JP2522651B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2522651B2
JP2522651B2 JP61221648A JP22164886A JP2522651B2 JP 2522651 B2 JP2522651 B2 JP 2522651B2 JP 61221648 A JP61221648 A JP 61221648A JP 22164886 A JP22164886 A JP 22164886A JP 2522651 B2 JP2522651 B2 JP 2522651B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は複数の発音系列を有し、時間的変化のある波
形演算を周期的に行なうとともに、新しい押鍵の割込み
演算を行なう電子楽器に関するものである。
〔従来技術と問題点〕 従来、発音系列数を多くもち、かつ各系列も多くの発
音チヤンネルをもち、かつ1音1音に対してよりリアル
感を発揮する電子楽器が要求されている。この場合、時
間的に波形変化してリアルな音を発生する発音チヤンネ
ルが必要となる。このことは演算を時分割的に常に行な
つていなければならない発音チヤンネルを多くもつこと
となり、押鍵,離鍵にかかわらず演算用のタイムスロツ
トを確保していたのでは、時間的波形変化が不連続でな
めらかさを欠き、発音される楽音に対するリアル性が不
十分となりノイズ発生の原因となる。
第4図は従来例の説明図であり、楽音発生システム10
0は一般的なフーリエ合成方式で所望の楽音を発生する
構成例である。
キー・タブレツトアサイナ102は、キー・タブレツト
スイツチ群101を走査し、キー・タブレツトスイツチ群1
01に含まれるスイツチのON-OFFやキー・スイツチのタツ
チレスポンス等を検出し、キー・タブレツトアサイナ10
2内に各スイツチの情報をもつている。そして、その情
報をシステム100を制御するコントロール回路103に送出
する。
コントロール回路103は、キー・タブレツトアサイナ1
02より送られてくる情報を受けて、下記に示すフーリエ
合成方程式(1) q ;高調波次数 n ;サンプルポイント番号 W ;高調波の個数 Cq;時変化ある高調波係数 Zn;サンプリング値 に基づいて合成波形をメインメモリ108にセツトする。
その手順を説明すると、コントロール回路103′よりの
信号で所望の音色の高調波係数Cqを高調波係数発生器10
5より発生させる。そして、高調波係数発生器105より得
られた高調波係数Cqとコントロール回路103よりの信号
で正弦波関数テーブル104より読み出されるq次の正弦
波値sin πnq/Wとを乗算器106において乗算する。乗算
器106よりの乗算値を累算器107で累算して方程式(1)
で示す合成波形をメインメモリ108に作り上げる。
次にメインメモリ108に蓄えられた合成波形は、系列
A,系列B,系列Cと図示してある系列のなかの鍵に対応す
る音調メモリ110-1〜110-m(mは複数あることを意味す
る。しかし時分割にして一つの構成にできることは明ら
かである。)の少なくとも一つに転送選択回路109を通
じて転送され、同様に鍵に対応する音調周波数情報を発
生する音調周波数情報発生器111からの音調周波数情報
により、波形合成にはなんら影響を及ぼさず対応した音
調メモリから読出される。音調メモリ110-1〜110-mから
音階に対応して読み出された波形データは、押鍵に対応
してエンベロープ波形を出力するエンベロープ発生器11
3からのエンベロープ出力波形と乗算器112-1〜112-mで
乗算され、エンベロープの付加された楽音波形データと
なる。乗算器112-1〜112-mよりの楽音波形データは、D/
A変換器114-1〜114-mでアナログ楽音波形に変換され、
サウンドシステム115に供給されてサウンドシステム115
より所望の楽音が得られる。
ここで、系列A,系列B,系列Cを図示しているのは、電
子楽器において、多くの系列数が必要になることを意味
している。つまり1鍵の押鍵に対して同時に何種かの系
列の異なる楽音を発生したり、あるいは自動演奏をした
りする場合に多くの発音チヤンネルを必要とする。ここ
で、系列A,系列Bは時間的に変化する楽音(つまり高調
波成分が時間変化する楽音),系列Cはあらたに押鍵が
あつたときとか音色を変える必要があるときのみ波形が
かわるもので時間的に変化しない楽音を発生する系列と
する。このようなシステムにおいては、時間的に変化す
る楽音を発生する系列A,Bに対して、常にシーケンシヤ
ル的に繰り返し演算して音調メモリに書き込んでいなく
てはならない。この場合、系列A,Bにある音調メモリの
数が多くなると一通り演算するのに時間がかかる。つま
り、系列A,Bの任意の一つの音調メモリに着目すると、
その音調メモリに対する演算をしてから次に同じ音調メ
モリに対する演算をするまで時間がかかり、楽音波形の
時間的変化になめらかさを欠く。このように系列A,Bに
各々m個の音調メモリが含まれていて、1つの波形演算
の時間をTとすると2mTの時間で新しい演算がなされ
る。
これに対し、人間の聴感は、同時に多くの押鍵数があ
るときは互いに各音がマスキングされて1つ1つを検知
できないが、少ない押鍵の場合は容易に1つ1つを検知
できる。従つて一定演算周期における多数の押鍵数から
少数押鍵数に変化した場合には不連続感を生じる。そこ
で、本発明者は押鍵されている鍵数を数えて演算周期を
変化し、押鍵されている鍵に対する波形を早く計算して
次の波形に移すようする。すなわち、前記の周期2mTを1
/2,1/4,1/8……とすることにより波形変化のなめらかさ
を改善することが期待される。
本発明者は上記問題点を解決するため、別出願により
押鍵されている鍵数を計数し楽音破形の演算周期を変化
するようにした電子楽器を提案した。すなわち、本提案
においては、押鍵数検出手段と該手段で計数された押鍵
数に基づいて全体的な演算周期を変更する手段とを具
え、押鍵されている鍵数が多い場合に演算時間の周期を
2mTとすれば鍵数が半分になると周期を1/2とするように
変更することにより、鍵数を急激に変更する場合の不連
続な聴感を緩和し変化をなめらかにするものである。
またこの方式における他の問題点として、後段に複数
の発音系列を有し、この発音系列を用いて時間的変化の
ある波形演算を周期的に行なうとともに、新しい押鍵に
対し割込み演算を一元的に行なうことである。前者の波
形演算と後者の割込み演算を2系列用意し、これらに順
次割当てるように制御すれば従来技術により可能である
が、発音系列が2倍必要であるし、制御もかなり複雑な
ものとなる。
本発明の目的は、同一構成の複数の発音系列を用い
て、時間的変化のある波形演算を周期的に行なうととも
に、新しい押鍵に対して割込み演算を一元的に行なうよ
うに制御する電子楽器を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前記目的を達成するため、本発明においては、発生す
る楽音を、音色が時間的変化する第1の楽音系列と、音
色が時間的変化しない第2の楽音系列とに区分し、いず
れの楽音も同一の演算手段による演算により発生する電
子楽器であって、 上記演算手段は、通常は第1の楽音系列の楽音の波形
演算を行い、第2の楽音系列の楽音に係る押鍵イベント
があったときは、第2の楽音系列の楽音の波形演算を割
り込み処理により行うことを特徴としたものである。
〔作用〕
上記構成により、同一構成の複数の発音系列を用意
し、新しい押鍵があつた場合どの系列かを判断して時間
的変化のある波形演算を割込み演算手順に一元的に切替
えることができ、即応性に富んだイベント処理が可能と
なる。
〔実施例〕
第1図は、本発明の要部の原理説明図であり、押鍵数
によって演算時間の違いを図示したものである。
系列A,Bともに音調メモリ数mが8個の場合について
図示している。A1〜A8,B1〜B8は各系列A,Bの音調メモリ
の順序づけの番号である。
同図(a)のレート1(先に述べた演算周期2mTの時
のレート)の場合は系列A,Bのすべての音調メモリを使
用するように押鍵されているときで、波形演算周期が2m
Tつまり16T(m=8としたので)のものである。レート
1/2(レート1での演算周期の半分の時のレート)の場
合は、系列A,Bの音調メモリが1番目から全体の半分の
4番目まで使用するように押鍵されているときで波形演
算周期が2mT/2つまり8Tのものである。つまり押鍵数
(音調メモリの使用数)が8鍵以下と9鍵以上の2パタ
ーンの演算周期を持っている。このように、押鍵数が少
ないときには演算周期を短かくする。同図(a)のレー
ト1,レート1/2の両方の場合とも、周期内のすべてのタ
イムスロツトに押鍵のある場合である。
同図(b)は、レート1の場合として系列A,Bにおい
て音調メモリが9個使用された時の状況である押鍵数が
9鍵以上(9鍵〜16鍵)の1パターンである9鍵とレー
ト1/2の場合として系列A,Bにおいて、音調メモリが5個
使用された時の状況である押鍵数が8鍵以下(1鍵〜8
鍵)の1パターンである5鍵とのタイミングチャートを
図示している。ここで余ったタイムスロツトは擬似演算
スロツトとなる。
同図(c)は波形演算時間Taの間で検出された押鍵数
(系列A,Bの音調メモリ使用数)によって、波形演算時
間Tbが決められ、波形演算時間Tbの間で再び押鍵数を検
出しその結果が2mT/2の時間で処理できる押鍵数より押
鍵数が多い場合、次の波形演算時間Taが波形演算時間Tb
の倍になったことを図示している。
第1図において演算時間が1,1/2の場合しか示してい
ないがこれに限定されず1/4,1/8……にもなる。
第2図は第1図で述べた原理を実現するために従来例
の第4図のコントロール回路103と高調波係数発生器105
〔にそれぞれ対応する部分103′,105′〕をとくに詳細
にした図面であり、他の部分は第4図と同等であるので
図示していない。
同図において、キー・タブレツトアサイナ102はキー
・タブレツトスイツチ群101を走査し、キー・タブレッ
トスイツチ群101に含まれるスイツチのON-OFFやキース
イツチのタツチレスポンス等を検出し、キー・タブレツ
トアサイナ102内に各スイツチの情報をもっている。さ
らにキー・タブレツトアサイナ102は、内部のキー情報
を系列毎にどのように系列対応キー情報メモリ203に割
り当てるか判断して、その系列各々のキー情報を、コン
トロール回路〔103′〕に対応する破線内の系列対応キ
ー情報メモリ203に格納する。系列対応キー情報メモリ2
03に蓄わえられたキー情報は、押鍵数検出回路204,押鍵
サーチ回路206,キーイベント検出回路208にそれぞれ決
められたタイミングで送られてチェックされる。押鍵数
検出回路204は、系列A,Bに含まれる押鍵状態にある鍵を
チャックして鍵数をカウントする。そのカウント結果で
もってシステムの演算周期を決めるため、レート1とレ
ート1/2のクロツクのどちらかをレート選択器205で選択
する。レート選択器205からの出力RS11は演算周期を意
味し、押鍵サーチ回路206に入力される。
押鍵サーチ回路206は内部にカウンタを含み、カウン
タはRS11の初めに初期化され、系列A,Bに関する鍵情報
を系列対応キー情報メモリ203から送られてくるキー情
報に基づいてチャックし、チャックした鍵が押鍵(音調
メモリ使用要求)であれば押鍵処理時間T後にカウンタ
が一つインクリメントされ、押鍵でなければ別の高速ク
ロツクでカウンタを一つインクリメントする。このよう
に押鍵でない状態のときは、波形演算をスキップ(演算
を行なわないこと)するようなカウント状態を作る。こ
のカウント状態が処理チヤンネル信号αとしてデータ選
択器209に送られる。
キー・イベント検出回路208は系列対応キー情報メモ
リ203より送られてくる系列A,B,Cのキー情報とその系列
に対応するキー情報をもつオールドキーメモリ回路207
からのキー情報と比較して、鍵がOFF→ONになったこと
を検出する。そしてキーイベント検出回路208は、イベ
ントがどの系列のどの音調メモリで起こったかを表わす
イベントチヤンネル信号を出力し、データ選択器209の
他方の入力となる。またキーイベント検出回路208は、
どの系列でキーイベントが起こってもイベント2の信号
を出力し、それをデータ選択器209の選択信号として、
処理チヤンネル信号αに対応するイベントチヤンネル信
号を選択してラツチ回路213へ送る。キーイベント検出
回路208からのもう一つの信号であるイベント1は、系
列A,Bの時間的変化のある波形についてのキーイベント
のとき発生される信号である。その信号が出力される
と、データ選択器210に入力されているイベントチヤン
ネル信号のうち系列A,Bの音調メモリの位置を順次示す
処理チヤンネル信号βに対応するイベントチヤンネル信
号の方を選択してラツチ回路214に送る。演算部(I)2
18はラツチ回路214で演算部(I)218の演算タイミング
と同期を合わされたチヤンネル信号に基づきそのチヤン
ネルのエンベロープを計算して、演算部(II)217で使
うためのデータとする。演算部(II)217はラツチ回路2
13で演算部(II)217の演算タイミングと同期を合わさ
れたチヤンネル信号に基づいて、そのチヤンネルのフオ
ルマントフイルタ特性を演算部(I)218より送られて
くるエンベロープを使って計算する。演算部(III)215
はラツチ回路213よりのチヤンネル信号を、ラツチ回路2
12で演算部(III)215の演算タイミングに同期を合わさ
れたチヤンネル信号に基づいて、そのチヤンネルの高調
波係数Cqをゲート回路216を経て演算部(II)217より送
られてフオルマントフイルタ特性を使って算出する。そ
してその演算結果の高調波係数Cqを第4図の正弦波関数
テーブル104と乗算器106以下の波形演算部へ送る。
ゲート回路216は、キーイベント検出回路208からのイ
ベント1とイベント2の信号によりキーイベントが系列
Cのキーイベントであることを判定するイベント判別回
路211からの阻止信号で、系列Cのキーイベントのとき
演算部(II)217からの出力データを演算部(III)215
でおこなわれる演算のデータとして組み入れないように
ゲートされる。オールドキーメモリ回路207には、キー
イベントが検出されると、押鍵中は再びキーイベントが
検出されないようにキーイベント検出回路208を経てオ
ールドキーメモリ回路207にチャックしたキー情報を書
き込んでおく。また、主として系列Cに対する音色タブ
レツトが変更しても、系列Cに関しては常に演算してい
ないので新しい波形に変わらないので、強制的にキーイ
ベントを起こすためにタブレツトイベントによってオー
ルドキーメモリ回路207内のオールドキーメモリをクリ
アする。
以上のようにキー・アサイナのキー情報を基に振り分
けた系列単位のキー情報を各々一つずつチェックして系
列毎にイベントによる演算方法をかえる。
第3図は実施例の動作説明図であり、鍵のOFFからON
のあった場合、つまりキーイベントが存在したときの各
演算部のイベント処理用の演算の位置を斜線で示してい
る。
ここで各演算部を説明する。ここでは一例としてのも
のでありこれに限定されない。
演算部(I)……押鍵数に関係なく系列A,Bに含まれる
すべての鍵の押鍵からのエンベロープ波形を計算し記憶
している。
演算部(II)……演算部(I)で得られたエンベロープ
波形よりフオルマントフイルタ特性のカーブを計算して
記憶している。
演算部(III)……高調波係数と演算部(II)で得られ
たフオルマントフイルタデータとを演算してスケーリン
グされた時間的に変化する高調波係数Cqを得て波形演算
部におくる。
同図(a),(b)は、時間的変化のある波形のため
の系列A,Bに対する系列対応キー情報メモリのキー情報
がキーオフ状態からキーオン状態へ変わる押鍵イベント
が一つあった場合に演算部(I)218〜(III)215がイ
ベントがあった鍵用に使用される様子を各々図示してい
る。同図(c)は時間的変化のない波形のための系列C
に対応する鍵の一つの押鍵イベントがあった場合を図示
している。このような場合には、C系列の押鍵イベント
に対して演算する必要がない演算部(I)218に対して
はイベント処理せず、演算部(II)217,(III)215のみ
についてイベント処理する。しかし演算部(III)215で
の演算では、演算部(II)217で演算結果として得られ
たフオルマントフイルタ特性をデータとして必要としな
いので阻止して高調波係数Cqを得る要素としない。この
意味で演算部(II)217のイベント処理の部分は交差す
る斜線で示している。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、同一構成の複
数の発音系列を用い、時間的変化のある波形演算ととも
に新しい押鍵に対する割込み演算を簡単な回路を付加す
るだけで即応性に富んだ切替動作を行なうことができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の要部の原理説明図、第2図は本発明の
実施例の構成説明図、第3図は実施例の動作説明図、第
4図は従来例の説明図であり、図中101はキー・タブレ
ツトスイツチ群、102はキー・タブレツトアサイナ、10
3,103′はコントロール回路、104は正弦波関数テーブ
ル、105,105′は高調波係数発生器、106は乗算器、203
は系列対応キー情報メモリ、204は押鍵数検出回路、205
はレート選択器、206は押鍵サーチ回路、207はオールド
キーメモリ回路、208はキーイベント検出回路、209,210
はデータ選択器、211はイベント判別回路、212〜214は
ラツチ回路、215,217,218は演算部、216はゲート回路を
示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発生する楽音を、音色が時間的変化する第
    1の楽音系列と、音色が時間的変化しない第2の楽音系
    列とに区分し、いずれの楽音も同一の演算手段による演
    算により発生する電子楽器であって、 上記演算手段は、通常は第1の楽音系列の楽音の波形演
    算を行い、第2の楽音系列の楽音に係る押鍵イベントが
    あったときは、第2の楽音系列の楽音の波形演算を割り
    込み処理により行うことを特徴とした電子楽器。
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