JP2524421Y2 - 拘束型制振材 - Google Patents

拘束型制振材

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JP2524421Y2
JP2524421Y2 JP1991026582U JP2658291U JP2524421Y2 JP 2524421 Y2 JP2524421 Y2 JP 2524421Y2 JP 1991026582 U JP1991026582 U JP 1991026582U JP 2658291 U JP2658291 U JP 2658291U JP 2524421 Y2 JP2524421 Y2 JP 2524421Y2
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恭史 工藤
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日本セキソー工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は拘束型制振材(以下、
単に制振材という。)に関し、詳しくは、瀝青系制振層
(以下、単に瀝青層という。)と粘弾性層と拘束層から
なる三層構造の制振材の改良に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両フロアパネルの被制振部位に
は制振材が用いられる。この制振材は樹脂板よりなる拘
束層と瀝青層との対向面全体に粘弾性層を介在させて重
合接着した構造よりなる。そして、前記制振材は、瀝青
層と粘弾性層との間には空気を混入させないように形成
される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記制
振材は、その製造工程で注意が払われるにもかかわら
ず、粘弾性層と瀝青層との間に空気が混入する場合があ
る。空気の混入した制振材は被制振部位への熱融着時に
拘束層の下面に著しい膨れを生ずることより、融着した
制振材の拘束層が浮き上って見栄えが悪くなるとともに
制振性能も損なわれる問題点があった。
【0004】そこで、本考案の課題は前記した従来の制
振材における問題点を解決するためのものであって、製
造時に空気が混入した場合でも熱融着時において混入空
気による膨れ、及びそれによる見栄えの悪さを生ずるこ
となく、かつ制振性良好な制振材を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の技術的手段は、瀝青系制振層と拘束層との間に粘弾性
層を介在させて重合接着した三層構造よりなり、拘束層
を上向きにして被制振部位に融着する制振材であって、
前記粘弾性層には前記融着時に内部の空気を逃がすた
め、拘束層に被われ外側面に通ずる線状の隙間を前記拘
束層の下面にほぼ均等に設けたことを特徴とする。前記
拘束層は硬度の大きい熱硬化性樹脂板が用いられる。前
記瀝青層は瀝青質を主体とした層体が使用される。前記
粘弾性層は振動に対して内部損失の大きい粘弾質を塗着
して形成される。
【0006】
【作用】線状の隙間は混入した空気の逃げ道となる。空
気量が多い場合は外部へ逃がすことができる。線状の隙
間は粘弾性層の全体にほぼ均等に設けてあるので、粘着
弾性層のどの部分の混入空気も逃がすことができる。粘
弾性層は全体に設けられるので、制振材の制振性を損な
わない。
【0007】
【実施例】次に、本考案の実施例を図1〜図14に基づ
いて説明する。図1及び図2に示すように、本例の制振
材1は瀝青層2と拘束層3との間に粘弾性層4を介在さ
せて重合接着した三層の構造よりなる所定の大きさのシ
ートよりなるものである。
【0008】前記瀝青層2は瀝青質成分に炭酸カルシウ
ムなどの無機質充填剤、あるいは繊維質などの有機質充
填剤を配合し、加熱混合してシート状に形成した比重約
1.6で厚さ1.2〜6.0mmの層体が用いられる。本
例の瀝青層2は厚さ1.5mmのセキソーダンパーDAS
(日本セキソー工業株式会社製造制振シートの市販品)
を使用した。
【0009】前記粘弾性層4は常温で粘着性を有するゴ
ム質成分を主体とするものであり、加熱溶融させて塗布
する。本例の粘弾性層4はダイナフレックスLS900
3C(日本合成ゴム株式会社製造のゴム系シートの市販
品)を用いた。
【0010】図2に示すように、粘弾性層4は瀝青層2
の上面全体にストライプの模様に塗着した。すなわち、
粘弾性層4は幅7mmで厚さ0.4mmの帯体4Aを3mm幅
の線状の隙間を介して瀝青層2の上面全体に均等に塗着
形成した。図2に示すように粘弾性層4の各帯体4Aは
瀝青層2の図示上下の縦寸法の全長にわたり形成され、
線状の隙間5は瀝青層2の図示上下の両外側面(外側
辺)2A(図2参照)に通ずるように設けられる。
【0011】しかして、ストライプ模様の粘弾性層4に
は、図3に示すように、瀝青層2と同形の拘束層3を重
ねる。拘束層3は厚さ2mmの熱硬化性合成樹脂板を使用
した。重ねた拘束層3は全体を適度に押圧して粘弾性層
4の粘着性にて接着された。かくして形成される制振材
1の粘弾性層4は図1に示すように拘束層3に被われ、
その下面に粘弾性層4の外側面2Aに通ずる線状の隙間5
を均等に多数有している。
【0012】次に、本例制振材1の融着状態を調べた。
融着状態は制振材1のシートを所定寸法(390×49
0mm)に切り取ったものを500×600×1.6mmの
寸法の鋼板パネル13に重ね、乾燥炉に入れ140℃、
30分焼付けて融着させて試験片とした。
【0013】試験片は (イ)本実施例の制振材1(粘弾性層4の帯体4Aの幅
7mm、線状の隙間5が3mm)の試験片I(図9参照)、 (ロ)比較例の制振材(本実施例と同じ拘束層3、粘弾
性層4、及び瀝青層2にて形成し、粘弾性層4は帯体4
Aの幅4mm、隙間5が6mmとしたもの。)の試験片II
(図10参照)、 (ハ)比較例の制振材(本実施例と同じ拘束層3、粘弾
性層4、及び瀝青層2にて形成し、粘弾性層4は帯体4
Aの幅20mm、隙間5が6mmとしたもの。)の試験片II
I (図11参照)、 (ニ)従来の制振材(本実施例と同じ拘束層3、粘弾性
層4及び瀝青層2にて形成し、粘弾性層4には隙間5を
設けないもの。)の試験片IV(図12参照)、について
行なった。
【0014】融着の際、試験片I、及びIIは粘弾性層4
に膨れがなく、鋼板パネル13に対する融着性は良好で
あった。試験片III 及びIVは粘弾性層4に膨れを生じ
た。試験片III は粘弾性層4に隙間5を設けてあるが、
帯体4Aの幅が広すぎて、混入空気が逃げないためであ
る。帯体4Aの幅及び線状の隙間5は、帯体4Aの混入
空気が逃げ得るように設けることが望ましい。
【0015】次に、本例制振材1の制振性を調べた。制
振性は鋼板パネル13に融着した試験片I,II,IVにつ
いて図13に示すパネル振動試験器20を用いて1次共
振点における損失係数ηを求めた。
【0016】すなわち、図13に示すように、試験片
I,II,IVのいずれかを載置し固定する載置枠21は、
天井部22より吊りゴム23によって水平状に柔らかく
吊下げられ、かつ載置枠21の下方にはフレーム24を
介して加振器25が連結されている。加振器25はパワ
ーアンプ26、ノイズフィルタ27を介しランダムノイ
ズジェネレータ28に接続され、10〜1300Hzの帯
域周波数を持つホワイトノイズによる加振を行い得る。
載置枠21に固定した例えば試験片Iにおける鋼板パネ
ル13の中心部と、フレーム24の載置枠21の取付け
部分には加速度ピックアップセンサ29が配設され、そ
の信号はチャージアンプ30を介してFFT分析器(フ
ーリエ交換器)31に入力し、フレーム24と試験片I
の鋼板パネル13の伝達関数をとり、1次共振点におけ
る損失係数ηを求め得るように形成されている。
【0017】そこで、温度20℃、40℃及び60℃に
おいて試験片I,II,IVの制振材1などの損失係数を求
めた。この結果は図14のグラフに示す通りである。図
14において、グラフIは試験片Iの損失係数、グラフ
IIは試験片IIの損失係数、グラフIVは試験片IVの損失係
数を示している。すなわち、グラフIは40℃以上にお
いてグラフIIより上昇しているが、グラフIIとほぼ同等
とみられることより、試験片Iと試験片IIとは同等の制
振性能と認められる。グラフIVは40℃付近を分岐とし
て常温域の損失係数の低下があることより、試験片IVの
損失係数は好ましくない。以上の如く、本例の制振材1
は融着性及び制振性の良好なものである。
【0018】しかして、本例の制振材1のシ−トは図4
に示す車両フロアパネル7の制振に用いられる。すなわ
ち、制振材1のシ−トは例えば長方形の制振材1Aにある
いは円形の制振材1Bなど、車両フロアパネル7の被制振
部位の形状に裁断し、図4に示すように制振材1Aは車両
フロアパネル7の前部8に配置し、制振材1Bはトランク
部パネル9の凹所10に配置する。制振材1A,1Bの配置は
拘束層を上向きとする。
【0019】しかる後、乾燥炉の例えば140℃,30
分の加熱により制振材1Aを前部8に、制振材1Bを凹
所10に融着させる。融着の際、粘弾性層4における膨
脹した混入空気は線状の隙間5に導入され、かつ混入空
気の量が多い場合は線状の隙間5を介して外部に逃がし
得る。このため、本例の制振材1A,1Bは車両フロア
パネル7の前部8及びトランク部パネル9の凹所10に
良好に融着させることができた。
【0020】前記した実施例の制振材1は瀝青層2上に
粘弾性層4をストライプ模様となる線状の隙間5を介し
て設けたが、粘弾性層4における線状の隙間5はストラ
イプ模様に限らず、例えば図5の粘弾性層4のように平
行な斜め模様、図6の粘弾性層4のようにます目模様、
図7の粘弾性層4のように段差模様、あるいは図8の粘
弾性層4のように連続三角形模様など、粘弾性層4は
外側面2Aに通ずる線状の隙間5をほぼ均等に設けて粘
弾性層4の混入空気を逃がし得る模様状となし得る。な
お、粘弾性層4は拘束層3に塗着し瀝青層2を重ねるよ
うにしてもよい。
【0021】
【考案の効果】本考案は、制振層の外側面に通ずる線状
の隙間をほぼ均等に設けた粘弾性層が介在されているた
め、制振材製造時において瀝青層と粘弾性層との間に混
入した空気は、制振材の融着時において拘束層下面の
状の隙間へ導き、かつ多量の空気は外部へ逃がすことが
できる。このため、本考案の制振材は拘束層が浮き上る
ことがなく、見栄えが良く、車両フロアパネルなどの被
制振部位に融着させることができる。
【0022】そして、本考案は粘弾性層に線状の隙間を
ほぼ均等に設けたことにより、制振性は何ら損なわれな
いので好都合である。このため、本考案によれば、制振
性良好な制振材となし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の制振材断面図。
【図2】制振材における粘弾性層の塗着模様図。
【図3】拘束層の接着工程図。
【図4】制振材の取付け位置例を示す車両フロアパネル
の斜視図。
【図5】瀝青層における粘弾性層の塗着模様の別例図。
【図6】瀝青層における粘弾性層の塗着模様の別例図。
【図7】瀝青層における粘弾性層の塗着模様の別例図。
【図8】瀝青層における粘弾性層の塗着模様の別例図。
【図9】本例試験片の構造図。
【図10】比較用試験片の構造図。
【図11】比較用試験片の構造図。
【図12】比較用試験片の構造図。
【図13】パネル振動試験器の説明図。
【図14】温度と損失係数の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 制振材 2 瀝青層 2A 外側面 3 拘束層 4 粘弾性層 5 隙間 7 車両フロアパネル 8 前部 9 トランク部パネル 10 凹所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 25/20 B62D 25/20 Z

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 瀝青系制振層と拘束層との間に粘弾性層
    を介在させて重合接着した三層構造よりなり、拘束層を
    上向きにして被制振部位に融着する制振材であって、前
    記粘弾性層には前記溶着時に内部の空気を逃がすため、
    拘束層に被われ外側面に通ずる線状の隙間を拘束層の下
    面にほぼ均等に設けたことを特徴とした拘束型制振材。
JP1991026582U 1991-03-26 1991-03-26 拘束型制振材 Expired - Lifetime JP2524421Y2 (ja)

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JPH04114147U JPH04114147U (ja) 1992-10-07
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JPS57168480U (ja) * 1981-04-21 1982-10-23
JPS5912496A (ja) * 1982-07-14 1984-01-23 日産自動車株式会社 パネル制振材

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