JP2523056Y2 - 折版屋根葺板の切断装置 - Google Patents

折版屋根葺板の切断装置

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JP2523056Y2 JP5508190U JP5508190U JP2523056Y2 JP 2523056 Y2 JP2523056 Y2 JP 2523056Y2 JP 5508190 U JP5508190 U JP 5508190U JP 5508190 U JP5508190 U JP 5508190U JP 2523056 Y2 JP2523056 Y2 JP 2523056Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、折版屋根葺板の葺き替え時等に使用される
折版屋根葺板の切断装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、工場や倉庫等広面積の鉄骨建築物の屋根と
して折版屋根が多用されている。その構造の一例につい
て、本考案の説明図である第5図及び第6図を参照して
説明すると、このような折版屋根は、第6図に示すよう
に、母屋の長手方向に延びる梁1の上面に沿って固定さ
れているタイトフレーム2に、金属板を略U字断面形状
に折曲げた長尺の複数の折版屋根葺板(以下、折版と略
記する)3…が、梁1の長手方向に直交する方向で上方
から被着され、そして、相隣合う折版3・3の側縁部分
の重合部を馳締めすることで形成されている。
上記タイトフレーム2は、第5図に示すように、相隣
合う折版3・3の断面形状に下側から沿う山形形状に形
成されると共に、山形断面における頂部側は、上段水平
部2aと下段水平部2bとの二段の段差状に形成されてい
る。下段水平部2bには、断面L字状の吊子4の下端側が
ボルト等によって固定されている。そして、上段水平部
2aと下段水平部2bとの垂直面に沿って上方へと延びる上
記吊子4の上端側を、相隣合う折版3・3の側縁部分の
重合部間に挟み込んで馳締めすることで、相互に連結さ
れた折版3・3はさらに吊子4を介してタイトフレーム
2にも連結された構造となっている。
上記により、第6図のように、相互に連結された折版
3・3の山形頂部から上方に突出する断面略角形形状を
なす馳締め部5が、各折版3・3間で長尺方向に延びる
と共に、第5図のように、折版3とタイムフレーム2と
の間には、吊子4をタイトフレーム2に固定するための
ボルト頭部が位置する下段水平部2b側に、吊子取付用空
間6が生じる構造となっている。
ところで、上記のような折版屋根が葺かれたあと、折
版3…が腐蝕したような場合、腐蝕した折版3…を取り
外して新たな折版3…に葺き直すことが必要となるが、
上記のように馳締めにて相互に連結されたものはこれを
分離することが困難であるために、例えば一度目の葺き
替え時には、腐蝕を生じた折版3…の上に新たな折版3
…を全面的に重ねて葺くというようなことが行われてい
る。しかしながら、このような葺き直しを二度、三度と
繰返すことができず、いずれは腐蝕した折版3…を取り
外すことが必要である。この取り外し作業は、まず、相
互に連結された折版3…を例えば子個々の折版3の幅寸
法程度に切断した後、吊子4をタイトフレーム2から取
り外していくことによって行われる。この際の切断は、
各折版3毎に、前記吊子取付用空間6の上部位置を通る
線上に沿って長手方向に行うことで、タイトフレーム2
には損傷を与えずに折版3…のみを上方から切断してい
くことができる。このような切断作業は、これが高所で
行われることや多数の折版3…毎に行うために長時間を
要すること等から、作業者に過大な力を強いることなく
極力労力を軽減し得るように、従来は例えば溶断等によ
って行われている。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記のように溶断にて行う場合におい
ても、これが高所で行われることや重量物である高圧ガ
スボンベを引き回しながら行うこと、また、溶断してい
く箇所を吊子取付用空間6の上部位置に沿う線上に合わ
せて自ら位置決めしながら長時間にわたって行うことが
必要であることから、その作業にはなおも多大な労力を
要するという問題がある。さらに、上記の場合には、高
温の炎を扱うために、火災を生じる危険が大きいという
問題もある。
本考案は上記に鑑みなされたものであって、その目的
は、折版屋根の葺き替えに際しての折版の切断作業の作
業性を向上し得ると共に、さらに、火災防止等を好適に
なし得る折版屋根葺板の切断装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本考案の請求項1項の折版屋根葺板の切断装
置は、相互に隣接する折版の互いに重合された側縁を馳
締めして折版の長尺方向に延びる馳締め部が形成された
折版屋根の上記馳締め部を、略水平方向の両側から挾持
すると共に回転駆動される挾持送り手段と、上記折版を
切断するため、上記挾持送り手段に対して所定の相対位
置に配設された切断手段とが、上記折版の長尺方向に移
動可能な基台に設けられていることを特徴としている。
また、本考案の請求項第2項の折版屋根葺板の切断装
置は、上記請求項第1項記載の装置において、上記挾持
送り手段の回転方向の切換えを行うための切換スイッチ
を有する切換手段がさらに設けられていることを特徴と
している。
また、本考案の請求項第3項の折版屋根葺板の切断装
置は、上記請求項第1項又は第2項記載の装置におい
て、上記切断手段が、上記折版に対する切断部位におい
て下側から上側へと向かう方向で駆動されるように設定
されていることを特徴としている。
〔作用〕
上記請求項第1項の折版屋根葺板の切断装置において
は、折版屋根の馳締め部を挾持した挾持送り手段を回転
駆動することによって、基台はこの馳締め部に沿って自
動的に走行する。そしてこの走行時に切断手段によっ
て、上記馳締め部に対して所定の位置、例えば、前記の
ように吊子取付用空間の上部位置に沿う線上を維持しな
がら、折版の切断が進行することとなる。このように、
折版の長尺方向に沿う所定位置の切断が自動的に行われ
るので、作業者に強いる労力が従来よりも大幅に軽減さ
れ、作業性が向上する。
また、請求項第2項の折版屋根葺板の切断装置におい
ては、挾持送り手段の回転方向の切換えを行うことによ
って、基台の送り方向が反転する。例えば腐蝕した折版
では部分的に凹凸を生じて、切断手段と折版との相対的
な高さに変動を生じるような場合に切り残しを生じるお
それがあるが、この場合等には、上記の送り方向の反転
を行い、切断手段の高さ位置を変更して再送りすること
で、切り残しの解消を図ることができる。このように、
同一箇所での送りの反転を切換スイッチの操作にて容易
に行わせることができることから、例えば切り残しを残
さずに確実に切断を行っていくことができる。この結
果、後から切り残し部を手鋸で切断する等の追加工をす
る必要がなく、これにより、さらに作業性を向上するこ
とができる。
また、請求項第3項の折版屋根葺板の切断装置におい
ては、切断手段によって切断される折版の切り粉は、折
版よりも上方に飛散する。これにより、折版よりも下側
の屋内側、すなわち可燃物の存在するおそれの多い方向
には、高温の切り粉の飛散が生じないので、火災の発生
が防止される。
〔実施例〕
本考案の一実施例を第1図ないし第6図に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
本考案に係る折版屋根葺板の切断装置は、第2図に示
すように、長方形平板状の基台10上における長手方向後
方部(図において左下側、以下、B方向という)に丸鋸
駆動用モータ11が載置されると共に、この丸鋸駆動用モ
ータ11よりも前方側(図において右上側、以下、A方向
という)で基台10の幅方向中心位置に、切断手段として
の丸鋸12が、回転面を垂直に、かつ基台10の前後方向、
すなわち、A−B方向に平行に配設されている。
上記丸鋸12は、この丸鋸12の配設位置から基台10の左
端側(以下、L方向という)へと延びる回転軸13の右端
部に緊締されている。この回転軸13は、一対の軸受ブロ
ック14・14によって回転自在に支持されると共に、L方
向端部にプーリ15が連結されており、このプーリ15、及
びこのプーリ15に巻き掛けられているタイミングべルト
16等から成るベルト伝達機構を介して、前記丸鋸駆動用
モータ11による丸鋸12の回転駆動が行われるようになっ
ている。
また、上記丸鋸12は、基台10の上面側では、この基台
10に着脱自在な鋸カバー17にて覆われる一方、この丸鋸
12における下側の周縁部は、第1図に示すように、基台
10に穿設された角形穴18を貫通して基台10よりも所定の
寸法だけ下方に突出した状態で取付けられている。
一方、上記基台10のA方向端部側上面には、この基台
10との間に空間部を形成するように逆U字状に形成され
たモータ取付板20が取付けられている。このモータ取付
板20上には、回転軸心を上下方向にした送りモータ21が
固定されている。この送りモータ21の回転力は、上記モ
ータ取付板20と基台10との間の空間部に構成されている
後述の送り力伝達機構を介して、基台10の下面に沿わせ
て配設されている一対の挾持送りローラ(挾持送り手
段)22・23に伝達されるようになっている。これら挾持
送りローラ22・23は、回転軸心を上下方向にして、基台
10の幅方向に並設されている。そして、第3図に示すよ
うに、各挾持送りローラ22・23から、基台10を貫通して
上方に互いに平行に延びる回転軸22a・23aの各上端部側
に、それぞれ従動スプロケット22b・23bが取付けられる
一方、前記送りモータ21におけるモータ取付板20から下
方に延びる駆動軸の下端部に原動スプロケット21aが取
付けられ、これら原動スプロケット21a、及び従動スプ
ロケット22b・23bに、第4図に示すように、チェーン24
が巻き掛けられている。これらの送り力伝動機構を介し
て、上記送りモータ21により、両挾持送りローラ22・23
が回転駆動される。なお、このとき、各挾持送りローラ
22・23は互いに反対の回転方向で回転するように、上記
のチェーン24の巻き掛け方向が設定されている。
また、上記両挾持送りローラ22・23は、後述するよう
に、折版3の切断操作時には前記馳締め部5を水平方向
両側から挟み込んで挾持した状態となされるが、このと
きの挾持位置が、前記丸鋸12よりも基台10の左右方向の
一方に所定の寸法偏った位置となるように上記挾持送り
ローラ22・23の取付位置の設定が行われている。例え
ば、第1図においては、丸鋸12を通る中心線SからL方
向に所定の寸法離れた直線Gl上に上記の挾持位置が位置
するように、両挾持送りローラ22・23の位置設定がなさ
れている。さらに、これら挾持送りローラ22・23は、上
記の挾持位置を、中心線Sを挟んで対称な位置(図にお
いては、中心線Sよりも基台10の右端側、すなわちR方
向に離れた直線Gr上の位置)へと切換え得るようにもな
っており、以下、このための構造と挾持位置の切換操作
とについて説明する。
第4図に示すように、基台10のA方向端部上には、こ
の基台10に沿って幅方向、すなわちR−L方向に摺動自
在なスライド板30が設けられ、このスライド板30上に、
第3図及び第4図のように、幅方向に相対向する断面コ
字状の一対の支持ブロック22c・23cが取付けられてい
る。これらの支持ブロック22c・23cにそれぞれ固定され
ている軸受ブロック22d・23dによって、前記各挾持送り
ローラ22・23から上方に延びる回転軸22a・23aの回転自
在な支持が行われている。これら回転軸22a・23aは、基
台10の穿設されている幅方向に長寸の長穴31を貫通して
いる。これにより、上記スライド板30の幅方向のスライ
ド移動と共に、両挾持送りローラ22・23も一体的に移動
する。
一方、前記チェーン24は、原動スプロケット21a及び
従動スプロケット22b・23bと共に、さらにこれらスプロ
ケット21a・22b・23bよりもL方向外側に位置する張設
ローラ32にも巻き掛けられている。この張設ローラ32
は、モータ取付板20の前端からさらにA方向に延びる張
設解除レバー33の後端部に回転自在に取付けられてい
る。また、この張設解除レバー33は、上記モータ取付板
20の前端からA方向に突設されている軸支片34の先端に
回動自在に軸支されている。さらに、張設解除レバー33
における上記軸支点よりもA方向の部位と上記スライド
板30の前端部位との間には、張設用コイルバネ35が張架
されている。この張設用コイルバネ35によって、張設解
除レバー33に対して上記軸支点回りに第4図においては
右回り方向の付勢力が作用し、この結果、張設ローラ32
がL方向に押動されることで、この張設ローラ32と上記
スプロケット21a・22b・23bとに巻き掛けられているチ
ェーン24にはたるみのない張設状態に保持されると共
に、スライド板30、及びこのスライド板30への取付物全
体がL方向に押動されて、上記スライド板30の端部がL
側ストッパ部材36lに当接した位置で保持されている。
この状態で、挾持送りローラ22・23による前記挾持位置
が、第1図における直線Gl上に位置するようになってい
る。
なお、上記スライド板30には、第4図に示されている
ように、右側の支持ブロック22cよりもB方向の位置
に、幅方向に延びる長穴30aが穿設されると共に、第2
図に示されているように、上端側がT字状のスライド固
定バー37がさらに設けられている。このスライド固定バ
ー37の下端部の雄ねじ部を、上記長穴30aを通して基台1
0の雌ねじに螺合し得るようになっており、スライド固
定バー37における上記雄ねじ部の上部の径大部と基台10
との間にスライド板30を挟んで上記ねじ部を緊締するこ
とによって、スライド板30の固定が行われる。
次に、上記の直線Gl上から前記Gr線上へと挾持送りロ
ーラ22・23による挾持位置を切換える場合の切換操作手
順について説明する。まず、上記スライド固定バー37を
回転操作して下部側での緊締状態を緩め、スライド板30
の固定状態を解除する。次いで、張設解除レバー33を、
第4図において矢印Wlで示す方向に、前記張設用コイル
バネ35のばね力に抗して軸支点回りに回転させる。これ
により、張設ローラ32は幅方向中心側に移動し、チェー
ン24の張設状態が解除されて弛みを生じた状態となる。
この状態においては、張設用コイルバネ35がスライド板
30をL方向に押付ける力は作用しなくなり、この状態に
おいて、たとえばL方向側の支持ブロック22cをR方向
へと押動することによって、スライド板30をR方向にス
ライドさせることができる。そして、このスライド板30
のR方向の端部が、R側ストッパ部材36rに当接するま
でスライドさせた状態で、スライド固定バー37を右回り
に回転させてスライド板30を固定する。その後、張設解
除レバー33から手を離すことで、張設用コイルバネ35の
ばね力によって、チェーン24は張設状態に復帰する。以
上の操作を行うことによって、挾持送りローラ22・23に
よる挾持位置が、第1図における直線Gr上に位置するも
のとなる。
なお、第1図に示すように、基台10の下面側のB方向
端部位置には、上記のようにA方向端部側での挾持送り
ローラ22・23による挾持位置の左右の切換位置にそれぞ
れ対応する回転自在な3本のガイドローラ38l・38c・38
rが幅方向に並設されている。中央とL方向側のガイド
ローラ38c・38l間の中心位置が前記直線Gl上に、また中
央とR方向側のガイドローラ38c・38r間の中心位置が上
記直線Gr上にそれぞれ位置するように、各ガイドローラ
38l・38c・38rは取付けられている。
一方、前記スライド板30上におけるL側の支持ブロッ
ク22cはスライド板30に固定される一方、R側の支持ブ
ロック23cは、第4図のように、スライド板30のB方向
端部側に立設されている軸支ピン部23eを中心に固動自
在な取付けとなっている。そして、第3図に示すよう
に、両支持ブロック22c・23cの各A方向端面間には、R
側の支持ブロック23cを、上記軸支ピン部23e回りにL側
支持ブロック22cの方向に付勢する挾持用コイルバネ25
が張架されている。この挾持用コイルバネ25のばね力に
よって、R側の挾持送りローラ23は、L側の挾持送りロ
ーラ22方向に押動されて、それら外周面が相互に当接し
た状態で保持されるようになっている。さらに、上記R
側支持ブロック23cには、第4図のように、A方向に延
びる離間操作バー26が固着されており、この離間操作バ
ー26を掴んで、上記挾持用コイルバネ25のばね力に抗し
て、R側支持ブロック23cを軸支ピン部23e回りに第4図
において矢印M方向に回転させることによって、上記R
側挾持送りローラ23をL側挾持送りローラ22から幅方向
に移動させて離間し得るようになっている。
なお、第1図及び第2図に示すように、基台10にはそ
の四隅側にそれぞれ下方に延びる脚部41…が設けられて
おり、各脚部41…の下端部には、それぞれ、基台10をA
−B方向に走行自在とするための車輪41a…が設けられ
ている。また、上記各脚部41…の長さ、すなわち、車輪
41aからの基台10の高さは、それぞれ基台10の上面側か
らの操作で調整し得るようになっている。一方、基台10
の上面側には、この基台10を覆う直方体形状の各稜線に
沿って配設された棒状のフレーム42が取付けられてい
る。このフレーム42に前記丸鋸駆動用モータ11と送りモ
ータ21との各運転操作ボックス43・44が取付けられてい
る。なお、上記送りモータ21には、この送りモータ21の
回転方向の切換スイッチ45aと、回転速度調整つまみ45b
とを有する切換手段としてのスピードコントローラ45を
介して駆動電流が通電される。したがって、上記送りモ
ータ21で駆動される前記挾持送りローラ22・23の回転方
向の切換えと回転速度の変更とを上記切換スイッチ45a
と回転速度調整つまみ45bとで行い得るようになってい
る。
また、前記丸鋸12は、第1図中、矢印Wに示すよう
に、回転中心よりも下側で、送り方向、すなわちA方向
と同方向になるように回転駆動される。したがって、中
心よりも下側前方の切断領域Xにおいては、周縁の切断
刃が下側から上側に向かう方向で回転する。
上記構成の切断装置によって折版屋根の葺き替え時に
折版3の切断を行う場合、前記のように、馳締め部5を
介して相互に連結された折版3・3における長尺方向の
一方の端部側(以下、起点側という)で、第5図に示す
ように、一つの山形頂部を跨ぐ位置に上記装置を位置さ
せると共に、馳締め部5に対する前記吊子取付用空間6
の位置に合わせて、図の場合には、挾持送りローラ22・
23を前記直線Gl上に挾持位置から位置するように設定す
る。次いで、離間操作バー26による挾持送りローラ22・
23の離間操作を行って両挾持送りローラ22・23間に馳締
め部5を両側から挟み込んだ状態とする。この状態で、
丸鋸駆動用モータ11と送りモータ21とを起動する。これ
により、各挾持送りローラ22・23が回転駆動される結
果、この切断装置は、上記馳締め部5に沿って折版3・
3の長尺方向に自動的に走行すると共に、丸鋸12による
切断が行われる。
この場合に、馳締め部5を挾持送りローラ22・23によ
り挾持した状態で自動走行するが、このときの丸鋸12
は、挾持送りローラ22・23に挾持されている馳締め部5
と所定の位置関係、すなわち、吊子取付用空間6上を通
る線上に保持される。このように、上記では、馳締め部
5を案内部として自動走行する結果、例えば作業者によ
る切断位置の調整等を行う必要がなく、起点・終点箇所
での装置のセッティング作業や起動・停止操作等のみを
行えばよいので、切断作業に伴う労力が従来よりも大幅
に軽減され、作業が容易となる。
一方、上記のように、馳締め部5に沿う切断が折版3
の長尺方向の他端側(以下、終点側という)に達する
と、その燐の馳締め部5への装置を移動し、この馳締め
部5に沿う切断を次に開始する。この際に、上記装置に
おいては、丸鋸12の切断位置に対する挾持送りローラ22
・23による挾持位置の左右の切換えが可能であるので、
上記のように隣の馳締め部5に沿う切断を行う場合、先
の箇所の終点側での装置の向きを180度回転させ、そし
て、上記の挾持位置の左右の切換を行うことによって、
次には、終点側から起点側に向かう切断作業を継続して
行うことができる。すなわち、第5図において、紙面の
手前から奥に向かう切断を完了した後、装置を180度回
転させて紙面の奥から手前に向かう切断を行う場合に
は、装置の送り方向に向かって馳締め部5よりも左側に
吊子取付用空間6が位置することとなり、図示の場合と
は位置関係が逆転することになるが、この位置関係に合
わせて、挾持送りローラ22・23による挾持位置の切換え
を行い得るものとなっている。この結果、隣接する馳締
め部5を順次移動させながら、往復の両方向で切断を継
続して行うことができる。このため、例えば、隣接する
馳締め部5に移動する場合に常に装置の起点側に戻すよ
うな余分な移動操作をする必要がないので、より能率的
に切断作業を行うことができる。
また、上記装置においては、前記のように、丸鋸12の
回転方向は、切断部位において下側から上側に向かう方
向で回転駆動される。この切断で生じる切り粉は、切断
箇所における丸鋸12の略接線方向に飛散するが、上記の
ような回転方向の設定がなされている結果、切り粉は、
折版3よりも上方に向かうものとなる。これにより、折
版3よりも下側、すなわち、可燃物の存在するおそれの
多い屋内側には、高温の切り粉の飛散が生じないので、
火災の発生が防止される。
さらに、上記装置においては、送りモータ21の回転方
向、すなわち、挾持送りローラ22・23の回転方向の切り
えも可能な構成となっている。つまり、上記のような切
断作業は腐蝕を生じた折版3…に対して行われるが、こ
のとき、腐蝕による部分的な凹凸箇所が往々にして存在
する。このような場合、前記のように起点側で基台10の
高さ調整を行っても、走行の途中に上記のような凹凸変
形部において、丸鋸12の下端周縁部が折版3に達せずに
切り残しを生じるおそれがある。このような切り残しを
生じた場合等において、送りを逆転させて切り残し部の
手前の位置に戻し、そこで、その凹凸箇所に合わせて高
さ調整を行った後、再度、同一箇所を送ることで、切り
残しを解消することができる。このように、上記におい
ては、送り方向の切換えが方向であり、これにて切り残
しを解消するための同一箇所に対する反復動作を容易に
行わせることができる。
また、上記においては、送りモータ21の回転速度、す
なわち、挾持送りローラ22・23による送り速度を可変し
得るようになっている。これにより、例えば折版3の板
厚や材質等に合わせた適正な切断速度を丸鋸12によって
行われるように調整することが可能である。これによっ
て、より能率的な切断を行い得ると共に、丸鋸12の寿命
の向上等を図ることができる。
なお、上記実施例は本考案を限定するものではなく、
本考案の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば上記
においては、丸鋸12にて切断手段を構成したが、例えば
切断砥石やワイヤソウ等のその他の切断工具にて構成す
ることが可能である。
〔考案の効果〕
以上のように、本考案の請求項第1項の折版屋根葺板
の切断装置は、相互に隣接する折版の互いに重合された
側縁を馳締めして折版の長尺方向に延びる馳締め部が形
成された折版屋根の上記馳締め部を、略水平方向に両側
から挾持すると共に回転駆動される挾持送り手段と、上
記折版を切断するため、上記挾持送り手段に対して所定
の相対位置に配設された切断手段とが、上記折版の長尺
方向に移動可能な基台に設けられている構成である。
これにより、折版屋根の馳締め部を挾持した挾持送り
手段を回転駆動することによって、基台はこの馳締め部
に沿って走行すると共に、上記馳締め部に対して所定の
位置での折版の切断が自動的に行われるので、作業者に
強いる労力が従来よりも大幅に軽減され、作業性を向上
し得るという効果を奏する。
また、本考案の請求項第2項の折版屋根葺板の切断装
置は、上記挾持送り手段の回転方向の切換えを行うため
の切換スイッチを有する切換手段がさらに設けられてい
る構成である。
これにより、同一箇所に送りの反復動作を容易に行わ
せることができるので、例えば切り残しを残さずに確実
に切断していくことが可能となる。この結果、後から切
り残し部を手鋸で切断する等の追加工をする必要がなく
なることから、さらに作業性の向上を図ることができる
という効果を奏する。
また、本考案の請求項第3項の折版屋根葺板の切断装
置においては、上記切断手段が、上記折版に対する切断
部位において下側から上側へと向かう方向で駆動される
ように設定されている構成である。
これにより、切断手段によって切断される折版の切り
粉は、折版よりも上方に飛散し、折版よりも下側の屋内
側の可燃物の存在するおそれの多い方向には、高温の切
り粉の飛散が生じないので、火災の発生を防止し得ると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本考案の一実施例を示すものであ
る。 第1図は折版屋根葺板の切断装置の前方下側から見た斜
視図である。 第2図は上記装置の後方上側から見た斜視図である。 第3図は上記装置における前端側に設けられている挾持
送りローラ駆動機構の概略構成を示す部分正面図であ
る。 第4図は第3図におけるIV−IV線矢視断面図である。 第5図は上記装置による折版屋根の切断作業状態を示す
説明図である。 第6図は折版屋根の構造を示す斜視図である。 3は折版、5は馳締め部、10は基台、12は丸鋸(切断手
段)、22・23は挾持送りローラ(挾持送り手段)、45は
スピードコントローラ(切換手段)、45aは切換スイッ
チである。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】相互に隣接する折版の互いに重合された側
    縁を馳締めして折版の長尺方向に延びる馳締め部が形成
    された折版屋根の上記馳締め部を、略水平方向の両側か
    ら挾持すると共に回転駆動される挾持送り手段と、上記
    折版を切断するため、上記挾持送り手段に対して所定の
    相対位置に配設された切断手段とが、上記折版の長尺方
    向に移動可能な基台に設けられていることを特徴とする
    折版屋根葺板の切断装置。
  2. 【請求項2】上記挾持送り手段の回転方向の切換えを行
    うための切換スイッチを有する切換手段がさらに設けら
    れていることを特徴とする請求項第1項記載の折版屋根
    葺板の切断装置。
  3. 【請求項3】上記切断手段は、上記折版に対する切断部
    位において下側から上側へと向かう方向で駆動されるよ
    うに設定されていることを特徴とする請求項第1項又は
    第2項記載の折版屋根葺板の切断装置。
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