JP2524510B2 - 混合溶剤によるシクロヘキセンの分離方法 - Google Patents
混合溶剤によるシクロヘキセンの分離方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シクロヘキセンの分離方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、シクロヘキサン、シクロヘキサ
ジエンまたはベンゼンの少なくとも1種とシクロヘキセ
ンからなる混合物から、蒸留によってシクロヘキセンに
富む成分を分離取得するにあたり、アジポニトリルまた
はスルホランの1種とN,N−ジメチルアセトアミドとの
混合溶剤の存在下で抽出蒸留することを特徴とするシク
ロヘキセンの分離方法に関するものである。
ある。さらに詳しくは、シクロヘキサン、シクロヘキサ
ジエンまたはベンゼンの少なくとも1種とシクロヘキセ
ンからなる混合物から、蒸留によってシクロヘキセンに
富む成分を分離取得するにあたり、アジポニトリルまた
はスルホランの1種とN,N−ジメチルアセトアミドとの
混合溶剤の存在下で抽出蒸留することを特徴とするシク
ロヘキセンの分離方法に関するものである。
シクロヘキセンはシクロヘキサノール、シクロヘキサ
ノン、アジピン酸、リジン等の化合物の中間原料となる
有用な化合物である。
ノン、アジピン酸、リジン等の化合物の中間原料となる
有用な化合物である。
(従来の技術) シクロヘキセンを取得する方法としては、ベンゼンも
しくはシクロヘキサジエンの部分水素添加反応、あるい
はシクロヘキサンの脱水素反応、ベンゼンの電解還元反
応が掲げられる。
しくはシクロヘキサジエンの部分水素添加反応、あるい
はシクロヘキサンの脱水素反応、ベンゼンの電解還元反
応が掲げられる。
例えば、ベンゼンの部分水反応によるものとしては、
特開昭59−186932号公報、特公昭60−21126号公報、特
公昭56−22850号公報等に、ベンゼンの部分水添反応に
よつてシクロヘキセンが得られ、副生成物としてシクロ
ヘキサンが生成することが示されている。
特開昭59−186932号公報、特公昭60−21126号公報、特
公昭56−22850号公報等に、ベンゼンの部分水添反応に
よつてシクロヘキセンが得られ、副生成物としてシクロ
ヘキサンが生成することが示されている。
シクロヘキサンの脱水素反応としては、特公昭50−16
322号公報に、シクロヘキサンの脱水素反応によりシク
ロヘキセンが得られ、副生成物としてベンゼンを生成す
ることが示されている。
322号公報に、シクロヘキサンの脱水素反応によりシク
ロヘキセンが得られ、副生成物としてベンゼンを生成す
ることが示されている。
その他、特公昭49−41192号公報によれば、ベンゼン
の電解還元法によりシクロヘキセンが得られ、その副生
成物としてシクロヘキサジエンが生成することが示され
ている。
の電解還元法によりシクロヘキセンが得られ、その副生
成物としてシクロヘキサジエンが生成することが示され
ている。
上記より明らかに、これらの反応で生成するシクロヘ
キセンは、未反応の原料であるシクロヘキサン、シクロ
ヘキサジエンまたはベンゼンと、副生成物であるシクロ
ヘキサン、シクロヘキサジエンまたはベンゼンとの単環
炭化水素の混合物として得られる。
キセンは、未反応の原料であるシクロヘキサン、シクロ
ヘキサジエンまたはベンゼンと、副生成物であるシクロ
ヘキサン、シクロヘキサジエンまたはベンゼンとの単環
炭化水素の混合物として得られる。
したがつて、得られたシクロヘキセンと副生成物をそ
れぞれの他の目的に使用する場合、あるいは未反応の原
料を再び反応系内に戻す場合、効率よく分離回収する方
法が必要となる。しかし、これらの混合物は、最も簡便
な方法である蒸留法により分離しようとする場合、それ
ぞれの沸点が非常に近接しているため、実質的に困難な
系であることが知られている。すなわち、ベンゼン、1,
3−シクロヘキサジエン,1,4−シクロヘキサジエン、シ
クロヘキセン、シクロヘキサンの沸点は、760mmHgで、8
0.1℃、80.5℃、86〜87℃、83.0℃、80.7℃であり、し
かも、ベンゼンとシクロヘキセン、ベンゼンとシクロヘ
キサンは共沸混合物を形成する。
れぞれの他の目的に使用する場合、あるいは未反応の原
料を再び反応系内に戻す場合、効率よく分離回収する方
法が必要となる。しかし、これらの混合物は、最も簡便
な方法である蒸留法により分離しようとする場合、それ
ぞれの沸点が非常に近接しているため、実質的に困難な
系であることが知られている。すなわち、ベンゼン、1,
3−シクロヘキサジエン,1,4−シクロヘキサジエン、シ
クロヘキセン、シクロヘキサンの沸点は、760mmHgで、8
0.1℃、80.5℃、86〜87℃、83.0℃、80.7℃であり、し
かも、ベンゼンとシクロヘキセン、ベンゼンとシクロヘ
キサンは共沸混合物を形成する。
これらの混合物の分離手法としては、抽出蒸留法を用
いることが一般的である。その中でも特に、特開昭58−
164525号公報、特開昭58−172323号公報に掲げられてい
るスルホラン等のスルホラン化合物あるいはアジポニト
リル等の脂肪族ジニトリル化合物を用いた抽出蒸留は有
用である。
いることが一般的である。その中でも特に、特開昭58−
164525号公報、特開昭58−172323号公報に掲げられてい
るスルホラン等のスルホラン化合物あるいはアジポニト
リル等の脂肪族ジニトリル化合物を用いた抽出蒸留は有
用である。
上記の溶剤は、いずれも高い比揮発度を有し、従来の
この種の炭化水素混合物の分離に用いられてきた溶剤に
較べ、抽出蒸留における所要段数を大幅に削減するもの
である。しかし、沸点がアジポニトリルで295℃、スル
ホランで287℃と非常に高く、溶剤回収時に消費される
エネルギーが膨大なものとなるという欠点を有してい
た。
この種の炭化水素混合物の分離に用いられてきた溶剤に
較べ、抽出蒸留における所要段数を大幅に削減するもの
である。しかし、沸点がアジポニトリルで295℃、スル
ホランで287℃と非常に高く、溶剤回収時に消費される
エネルギーが膨大なものとなるという欠点を有してい
た。
(発明が解決しようとする問題点) 工業的に抽出蒸留法で単環炭化水素混合物を分離する
場合、従来、アジポニトリルあるいはスルホランを用い
た場合、高い比揮発度を有する反面、溶剤中の沸点が非
常に高いために、抽出蒸留および溶剤回収時に消費され
るエネルギーは膨大なものとなつていた。
場合、従来、アジポニトリルあるいはスルホランを用い
た場合、高い比揮発度を有する反面、溶剤中の沸点が非
常に高いために、抽出蒸留および溶剤回収時に消費され
るエネルギーは膨大なものとなつていた。
本発明は、この従来法な欠点を克服し、アジポニトリ
ルまたはスルホランの高い比揮発度特性を失うことなく
溶剤の沸点を低下せしめ、抽出蒸留および溶剤回収時に
消費されるエネルギーの軽減をはかることにある。
ルまたはスルホランの高い比揮発度特性を失うことなく
溶剤の沸点を低下せしめ、抽出蒸留および溶剤回収時に
消費されるエネルギーの軽減をはかることにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、シクロヘキセンの分離にあたつて、混
合溶剤を用いた抽出蒸留法について鋭意検討した結果、
アジポニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドはまたは
スルホランとN,N−ジメチルアセトアミドの混合物が、
それぞれアジポニトリルまたはスルホランの高い分離性
能に近く、かつ、混合溶剤の沸点を低下せしめることを
見出し、本発明に至つたものである。
合溶剤を用いた抽出蒸留法について鋭意検討した結果、
アジポニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドはまたは
スルホランとN,N−ジメチルアセトアミドの混合物が、
それぞれアジポニトリルまたはスルホランの高い分離性
能に近く、かつ、混合溶剤の沸点を低下せしめることを
見出し、本発明に至つたものである。
すなわち、本発明は、シクロヘキサン、シクロヘキサ
ジエン、ベンゼンの少なくとも1種とシクロヘキセンか
らなる混合物から蒸留によってシクロヘキセンに富む成
分を分離取得するにあたり、アジポニトリル及びスルホ
ランから選ばれる1種とN,N−ジメチルアセトアミドの
混合溶剤の存在下の抽出蒸留を行い、且つ、混合溶剤中
のN,N−ジメチルアセトアミドの割合が以下の範囲であ
ることを特徴とするシクロヘキセンの分離方法。
ジエン、ベンゼンの少なくとも1種とシクロヘキセンか
らなる混合物から蒸留によってシクロヘキセンに富む成
分を分離取得するにあたり、アジポニトリル及びスルホ
ランから選ばれる1種とN,N−ジメチルアセトアミドの
混合溶剤の存在下の抽出蒸留を行い、且つ、混合溶剤中
のN,N−ジメチルアセトアミドの割合が以下の範囲であ
ることを特徴とするシクロヘキセンの分離方法。
1)アジポニトリルとの混合溶剤中のN,N−ジメチルア
セトアミドの割合が10〜40モル%。
セトアミドの割合が10〜40モル%。
2)スルホランとの混合溶剤中のN,N−ジメチルアセト
アミドの割合が10〜30モル%。
アミドの割合が10〜30モル%。
本発明に用いられるシクロヘキサン、シクロヘキサジ
エンまたはベンゼンの少なくとも1種とシクロヘキセン
からなる混合物は、部分水素添加反応、電解還元反応、
部分脱水素反応等で生成するが、本発明を適用するにあ
たつて、これら炭化水素混合物の製造方法は、なんら限
定されるものではない。
エンまたはベンゼンの少なくとも1種とシクロヘキセン
からなる混合物は、部分水素添加反応、電解還元反応、
部分脱水素反応等で生成するが、本発明を適用するにあ
たつて、これら炭化水素混合物の製造方法は、なんら限
定されるものではない。
上記各種の方法によつて得られた炭化水素混合物は、
反応器より取り出したまま本発明の方法を適用してもよ
い。また、場合によつては蒸留、抽出、分液、晶析、
過、吸着等公知の別な分離操作によつて、解媒、高沸点
成分、低沸点成分の分離、あるいは特定の炭化水素の一
部分の分離をした後、本発明の方法を適用してもよく、
これら前処理の有無および前処理方法について特に限定
されない。また、単環炭化水素混合物中に水が含まれる
場合は、抽出蒸留塔内での溶剤の分解を促進するため、
あらかじめ上記方法により除去することは好ましい。
反応器より取り出したまま本発明の方法を適用してもよ
い。また、場合によつては蒸留、抽出、分液、晶析、
過、吸着等公知の別な分離操作によつて、解媒、高沸点
成分、低沸点成分の分離、あるいは特定の炭化水素の一
部分の分離をした後、本発明の方法を適用してもよく、
これら前処理の有無および前処理方法について特に限定
されない。また、単環炭化水素混合物中に水が含まれる
場合は、抽出蒸留塔内での溶剤の分解を促進するため、
あらかじめ上記方法により除去することは好ましい。
本発明を実施するにあたつて、アジポニトリルとN,N
−ジメチルアセトアミドの混合溶剤組成は、アジポニト
リルの持つ高い分離性能が発揮される組成領域であるこ
とが必要である。また、混合溶剤化による沸点低下効果
を期待する場合、低沸点溶剤の濃度がより高いことが望
ましい。したがつて、その組成は、プロセスの最適化に
より決まるものであるが、N,N−ジメチルアセトアミド
による希釈がアジポニトリルの分離性能が影響をあまり
及ぼさず、かつ、混合溶剤化により沸点低下効果が得ら
れる領域として、N,N−ジメチルアセトアミドが10〜40
モル%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜30
モル%である。
−ジメチルアセトアミドの混合溶剤組成は、アジポニト
リルの持つ高い分離性能が発揮される組成領域であるこ
とが必要である。また、混合溶剤化による沸点低下効果
を期待する場合、低沸点溶剤の濃度がより高いことが望
ましい。したがつて、その組成は、プロセスの最適化に
より決まるものであるが、N,N−ジメチルアセトアミド
による希釈がアジポニトリルの分離性能が影響をあまり
及ぼさず、かつ、混合溶剤化により沸点低下効果が得ら
れる領域として、N,N−ジメチルアセトアミドが10〜40
モル%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜30
モル%である。
同様に、スルホランとN,N−ジメチルアセトアミドの
混合溶剤組成は、N,N−ジメチルアセトアミドが10〜30
モル%であることが好ましい。さらに好ましい10〜20モ
ル%において、混合溶剤はスルホラン単独に近い分離性
能を有する。
混合溶剤組成は、N,N−ジメチルアセトアミドが10〜30
モル%であることが好ましい。さらに好ましい10〜20モ
ル%において、混合溶剤はスルホラン単独に近い分離性
能を有する。
これらの溶剤を使用するにあたつて、あらかじめ蒸
留、抽出、過、吸着等の操作で、触媒、高沸点成分、
低沸点成分、水等を溶剤中より除去しておくことは、溶
剤の分解を抑制する効果を有するので好ましい。単環炭
化水素の溶解度以上であれば、単環炭化水素混合物に対
する比率は、なんら制約されない。溶剤の仕込み比率
は、多くなると分離性能も高くなり有利とはなる反面、
装置の大型荷と溶剤の回収に必要なエネルギーが増大し
好ましくない。また、あまり少なすぎた場合には、溶剤
の分離性能が低下する。
留、抽出、過、吸着等の操作で、触媒、高沸点成分、
低沸点成分、水等を溶剤中より除去しておくことは、溶
剤の分解を抑制する効果を有するので好ましい。単環炭
化水素の溶解度以上であれば、単環炭化水素混合物に対
する比率は、なんら制約されない。溶剤の仕込み比率
は、多くなると分離性能も高くなり有利とはなる反面、
装置の大型荷と溶剤の回収に必要なエネルギーが増大し
好ましくない。また、あまり少なすぎた場合には、溶剤
の分離性能が低下する。
したがつて、通常、溶剤と分離しようとする単環炭化
水素混合物との比率は、溶剤と単環炭化水素混合物との
合計量に対して30〜90モル%が好ましい。さらに好まし
くは40〜80モル%で使用される。
水素混合物との比率は、溶剤と単環炭化水素混合物との
合計量に対して30〜90モル%が好ましい。さらに好まし
くは40〜80モル%で使用される。
抽出蒸留操作方法としては、通常行なわれる回分法あ
るいは連続法のいずれでもよく、蒸留を行なう装置は特
別なものである必要はない。また、抽出蒸留を実施する
場合の操作圧力は常圧、加圧、減圧のいずれでもよく、
エネルギーの有効利用をはかるために多重効用システム
を採用する場合には、減圧系を組合わせることが望まし
い。
るいは連続法のいずれでもよく、蒸留を行なう装置は特
別なものである必要はない。また、抽出蒸留を実施する
場合の操作圧力は常圧、加圧、減圧のいずれでもよく、
エネルギーの有効利用をはかるために多重効用システム
を採用する場合には、減圧系を組合わせることが望まし
い。
単環炭化水素混合物からシクロヘキセンを回収する順
序は特に規定しないが、比揮発度の大きさの順、すなわ
ち、シクロヘキサン>シクロヘキセン>シクロヘキサジ
エン>ベンゼンの順にしたがう。
序は特に規定しないが、比揮発度の大きさの順、すなわ
ち、シクロヘキサン>シクロヘキセン>シクロヘキサジ
エン>ベンゼンの順にしたがう。
例えば、単環炭化水素混合物がシクロヘキセンと、そ
れより高い比揮発度を有するシクロヘキサン、そして、
シクロヘキセンより低い比揮発度を有するシクロヘキサ
ジエンあるいはベンゼンからなる場合のシクロヘキセン
の回収は、最初に抽出蒸留により塔頂もしくは塔底より
シクロヘキセンを含む液を回収し、これをさらに抽出蒸
留にかけることによつて行なうことができる。
れより高い比揮発度を有するシクロヘキサン、そして、
シクロヘキセンより低い比揮発度を有するシクロヘキサ
ジエンあるいはベンゼンからなる場合のシクロヘキセン
の回収は、最初に抽出蒸留により塔頂もしくは塔底より
シクロヘキセンを含む液を回収し、これをさらに抽出蒸
留にかけることによつて行なうことができる。
以下、本発明による効果および実施例を説明する。
実施例および効果の説明にあたつて、抽出蒸留におけ
る溶剤の分離性能の評価基準の一つとして、比揮発度を
次のように定義する。
る溶剤の分離性能の評価基準の一つとして、比揮発度を
次のように定義する。
ただし、y(A)、y(B)は気液平衡における気相
中の化合物(A)と化合物(B)の合計に対する化合物
(A)または化合物(B)のモル%を表わし、x
(A)、x(B)は気液における液相の化合物(A)と
化合物(B)の合計に対する化合物(A)または化合物
(B)のモル%を表わす。
中の化合物(A)と化合物(B)の合計に対する化合物
(A)または化合物(B)のモル%を表わし、x
(A)、x(B)は気液における液相の化合物(A)と
化合物(B)の合計に対する化合物(A)または化合物
(B)のモル%を表わす。
また、比揮発度αは溶剤の濃度により変り、通常、溶
剤濃度が高いほど高い比揮発度を示す。
剤濃度が高いほど高い比揮発度を示す。
(発明の効果) 本発明の方法を使用して達成される利点は、下記のと
おりである。
おりである。
アジポニトリルまたはスルホラン中にN,N−ジメチル
アセトアミドを混合することにより、各溶剤を単独で使
用した場合に近い分離性能を有しながら、かつ、溶剤の
沸点低下効果が得られるため、抽出蒸留および溶剤回収
にかかる熱負荷を軽減できる。
アセトアミドを混合することにより、各溶剤を単独で使
用した場合に近い分離性能を有しながら、かつ、溶剤の
沸点低下効果が得られるため、抽出蒸留および溶剤回収
にかかる熱負荷を軽減できる。
(実施例) 実施例1 アジポニトリルとN,N−ジメチルアセトアミドを任意
の割合で混合した溶剤を、あらかじめシクロヘキサンと
シクロヘキセンがモル比で50:50に調整された単環炭化
水素混合物に対して、液相濃度で86モル%になるように
オスマー型気液平衡測定装置に仕込み、平衡に達した
後、気相および液相の組成を分析した。この値を比揮発
度で整理したもの、および同一の装置で混合溶剤の沸点
を測定した結果を第1図に示す。
の割合で混合した溶剤を、あらかじめシクロヘキサンと
シクロヘキセンがモル比で50:50に調整された単環炭化
水素混合物に対して、液相濃度で86モル%になるように
オスマー型気液平衡測定装置に仕込み、平衡に達した
後、気相および液相の組成を分析した。この値を比揮発
度で整理したもの、および同一の装置で混合溶剤の沸点
を測定した結果を第1図に示す。
実施例2 スルホランとN,N−ジメチルアセトアミドを任意の割
合で混合した溶剤を、あらかじめシクロヘキサンとシク
ロヘキセンがモル比で50:50に調整された単環炭化水素
混合物に対して、液相濃度で87.5モル%になるようにオ
スマー型気液平衡測定装置に仕込み、平衡に達した後、
気相および液相の組成を分析した。この値を比揮発度で
整理したもの、および同一の装置で混合溶剤の沸点を測
定した結果を第2図に示す。
合で混合した溶剤を、あらかじめシクロヘキサンとシク
ロヘキセンがモル比で50:50に調整された単環炭化水素
混合物に対して、液相濃度で87.5モル%になるようにオ
スマー型気液平衡測定装置に仕込み、平衡に達した後、
気相および液相の組成を分析した。この値を比揮発度で
整理したもの、および同一の装置で混合溶剤の沸点を測
定した結果を第2図に示す。
実施例3 6インチのスルーザーパッキングを3m充填した抽出蒸
留塔の塔頂より260mm下に、抽剤として、アジポニトリ
ルとN,N−ジメチルアセトアミドの混合モル比が70:30に
調整された混合溶剤を30kg/Hrで供給し、塔頂より1500m
m下に、シクロヘキサンとシクロヘキセンが20:80のモル
比に調整された原料を2kg/Hrで供給し、還流比12で塔頂
より99モル%のシクロヘキサンを回収した。
留塔の塔頂より260mm下に、抽剤として、アジポニトリ
ルとN,N−ジメチルアセトアミドの混合モル比が70:30に
調整された混合溶剤を30kg/Hrで供給し、塔頂より1500m
m下に、シクロヘキサンとシクロヘキセンが20:80のモル
比に調整された原料を2kg/Hrで供給し、還流比12で塔頂
より99モル%のシクロヘキサンを回収した。
また、塔底から抜き出されたシクロヘキセンと溶剤と
の混合物を、6インチのスルーザーパツキングを1.5m充
填した蒸留塔の塔頂より825mm下に供給し、還流比3で
塔頂より99モル%のシクロヘキセンを回収し、塔底では
シクロヘキセンが1000ppm以下の溶剤を回収した。
の混合物を、6インチのスルーザーパツキングを1.5m充
填した蒸留塔の塔頂より825mm下に供給し、還流比3で
塔頂より99モル%のシクロヘキセンを回収し、塔底では
シクロヘキセンが1000ppm以下の溶剤を回収した。
この時、抽出蒸留塔と溶剤回収塔で消費された熱量は
19500Kcal/Hrであつた。
19500Kcal/Hrであつた。
比較例 実施例3と同一装置および条件で、溶剤のみをアジポ
ニトリルとし、32kg/Hrで供給した。
ニトリルとし、32kg/Hrで供給した。
回収されたシクロヘキサン、シクロヘキセン、溶剤の
純度は、実施例3とほぼ等しいものを得た。しかし、抽
出蒸留塔と溶剤回収塔で消費された熱量は26400Kcal/Hr
と非常に大きかつた。
純度は、実施例3とほぼ等しいものを得た。しかし、抽
出蒸留塔と溶剤回収塔で消費された熱量は26400Kcal/Hr
と非常に大きかつた。
第1図は、実施例1の気相および液相の組成を分析した
値を比揮発度で整理したもの、および混合溶剤の沸点を
測定した結果を示すグラフ、第2図は、実施例2の気相
および液相の組成を分析した値を比揮発度で整理したも
の、および混合溶剤の沸点を測定した結果を示すグラフ
である。
値を比揮発度で整理したもの、および混合溶剤の沸点を
測定した結果を示すグラフ、第2図は、実施例2の気相
および液相の組成を分析した値を比揮発度で整理したも
の、および混合溶剤の沸点を測定した結果を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 15/04 C07C 15/04
Claims (1)
- 【請求項1】シクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベ
ンゼンの少なくとも1種とシクロヘキセンからなる混合
物から蒸留によってシクロヘキセンに富む成分を分離取
得するにあたり、アジポニトリル及びスルホランから選
ばれる1種とN,N−ジメチルアセトアミドの混合溶剤の
存在下に抽出蒸留を行い、且つ、混合溶剤中のN,N−ジ
メチルアセトアミドの割合が以下の範囲であることを特
徴とするシクロヘキセンの分離方法。 1)アジポニトリルとの混合溶剤中のN,N−ジメチルア
セトアミドの割合が10〜40モル%。 2)スルホランとの混合溶剤中のN,N−ジメチルアセト
アミドの割合が10〜30モル%。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62294140A JP2524510B2 (ja) | 1987-11-24 | 1987-11-24 | 混合溶剤によるシクロヘキセンの分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62294140A JP2524510B2 (ja) | 1987-11-24 | 1987-11-24 | 混合溶剤によるシクロヘキセンの分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01135730A JPH01135730A (ja) | 1989-05-29 |
JP2524510B2 true JP2524510B2 (ja) | 1996-08-14 |
Family
ID=17803828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62294140A Expired - Lifetime JP2524510B2 (ja) | 1987-11-24 | 1987-11-24 | 混合溶剤によるシクロヘキセンの分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2524510B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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