JP2523581Y2 - 自動麻雀機の牌選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動麻雀機における牌の表裏選別装置に関す
る。

（従来の技術） 従来の自動麻雀機におけるターンテーブルはかなりの
深さを有したバケツ状の牌収容部の底部に設けられ、そ
のターンテーブルとその周囲に配置された牌配列手段と
を無端回動するベルトと、そのベルトの下側に設置した
磁石とから成る搬送路で連結し、ターンテーブルの回動
で牌を搬送路へ送り込み、ベルトの下側に配置した磁石
の吸着力でベルト上に載せたまま搬送して牌配列手段へ
と送り込むものである。そして、これは牌の内部に内蔵
された磁石に対して吸着作用を生じる金属板を利用して
行なっているものである。

（考案が解決しようとする課題） 上記した従来の構造にあっては、搬送路へ裏返しの牌
（文字の表示面が上を向いた状態）が送り込まれること
もあり、そうした場合は、牌の内部に埋込まれた金属板
の位置が磁石よりも遠ざかるため牌にはほとんど吸着力
が作用しなくなり、その結果裏牌は上向き傾斜の搬送路
から滑り落ち、裏牌がそのまま牌配列手段へ送り込まれ
るのを無くしている。

ところで、上記した牌の表・裏選別は、搬送路上での
吸着力の有無によって行なっているが、この方法はター
ンテーブルが収容された部分が深く、収容部に収容され
ている牌が搬送路の側方を遮ぎったり、裏牌の落下を邪
魔したりしないから出来ることである。

しかしながら、上記の自動麻雀機では本体の中央部に
バケツ状の容器が配置されるため、本体は厚くなり、仮
に本体部分を厚くしなくてもターンテーブル部分が収容
された容器が垂下することになり、競技者の足が容器に
当たったり、或いは本体の下に入れた足が窮屈になるな
どの問題を有し、又、全体が大型化して運搬、取扱いに
不便であるといった問題を有している。

そのため、最近では本体の薄型化が望まれているが、
上述したターンテーブルを収容している収容部の深さを
浅くしただけでは搬送路の側方が他の牌で遮ぎられるこ
とになり、裏牌はそのまま牌配列手段へ送り込まれると
いった問題を有する。

本考案は上述した如き従来の技術の有する問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とする処は麻雀機が薄型
コンパクトであっても確実に牌の表裏を選別することが
出来る選別装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案における牌選別装
置は、本体内部に設置された駆動回転するターンテーブ
ルと、その周囲に配置した牌配列手段との間に無端回動
するベルトと、そのベルトの下に設置固定した磁石とで
上向き傾斜の搬送路を形成し、その搬送路の途中上方に
ベルト面と所定の間隔をおいて裏牌のみを吸着する磁石
と、吸着された牌の存在を検出する光センサーを設置
し、そのセンサーの牌検出信号の出力で作動する牌排除
板を搬送路の側方に配置したことを特徴とする。

上記麻雀機に使用される麻雀牌は、その内部に埋設さ
れている金属板が文字表示面側に片寄って配設されたも
のとし、それによって牌の表・裏によって搬送路での吸
着力に差が生じるようにしてある。

又、光センサーは反射型に限らず、透過型でも良いも
のである。

（作用） 上記手段によれば、ターンテーブルの回転によってそ
の周囲に配設された搬送路に牌が乗り移り、牌配列手段
へと移送されるが、この搬送路に乗り移った牌が文字表
示面が下になった状態であればベルト下の磁石の吸着力
が働いてベルト上に乗ったまま搬送される。しかしなが
ら牌の裏返しになった状態であると、牌本体内に内蔵さ
れた金属板が磁石より遠ざかり、吸着力はほとんど作用
しなくなるが、ベルト上に乗ってそのまま搬送路上方へ
と移送される。そして、その裏牌が搬送路の途中で搬送
路外へ落下することなく該搬送路の頂部付近まで移送さ
れた時は、該部の上方に配置された磁石の吸着されてベ
ルト面より離れ、吸着された裏牌がセンサーによって検
出されると、その検出信号が出力されて牌排除板の作動
源が駆動され、それによって搬送路の側方に設けられた
牌排除板が作動して磁石に吸着された裏牌を搬送路上か
ら排除する。

（考案の効果） 本考案の自動麻雀機の牌選別装置は以上の如く構成し
たので、搬送路上に乗り移った裏牌はベルトの駆動で搬
送路上方へと移送されるとしても、搬送路の途中上方に
設置された磁石によって吸着されるとセンサーがそれを
検出して信号を出力し、その信号によって駆動する動力
源の働きで搬送路の側方に配置した牌排除板が作動して
磁石に吸着された裏牌を搬送路外へ排除し、ターンテー
ブル上へ落下させることが出来る。

従って、搬送路の側方が牌で邪魔されるようなことが
あっても、裏牌を強制的に排除するため、裏牌が牌配列
手段へ送り込まれることを確実に防止できる。

依って、ターンテーブルの収容部が浅く、搬送路の側
方に牌が山積みとなるような薄型の本体を備えた麻雀機
にも十分対応できるもので、薄型コンパクトな麻雀機を
可能とするものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例の図面に基づいて説明すると、
第１図はトッププレートを外して本体内部を示した斜視
図で、ベースプレート１の中央上部にモータによって駆
動回転するターンテーブル２が配置され、そのターンテ
ーブル２の周囲に各コーナー用の牌配列手段３が平面正
方形状に配置されると共に、各コーナーの牌配列手段３
へ牌４を搬送供給する搬送路５がターンテーブル２の周
縁と牌配列手段３とを連絡するように配置されている。

上記搬送路５は駆動プーリ６と従動プーリ７とに渉っ
て、巻装されたベルト８、及びそのベルト８の内側に配
列された磁石列９とで構成され、前記ベルト８はターン
テーブル２の外周縁と略同じ位置から牌配列手段３へ向
けて上向き傾斜状とされ、所定の高さ位置で水平に延長
されている。又、上記ベルト８の内側に配置される磁石
列９はベルト８の走向方向側方に鉛直に起立した案内板
10の側面に接着剤によって固着され、その磁石列９の上
面上をベルト８が無端回動するように取付けられてい
る。

磁石列９が固着された案内板10には搬送路５の頂部付
近の上方に位置させて裏牌４′を吸着する磁石11と、そ
の磁石11に裏牌４′が吸着されたことを検出する光セン
サー12が設けられ、且つ前記光センサー12の検出信号を
受けて作動される牌排除板13が設けられている。

上記磁石11はベルト８上に乗っている裏牌を吸着して
ベルト８面より離反させるもので、裏牌４′は内部に埋
設されている金属板25が文字表示面側に近いため搬送路
５のベルト８上においてはベルト８下の磁石列９の吸着
力はほとんど作用していないものである。光センサー12
は反射型のもので、発光ダイオード12aとフォトトラン
ジスタ12bとで構成され、発光ダイオード12aより発した
光が磁石11に吸着された裏牌４′に当って反射し、その
反射光がフォトトランジスタ12bで受光されて裏牌４′
の存在が検出されるようになっている。従って、裏牌
４′以外の正常な姿勢で移送される牌４はベルト８上に
乗って移送されるため光センサー12の発光ダイオード12
aの光は牌に当らず、牌の上方に投射されている。

光センサー12の検出信号で作動される牌排除板13は帯
板状に形成されてその一側端が案内板10の側面に回動可
能に取付けられ、牌排除板13の他端は案内板10に回転可
能に軸支されたシャフト14に固定の腕杆24に固着されて
いる。又、上記シャフト14を回転させる動力源はソレノ
イド15が使用され、そのソレノイド15の芯杆15aの直線
的な出没動を案内長孔16、その案内長孔16に挿入した芯
杆15aに固定のピン17及びそのピン17とシャフト14とを
連結するカム18とで該シャフト14に回転力を付与するよ
うにしてある。19はソレノイド15の芯杆15aを元の状態
に復帰させるスプリングである。

更に、前述した裏牌４′を吸着する磁石11はその磁力
を増すための鉄板20と保護プレート21を備えている。

又、搬送路５の入口付近における側方にはゲート22が
回動自在に取付けられ、そのゲート22は前述した牌排除
板13の作動と同時に作動するようにシャフト14とゲート
22とを連結板23で連結し、該連結板23の直線的なスライ
ドによってゲート22が開閉されるようにしてある。これ
によって搬送路５上から裏牌４′が牌排除板13の作動で
排除される時、搬送路５の入口をゲート22で閉じ牌が入
り込まないようにしてある。図中、26は案内板10の側面
に突設した牌４の案内突条である。

以上の如き構成により、ターンテーブル２上に牌４が
収容され、ターンテーブル２の駆動で牌４は各コーナー
に連絡する４個の搬送路５に送り込まれ、牌配列手段３
への供給が行なわれるが、その搬送路５上へ裏牌４′が
送られても、該裏牌４′は磁石11及び光センサー12で搬
送路５のベルト８上から浮き上がり、牌排除板13の作動
でターンテーブル２上へ排出される。従って、裏牌４′
は強制的に検出排除されるため、本体が浅くとも確実に
選別できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本体内部を示す
斜視図、第２図は要部の正面図、第３図は第２図の
（３）−（３）線に沿える拡大断面図、第４図は第２図
の（４）−（４）線に沿える拡大断面図、第５図は第２
図の（５）−（５）線に沿える拡大断面図、第６図は第
５図の作動状態を示す同断面図、第７図は牌排除板の構
造を示す分解斜視図である。 図中、2:ターンテーブル、3:牌配列手段 4:牌、5:搬送路 8:ベルト、9:磁石列 11:磁石、12:光センサー 13:牌排除板、４′：裏牌

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁石に対して吸着される金属板を非磁性体
   からなる牌本体内に内蔵した麻雀牌を使用する自動麻雀
   機の牌選別装置であって、本体内部に設置された駆動回
   転するターンテーブルと、その周囲に配置した牌配列手
   段との間に無端回動するベルトと、そのベルトの下に設
   置固定した磁石とで上向き傾斜の搬送路を形成し、その
   搬送路の途中上方にベルト面と所定の間隔をおいて裏牌
   のみを吸着する磁石と、吸着された牌の存在を検出する
   光センサーを設置し、その光センサーの牌検出信号の出
   力で作動する牌排除板を搬送路の側方に配置した自動麻
   雀機の牌選別装置。