JP2524799Y2 - パチンコ島台における溢球樋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、パチンコ島台上部貯留タンクより溢球とし
て排出される球を、島台骨組用の基柱を併用して島台下
部のアウト球タンクへ流下する溢球樋装置に関するもの
である。

【従来の技術】

多数のパチンコ遊技機から排出される球（玉と略称す
る場合もある）を、島台中央に集合させ球磨揚送機によ
って島台上部の上部貯留タンクに揚送貯留し、再度各パ
チンコ遊技機の景品球補給径路へ配給する自動循環球装
置において、上部貯留タンクに定量以上貯留される揚送
球は下部アウト球タンクへ戻球する際、溢球ホースを島
台下部のアウト球タンク内へ臨ませ落下させていた。 しかし、最近のホールはホール面積を有効利用するた
め、島台幅を縮小する傾向の反面その島台内に設定する
各機器（コイン搬送、紙幣搬送装置等）は年々大型化と
なり島台内のパチンコ遊技機背面箇所の空間は皆無とな
った。その煩雑箇所の隙間に容積のある前記溢球ホース
を垂下した場合垂直状に設置できず、予め溢球ホースを
長く形成し、各機器をさけてカーブした状態で設置する
ためホースの曲線箇所に落下球の衝撃が強度にかかり部
分的摩耗による溢球ホースの破損事故やまたは異物混入
等（ビス、ネジ）による破損が生じその際の保守点検、
または交換作業性が悪く長時間の営業中断となりその間
の営業的損失は大きかった。

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の溢球ホースは、島台に背向並列するパ
チンコ遊技機の裏面煩雑箇所に垂下形成するため、取付
工事及び破損等によるホース取替工事が困難であった。
本考案は、上記した問題点に鑑みなされたものでその目
的とするところは、島台基柱の中心立柱を空洞状で形成
し上部貯留タンクからの溢球を島台基柱内へ導入し、島
台下部のアウト球タンクへ直線的に落下するよう構成す
るものである。

【課題を解決するための手段】

パチンコ遊技機から排出された球をアウト回収樋で回
収し、その回収球を貯留するアウト球タンクと、該アウ
ト球タンク内に貯留された球を上部貯留タンクに研磨揚
送する球磨揚送装置と、前記上部貯留タンクの貯留され
た球をパチンコ遊技機や玉貸機等に補給する補給樋と、
前記上部貯留タンクで溢れた球を再度アウト球タンクへ
戻す溢球樋装置と、を備えた島台において、 前記上部貯留タンクは、該上部貯留タンクで溢れた球
を流出させる溢球球出口と、 該溢球球出口に連通する溢球通路を備え、 前記溢球樋装置は空洞状で形成された中心立柱と該中
心立柱に重合状態で設ける中心補助柱とからなる島台基
柱であって、 前記溢球通路の終端から前記中心立柱の始端とを連通
する連通手段とを備え、 前記中心立柱の終端を前記アウト球タンクに臨むよう
延設し、 上部貯留タンクで溢れた球を島台基柱の中心立柱を介
してアウト球タンクへ還流するよう構成したことを特徴
とすることにある。

【作用】

各パチンコ遊技機から排出された球は、アウト回収樋
を介して島台下部に設けたアウト球タンクに回収され
る。回収された球はアウト球タンクの一側に設けた球磨
揚送機への球導入口（第５図参照）より導入し島台上部
の上部貯留タンクに研磨揚送され各パチンコ遊技機の景
品球補給系路へ補給樋を介して配給するよう形成されて
いる。上部貯留タンクに揚送球が定量以上貯留された場
合、上部貯留タンクの上部（前記補給樋の球出口より上
部に設けた開口部）に設けた溢球球出口より溢れ出るよ
うになっており、溢れ出た球は上部貯留タンクの一側に
設けた溢球通路を流下して球導入樋に流下し、球導入樋
を介して島台下部のアウト球タンクに球を流下するよう
垂設された溢球樋装置の中心立柱内部を流下させ溢球を
アウト球タンク内に落下するようになっている。

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。 まず、実施例にかかる溢球樋装置11が設けられる島台
Ａの構成について第１図及び第５図を参照して説明す
る。第１図は各パチンコ遊技機Ｐを背向列設した島台Ａ
の全体図を示し、第５図はその島台Ａの内部構造を示
す。島台Ａの内部は多数の縦柱、横柱をほぼ直方体状に
枠組構成され、その中央部に球磨揚送機10を設け、島台
Ａ上部に上部貯留タンク５、島台Ａ下部にアウト球タン
ク６を配備して骨組構成がされている。このように構成
された骨組は第１図で示すように、島台Ａ側面下部に腰
板Ｋを固定し、腰板Ｋの上端には、カウンターＮが外側
に突出するよう設けられており遊技で獲得した景品球を
入れる玉箱を載置できるようになっている。カウンター
Ｎの上端部からパチンコ遊技機Ｐが設置される所定高さ
を設けてその上部に幕板Ｍが設けられている。幕板Ｍに
は、各パチンコ遊技機Ｐに対応して呼出装置Ｙが設けら
れ遊技中の遊技態様に伴う大当たり、不正遊技、店員呼
出等の際、その旨を報知するようになっている。更に幕
板Ｍの上部には欄間Ｒが外面に意匠図柄（本実施例省
略）を施し一般的には（パチンコ遊技機Ｐ＋玉貸機Ｃの
横幅）×台数に相当する長さを有して形成され上部を蝶
番によって蝶着され開放自在に取り付けられ島台Ａの欄
間Ｒ位置内部に設けられる補給樋３において玉づまり等
のトラブルが発生した時にこの欄間Ｒを開放し保守、点
検するようになっている。 また、島台Ａのほぼ中央には、パチンコ球を上部に研
磨揚送する球磨揚送機10が立設され、該球磨揚送機10で
研磨揚送されたパチンコ球は、その上部に設けられる揚
送機球出口27から上部貯留タンク５に一旦貯留されるよ
うになっている。その後パチンコ球は島台Ａ中央から両
島端方向に傾斜して設けられる補給樋３（第５図参照）
を流下して、各パチンコ遊技機Ｐに対応して設けられる
分離器（図示省略）によって各パチンコ遊技器Ｐの背面
上部に設けられる景品玉タンクに供給される。そのパチ
ンコ球は遊技の結果発生した入賞の都度払出される景品
玉として使用されるようになっている。尚、分離器から
景品玉タンクに供給されるパチンコ球は分離器の下端に
設けられる計数器によって計数され、その計数された値
が図示しない管理コンピュータに送られ各パチンコ遊技
器Ｐのデータとして処理されている。また、補給樋３に
は、前記分離器を並列させて装着し、各パチンコ遊技器
Ｐ間に挟まれて設けられる玉貸機Ｃにもパチンコ球が補
給されるようになっている。 一方、パチンコ遊技機Ｐで使用された球（アウト球）
は、パチンコ遊技機Ｐの背面下部から排出されるアウト
球を受け入れるアウト箱に落下しアウト箱の下端に設け
た玉計数器によって計数され、アウト回収樋16によって
回収されるようになっている。回収された玉はアウト球
タンク６の一側に設けた玉入口から一旦アウト球タンク
６に貯留され、貯留された球はアウト球タンク６の前記
球磨揚送機10の球導入側に設けた球導入口25（第５図に
おいてアウト回収樋16の後方側に位置）から導入し、再
度研磨揚送されるようになっている。 つまり、島台Ａは、上記した構成とすることで、パチ
ンコ遊技機Ｐから排出されたパチンコ球を、アウト回収
樋16によってアウト球タンク６に回収し、球磨揚送機10
側に設けた球導入口25から球を導出し球磨揚送機10によ
って揚送し、揚送機球出口27より上部貯留タンク５に放
出且つ貯留される。上部貯留タンク５の球は補給樋３に
最優先で流出し前記したように分離器を介して各パチン
コ遊技機Ｐや玉貸機Ｃに補給される。各パチンコ遊技機
Ｐから排出される球よりも補給すべき球が多くなった場
合、補給樋３が満杯となり、上部貯留タンク５内部にも
揚送球が一定量まで貯留堆積すると上部貯留タンク５に
設けた溢球球出口26より溢れ出し、上部貯留タンク５の
一側に設けた溢球通路28を落下し、上部貯留タンク５の
下部に溢球通路28下端部と中心立柱１の玉入口Ｆ間に斜
設（中心立柱側に下り勾配）された受樋状の球導入樋17
に落下すると、該球導入樋17から溢球樋装置11の中心立
柱１の玉入口Ｆに自然流動し中心立柱１内部を流下し、
アウト球タンク６の上部に臨むよう延設された中心立柱
１の下端部29へ流下させ溢球を戻すよう構成し島台Ａ内
部の自動循環球装置を構成するようになっている。 つぎに本実施例（第１実施例ともいう）の要部を構成
する溢球樋装置11を第２図乃至第５図を参照して説明す
る。第２図は島台Ａの内部構造を示す側面概略断面図で
あり、第３図は溢球樋装置11の拡大斜視図であり、第４
図は溢球樋装置11の他の実施例を示し、第５図は島台中
央部と溢球樋装置11とアウト球タンク６の関係を示す島
台Ａの内部拡大図である。ここで島台基柱Ｂを第２図及
び第３図に基づきさらに詳しく説明する。 島台基柱Ｂは島台Ａの上部貯留タンク５の下端の横梁
下部から島台Ａのアウト球タンク６内部に下端部29が臨
む長さで連通可能な矩形空洞状の中心立柱１と、該中心
立柱１を両方向から当接させる中心補助柱２（総称する
場合をいう）とで構成されている。 まず、中心立柱１から詳述すれば、島台最上部横梁下
部より島台Ａ下部のアウト球タンク６に臨む長さで矩形
空洞状立柱を形成し、上部貯留タンク５の１側面に設け
た溢球通路28と連通するよう上部貯留タンク５の下部に
溢球通路28を溢球通路28の下端から中心立柱１の玉入口
29間にＵ字状の受樋で球導入樋17を設け、中心立柱１側
に下り傾斜となるよう適宜手段で固定することで上部貯
留タンク５の溢球を円滑に中心立柱１内に導入するよう
になっている。 この中心立柱１の両側面部（平面巾広部）に中心補助
柱２を金属帯材で３部構成で曲折形成する。まず最上部
である前記島台Ａの構成における上部に位置する欄間Ｒ
と幕板Ｍを構成する高さで中心補助柱2Aを金属帯材でコ
字状に左右対称で曲折形成し、先端に設けた固定部20に
よってコ字状の開放部が中心立柱１に当接するよう中心
立柱１に固定する（以下固定手段は省略）。 つぎにパチンコ遊技機Ｐを設置箇所となる中心補助柱
2Bを前記中心補助柱2A下端から後述する中心補助柱2C上
端の高さで金属帯材によって曲折形成する。 中心補助柱2Bの上部曲折部は、中心補助柱2Aより適宜
長く設けて幕板受け７を予め所定長さで形成し、幕板Ｍ
を島台Ａに固定する際、幕板Ｍの下端を設置する設置部
とする。また中心補助柱2Bの下部曲折部は前記説明のカ
ウンターＮの突設部と、パチンコ遊技機Ｐ、玉貸機Ｃを
取付支持する幅を有してカウンター受け部４を設け、金
属帯材で曲折形成し中心立柱１を中央にして左右対称に
固定する。中心補助柱2Bの下端に前記腰板Ｋを構成する
中心補助柱2Cを形成する。中心補助柱2Cは中心補助柱2B
のカウンター受け部４より幅小で上部を曲折し、下端を
Ｌ字状の左右対称で曲折形成する中心補助柱2C内部には
前記アウト球タンク６が内蔵されるためアウト球タンク
６の横巾及び高さが収容可能とする所定幅大を有して設
けられ、島台設置の際、中心補助柱2C,2Cでアウト球タ
ンク６を囲設するよう形成する。そのアウト球タンク６
の上端部に中心立柱１の下端部29が臨むようになってい
る。又中心補助柱2Cの下端は遊技者の足置場スペースと
して凹部状態で形成されている。このように中心立柱１
に両側面上部から中心補助柱2A、2B、2Cを当接固定して
島台基柱Ｂを構成するが、溢球量によって中心立柱１の
柱幅を大きくする等調節可能である。 このように構成された島台基柱Ｂを島台組立時におい
て、ホールへ搬入し島台組付けの際、上部貯留タンク５
の下端に設けられる横梁下部とアウト球タンク６間に島
台基柱Ｂを介在させて立設させる。つぎに上部貯留タン
ク５の溢球通路28の下端部と中心立柱１の玉入口Ｆ間に
受樋状で形成された球導入樋17を架設し、上部貯留タン
ク５の溢球を中心立柱１の球入口Ｆに誘導可能に接続す
る。中心立柱１の下端部29をアウト球タンク６に臨む位
置で位置決め固定することで島台上部の上部貯留タンク
５から島台下部のアウト球タンク６間を一連状の球通路
を有した中心立柱１と該中心立柱１を当接する中心補助
柱２で構成される島台基柱Ｂによって溢球を円滑にアウ
ト球タンク６内に落下させることが可能となる（第５図
参照）。 つぎに第４図は、他の実施例（以下第２実施例とい
う）を示し、前記（第１実施例）で示した中央立柱１を
角柱の空洞状で２組形成し、１側を溢球樋専用柱20とし
て他側を島台Ａに引き通される各種配線を結束して挿通
する配線専用柱30で構成し両専用柱20,30（前記専用柱
の共通の場合をいう）の中間部には固定用部材21を介在
し溢球樋専用柱20、配線専用柱30とを固定する。この場
合、溢球樋専用柱20は第１実施例の中心立柱１と同様下
端をアウト球タンク６に臨む長さで形成し、上部貯留タ
ンク５からの溢球を溢球樋専用柱20を介して玉こぼれし
ない位置まで延設し落下する球を完全に受けるようにな
っている。溢球樋専用柱20、配線専用柱30に各々前記中
心補助柱2B及び2Cを左右方向から当接させるが、前記第
１実施例と異なり両専用柱20,30の角柱幅だけ曲折幅が
小さくなっている。 尚配線専用柱30の囲設柱の一面に開口扉を形成し配線
処理部とすることで内部に挿通される配線の処理を円滑
に実施できるよう形成する。 このように形成した島台基柱Ｂを島台Ａの組立時に島
台Ａの略中央部に立設し、上部貯留タンク５の溢球球出
口から排出される球を誘導する誘導樋17（第２実施例で
は省略）によって中心立柱１の玉導入口へ導入するよう
設けられている。 ここで第２図を参照して溢球樋装置11における作用状
態を説明すれば、上部貯留タンク５の溢球は、上部貯留
タンク５の側面に設けた溢球通路28を落下し、溢球通路
28と連通して架設されている球導入樋17によって溢球樋
装置11の中心立柱１の上部から球は導入し、中心立柱１
の下端部29から落下した球をアウト球タンク６に貯留す
るようになっている。 このように島台基柱Ｂを構成することにより島台Ａの
組立と同時作業で溢球樋装置11が構成されると共に、島
台Ａ上部に設ける上部貯留タンク５箇所にかかる重量負
荷を支持するため島台Ａの強化がはかれる効果もある。 本実施例では、中心立柱１を金属形状で説明したが限
定するものでなく例えば円管及び楕円形状で構成しても
良く、又材質においても限定するものでない。

【考案の効果】

以上、説明したところから明らかなように、本考案に
おいては、溢球樋装置を空洞状で形成された中心立柱と
該中心立柱に重合状態で設ける中心補助柱とからなる島
台基柱であって、該島台基柱の中心立柱と上部貯留タン
クの溢球樋出口とを接続し、中心立柱の下端部を前記ア
ウト球タンク間と連通するよう形成し、上部貯留タンク
で溢れた球を中心立柱を介してアウト球タンクへ還流す
るよう構成したことによって、狭い島台内部に別途に溢
れ球ホースを設ける必要がないため、島台内部に取付工
事または破損等による取替工事も簡略化される。溢球を
島台上部から島台下部のアウト球タンクへ最短区間で落
下させるため玉づまり等のトラブルも減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図．島台全体略図。 第２図．本実施例の側面断面略図。 第３図．本実施例の全体斜視図。 第４図．他の実施例の全体斜視図。 第５図．島台内部構造を示す要部拡大図。 １……中心立柱、２、2A、2B、2C……中心補助柱、３…
…補給樋、４……カウンター受け部、５……上部貯留タ
ンク、６……アウト球タンク、10……球磨揚送機、11…
…溢球樋装置、16……アウト回収樋、Ａ……島台、Ｂ…
…島台基柱、Ｃ……玉貸機、Ｐ……パチンコ機、Ｋ……
腰板。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パチンコ遊技機から排出された球をアウト
   回収樋で回収し、その回収球を貯留するアウト球タンク
   と、該アウト球タンク内に貯留された球を上部貯留タン
   クに研磨揚送する球磨揚送装置と、前記上部貯留タンク
   に貯留された球をパチンコ遊技機や玉貸機等に補給する
   補給樋と、前記上部貯留タンクで溢れた球を再度アウト
   球タンクへ戻す溢球樋装置と、を備えた島台において、 前記上部貯留タンクは、該上部貯留タンクで溢れた球を
   流出させる溢球球出口と、 該溢球球出口に連通する溢球通路を備え、 前記溢球樋装置は空洞状で形成された中心立柱と該中心
   立柱に重合状態で設ける中心補助柱とからなる島台基柱
   であって、 前記溢球通路の終端から前記中心柱の始端とを連通する
   連通手段とを備え、 前記中心立柱の終端を前記アウト球タンクに臨むよう延
   設し、 上部貯留タンクで溢れた球を島台基柱の中心立柱を介し
   てアウト球タンクへ還流するよう構成したことを特徴と
   するパチンコ島台における溢球樋。