク検査装置5Bでは図3のステップS114を実行した後に、第4開閉弁35を一度「開」にすることで、第1空間51に対する誤差を2.5Pa以内から0Paにすることができる。目標圧力に加圧できたら、第4開閉弁35を閉じる。その他の動作はリーク検査装置5と同じである。
リーク検査装置5Bでは、差圧センサ26の両側に開閉弁(第1開閉弁31、第2開閉弁32)を持ち、ワークW交換時や後述の停電等差圧センサの一端が大気開放になりそうな時には差圧センサ26の両側開閉弁を閉じることで圧センサ26をダメージから守ることができると共に、第4開閉弁35にノーマルオープン型を用いているので、第1開閉弁31、第2開閉弁32等に作動遅れ等があっても確実に差圧センサ26をダメージから守ることが出来る。
本実施の形態において、加圧された気体は一律に断熱圧縮して発熱するとしているが、必ずしも的確な表現ではないので補足説明を行う。本願装置及びワークやマスタ等の断熱が確実な場合には、0⇔800KPaの加減圧は400±400KPaの加減圧であり、これにより蓄熱の温度飽和状態は+400KPaの状態に至る。すなわち発熱はプラス方向となる。
しかし、実際には加圧による発熱が起きた後、大気との熱交換により温度は降下する。そしてこの状態が長いと最初は温度が急降下するもののやがて放熱しにくくなる。次に減圧すると、この減圧によりマイナスの発熱が起き、最初は温度が急上昇するもののやがて吸熱しにくくなる。この加圧後の放熱時間と減圧後の吸熱時間を同じにしても元の温度にまで復帰しない(発熱がマイナス方向である図5参照)。しかも配管位置やワークWやマスタM内の内部でも温度分布が生じる。すなわち、リーク検査装置5及びワークWやマスタM等の断熱程度や加圧後の放熱時間、減圧後の吸熱時間によって発熱はプラス方向である場合もあるし、マイナス方向の場合もある。本実施の形態ではプラス方向の発熱も、マイナス方向の発熱も、発熱としている。
次にステップS111で行う所定時間の掃気の短時間化について説明を行う。掃気の目的は、S115で行うワークWに気体の漏れがあるか否かの判定時に、上記発熱の影響を最小限に抑えるためであるが、影響を最小限に抑えるためには掃気が長時間に及ぶ場合がある。そこで、毎回の発熱の影響を略同一として、次回測定時における発熱の影響を予測し、もって掃気の短時間化と測定精度の向上をはかる以下の制御を行う。詳述すると、S113の加圧時発熱とS111やS118の減圧時吸熱、気体とリーク検査装置5との摩擦によって発生する熱(摩擦発熱)はマッハ数によって左右され、加圧後の静定時間中の放熱(S115)は、リーク検査装置5内気体温度と周囲温度との差によって左右される。
そこでS113の加圧時における圧力差の絶対値と時間の関係(例えば+800KPa圧力差1秒間、+700KPa圧力差1秒間、+600KPa圧力差1.5秒間、+500KPa圧力差2秒間・・・+100KPa圧力差10秒間)を、S111やS118の減圧においても同じ条件(例えば−800KPa圧力差1秒間、−700KPa圧力差1秒間、−600KPa圧力差1.5秒間、−500KPa圧力差2秒間・・・−100KPa圧力差10秒間)となるように減圧速度をコントロール(加減圧で同一時間を要するようにし)する。それに加え、マッハ数を1未満とすることでリーク検査装置5内を流れる気体がリーク検査装置5と摩擦することによって発生する熱(摩擦発熱)を所定量内に抑えるようにもしている。
この結果、加減圧時における圧力差の絶対値と時間の関係を毎回同一とすることと相まって、毎回の発熱の影響を略同一とできるので、掃気を最小限に抑えても、次回測定に持ち越される蓄熱量を事前に予測できる。圧縮エア源3から供給される気体は圧縮エア源3のエアタンクから検査系に導入される際に減圧されて目標圧力になるので、吸熱する。そこで、前述の蓄熱量をこの吸熱でキャンセルし、圧縮エア源3から供給された気体が目標圧力になったときの温度が、周囲温度と略一致するように、圧縮エア源3から供給する気体の温度を調整制御する等の対応が可能になる。換言すれば、摩擦発熱を掃気で除去しきれなかった蓄熱分を、周囲温度より少し低い温度の気体で満たす(S113)ことよって相殺することで、加圧後の静定時間中の放熱(S115)は、リーク検査装置5内気体温度と周囲温度との差がほぼない状態からスタートする僅かな放熱となるので、掃気の短時間化を図ることができる。
なお、マッハ数によって左右されるものの、伝熱の影響がなく、音速(マッハ=1.0)未満で流れが移動している場合には、加減圧時の流れは断熱的(断熱圧縮)と言える。本発明では伝熱の影響があるので、正確には断熱圧縮という表現は適切ではないが、断熱圧縮という表現を用いて説明を行っている。
次にリーク検査を行うワークWの製造方法について述べる。本実施の形態に係るリーク検査装置5、5Bが検査対象とするものは、内部に液体を入れて使用する容器(例えば電気温水器で使用するようなステンレス製温水貯湯タンク(オールステンレス)、瞬間湯沸器で使用するような銅製熱交換器(銅製フィンと銅管))であり、溶接によって作られる。
内部に気体を入れて使用する容器としてのワークWをリーク検査するならば、許される漏れ許容値として気体の漏れ量を簡単に設定できる。すなわち、検査時と実際の使用時とでワークWの中に入れるものが同じ気体であれば、検査時の判定基準となる漏れ気体量と、実際に使用する際に許される気体の漏れ許容量とに同じ基準値を用いることができる。しかし、液体を入れて用いるワークの検査に気体を用いる場合には、実際の使用時に許される液体の漏れ許容値を気体の漏れ量に換算して、検査時用漏れ許容値(気体)を設定しなければならない。
この換算に当たっては粘性係数の差を用いて換算する。本発明での検査対象とする容器としてのワークWは製造して、リーク検査合格後に機器に組み込まれる。例えば瞬間湯沸器の場合には出荷検査で(内部に組み込まれたワークWを含めて)水を通水するが、ステンレス製温水貯湯タンクがワークWのような場合には機器に組み込まれて施工現場に運び込まれてから初めて、ワークWを組み込んだ製品に通水される。すなわち、ワークWは容器に加工される部品(例えばステンレス板、銅板、銅管等部品)段階から容器形状となってリーク検査に至るまでの間は、一度も通水されることなく、水で洗浄されることもない。
ところで、ワークWと同じはずのマスタMを元に基準特性(ステップS109)を取得し、複数のワークWのリーク検査を行うが、マスタMを含めた複数のワークW(以下ワークW等)間の製造誤差によりそれぞれの重さが微妙に異なり、リーク検査に影響を与える(外乱)。本実施の形態で用いているワークW等の重量差は、部品に用いている母材と異なる(比熱が異なる)物、たとえば内部の水等によって重量が異なるわけではないので(ワークW等と比熱が異なる外乱物の混入がないので、「比熱が異なる外乱物の除去」は不要)、重量の差は母材重量の差である。そこで、マスタMとの重量差を補正するために、母材と同一材質で作った補正部品を、ワークW内に入れたり接続口11aに接続する部品内に取り付けたりすることで重量差を補正する(ワークW等と「同一比熱補正部品を用いた外乱防止」)。
もちろん、接続口11aに接続する部品や接続口11aに接続する場所以外の開口部を塞ぐ補機類の材質と重量も、複数のワークW等間で差がないように同一部材を用いると共に同じ重量物を用いることで熱容量を合わせる(「接続口11aに接続する部品や補機類による外乱防止」)。
このような各種外乱の防止を行った後、均温化作業に入る。すなわち、ワークW等間で温度が異なると、その保有熱量によりリーク検査に影響を与えるのでそれを除去する(「保有熱量合わせ込みによる外乱防止」)。上述のような外乱防止は、ステップS101〜ステップS104のように、ステップS105を行う前日に行う。
次に、液体の漏れ許容値を気体の漏れ量に換算する換算計算式等について説明する。
<粘性係数を用いた換算計算式>
細孔から漏れる流量は粘性係数を用いて計算することができる。
粘性係数(μ Pa・s)20℃時 水のμ=0.0010050Pa・s 空気のμ=0.0000181Pa・s、細孔の直径 0.1mm(=0.0001m)、細孔の長さ 1mm(=0.001m)、大気圧(雰囲気の気圧)101300Pa Abs、細孔入口圧(目標圧力)300kPa G(=401300Pa Abs)、細孔出口圧(雰囲気の圧力)0kPa G(=101300Pa Abs)の時の水の漏れ量は、
ΔP(以下、水ΔPとする)=[細孔入口圧]−[細孔出口圧](Pa Abs)=300000(Pa Abs)
とすると、
[水の漏れ量]=π×[細孔の直径]4×[水ΔP]/(128×[水のμ]×[細孔の長さ])
=3.14×0.0001[m]×(300000[Pa Abs])/(128×0.0010050[Pa・s]×0.001[m]
=0.00000073[m3/s]=0.73[ml/s]、となる。
これに対し空気の漏れ量は、水が非圧縮性流体であるのに対し、空気は圧縮性流体であるので差圧(以下、空気ΔPとする)は下記のように表される。
空気ΔP=([細孔入口圧]2-[細孔出口圧]2)/(2×[細孔入口圧])
=744225(Pa Abs)
[空気の漏れ量]=π×[細孔の直径]4×[空気ΔP]/(128×[空気のμ]×[細孔の長さ])
=3.14×0.0001[m]4×(744225[Pa Abs])/(128×0.0000181[Pa・s]×0.001[m]
=0.00010087[m3/s]=100.87[ml/s]、となる。
[水の漏れ量]を基に、リーク検査装置からの[空気の漏れ量]を換算する為の換算係数([水の細孔入口圧]=[空気の細孔入口圧]とした場合に)は、
[空気の漏れ量]=[水の漏れ量]×[換算係数]
[換算係数]=[空気の漏れ量]/[水の漏れ量]
=([細孔入口圧]2-[細孔出口圧]2)×[水のμ]/(2×[細孔入口圧]×[空気のμ]×([細孔入口圧]−[細孔出口圧]))
=137.7(=100.87/0.73) となる。
たとえば、70℃の温水を300[kPa G]で蓄えるタンクの許容温水漏れ量が10[ml/h]の時で検査時の周囲温度(=リーク検査装置に満たされる気体温度)が20℃の時に200[kPa G]で検査する場合([水の細孔入口圧]=[空気の細孔入口圧]とならない場合)には、[20℃空気のμ]=0.0000181Pa・s、[70℃の温水のμ]=0.0004Pa・s、大気圧(雰囲気の気圧)101300Pa Absとすると、
[換算係数]=[空気の漏れ量]/[水の漏れ量]は、
[空気の漏れ量]=π×[細孔の直径]4×[空気ΔP]/(128×[空気のμ]×[細孔の長さ])
[水の漏れ量]=π×[細孔の直径]4×[水ΔP]/(128×[水のμ]×[細孔の長さ]) なので、
[換算係数]=([空気ΔP]×[水のμ])/([空気のμ]×[水ΔP])
で表される。計算すると、
[換算係数]=29.28(=292.8/10) となり、
許容気体漏れ量([空気の漏れ量])=292.8[ml/h] として求められる。
但し、圧力センサには誤差があるので、その分を考慮に入れて換算係数を修正して、許容気体漏れ量を設定する必要がある。ここでは、
A:高耐圧(片耐圧が例えば1000KPa以上)で、誤差250Pa、測定精度(誤差)0.025%/フルスケールの第2圧力センサ24を用いる場合
B:高耐圧(片耐圧が例えば1000KPa以上)で、わずかな差圧を判別できる(誤差2.5Pa、測定精度(誤差)0.00025%/フルスケール)差圧センサを用いる場合
を比較して説明する。
Aの差圧センサ25を用いる場合、目標圧力800KPaに対して、800.25KPaまで加圧しても誤差があるので、本当の圧力は800.0〜800.5KPaの範囲の圧力であることしか判らない(誤差250Pa)。漏れ量はBと同程度に測れるが、加圧する目標圧力に対する誤差があるので、前述の換算係数の演算で用いる細孔入口圧が変わり、Bに対してある程度厳しい漏れ判定基準を用いなければならない。
すなわち、Aの場合、
空気ΔP=([901550±250 Pa Abs]-[101300 Pa Abs])/(2×[901300±250 Pa Abs])
[換算係数]=[空気ΔP]×[水のμ]/[空気のμ]×[水ΔP]で表される。計算すると、
[換算係数]=(([901550-250 Pa Abs]-[101300 Pa Abs])/(2×[901300-250 Pa Abs])×[水のμ]/[空気のμ]×[水ΔP]、となる。
Bの差圧センサを用いる場合、目標圧力800KPaに対して、800.25KPaまで加圧すると、本当の圧力は800.2475〜800.2525KPの範囲にある。したがって、Bの場合、
空気ΔP=([901550±2.5 Pa Abs]-[101300 Pa Abs])/(2×[901300±2.5 Pa Abs])
[換算係数]=[空気ΔP]×[水のμ]/[空気のμ]×[水ΔP]で表され、計算すると、
[換算係数]=(([901550-2.5 Pa Abs]-[101300 Pa Abs])/(2×[901300-2.5 Pa Abs])×[水のμ]/[空気のμ]×[水ΔP]、となる。
したがって、Bに対してAの方を厳しい判定基準にすることで、同等の測定(判定)が可能になる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、リーク検査の開始時に第1空間51と第2空間52側の圧力が目標圧力になるように排気弁34から少しずつ気体を逃がして合わせ込むようにしたが、リーク検査開始時の第1空間51と第2空間52の圧力は同一でなくてもよく、リーク検査開始時の差圧に応じた基準特性を採用すればよい。又はその差圧補正を演算によって求めても良い。
排気弁34の図4に示す、発熱する部分a1、b1を例えばフィン付きの銅管等伝熱係数の大きい部材で構成し、外部からファン等を用いて強制冷却をかけて、測定毎に排気弁34本体に蓄熱される熱量をコントロールすることで、加圧直後に行う、排気弁34から熱くなった気体を逃がす工程を短時間化しても(又は無くしても)良い。又は排気弁34から所定距離だけ圧縮エア源3側の位置に弁体を設け、その弁体を加圧後に閉じることで、その弁体と排気弁34との間に前記熱くなった気体を閉じ込めて測定誤差が生じ難くなるようにしても良い。あるいは、加圧完了直前に排気弁34を開いて熱溜まりa1、b1にあった気体を外部に逃がし、その後、上記の弁を閉じて目標圧力にする。すなわち、熱溜まりにあった気体を外部に逃がしても排気弁34やその近傍の管路は熱を持っているので、上記の弁を閉じることでその熱が測定系に伝導することを防止する。
実施の形態では、最初に、第1空間51、第2空間52、第3空間53を同時に目標圧力に加圧するようにしたが、第1空間51と第2空間52を目標圧力に加圧して密閉できれば、第3空間53は加圧しなくてもよい。たとえば、図4において、第2開閉弁32を閉じ、第1開閉弁31および第4開閉弁35を開いた状態で圧縮エア源4を使用して目標圧力まで加圧し、その後、第4開閉弁35、第1開閉弁31を閉じて、第1空間51と第2空間52を密閉状態にして検査準備を行ってもよい。
リーク検査装置の構成は実施の形態に例示したものに限定されない。たとえば、図1のリーク検査装置5では、第2圧力センサ24の下流で主管路11から分岐させた第2分岐管14により加圧気体を第1開閉弁31へ導くようにしたが、第2分岐管14に代えて、第2開閉弁32と差圧センサ26の間で分岐させた気体通路を第1開閉弁31の入側に接続するような構成でもかまわない。
差圧センサ26は定格差圧として例えば−10〜10KPaのものを用いたが、このセンサの最大圧力は例えば200KPa(片耐圧)、破壊圧力は例えば500KPa(片耐圧)、ライン圧力は例えば500KPa(両耐圧)であるので、例えば800KPaにまで加圧する際に、差圧センサ26の両側の第1空間51と第2空間52に同時に気体を加圧導入せずに、一方に先に加圧気体を導入した後、破壊圧力である500KPaに至る前に他方にも加圧気体を導入し、圧力が破壊圧力である500KPa(片耐圧)を超えて差圧センサ26が破壊されないようにタイムラグを設けて加圧気を体導入してもかまわない。
さらに、検査対象の交換にあたっては、第2開閉弁32を閉じて第2空間52を密閉状態にしてから行なうのではなく、交換作業開始によって差圧センサ26の差圧が破壊圧力である500KPaに至る前に第2開閉弁32を閉じて第2空間52を密閉状態とし、圧力が破壊圧力である500KPa(片耐圧)を超えて差圧センサ26が破壊されないようにしてもかまわない。交換後の検査対象のリーク検査は、第3空間53を目標の圧力に加圧してから第2空間52に連通させるのではなく、加圧途中であって第1空間51と第3空間53との差圧が破壊圧力である500KPa(片耐圧)以下となった時点を起点として第2空間52に連通させても良い。さらに第4開閉弁35を開くタイミングも第1空間51と第2空間52との差圧が破壊圧力である500KPa(片耐圧)近くなってからでも良い。
実施の形態ではワークの漏れを検査するにあたって、ワーク内に気体を加圧導入して、細孔等の漏れをもたらす構造欠陥等を、ワーク内の気体が漏れ出ることで発見する手法について記載したが、ワーク内の気体を吸引減圧してワーク内に気体が流入することで発見してもかまわない。この場合に差圧センサ26の両側の第1空間と第2空間の気体を吸引減圧して第1空間を密閉状態に維持し、第3空間の気体を第1空間より多めに吸引減圧したのち大気開放して第1空間との圧力差を合わせて検査を行う。
実施の形態では、漏れ検査の媒体気体として空気を用いたが、ヘリウム等の不活性ガスや、炭酸ガス等を用いてもかまわない。
恒温槽40は第1空間51とその直近の上流側の所定範囲(第3空間53の第2分岐管14部分)の気体通路を収容するが、差圧センサ26も収容するようにしても良い。
第3開閉弁33、第4開閉弁34等をソレノイド型等エアオペレイト型でなくてもかまわない。3方弁とする場合には、ソレノイド型でなくステッピングモーターを用いたものであってもかまわない。
掃気を実施するタイミングは実施の形態の例示に限定されず、検査対象の交換の際に第3空間を切り離した(第2開閉弁32を閉じた)後であって、リーク検査において第4空間を目標圧力に加圧する前であればよい。たとえば、ワークWを交換した後でもよい。また、第1開閉弁31と差圧センサ26との間の管路を第1空間51とする代わりに、第1開閉弁31と差圧センサ26との間から管路を分岐させ、該管路に手動弁を設け、その先にワークWと同じ大きさのマスタMを設け、該マスタMを含む空間を第1空間51としてもよい。
3…圧縮エア源
4…圧縮エア源
5、5B…リーク検査装置
11…主管路
11a…接続口
12…排気管
12a…排気ポート
13…第1分岐管
14…第2分岐管
15…バイパス管
21…電空レギュレータ
22…第1圧力センサ
24…第2圧力センサ
26…差圧センサ
27…手動弁
28…第3圧力センサ
31…第1開閉弁
32…第2開閉弁
33…第3開閉弁
34…排気弁
35…第4開閉弁
40…恒温槽
50…圧力校正器
51…第1空間
52…第2空間
53…第3空間
M…マスタ
W…ワーク

Claims (12)

  1. 差圧センサと、
    前記差圧センサの一方の接続口に接続された配管内部の第1空間と、
    前記第1空間を圧縮エア源に通じた状態と密閉状態とに切り替える第1開閉弁と、
    前記差圧センサの他方の接続口に接続された配管内部の第2空間と、
    検査対象が着脱可能に接続される配管内部の空間と検査対象の内部空間を合わせた第3空間と、
    前記第2空間を、前記第3空間に通じた状態と密閉状態とに切り替える第2開閉弁と、
    前記第3空間を圧縮エア源に連通させるか否かを切り替える第3開閉弁と、
    を有するリーク検査装置において、
    前記第1空間と前記第2空間に同時に気体を加圧導入して前記第1空間と前記第2空間を目標の圧力に加圧した後、
    前記第1空間は複数の検査対象の検査が完了するまで密閉状態に維持し、
    検査対象の交換は、前記第2空間を密閉状態にすることで、前記第3空間を前記第2空間から切り離してから行い、
    交換後の検査対象のリーク検査は、前記第3空間を前記目標の圧力に加圧してから前記第2空間に連通させて行う
    ことを特徴とするリーク検査方法。
  2. 前記検査対象の交換の際に前記第3空間を切り離した後であって前記リーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧する前に、前記第3空間における配管内部の空間を掃気する
    ことを特徴とする請求項1に記載のリーク検査方法。
  3. 前記交換後の検査対象のリーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧するとき、前記目標の圧力より高い圧力まで加圧した後、前記第3空間を前記第2空間に連通させ、前記第3空間に設けた排気弁から少しずつ気体を逃がして、前記差圧センサの検出値に基づいて前記第3空間を前記目標の圧力に調整する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のリーク検査方法。
  4. 前記目標の圧力より高い圧力まで加圧する際に、前記第3空間内の圧力を測定する圧力計の測定値が前記圧力計で生じる測定誤差分だけ前記目標の圧力より高い圧力値になるまで加圧する
    ことを特徴とする請求項3に記載のリーク検査方法。
  5. 前記第1空間を構成する配管と前記第1開閉弁前記第1開閉弁から前記圧縮エア源に通じる配管のうちの前記第1開閉弁の直近所定範囲恒温槽に入れておく
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のリーク検査方法。
  6. 前記第1空間の容積は、前記検査対象の容積に比べて小さい
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載のリーク検査方法。
  7. 差圧センサと、
    前記差圧センサの一方の接続口に接続された配管内部の第1空間と、
    前記第1空間を圧縮エア源に通じた状態と密閉状態とに切り替える第1開閉弁と、
    前記差圧センサの他方の接続口に接続された配管内部の第2空間と、
    検査対象が着脱可能に接続される配管内部の空間と検査対象の内部空間を合わせた第3空間と、
    前記第2空間を、前記第3空間に通じた状態と密閉状態とに切り替える第2開閉弁と、
    前記第3空間を圧縮エア源に連通させるか否かを切り替える第3開閉弁と、
    を有し、
    前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁を開いた状態で圧縮エア源から前記第1空間と前記第2空間と前記第3空間に同時に気体を加圧導入して前記第1空間と前記第2空間と前記第3空間を目標の圧力に加圧した後、
    前記第1開閉弁を閉じて前記第1空間を複数の検査対象の検査が完了するまで密閉状態に維持し、
    前記検査対象の交換は、前記第2開閉弁を閉じて前記第2空間を密閉状態にすることで、前記第3空間を前記第2空間から切り離してから行い、
    交換後の検査対象のリーク検査は、前記第3空間を前記目標の圧力に加圧してから前記第3開閉弁を閉じ、かつ、前記第2開閉弁を開いて前記第3空間を前記第2空間に連通させて行う
    ことを特徴とするリーク検査装置。
  8. 前記検査対象の交換の際に前記第2開閉弁を閉じ後であって前記リーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧する前に、前記第3空間における配管内部を掃気する
    ことを特徴とする請求項7に記載のリーク検査装置。
  9. 前記第3空間に排気弁を設け、
    前記交換後の検査対象のリーク検査において前記第3空間を前記目標の圧力に加圧するとき、前記目標の圧力より高い圧力まで加圧した後、前記第2開閉弁を開き、前記排気弁から少しずつ気体を逃がして、前記差圧センサの検出値に基づいて前記目標の圧力に調整する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載のリーク検査装置。
  10. 前記目標の圧力より高い圧力まで加圧する際に、前記第3空間内の圧力を測定する圧力計の測定値が前記圧力計で生じる測定誤差分だけ前記目標の圧力より高い圧力値になるまで加圧する
    ことを特徴とする請求項9に記載のリーク検査装置。
  11. 前記第1空間を構成する配管と前記第1開閉弁前記第1開閉弁から前記圧縮エア源に通じる配管のうちの前記第1開閉弁の直近所定範囲収容する恒温槽をさらに有する
    ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1つに記載のリーク検査装置。
  12. 前記第1空間の容積は、前記検査対象の容積に比べて小さい
    ことを特徴とする請求項乃至11のいずれか1つに記載のリーク検査装置。
JP2015058447A 2015-03-20 2015-03-20 リーク検査装置リーク検査方法 Active JP6373209B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015058447A JP6373209B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 リーク検査装置リーク検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015058447A JP6373209B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 リーク検査装置リーク検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016176859A JP2016176859A (ja) 2016-10-06
JP6373209B2 true JP6373209B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=57069082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015058447A Active JP6373209B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 リーク検査装置リーク検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6373209B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109275191B (zh) * 2017-07-18 2021-03-30 华为技术有限公司 一种传输方法及其装置
CN117032333B (zh) * 2023-10-08 2023-12-08 北京中航泰瑞电子技术有限公司 倒计时式两路气阀控制设备、方法、装置及存储介质

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54147279U (ja) * 1978-04-03 1979-10-13
GB8707231D0 (en) * 1987-03-26 1987-04-29 Analytical Instr Ltd Temperature compensation in pressure leak detection
JPH01269028A (ja) * 1988-04-20 1989-10-26 Fukuda:Kk リークテスト方法
JPH06138951A (ja) * 1992-10-26 1994-05-20 Toyota Central Res & Dev Lab Inc ガス質量流量制御器
US5367797A (en) * 1993-10-25 1994-11-29 Omega Environmental, Inc. Process for testing a vessel
JP4779807B2 (ja) * 2006-05-29 2011-09-28 株式会社島津製作所 Icp発光分光分析装置
JP4923957B2 (ja) * 2006-10-30 2012-04-25 アイシン精機株式会社 リーク検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016176859A (ja) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2672246B1 (en) Methods and Systems for Leak Testing
US7818133B2 (en) Leak inspection method and leak inspector
JP4684135B2 (ja) 配管路の漏洩検査方法及び漏洩検査装置
JP6529892B2 (ja) 弁座漏れ検査装置
JP5314387B2 (ja) 密閉容器のリーク検出システム及びリーク検出方法
JP6373209B2 (ja) リーク検査装置リーク検査方法
JP4056818B2 (ja) リークテスト方法及び装置
JP4994494B2 (ja) 差圧計測方法及び装置
JP6420699B2 (ja) リーク検査装置リーク検査方法
JP4364218B2 (ja) 洩れ検査方法及び洩れ検査装置
JP6370113B2 (ja) 圧力計の検査方法
JP2016176866A (ja) リーク検査方法リーク検査装置
JP6650734B2 (ja) 容積測定方法とそれを用いた気密・漏洩試験方法
JPH10185749A (ja) リーク検査方法及びその装置
JP2008026016A (ja) 漏洩検査装置及び漏洩検査方法
JP2016176867A (ja) リーク検査装置リーク検査方法
JP6599751B2 (ja) リーク検査方法リーク検査装置
JP2016176871A (ja) リーク検査装置リーク検査方法
US9810564B2 (en) Method of determining an internal volume of a filter or bag device, computer program product and a testing apparatus for performing the method
JP2017116387A (ja) 差圧変化量算出装置及び差圧変化量算出方法
US10107711B2 (en) Reducing thermal effects during leak testing
JP2009236549A (ja) リーク検査方法およびリーク検査装置
JP2017129477A (ja) 漏れ検査装置及び方法
JP6775434B2 (ja) リーク検査装置 リーク検査方法
JP2525097B2 (ja) 中空構造物の漏れ検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6373209

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250