JP2524785B2 - 末端官能型イミド化合物の製造法 - Google Patents

末端官能型イミド化合物の製造法

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JP2524785B2 JP62314799A JP31479987A JP2524785B2 JP 2524785 B2 JP2524785 B2 JP 2524785B2 JP 62314799 A JP62314799 A JP 62314799A JP 31479987 A JP31479987 A JP 31479987A JP 2524785 B2 JP2524785 B2 JP 2524785B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は末端官能基を有する、熱硬化可能なイミド化
合物に関するものである。
〈従来の技術および問題点〉 芳香族系のイミド化合物は一般的に芳香族テトラカル
ボン酸無水物と、芳香族ジアミンを原料として製造さ
れ、代表的な芳香族テトラカルボン酸として、ピロメリ
ット酸無水物あるいはベンゾフェノンテトラカルボン酸
無水物がよく知られている。ところがこれらの酸無水物
を使って得られる芳香族系のイミド化合物は、通常の低
沸点の有機溶媒への溶解性がきわめて低く溶解にあたっ
ては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォキサイド、ク
レゾール等の特殊な高沸点溶媒を使用する必要がある。
また一方上記の芳香族系のイミド化合物は、エポキシ樹
脂との相溶性も不良であり、エポキシ樹脂と組み合わせ
て性能の向上をはかるということが困難である。
このようなことから本発明者らは、溶解性及び相溶性
に優れたイミド化合物について鋭意検討した結果、分子
中に式 [式中、R1は水素原子あるいは炭素数1〜10のアルキル
基、R2は水素原子あるいは炭素数1〜20のアルキル基、
アルコキシ基、あるいは水酸基を表わす。〕 で示される構造単位を有するイミド化合物が、上記の目
的を満足することを見出し、本発明を完成した。
〈問題を解決するための手段〉 すなわち、本発明は、一般式(1) (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、R2は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルコ
キシ基または水酸基を表わす。)で示される化合物、ま
たはこの化合物と一般式(2) (式中、R1およびR2は一般式(1)の場合と同じ意味を
示す。)で示される化合物との混合物を、過剰の一般式
(3)または一般式(4) X−Ar1−X −(3) H2N−Ar2−NH2 −(4) (式中、Xは、−NH2および−OHから選ばれる基であ
り、二つのXのうち少なくとも一つは−NH2である。Ar1
およびAr2は、それぞれ独立にベンゼン核またはナフタ
レン核を1個または2個以上含む二価の芳香族残基を示
す。)で示される芳香族アミン化合物と、イミド化反応
させることを特徴とする末端官能型イミド化合物の製造
法を提供するものである。
Ar1及びAr2についてさらに詳細に説明すると、Ar1
びAr2はそれぞれ独立に単核あるいは多核の二価の芳香
族残基であり、芳香環は低級のアルキル基、ハロゲン、
低級のアルコシキ基等が置換されているもの及び非置換
のものが含まれる。さらに具体的には、Ar1及びAr2はい
ずれも芳香族アミンの残基であり、Ar2は芳香族ジアミ
ンの残基、Ar1は芳香族モノアミンあるいはジアミンの
残基を表わしている。これらの芳香族アミンを例示する
と、芳香族ジアミンについては4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルプロパ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルフォン、2,4−トルエンジアミ
ン、2,6−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルファイド、3,3′−ジクロロ−4,
4′ジアミノジフェニルスルフォン、3,3′−ジクロロ−
4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジメチル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメトキ
シ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,
4′−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)
プロパン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフ
ェニルスルフォン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルフォン、9,9′−ビス(4−アミノ
フェニル)アントラセン、9,9′−ビス(4−アミノフ
ェニル)フルオレン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、2,4−ジアミノアニソール、
ビス(3−アミノフェニル)メチルホスフィンオキサイ
ド、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、o−トルイジン
スルフォン、4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニ
リン、テトラクロロジアミノジフェニルメタン、m−キ
シリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、4,4′−
ジアミノスチルベン、5−アミノ−1−(4′−アミノ
フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−
1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルイ
ンダン、5−アミノ−6−メチル−1−(3′−アミノ
−4′−メチルフェニル)−1,3,3−トリメチルインダ
ン、7−アミノ−6−メチル−1−(3′−アミノ−
4′−メチルフェニル)−1,3,3−トリメチルインダ
ン、6−アミノ−5−メチル−1−(4′−アミノ−
3′−メチルフェニル)−1,3,3−トリメチルインダ
ン、6−アミノ−7−メチル−1−(4′−アミノ−
3′−メチルフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン
等の1種または2種以上がある。
一方、芳香族モノアミンについては、o−アミノフェ
ノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノー
ル、6−アミノ−m−クレゾール、4−アミノ−m−ク
レゾール、2,2−(4−ヒドロキシフェニル−4−アミ
ノフェニル)−プロパン、2,2−(4−ヒドロキシフェ
ニル−2′−メチル−4′−アミノフェニル)−プロパ
ン、2,2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル−
4′−アミノフェニル)−プロパン、3−アミノ−1−
ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ
−1−ナフトール、4−アミノ−2−メチル−1−ナフ
トール等の1種または2種以上がある。
R1及びR2については前述のとおりであるが、R1として
は特に炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。又R2とし
ては水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好まし
い。
一般式(1)で示される化合物と芳香族ジアミンとか
ら形成される繰返し単位数m及び一般式(2)で示され
る化合物と芳香族ジアミンとから形成される繰返し単位
数nは、好ましくは0〜8であり、特に好ましくは0〜
5である。
本発明の末端官能型イミド化合物の製造方法について
例示する。
イミド化合物の末端官能基が−NH2のものについて
は、上記の芳香族ジアミンと、式 [式中、R1、R2は前述と同じ。] で示される化合物(以下B1とし、その異性体をそれぞれ
Y成分またはZ成分とする。)を、芳香族ジアミンを過
剰にして、通常のイミド化反応を行って合成することが
できる。
イミド化合物の末端官能基が、−OHのものについて
は、−OH基を有する上記の芳香族モノアミンと、上記の
芳香族ジアミンをB1に、芳香族ジアミン/B1のモル比が
(m+n)/(m+n+1)でかつ芳香族モノアミン/
B1のモル比が2/(m+n+1)(m,nは前述に同じ。)
となるように加えて通常のイミド化反応を行って合成す
ることができる。
以上本発明の末端官能型イミド化合物の合成方法につ
いて例示したが、もちろんこれらに限定されるものでは
ない。
B1の合成方法について例示すると、式 [式中、R1、R2は前述に同じ。] で示される化合物(以下B3とする。)と無水マレイン酸
をモル比が1/2でラジカル重合触媒の非存在下、及びラ
ジカル重合禁止剤の存在下もしくは非存在下に反応して
得られる。B3について例示すると、スチレン、α−メチ
ルスチレン、α,p−ジメチルスチレン、α,m−ジメチル
スチレン、イソプロピルスチレン、ビニルトルエン、p
−t−ブチルスチレン、p−イソプロペニルフェノー
ル、m−イソプロペニルフェノール、1−メトキシ−3
−イソプロペニルベンゼン、1−メトキシ−4−イソプ
ロペニルベンゼン、ビニルキシレン等の1種または2種
以上がある。
〈効果〉 このようにして得られた本発明の末端官能型イミド化
合物は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、塩
化メチレン、クロロホルム等の低沸点溶媒に高濃度で可
溶である。また本発明のイミド化合物は、エポキシ樹
脂、との相溶性も優れている。従って本発明の末端官能
型イミド化合物は、エポキシ樹脂と組み合せて熱硬化が
可能である。得られる硬化物は耐熱性、機械特性、耐溶
剤性等に優れた特性を発揮する。
通常のエポキシ樹脂は分子中に2個以上のエポキシ基
を有する化合物であり、例示するとビスフェノールA、
ビスフェノールF、ハイドロキノン、レゾルシン、フロ
ログリシン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン等の二価あるいは3価以上のフェノール類または
テトラブロムビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェ
ノール類から誘導されるグリシジルエーテル化合物、フ
ェノール、o−クレゾール等のフェノール類とホルムア
ルデヒドの反応生成物であるノボラック樹脂から誘導さ
れるノボラック系エポキシ樹脂、アニリン、p−アミノ
フェノール、m−アミノフェノール、4−アミノ−m−
クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニル
メタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロ
パン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、
p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,
4−シクロヘキサン−ビス(メチルアミン)、1,3−シク
ロヘキサン−ビス(メチルアミン)、5−アミノ−1−
(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダ
ン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,
3−トリメチルインダン等から誘導されるアミン系エポ
キシ樹脂、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、
テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸から
誘導されるグリシジルエステル系化合物、5,5−ジメチ
ル・ヒダントイン等から誘導されるヒダントイン系エポ
キシ樹脂、2,2′−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)プロパン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロピ
ル)シクロヘキシル]プロパン、ビニルシクロヘキセン
ジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂
環式エポキシ樹脂、その他、トリグリシジルイソシアヌ
レート、2,4,6−トリグリシドキシ−S−トリアジン等
の1種または2種以上を挙げることができる。
さらに必要により硬化促進剤として、従来より公知で
ある三級アミン、フェノール化合物、イミダゾール類そ
の他ルイス酸を添加してもよい。
本発明のイミド化合物は、必要に応じて増量剤、充填
剤、補強剤あるいは、顔料などと併用される。たとえば
シリカ、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、カオリ
ン、二酸化チタン、酸化亜鉛、雲母、バライト、カーボ
ンブラック、ポリエチレン粉、ポリプロピレン粉、アル
ミニウム粉、鉄粉、銅粉、ガラス繊維、炭素繊維、アル
ミナ繊維、アスベスト繊維、アラミド繊維等の1種また
は2種以上が用いられ、成形、積層、接着剤、複合材料
等の用途に供せられる。
〈実施例〉 以下、合成例及び実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
合成例1 撹拌装置、温度計、冷却コンデンサーの付いた500ml4
つ口フラスコに、無水マレイン酸110.3g(1.125モ
ル)、N−N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミ
ン3.90g、トルエン100g及びメチルイソブチルケトン50g
を仕込む。続いて、温度を120℃まで上げ、同温度を保
持しながら、8時間かけてα−メチルスチレン59.1g
(0.5モル)を滴下し、滴下終了後さらに2時間同温度
で保温した。反応後トルエン50gとメチルイソブチルケ
トン25gを添加して冷却すると結晶が析出した。この結
晶を別し、トルエンで数回洗浄した後、乾燥を行う
と、白色に近い粉末結晶が55.7g得られた。
このものは、GPCによるB1の純度は97.2%であり、GC
によるB1の異性体の組成比はY成分/Z成分0.45/0.55で
あり、融点は206〜208℃であった。
合成例2 撹拌装置、温度計、冷却コンデンサーの付いた500ml4
つ口フラスコに、無水マレイン酸98.1g(1モル)、N
−N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン3.90gキ
シレン150gを仕込む。続いて、温度を145℃まで上げ、
同温度を保持しながら、8時間かけてα−メチルスチレ
ン59.1g(0.5モル)を滴下し、滴下終了後さらに2時間
同温度で保温した。反応後メチルイソブチルケトン75g
を添加して冷却すると結晶が析出した。この結晶を別
し、トルエンで数回洗浄した後、乾燥を行うと、白色に
近い粉末結晶が50.4g得られた。
このものは、GPCによるB1の純度は96.1%であり、GC
によるB1の異性体の組成比は、Y成分/Z成分0.17/0.83
であり、融点は208〜210℃であった。
合成例3 撹拌装置、温度計、冷却コンデンサーの付いた500ml4
つ口フラスコに、無水マレイン酸98.1g(1モル)、N
−フェニル−N′−イソプロピル−1,4−フェニレンジ
アミン4.51g、トルエン120g及びメチルイソブチルケト
ン30gを仕込む。続いて、温度を120℃まで上げ、同温度
を保持しながら、2時間かけてα−メチルスチレン59.1
g(0.5モル)を滴下し、滴下終了後さらに8時間同温度
で保持した。反応後トルエン60gとメチルイソブチルケ
トン15gを添加して冷却すると結晶が析出した。この結
晶を別し、トルエンで数回洗浄した後、乾燥を行う
と、白色に近い粉末結晶が67.2g得られた。
このものは、GPCによるB1の純度は97.8%であり、GC
によるB1の異性体の組成比は、Y成分/Z成分0.66/0.34
であり、融点は181〜183℃であった。
この合成例で得られたB1について、LC(液体クロマト
グラフ)、EI−MS(マススペクトル)、1H−NMRおよびI
R(赤外分光スペクトル)により分析し、構造解析を行
った結果を以下に示す。
(分析条件) ・LC及びLC分取 装置:Varian LC5000 カラム:LiChrosorb RP−18、4mmφ×25cm(10μ) 移動相:(A液)水/(B液)アセトニトリル=60/40 流量:1.0ml/分 カラム温度:40℃ 検出器:UV254nm 試料調整:0.5g/50mlアセトニトリル、5μl注入 ・EI−MS 装置:日本電子JMS−01SG−2型 データ処理装置:日本電子JMA−2000型 イオン化電圧:75eV ・1H−NMR 装置:日本電子GX−270 観測周波数:270MHz ・IR 装置:A−3型(日本分光) 試料調整法:KBr法 (分析結果) ・LC及びLC分取品のIR分析による結果 B1試料のLCクロマトグラムを図1示す。これからB1
料はピークAおよびBの2成分(各A成分およびB成分
という)の混合物であることがわかる。
また、B1試料とそのLC分取品2つのIRスペクトルを図
2(1)〜(3)に示す。図2(2)のA成分の分取品
のスペクトルには、1780cm-1及び1850cm-1の酸無水物の
吸収のほかに、1730cm-1(カルボン酸)の吸収が存在す
る。図2(3)のB成分の分取品のスペクトルには、17
80cm-1及び1850cm-1の酸無水物の吸収がなく、1730cm-1
(カルボン酸)の強い吸収が存在する。これらはそれぞ
れ分取中に成分の一部またはほとんど全部が加水分解さ
れたことによるものと考えられる。
・EI−MS分析による結果 B1試料とそのLC分取品2つのEI−MSスペクトルを図3
(1)〜(3)に示す。いずれにも、α−メチルスチレ
ンと無水マレイン酸縮合物(モル比1:2)の分子量に相
当するm/z=314の親ピークが存在する。このことから三
者は同じ分子量を有することがわかる。
1H−NMR分析による結果 B1試料とLCによるA成分の分取品の1H−NMRスペクト
ルを図4〜5に、また別途合成した構造既知の試料(本
明細書に記載のY成分の構造を有すると考えられる)の
同スペクトルを図6に示す。
図5(A成の分取品)のスペクトルにおいて、7〜8p
pmに芳香環の吸収がなく、6ppm付近に二重結合の吸収が
存在するほか、同図中に記載したようなプロトンに帰属
される吸収が存在する。このことから、A成分は、本明
細書に記載のZ成分の構造を有すると推定される。
LCによるB成分の分取品は、加水分解しているためこ
のスペクトルによる直接の解析はできなかった。しか
し、次のようなことからB成分(加水分解を受けていな
いもの)の構造を推定することができた。すなわち、B1
試料の1H−NMRスペクトル(図4)からA成分の分取品
のスペクトル(図5)を除くと、上記構造既知の試料の
スペクトル(図6)に一致する。図6のスペクトルにお
いて、7〜8ppmに芳香環の吸収が存在するほか、同図中
に記載したようなプロトンに帰属される吸収が存在す
る。このことから、B成分は、本明細書に記載のY成分
の構造を有すると推定される。
以上の分析結果から、この合成例で得られたB1は、本
明細書に記載のY成分及びZ成分の構造を有する2種の
異性体の混合物であることが推定される。
実施例1 撹拌装置、温度計、冷却分液装置のついたフラスコに
2,4−トルエンジアミン26.2g(0.215モル)及びm−ク
レゾール117gを仕込み、70℃に昇温して、2,4−トルエ
ンジアミンを溶解した後、合成例1で得られた原料45.0
g(0.143モル)を仕込んでポリアミド酸を形成させる。
その後トルエン25.2gを仕込み、150℃まで昇温した後同
温で10時間脱水反応を続けた。
反応後、得られた樹脂液を750gのイソプロパノール沈
澱し、2回洗浄後、減圧乾燥してイミド化合物を得た。
このもののアミン当量は498g/eq、融点は約260℃であっ
た。
実施例2 撹拌装置、温度計、冷却分液装置のついたフラスコに
合成例1で得られた原料44.8g(0.143モル)、m−クレ
ゾール161g、2,4−トルエンジアミン8.68g(0.0714モ
ル)を仕込み、70℃で1時間反応を行い、さらにm−ア
ミノフェノール15.5g(0.143モル)を仕込み、同温で1
時間反応を行う。その後キシレン32.2gを仕込み、170℃
6時間脱水反応を続けた。
反応後、得られた樹脂液を550gのイソプロパノールに
沈澱し、2回洗浄後、減圧乾燥してイミド化合物を得
た。このものの水酸基当量は473g/eq、融点は約270℃で
あった。
実施例3 実施例1において、2,4−トルエンジアミン26.2g(0.
215モル)を4,4′−ジアミノジフェニルメタン19.3g
(0.0971モル)に、及び合成例1で得られた原料45.0g
(0.143モル)を、合成例2で得られた原料26.7g(0.08
5モル)にかえて、他の条件は実施例1と同様にして、
イミド化合物を得た。このもののアミン当量は1690g/e
q、融点は300℃以上であった。
実施例4 実施例2において、合成例1で得られた原料44.8g
(0.143モル)を合成例2で得られた原料32.0g(0.102
モル)に、2,4−トルエンジアミン8.68g(0.0714モル)
を4,4′−ジアミノジフェニルメタン12.9g(0.0639モ
ル)に、及びm−アミノフェノールを8.30g(0.0761モ
ル)にかえて、他の条件は実施例2と同様にして、イミ
ド化合物を得た。このものの水酸基当量は702g/eq、融
点は270℃であった。
実施例5 実施例1において、合成例1で得られた原料を合成例
3で得られた原料に加えて、他の条件は実施例1と同様
にして、イミド化合物を得た。このもののアミン当量は
506g/eq融点は260℃であった。
実施例6 実施例2において、合成例1で得られた原料を合成例
3で得られた原料にかえて、他の条件は実施例2と同様
にして、イミド化合物を得た。このものの水酸基当量は
478g/eq融点は260℃であった。
実施例7 実施例1において、2,4−トルエンジアミン26.2g(0.
215モル)を11.9g(0.0971モル)に及び合成例1で得ら
れた原料45.0g(0.143モル)を、合成例3で得られた原
料26.7g(0.035モル)にかえて、他の条件は実施例1と
同様にして、イミド化合物を得た。このもののアミン当
量は1480g/eq、融点は300℃以上であった。
実施例1〜7で得られたイミド化合物はアセトン、ME
K、塩化メチレン、メチルセロソルブ等への溶媒に可溶
であり、またエポキシ樹脂との相溶性も良好であった。
【図面の簡単な説明】
図1は、合成例3で得られたB1試料のLCクロマトグラム
図である。 図2は、B1試料とそのLC分取品2つのIRスペクトル図で
ある。 図3は、B1試料とそのLC分取品2つのEI−MSスペクトル
図である。 図4〜5は、B1試料とLCによるA成分の分取品の1H−NM
Rスペクトル図である。 図6は、構造既知の試料(本明細書に記載のY成分の構
造を有すると考えられる)の1H−NMRスペクトル図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 柴田 充弘 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 勝也 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 塩見 浩 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−155428(JP,A) 特公 平6−8295(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
    基、R2は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルコ
    キシ基または水酸基を表わす。)で示される化合物、ま
    たはこの化合物と一般式(2) (式中、R1およびR2は一般式(1)の場合と同じ意味を
    示す。)で示される化合物との混合物を、過剰の一般式
    (3)または一般式(4) X−Ar1−X −(3) H2N−Ar2−NH2 −(4) (式中、Xは、−NH2および−OHから選ばれる基であ
    り、二つのXのうち少なくとも一つは−NH2である。Ar1
    およびAr2は、それぞれ独立にベンゼン核またはナフタ
    レン核を1個または2個以上含む二価の芳香族残基を示
    す。)で示される芳香族アミン化合物と、イミド化反応
    させることを特徴とする末端官能型イミド化合物の製造
    法。
  2. 【請求項2】一般式(1)および一般式(2)における
    R1が炭素数1〜3のアルキル基である特許請求の範囲第
    1項の末端官能型イミド化合物の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(1)および一般式(2)における
    R2が水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である特許
    請求の範囲第1項の末端官能型イミド化合物の製造法。
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