JP2524529Y2 - パチンコ機の変動入賞受口器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、一対の開閉翼片がソレ
ノイドの駆動力により開閉されるパチンコ機の変動入賞
受口器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一対の開閉翼片を有する変動入賞
受口器において、該変動入賞受口器の取付基板後方にソ
レノイドを設け、該ソレノイドのＯＮ・ＯＦＦにより開
閉翼片を開閉するものが多数提供されていた。この種の
変動入賞受口器の多くは、変動入賞受口器本体を遊技盤
の前面から取り付け、ソレノイドを遊技盤の後方から取
り付けて組合せる構造となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このため、遊技盤への
取付作業に時間がかかり、時として遊技盤の裏面に取着
される入賞玉集合カバー等にソレノイドの取付に邪魔と
ならないように加工を施す必要があり、いずれにして
も、遊技盤への取付が面倒であるという問題があった。
本考案は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その
目的とするところは、遊技盤への取付が極めて簡単なパ
チンコ機の変動入賞受口器を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本考案においては、一対の開閉翼片がソレノイ
ドの駆動力により開閉されるパチンコ機の変動入賞受口
器において、前記開閉翼片を、遊技盤の表面に取り付け
る取付基板の前面で回動自在に軸支すると共に、該開閉
翼片の後面中程から前記取付基板に形成された円弧状の
貫通穴を貫通する作動突起を突設し、一方、前記取付基
板の後面には、その上部中央にプランジャが後方位置と
なるように前記ソレノイドを水平方向に装着すると共
に、該ソレノイドの両側部に、その先端が前記作動突起
と係合し且つその後端が前記プランジャと係合するほぼ
Ｌ字状の作動片を回動自在に軸支し、更に前記ソレノイ
ドの下方に前記開閉翼片によって受け入れた入賞玉を後
方に導く誘導樋を形成し、前記ソレノイドと前記作動片
と前記誘導樋とが前記取付基板の面積範囲内に納められ
且つそれらが遊技盤の裏面に取着される入賞玉集合カバ
ーまでの奥行範囲内に納められるように構成したことを
特徴とするものである。

【０００５】

【作用】ソレノイドのＯＮ・ＯＦＦによってプランジャ
が前後方向に移動し、その移動が作動片を介して開閉翼
片を開閉動作させる。また、開閉翼片の開放中に受け入
れられた入賞玉は、ソレノイド下部の誘導樋を通って遊
技盤の裏面に導かれる。このような作用を奏する変動入
賞受口器においては、取付基板の裏面に設けられるソレ
ノイド、作動片、及び誘導樋が取付基板の面積範囲内で
且つ遊技盤の裏面に取着される入賞玉集合カバーまでの
奥行範囲内に納められるように構成されているので、ソ
レノイドを本体と別に取付たり、あるいは入賞玉集合カ
バーに特別の加工を施すことなく、遊技盤に形成された
役物取付開口の前方から単に変動入賞受口器を挿入して
ビス等で止着するだけで遊技盤に取り付けることがで
き、その取付作業が極めて簡単である。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照して、本考案の実施例につ
いて説明する。まず、実施例に係る変動入賞受口器１０
が取り付けられる遊技盤１の構成について図１及び図７
を参照して説明する。図１は、変動入賞受口器１０を遊
技盤１に取り付けた状態での遊技盤１の断面図（ただ
し、変動入賞受口器１０については側面図）であり、図
７は、背面から見た遊技盤１の斜視図である。図におい
て、ほぼ正方形状の遊技盤１の裏面には、遊技盤１の表
面に形成される遊技領域に対応するように入賞玉集合カ
バー２が着脱自在に取り付けられている。そして、遊技
盤１の裏面と入賞玉集合カバー２との間には、図１に示
すように、入賞玉落下空間３が形成され、遊技盤１に設
けられる入賞口や入賞装置に入賞した入賞玉を下方に導
くようになっている。

【０００７】また、入賞玉集合カバー２の上方の遊技盤
１の裏面には、多数のコネクタが設けられる中継端子板
４が止着されており、遊技盤１に設けられる電気的部品
と制御回路とを接続する配線を中継するようになってい
る。また、実施例に係る変動入賞受口器１０を取り付け
るために遊技盤１には、役物取付穴５が開設されてい
る。この役物取付穴５は、変動入賞受口器１０の後述す
る取付基板１１よりも僅かに小さい面積となるように開
設されるものである。

【０００８】次に、図１乃至図６を参照して、本実施例
に係る変動入賞受口器１０の構成について説明する。図
１は、上述した通り、変動入賞受口器１０を遊技盤１に
取り付けた状態での遊技盤１の断面図であり、図２は、
変動入賞受口器１０の分解斜視図であり、図３は、変動
入賞受口器１０の正面図であり、図４は、変動入賞受口
器１０の背面図であり、図５及び図６は、変動入賞受口
器の平面図である。なお、以下の変動入賞受口器１０の
構成の説明については、主として図２を参照しながら説
明し、他の図は、必要に応じてその都度明示して説明す
る。

【０００９】図において、変動入賞受口器１０は、前記
遊技盤１の表面に取り付けられる取付基板１１に集約し
て構成される。即ち、取付基板１１の前面には、開閉自
在に軸支される開閉翼片２４ａ，２４ｂが設けられ、取
付基板１１の後面には、開閉翼片２４ａ，２４ｂを開閉
駆動するソレノイド３０が装着される。そこで、まず、
取付基板１１の構成について詳述すると、取付基板１１
の下部中央には、入賞開口１２が開設されている。この
入賞開口１２は、前記開閉翼片２４ａ，２４ｂで受け入
れた入賞玉を後方へ導くための開口であり、その前方を
後述する受枠２０によって覆われ、また、後方に後述す
る誘導樋１５が延設されている。

【００１０】また、入賞開口１２の上方左右に、円弧状
の貫通穴１３ａ，１３ｂが形成され、該貫通穴１３ａ，
１３ｂに開閉翼片２４ａ，２４ｂに突設される後述する
作動突起２６ａ，２６ｂが貫通するようになっている。
更に、入賞開口１２の下部両側方前方に、受枠２０を止
着するための受枠取付ボス１４ａ，１４ｂが突設されて
いる。

【００１１】一方、取付基板１１の裏面においては、前
記入賞開口１２の両側縁及び下縁に沿って後方に延びる
誘導樋１５が延設されている。この誘導樋１５は、入賞
開口１２を通過した入賞玉を後方に導くものであり、そ
の後端下方に後述する検出スイッチ５０の玉通過穴５１
が臨むようになっている。また、誘導樋１５の上端に
は、ソレノイド３０を装着するための装着溝１６ａ，１
６ｂが形成されている。この装着溝１６ａ，１６ｂに
は、ソレノイド３０の下部に固着される装着板３４が後
方から挿入されるようになっており、このように装着さ
れたときにソレノイド３０がほぼ水平方向に配置された
状態となる。また、取付基板１１の裏面には、後述する
作動片４２ａ，４２ｂ及び検出スイッチ５０が取り付け
られる後方枠４０を止着するための後方枠取付ボス１７
ａ〜１７ｄ（１７ｃは、図示しない）が突設されてい
る。

【００１２】取付基板１１には、上記した構成以外に、
変動入賞受口器１０をビスで遊技盤１の表面に取り付け
るための取付穴１８ａ〜１８ｄが四隅に形成され、ま
た、必要に応じて取付基板１１の後面に配置される装飾
ランプ（図示しない）が臨むランプ穴１９ａ〜１９ｄが
中央部左右両側に形成されている。

【００１３】次に、取付基板１１の前方の構成について
説明すると、前記受枠取付ボス１４ａ，１４ｂには、開
閉翼片２４ａ，２４ｂに受け入れられた入賞玉を前記入
賞開口１２に導く受枠２０が止着される。具体的には、
受枠２０の前面左右に形成されたビス穴２１ａ，２１ｂ
を受枠取付ボス１４ａ，１４ｂに対応させて前方からビ
ス２２ａ，２２ｂを螺着することにより、受枠２０を取
付基板１１に止着している。

【００１４】ところで、受枠２０の上部左右には、一対
の回動軸２３ａ，２３ｂが後方に向かって突設され、該
回動軸２３ａ，２３ｂに開閉翼片２４ａ，２４ｂの下部
内側に穿設された支持穴２５ａ，２５ｂが挿入されるこ
とにより、開閉翼片２４ａ，２４ｂが回動軸２３ａ，２
３ｂを中心にして回動自在に軸支されている。また、本
実施例における開閉翼片２４ａ，２４ｂは、自重により
常に開放する方向に付勢されるようになっている。更
に、開閉翼片２４ａ，２４ｂの中程後面から後方に向か
って作動突起２６ａ，２６ｂが突設され、該作動突起２
６ａ，２６ｂが前記貫通穴１３ａ，１３ｂを貫通して取
付基板１１の裏面に突出している。そして、後述するよ
うに、この作動突起２６ａ，２６ｂと作動片４２ａ，４
２ｂとの係合により開閉翼片２４ａ，２４ｂが開閉動作
せしめられるようになっている。

【００１５】次に、取付基板１１の後方の構成について
説明する。前記誘導樋１５の装着溝１６ａ，１６ｂに装
着されるソレノイド３０においては、前記したように、
その下部に固着される装着板３４が装着溝１６ａ，１６
ｂに挿入されときに、ソレノイド３０のプランジャ３１
が後方位置となるようにほぼ水平方向に配置される。プ
ランジャ３１の先端には、所定の間隙を有する２枚の係
合板３２が固着され、該係合板３２の間隙に作動片４２
ａ，４２ｂの後述する係合部４４ａ，４４ｂが係合する
ようになっている。また、プランジャ３１には、外方向
に付勢するスプリング３３が周設されている。更に、上
記のようにしてソレノイド３０が装着されたときには、
ソレノイド３０の下部と前記誘導樋１５との間に、通路
が形成され、この通路が開閉翼片２４ａ，２４ｂに受け
入れられた入賞玉が流下する入賞玉通路となる。なお、
ソレノイド３０の上部からは配線が導出されているが、
その配線は、図示省略してある。

【００１６】また、取付基板１１の後方には、前記後方
枠取付ボス１７ａ〜１７ｄに後方枠４０が止着される。
具体的には、後方枠４０の前端面ほぼ四隅に形成された
取付嵌合穴４７ａ〜４７ｄに後方枠取付ボス１７ａ〜１
７ｄの先端を差し込み、その状態で後方からビス４８ａ
〜４８ｄ（図４参照）を螺着することにより、後方枠４
０を取付基板１１に止着する。

【００１７】ところで、後方枠４０の上部中央には、ソ
レノイド３０の前記係合板３２が当接するプランジャ当
接部４１が形成されている。また、後方枠４０の上部左
右が外側に膨出するように形成されているが、その膨出
部に作動片４２ａ，４２ｂが回動自在に軸支されてい
る。具体的には、作動片４２ａ，４２ｂは、全体として
ほぼＬ字状に形成され、その屈曲部を回動軸４５ａ，４
５ｂによって回動自在に軸支されている。回動軸４５
ａ，４５ｂは、図４に示すように、傾斜状に後方枠４０
に軸支されている。そして、回動軸４５ａ，４５ｂから
前方に延設される作動片４２ａ，４２ｂの長辺先端は、
開閉翼片２４ａ，２４ｂの前記作動突起２６ａ，２６ｂ
の外側と常に当接する作動部４３ａ，４３ｂとなってお
り、一方、回動軸４５ａ，４５ｂから斜め内側に延設さ
れる作動片４２ａ，４２ｂの短辺後端は、ソレノイド３
０の前記係合板３２に係合する係合部４４ａ，４４ｂと
なっている。

【００１８】また、後方枠４０の下部には、前方から検
出スイッチ５０を装着するためのスイッチ装着部４６が
形成されている。このスイッチ装着部４６に装着される
検出スイッチ５０は、近接型スイッチであり入賞玉が通
過する玉通過穴５１が形成され、該玉通過穴５１部分が
スイッチ装着部４６に挿入される。したがって、検出ス
イッチ５０の配線５２は、後方枠４０を取付基板１１に
止着したときには、取付基板１１に当接する部分から横
方向に引き出されるようになっている。なお、ソレノイ
ド３０の係合板３２と作動片４２ａ，４２ｂの係合部４
４ａ，４４ｂとを係合させた状態、及び検出スイッチ５
０をスイッチ装着部４６に装着した状態で後方枠４０を
用意し、その状態でソレノイド３０の装着板３４を装着
溝１６ａ，１６ｂに装着し、その後、取付嵌合穴４７ａ
〜４７ｄを後方枠取付ボス１７ａ〜１７ｄに差し込み、
ビス４８ａ〜４８ｄで螺着し、それによってソレノイド
３０と作動片４２ａ，４２ｂと検出スイッチ５０とを含
む後方枠４０全体を取付基板１１に装着する。

【００１９】上記したように、取付基板１１に、その前
面構成部材である開閉翼片２４ａ，２４ｂを装着し且つ
その後面構成部材であるソレノイド３０と作動片４２
ａ，４２ｂと検出スイッチ５０とを含む後方枠４０を装
着した変動入賞受口器１０においては、図４に示すよう
に、後方構成部材の形成される面積範囲が取付基板１１
の面積範囲よりも小さく形成され、且つ、図１に示すよ
うに、後方構成部材の奥行範囲が遊技盤１の裏面に取着
される入賞玉集合カバー２までの奥行範囲内に納められ
るように構成されているので、ソレノイド３０を変動入
賞受口器１０本体と別に取付たり、あるいは入賞玉集合
カバー２に特別の加工を施すことなく、遊技盤１に形成
された役物取付開口５の前方から単に変動入賞受口器１
０を挿入してビス等で止着するだけで遊技盤１に取り付
けることができ、その取付作業が極めて簡単である。

【００２０】以上のように構成される変動入賞受口器１
０の作用について説明する。まず、ソレノイド３０がＯ
ＦＦとなっているときは、プランジャ３１に固着される
係合板３２がスプリング３３の付勢力によりプランジャ
当接部４１に当接した状態となっている。この状態にお
いては、図５に示すように、作動片４２ａ，４２ｂの係
合部４４ａ，４４ｂも外側に位置しているので、作動部
４３ａ，４３ｂが取付基板１１の中心方向に寄った状態
となっている。このため、作動部４３ａ，４３ｂと当接
している作動突起２６ａ，２６ｂも内側に押圧されるの
で、開閉翼片２４ａ，２４ｂが閉じた状態となってい
る。

【００２１】一方、ソレノイド３０がＯＮとなっている
ときには、プランジャ３１がスプリング３３の付勢力に
抗して吸引される。この状態においては、図６に示すよ
うに、作動片４２ａ，４２ｂの係合部４４ａ，４４ｂも
内側に移動するので、作動部４３ａ，４３ｂが取付基板
１１の外側方向に開放した状態となっている。このた
め、作動部４３ａ，４３ｂによる支えがなくなるため、
開閉翼片２４ａ，２４ｂが自重により外側に開放した状
態となる。また、ソレノイド３０がＯＮからＯＦＦに変
化すると、作動片４２ａ，４２ｂの係合部４４ａ，４４
ｂがプランジャ３１の外側の移動に従って、再度外側に
位置するので、作動突起２６ａ，２６ｂが作動部４３
ａ，４３ｂによって押圧されて開閉翼片２４ａ，２４ｂ
が閉じる状態に移行する。

【００２２】以上、実施例に係る変動入賞受口器１０に
ついて説明してきたが、上記実施例では、開閉翼片２４
ａ，２４ｂに取付基板１１を貫通する作動突起２６ａ，
２６ｂを設けたものを示したが、取付基板１１を貫通す
る作動突起を作動片４２ａ，４２ｂの先端を延長するこ
とにより形成し、その延長した先端を開閉翼片の中程に
形成される係合凹部に係合させる構造であっても良い。
また、上記実施例では、後方構成部材として検出スイッ
チ５０を含むものを示したが、検出スイッチ５０のない
ものでも良い。

【００２３】

【考案の効果】以上、説明したところから明らかなよう
に、本考案においては、取付基板の裏面に設けられるソ
レノイド、作動片、及び誘導樋が取付基板の面積範囲内
で且つ遊技盤の裏面に取着される入賞玉集合カバーまで
の奥行範囲内に納められるように構成されているので、
ソレノイドを本体と別に取付たり、あるいは入賞玉集合
カバーに特別の加工を施すことなく、遊技盤に形成され
た役物取付開口の前方から単に変動入賞受口器を挿入し
てビス等で止着するだけで遊技盤に取り付けることがで
き、その取付作業が極めて簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る変動入賞受口器を遊技盤に取り付
けた状態での遊技盤の断面図である。

【図２】変動入賞受口器の分解斜視図である。

【図３】変動入賞受口器の正面図である。

【図４】変動入賞受口器の背面図である。

【図５】変動入賞受口器の平面図である。

【図６】変動入賞受口器の平面図である。

【図７】変動入賞受口器が取り付けられる遊技盤の背面
図である。

【符号の説明】

１ 遊技盤 ２ 入賞玉集合カバー ５ 役物取付開口 １０ 変動入賞受口器 １１ 取付基板 １３ａ，１３ｂ 貫通穴 １５ 誘導樋 １６ａ，１６ｂ 装着溝 ２３ａ，２３ｂ 回動軸 ２４ａ，２４ｂ 開閉翼片 ２６ａ，２６ｂ 作動突起 ３０ ソレノイド ３１ プランジャ ３２ 係合板 ３４ 装着板 ４２ａ，４２ｂ 作動片 ４３ａ，４３ｂ 作動部 ４４ａ，４４ｂ 係合部 ４５ａ，４５ｂ 回動軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の開閉翼片がソレノイドの駆動力に
   より開閉されるパチンコ機の変動入賞受口器において、 前記開閉翼片を、遊技盤の表面に取り付ける取付基板の
   前面で回動自在に軸支すると共に、該開閉翼片の後面中
   程から前記取付基板に形成された円弧状の貫通穴を貫通
   する作動突起を突設し、 一方、前記取付基板の後面には、その上部中央にプラン
   ジャが後方位置となるように前記ソレノイドを水平方向
   に装着すると共に、該ソレノイドの両側部に、その先端
   が前記作動突起と係合し且つその後端が前記プランジャ
   と係合するほぼＬ字状の作動片を回動自在に軸支し、更
   に前記ソレノイドの下方に前記開閉翼片によって受け入
   れた入賞玉を後方に導く誘導樋を形成し、 前記ソレノイドと前記作動片と前記誘導樋とが前記取付
   基板の面積範囲内に納められ且つそれらが遊技盤の裏面
   に取着される入賞玉集合カバーまでの奥行範囲内に納め
   られるように構成したことを特徴とするパチンコ機の変
   動入賞受口器。