JP2525008Y2 - プレス装置における金型固定装置 - Google Patents

プレス装置における金型固定装置

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JP2525008Y2
JP2525008Y2 JP6985791U JP6985791U JP2525008Y2 JP 2525008 Y2 JP2525008 Y2 JP 2525008Y2 JP 6985791 U JP6985791 U JP 6985791U JP 6985791 U JP6985791 U JP 6985791U JP 2525008 Y2 JP2525008 Y2 JP 2525008Y2
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幸男 村上
洋一 鮫島
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、プレス装置における金
型固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンバルブの鍛造工程において使用
される従来のプレス装置には、図3に示すようにして金
型を支持するようにしたものがある。
【0003】(1)は固定枠で、その要所に穿設した円形
のホルダ保持孔(2)内には、円板状の受座(3)と円柱状
の下型ホルダ(4)とが嵌合され、固定枠(1)におけるホ
ルダ保持孔(2)の上端開口縁部にボルト(5)をもって固
着した環状のリテーナ(6)の内端部で、下型ホルダ(4)
を押えることにより、下型ホルダ(4)はホルダ保持孔
(2)から抜け止めされている。
【0004】下型ホルダ(4)の上面中央には、円形の金
型保持孔(7)が穿設され、この金型保持孔(7)内に下型
(金型)(8)が嵌着されている。
【0005】下型(8)の上面中央には、成形しようとす
るエンジンバルブの形状に合わせた成形用の凹部(9)が
形成されている。図3の例では、凹部(9)は、エンジン
バルブの傘部に対応する逆円錐形状のテーパ孔部(9a)
と、その下部中央に連続し、かつ下型(8)の下端まで貫
通する軸孔部(9b)と、テーパ孔部(9a)の上方に連続する
円筒状の上型嵌合部(9c)と、上型嵌合部(9c)の上端に連
続し、かつ上方に向かって拡開するテーパ孔状の上型誘
導部(9d)とからなっている。
【0006】(10)は、下型(8)の軸孔部(9b)と連続する
ように下型ホルダ(4)及び受座(3)に穿設された軸孔
で、それらには、成形されたエンジンバルブの中間品で
あるワーク(12)を押し上げるためのノックピン(11)が下
方より嵌合されている。
【0007】(13)は、プレス装置により昇降させられる
上型ホルダで、その下面には、上型(14)が取付けられて
いる。
【0008】この装置においては、上型(14)を上昇させ
た状態で、下型(8)の凹部(9)内に、図3に想像線で示
すように、軸部(15a)の上端に塊状の拡大頭部(15b)が形
成されかつ加熱された成形前ワーク(15)を装着し、次い
で上型(14)を下降させて、上型(14)を下型(8)の凹部
(9)の上型嵌合部(9c)に嵌合させることにより、成形前
ワーク(15)の拡大頭部(15b)が圧潰されて、図3に実線
で示すような軸部(12a)の上端に傘部(12b)が連設された
ワーク(12)が成形される。
【0009】その後、上型(14)が上昇し、かつノックピ
ン(11)により、ワーク(15)が押し上げられ、適宜の把持
装置(図示略)により、ワーク(12)は把持されて、次の加
工工程へ送られる。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】上述のような従来の装
置においては、下型(8)を変換するには、リテーナ(6)
を外して、下型ホルダ(4)を下型(8)ごと固定枠(1)か
ら取出した後、専用の金型油圧プレス(図示略)により、
下型(8)を下型ホルダ(4)から抜き取り、かつ新たな下
型(8)を下型ホルダ(4)に圧嵌した後、それを固定枠
(1)のホルダ保持孔(2)に嵌合し、リテーナ(6)により
再度固定するようにしていたので、下型(8)の交換が煩
雑で、時間がかかるという問題点があった。
【0011】また、プレス作業時に、上型(14)と下型
(8)との間にわずかな偏心が生じた場合、両型(14)(8)
が互いに嵌合する初期に、上型(14)が下型(8)のテーパ
孔状の上型誘導部(9d)に摺接することにより、上記偏心
が補正されるが、下型(8)は下型ホルダ(4)を介して固
定枠(1)を強固に固定されており、かつ上型(14)も上型
ホルダ(13)に強固に固定されているので、上記偏心の補
正はダイセットの遊びにより行なわれることになる。そ
のため、下型(8)に上型誘導部(9d)を設けたとしても、
上下の型(14)(8)が側方へ移動しにくいので、上型(14)
の角部が下型(8)の上型誘導部(9d)に当接したとき、い
ずれかの型(14)(8)が破損し易く、金型の交換頻度が大
となるという問題点がある。
【0012】さらに、上型(14)の上昇時に、下型(8)が
下型ホルダ(4)から抜け出すおそれもある。
【0013】本考案は、従来の技術が有する上記のよう
な問題点に鑑み、下型の交換が容易で、万一上型と下型
との間に多少の偏心が生じたとしても、それを自動的に
補正することができるとともに、耐久性を向上すること
のできるプレス装置における金型固定装置を提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案のプレス装置における金型固定装置は、固定
枠に、リテーナをもって保持した下型ホルダの上面に金
型保持孔を設け、該金型保持孔に下型を嵌合し、下型の
上面に形成した上方に向かって拡開するテーパ状の上型
誘導部を有する凹部に、上型ホルダに取付けた上型が嵌
合するようにしたプレス装置における金型固定装置にお
いて、前記下型の外径を、下型ホルダの金型保持孔の内
径より若干小として、下型を金型保持孔内に側方に遊動
可能として嵌合し、かつ前記リテーナあるいは下型ホル
ダの上面に固定した他のリテーナの内端部に連設した押
え片を下型の上面に係止したことを特徴としている。
【0015】
【作用】下型は、リテーナの押え片により、下型ホルダ
の金型保持孔から抜け止めされ、かつ金型保持孔内にお
いて側方に若干遊動できるので、万一、上型と下型との
間に偏心が生じても、上型の下降時に、上型が下型の凹
部の上型誘導部に摺接することにより、下型が側方に移
動させられて、上記偏心が自動的に補正される。
【0016】
【実施例】次に、本考案の第1実施例を図1を参照して
説明する。なお、図3に示す従来例と同一の部材には同
一の符号を付して詳細な説明は省略するものとする。
【0017】この実施例においては、下型(8')の外径
を、下記ホルダ(4)の金型保持孔(7)の内径より若干小
として、下型(8')を金型保持孔(7)内に側方に若干遊動
可能として嵌合し、かつ下型ホルダ(4)を固定枠(1)の
ホルダ保持孔(2)から抜け止めする環状のリテーナ(6')
の内端部に連設した求心方向を向く押え片(6a')を、下
型(8')の上面に係止させることにより、下型(8')を、下
型ホルダ(4)の金型保持孔(7)より抜け止めしている。
【0018】この第1実施例のような構成とすると、万
一、上型(14)と下型(8')との間に偏心が生じたとして
も、上型(14)の下降時に、上型(14)の下端部が下型(8')
の凹部(9)の上型誘導部(9d)に摺接することにより、下
型(8')は、上型(14)と整合するように金型保持孔(7)内
において側方に若干移動させられ、上記偏心が自動的に
補正される。
【0019】次に本考案の第2実施例につき図2を参照
して説明する。この第2実施例にあっては、従来例にお
いて示したリテーナ(6)はそのまま設けられており、こ
のリテーナ(6)の内側に他のリテーナ(16)を設けたもの
である。
【0020】すなわち、リテーナ(16)は、下型ホルダ
(4)の上面にボルト(17)によって固定されており、この
リテーナ(16)の内端部に連設した求心方向を向く押え片
(16a)を下型(8')の上面に係止されることにより、下型
(8')が、下型ホルダ(4)の金型保持孔(7)から抜け止め
されている。
【0021】この第2実施例にあっても上型(14)と下型
(8')との間に偏心が生じたとしても、上型(14)の下降時
に、上型(14)の下端部が下型(8')の凹部(9)の上型誘導
部(9d)に摺接することにより、下型(8')は上型(14)と整
合するように金型保持孔(7)内において若干移動させら
れ、上型(14)と下型(8')との間に生じた偏心は自動的に
補正される。
【0022】
【考案の効果】本考案によると、次のような効果を奏す
ることができる。 (a) リテーナを外すだけで、下型を下型ホルダから抜
き出して簡単に交換することができ、下型の交換のため
に下型ホルダを固定枠から外す必要がない。 (b) 下型が下型ホルダの金型保持孔内において側方に
若干遊動しうるので、上型と下型の上型誘導部との摺接
時に、下型は容易に側方に移動して、摺接時の衝撃を吸
収しうるとともに、上型と下型との偏心が自動的に補正
される。 (c) したがって、偏心時に上型及び下型が受ける衝撃
が小さくなるので、上型及び下型の破損のおそれが少な
く、耐久性が向上するとともに、金型の交換頻度が小と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例の要部の縦断正面図であ
る。
【図2】本考案の第2実施例の要部の縦断正面図であ
る。
【図3】従来の装置の要部の縦断正面図である。
【符号の説明】
(1)固定枠 (2)ホルダ保持孔 (3)受座 (4)下型ホルダ (5)ボルト (6)(6')リテーナ (6a')押え片 (7)金型保持孔 (8)(8')下型(金型) (9)凹部 (9')テーパ孔部 (9b)軸孔部 (9c)上型嵌合部 (9d)上型誘導部 (10)軸孔 (11)ノックピン (12)ワーク (12a)軸部 (12b)傘部 (13)上型ホルダ (14)上型 (15)成形前ワーク (15a)軸部 (15b)拡大頭部 (16)リテーナ (16a)押え片 (17)ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−213329(JP,A) 実開 昭56−131940(JP,U) 実開 昭57−194750(JP,U) 実開 昭60−11142(JP,U) 実開 昭63−95646(JP,U) 実開 平4−80637(JP,U) 実開 平2−127339(JP,U) 特公 昭49−9024(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定枠に、リテーナをもって保持した下
    型ホルダの上面に金型保持孔を設け、該金型保持孔に下
    型を嵌合し、下型の上面に形成した上方に向かって拡開
    するテーパ状の上型誘導部を有する凹部に、上型ホルダ
    に取付けた上型が嵌合するようにしたプレス装置におけ
    る金型固定装置において、前記下型の外径を、下型ホル
    ダの金型保持孔の内径より若干小として、下型を金型保
    持孔内に側方に遊動可能として嵌合し、かつ前記リテー
    ナあるいは下型ホルダの上面に固定した他のリテーナの
    内端部に連設した押え片を下型の上面に係止させたこと
    を特徴とするプレス装置における金型固定装置。
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JPH0513635U JPH0513635U (ja) 1993-02-23
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