JP2522508B2 - 関節鏡利用の外科手術用器具 - Google Patents

関節鏡利用の外科手術用器具

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JP2522508B2
JP2522508B2 JP63000249A JP24988A JP2522508B2 JP 2522508 B2 JP2522508 B2 JP 2522508B2 JP 63000249 A JP63000249 A JP 63000249A JP 24988 A JP24988 A JP 24988A JP 2522508 B2 JP2522508 B2 JP 2522508B2
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    • A61B17/320016Endoscopic cutting instruments, e.g. arthroscopes, resectoscopes
    • A61B17/32002Endoscopic cutting instruments, e.g. arthroscopes, resectoscopes with continuously rotating, oscillating or reciprocating cutting instruments

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、改良した関節鏡利用の外科手術用器具に関
する。
(ロ) 従来の技術 関節鏡を利用して、関節内の組織を切除し、整形する
ため、動力駆動の器具を使用することは、当発明者が関
与した発明(1980年5月20日付けの米国特許第4,203,44
4号)で開示したものである。かかる器具は、現在では
広く使用されている。技術の進歩に伴い、外科医は、よ
り強力且つ迅速に作用し、広範囲の手術に適した器具を
希望するに至っている。しかし、従来の器具は、通常、
切除せんとする組織に差があるため、1またはかなり限
定された目的にしか適さなかった。これら組織は、硬質
なものから軟質なものがあり、また、固着していたり、
極めて動き易く、あるいはアクセスが容易か、または困
難なものである。
(ハ) 発明が解決せんとする課題 器具の交換は、時間がかかるのみならず、交換毎に、
各種の関節鏡が関節に出入りするため、健全な組織を擦
り、その他損傷させる可能性が大きくなる。本発明は、
広い種類の組織を除去し得る関節鏡を提供するものであ
る。これは、誤まって擦り傷等をつける虞れを少なくす
るのみならず、手術の迅速化を図るものである。かかる
利点により、外科医者は疲労が少なく、患者は麻酔時間
が最小で済み、所定の手術室の設備にてより多くの手術
を行ない得ることとなる。
(ニ) 課題を達成するための手段 本発明は、従来の動力駆動式関節鏡と同様、穿刺傷か
ら関節に入ることのできる寸法とした外側の静止部材を
使用している。この外側の静止部材は、少なくとも1つ
の末梢孔を備えており、この末梢孔にて、静止部材の壁
は、切刃に端末のある第1固定刃表面を形成する。動力
駆動し得るように外側部材内に配設した内側の可動部材
は、迅速、且つ反復的に固定切刃の方向に動き、且つこ
の切刃の極く近くを通り、組織を切除し得るように配設
した第2切刃を備えている。この可動部材は、第2切刃
をこの切除方向に反復的に動かすための関係する駆動手
段を備えている。
本発明の1実施態様に依ると、外側静止部材の本体の
全体的外形から外方に伸長する台状突起を孔に設け、こ
の台状突起は、反復的な切除動作を改良し得るような方
法にて、関節鏡を押付ける組織と係合し得る構造および
配設状態とする。
本発明の好適実施態様において、台状突起は、外方成
分および伸長成分が内側部材の切除動作の方向と反対の
方向に向いた逆行状態に伸長している。外側部材の側壁
には孔が設けてあり、台状突起は、上記孔付近にて外側
部材の全体として外側面よりも外方に伸長し、望ましく
は、外側部材の側壁の厚みに対応する刃表面は、第1切
刃を通って伸長する内側部材の動作軸線からの半径に対
し逆行する角度にあり、台状突起は、上記半径に対しよ
り大きい角度にて位置するようにする。さらに、台状突
起は、外側部材の全体的側壁の厚みの少なくとも20%だ
け、外側部材の外表面の全体的外形から外方に伸長して
いることが望ましい。台状突起は、少なくとも全体的側
壁の厚み程度だけ外方に伸長するようにする。台状突起
は、少なくとも外側部材の全体的側壁の厚み程度だけ刃
表面から外方に伸長することが望ましい。台状突起は、
少なくとも外側部材の全体的側壁の厚みの20%だけ、刃
表面から逆行状態に伸長するようにする。台状突起は、
少なくとも外側部材の全体的側壁の厚み程度だけ刃表面
から伸長することが望ましい。この関節鏡は、台状突起
の基端と外側部材の全体的側壁の交錯領域内に切欠きを
備えている。外側部材は、略円形の横断面を備え、孔の
基端領域が末梢方向にテーパが付けてある。孔の外側に
て、外側部材は、1対の固定切刃と、選択的に反対方向
に動き、各々、第1対の各切刃と協働し得るようにした
1対の第2切刃を形成する可動部材とを形成し、各固定
刃と関係する台状突起が設けてあり、内側部材は、1方
の切除箇所が他方の切刃の任意の箇所から縦方向にずれ
るよう異なるパターンに配設した切除箇所を提供する2
つの切刃を備えることが望ましい。各台状突起の表面
は、第1切刃間の中間にて第2切刃の通路に対し正接状
態に伸長した少なくとも1つの線まで外方に伸長するこ
とが望ましい。また、台状突起は、中間点後90゜にて、
第2切刃の移動経路の半径で外側部材の外表面に対し正
切状態に伸長する略線上、またはその線の内側に配設し
た外表面を備えることが望ましい。内側部材は、2つの
孔を形成し、各孔に少なくとも1つの台状突起を備え
る。外側部材は、略円筒形の管を備える。台状突起は、
組織面を形成する。さらに、外側部材は、略円筒形の管
を備え、この管の側壁に孔を設け、台状突起は、孔の付
近にて管の外面を通って伸長する円筒体よりも外方に伸
長し、孔の両側にて、外側部材は、1対の第1固定切刃
と、および選択的に反対方向に動き、各々、第1対の各
切刃と協働し得るようにした1対の第2切刃を形成でき
るようにした可動部材とを備え、第1固定切刃は、管の
軸線に対し略平行に伸長するようにし、さらに、各固定
切刃と関係する台状突起を設ける。各台状突起は、伸長
成分が内側部材の切除動作と反対の方向に伸長する状態
にて切刃表面から略外方に伸長する。対の台状突起の外
側先端間を伸長する線は、内側切刃の移動経路に対し略
正切状態にあることが望ましい。管の径は、5mm以下と
し、台状突起は、少なくとも管の全体的側壁の厚みの20
%だけ管の外面の全体的外形から外方に伸長することが
望ましい。この台状突起は、組織の固定化面を形成する
ことが望ましい。
本発明の別の実施態様に依ると、関節鏡外科用器具
は、穿刺傷から関節に入ることのできる寸法とし、末梢
孔を有する外側静止部材と、この外側部材内に配設した
内側の可動部材とを備えている。孔を設けた外側部材の
壁は、第1固定切刃を形成し、上記可動部材は、固定切
刃に向けて連続的に動き、この固定切刃の極く近くを通
り、せん断箇所にて組織を切除し、且つ動力駆動され
て、第2切刃を切除方向に向けて反復的且つ迅速に動か
し得るようにしてある。各第2切刃は、第2切刃に沿っ
て縦方向に配設した1または複数の切除箇所を形成し、
1方の第2切刃の切除箇所を後続の第2切刃の切除箇所
から縦方向にずらし、よって、連続する第2切刃が異な
る切除パターンを備えるようにする。
本発明の好適実施態様において、孔の両側にて外側部
材は、1対の第1固定切刃と、および選択的に反対方向
に動き、各々、各第1切刃と協働し得るようにした対の
第2切刃を形成する可動部材とを備え、切除箇所を非対
称状に配設したため、内側部材の本体は、第2切刃の部
分が軸方向に略均一の断面となっている。
かくて、例えば、関節軟骨の創面切除、関節滑液の切
除、骨増殖体の除去、ひだ壁の切除および関節間軟骨の
切除等を含む全関節鏡外科手術の大部分を行ない得る器
具が提供される。
本発明の上記および他の特徴および利点は、好適実施
態様に関する以下の説明、および特許請求の範囲の記載
から明らかになるであろう。
(ホ) 実施例 第1図、第2図および第3図を参照すると、本発明の
関節鏡10は、身体の穿刺傷から関節内に挿入し得る寸法
とした外側静止部材12と、および外側部材の側部および
端面に形成した末梢穴18から暴露される末梢のせん断要
素16を画成する、外側部材と同心状の回転可能な内側部
材14とを備えている。末梢穴18の各側縁に沿っては、第
1図および第2図に示すような台状突起20が配設されて
おり、この台状突起20は、外側部材の壁の厚みTだけ突
出することで提供された刃表面23よりも伸長する逆行可
能な台表面22を形成し、関節鏡の略凹状の穴を形成す
る。
第2図を参照すると、関節鏡10の基端は、例えば、こ
こに引用するSjostrom等の米国特許第693,779号に記載
されているように、マサチューセッツ州、アンドーバの
Dyonics,Incが販売するUniversal Surgical Systemの構
成要素のような動力駆動の握り部24内に嵌入させてあ
る。この握り部24の基端は、吸引源26に接続されてい
る。この吸引源26は、握り部24および関節鏡10に形成し
た導管を介して、孔18まで真空を吸引する。この孔18
は、関節鏡と握り部に形成した内側導管と関節鏡の末梢
端周囲の大気間を連通させる。吸引源26によって導管内
に形成された真空は、以下に説明するように未切除の組
織を孔18内に吸引し、また、例えば関節鏡によって除去
した組織片を排出させる作用を行う。
回転可能な内側部材14の基端は、握り部24内に配置し
た逆回転可能な駆動モータと関係する。ケーブル30を介
して接続したコントローラ/電源28が約1400rpmまでの
最高速度にて握り部14内の駆動モータを駆動し、足踏み
制御装置32によって、外科医は、両手を自由な状態にて
足で関節鏡を作動させ、1方向に回転させることができ
る。
第4図および第5図を参照すると、管状の外側静止部
材12は、例えば4.0mmの軟骨の後部突起領域内にて使用
し得るよう外径5.5mmの略均一な略円筒状の第1基部36
を備えている。この第1基部36の末梢部には、関節鏡の
末梢部40の径D2まで外径が末梢方向に縮径する切頭円錐
形部分38が位置している。上記径D2が径D1より小さいこ
とは、関節の狭小部分内にて関節鏡の末梢端を操作し、
位置決めするのに都合良い。さらに、孔18の基部直後に
て外側部材の表面を扁平にし、平坦な傾斜面42を形成す
ることにより、関節内部から組織を除去し易くなる。上
記傾斜面42は、末梢端の切刃45(第6図)を形成する半
月状の末梢端面44が形成する。端面の穴と相俟って、以
下に説明するように、関節鏡の切除孔が切除せんとする
組織にアクセスし易いようにする。
孔18における外側部材12の内面は、孔18の両側にて、
以下、第7図乃至第9図に関して説明する回転可能な内
側部材14の切除要素16の切刃と協働し得るようにした軸
方向に伸長する1対の第1固定切刃46を形成する。逆行
可能な台表面22を形成する台状突起20は、第1図および
第10図に示すように、第1固定切刃46の刃表面23にて、
外側部材の側壁の厚みの少なくとも20%に相当する距離
Sだけ、外側部材12の本体から略外方に突出している。
孔の両側部において、台状突起および刃表面は、共に、
孔18の略凹状の穴を形成する。各台状突起20の基端直後
には、以下に説明する目的のため、外側部材12と台状突
起の基端の交錯領域には切欠き47が形成されている。か
くて、外側部材は、狭いスペース内にて組織せん断孔に
最大限アクセスし得る構造を備えるに至る。これは、内
側可動部材のせん断動作が平滑な円筒体の動作に近づく
とき、早い回転速度にて比較的硬い組織を除去するのに
特に有利である。
台状突起20によって形成された逆行可能な台表面22に
より、関節鏡が提供する組織受領窓の寸法を大きくする
ことができる。これは、台状突起が協働する切刃46の領
域内にて組織を拘束して、固定し、例えば膝における様
々な種類の組織を一層良く切除し得るようにするからで
ある。第1図および第1a図を参照すると、台状突起20
は、外側部材12の外面25の突起Yから、内側部材の回転
軸線Xを中心とする半径Rに沿って測定した、第1切刃
46を通る距離Sだけ、外方に伸長している。(上述のよ
うに、Sは、側壁の全体的厚みの少なくとも20%とし、
図示するように、ここに説明するその他のパタメータの
範囲内にて20%より著しく大きくすることが望まし
い)。台表面22の半径Rに対する、第1固定切刃46を通
る角度Aが刃表面23の角度Bより大きいため、組合せた
逆行面は、内側部材14の切除動作とは反対の方向に伸長
する成分Pを備え、この領域における固定面は、刃表面
だけの場合の約2倍となる。この逆行の関係は、半径R1
が刃表面23と台表面22の交錯部分の点Gから伸長する距
離Jによってさらに明瞭となる。組合せた面22,23の凹
状の形状により、第1固定切刃46は一層良好に画成され
る。各台状突起20は、外方に伸長して、第1切刃46間の
中間点Eにて内側部材14の第2切刃66の移動経路に対し
正接状態に伸長する線D付近にある末梢面27に達してい
る。
各台状突起20は、外側部材21の外面25の連続体である
外面29を備えている。外面29は、外側部材の両側部に対
し正接状態に伸長する平行面F1,F2上またはその内側に
ある。このため、関節鏡の臨界的径D2は、台状突起があ
るため大きくなることはなく、以下、第11図に関し説明
するように、関節鏡を大腿部の関節丘と脛骨の台状部間
の狭小スペース内に挿入することができる。
回転可能な内側部材14は、一部閉じた端部を有し、末
梢領域16内には、非対称の切除機構が配設されている。
切刃48,50は、内側部材の両側の穴52,54を中心として形
成されており、末梢端面56内に伸長している。各切刃
は、例えばボールカッターにて、管状の内側部材14の側
壁から全体としてその内側に形成した基端の第1円形穴
部分58,59、とおよび内側部材の側壁に形成され、端壁5
6まで半球状に伸長する末梢の第2半円穴部分60,61とを
備えている。各末梢の穴の半径は、基端方向に伸長し
て、隣接する各基端穴と重なり合い、内側部材の端面よ
りも末梢方向に伸長する。対の基端および末梢穴部分の
軸線(AP,AP′,AD,AD′)は、相互に縦方向にずらし、
相互に縦方向に偏心させた切除箇所62,64,66による非対
称の切除動作を行なう領域を提供し、また、第2切刃4
8,50の末梢領域に沿って略均一の横断面積を有する内側
部材14の本体を提供する。かくて、内側部材14は、厚い
組織のせん断に伴なう比較的大きい応力により良く耐え
ることができる。また、切除箇所を縦方向にずらした構
成とすることにより、回転切刃を使用する他の関節鏡の
場合の不都合を最小に止めることができる。従来の関節
鏡によれば、切除作用が急激であり、刃周囲に組織がか
らみ、健全な組織を関節鏡内にまき込む結果となる。本
発明の関節鏡は、柔らかで滑り易い組織を切除するのに
効果的である。
切刃間の切除領域内における内側部材14の本体は、末
梢方向にデーパが付けられており、孔18は、内側部材14
のほとんどの回転位置において、開放したままであり、
目標とする組織を関節鏡10内に継続的に吸引し、切除、
整形することができる。第10図を参照すると、内側部材
14の末梢端面56によって画成した半月状のスカラップ6
8,70は、外側部材の末梢端の切刃45と協働し、関節鏡の
末梢端から接近して組織を切除し得るようにした端部切
刃を形成する。スカラップ68,70は、末梢端の切除で除
去した組織部分と側部の切除で除去した組織部分間に平
滑な遷移関節面を形成し、よって、周囲の骨が関節運動
し得る平滑で低摩擦の関節面を提供するという極めて望
ましい効果が得られる。
第10図を参照すると、回転可能な内側部材14は、外側
の静止部材12内に同軸状に配設されている(その関係
は、線図で示してあり、明確にするため外側部材の端部
壁を取外し、内側部材は、切除箇所64,66、即ち、第8
図の線10−10を通る面上に区画されている)。内側部材
14が回転すると、第2切刃48,50および切除箇所62,64,6
6は対向する第1固定切刃46と協働し、間にて組織をせ
ん断すると同時に、回転する末梢端の切刃68,70は、外
側部材の末梢端の切刃45と協働し、関節鏡の末梢端から
孔18内まで伸長する組織をせん断する。(第1図および
第10図に示すように、本発明の関節鏡は、外科医者の選
択により、内側部材を何れか1方向に回転させたとき、
組織のせん断切除を行ない得る構造にしてある)。
次に、第11図を参照すると、関節鏡10の末梢端を膝71
の関節内に挿入し、例えば、大腿部78(大腿骨)の関節
丘74,76と脛骨82の端部80間に位置する半月状の軟骨72
の一部を切除することにより外科的治療を為し得るよう
に位置決めした状態が示してある。この関節鏡は、膝の
関節の狭小部分内に挿入可能なように臨界的寸法を備え
ており、関節鏡の寸法D2は、台状突起によって影響され
ず、また、外側部材12は、外科医者が力を加えて、切刃
を位置決めするとき、屈曲に耐える十分な強度を備える
一方、切除した組織片を関節鏡を通じ、身体外に容易に
排出し得るようにしてある。
典型的に、手術中、患者は、全身麻酔がかけられ、ト
ロカールカニューレによって関節周囲の選択箇所にて患
者の身体を適当に穿刺する。僅かに高圧とした流体を1
方のカニューレ内に導入し、関節の膨張させ、且つ関節
鏡10を介して、関節内に流動させる。例えば100cc/min
を越えるこの相当な流量を流動させ、関節から除去した
全ての組織が関節鏡内に吸引されて排出されるようにす
る。また、別のカニューレを介して、関節内に光ファイ
バ装置を挿入するならば、上記流量により関節流体は澄
み、関節鏡を視覚的により良く案内することができる。
光ファイバ装置は、光源から関節内側に光を導入し、別
の光路に沿って視覚像を伝送する(像は、外科医の接眠
鏡、記録用カメラ、または表示することにより、外科医
が自分の操作を制御するためのテレビカメラに向けるこ
とができる)。スクリーンを見つめ、関節鏡を操作する
ことにより、外科医は、組織を除去し得るように関節鏡
を位置決めすることができる。
次に、第12図等を参照しながら、様々な種類の組織を
効率的に除去する本発明の関節鏡の作用について説明す
る。
刃表面23および第1固定切刃46よりも上方に伸長する
台状突起20の台表面22は、第2切刃48,50の切除箇所62,
64,66が組織のせん断動作中、第1切刃46を通る場合の
矢印Cで示した経路とは反対側の矢印Pで示した伸長成
分を備えている。第12図を参照すると、長方形90で示し
た組織は、孔18からの吸引力によって回転する内側部材
14の経路内に吸込まれる。第13図において、第2切刃66
は、組織90の表面に係合し、回転させると、せん断刃に
向けて組織に抗力を作用させる。第1固定切刃46は、伸
長面22に対し略直角の方向を向いている。第14図におい
て、第2切刃は、第1固定切刃の方向に動き、その極く
近くを通り、組織90から組織片92をせん断する。この組
織片92は、関節鏡を介して吸引力により吸取られ、最終
的に身体外に排出される。関節鏡外部の組織90の残部
は、台状突起の台表面22に押付けられる。かくて組織は
動かないように固定され、第15図に示した位置に止ま
り、要素16の切刃がその後通過するときに、孔内に吸引
し、切除することができる。再び第14図を参照すると、
未切除の組織部分を孔内に送り込み、第2切刃がその後
通過するときに切除することは、台表面22を通って動く
内側部材の円筒形の表面94の供給動作によりさらに容易
となる。かかる供給動作により、せん断力は転動し、組
織は、切刃の経路内に強制される。さらに、上記切除
は、表面22,23を研磨し、組織がせん断刃の方向に摺動
し易いようにすることによりさらに容易となる。
組織を動かないように固定する台状突起のない動力駆
動の関節鏡利用の外科手術用器具は、一般に、例えば、
最初の切除動作により組織に作用する抗力、その他の力
に起因して、組織が関節鏡から離れる方向に押圧され
る。その結果、平滑で連続する整形状態の表面とならず
に、組織面に沿って1連の不規則な切除が為されること
になる。逆行面20は、組織を動かないように固定するこ
とにより、関節鏡10を組織の切除および整形に使用する
ことを可能とし、少ない創傷にて著るしく短時間で外科
手術を行なうことができることになる。また、逆行可能
な台状突起を設け、切除箇所をずらすことにより、例え
ば、繊維状の弾性帯に似た性質の褶壁ような動力駆動の
関節鏡にては非常に除去困難な組織を極めて効率良く切
除し得ることが分かった。
例えば関節内の健全な組織は、典型的に軟質になり勝
ちの傷んだ組織と比べ剛性である。本発明に依る関節鏡
の台状突起20は、傷み劣化した組織を除去する際、激し
く切除し、また、例えば関節の表面を整形し、または平
滑にする場合など健全な組織を除去する際、より穏やか
に切除し得るようにする作用をする。本発明の関節鏡
は、例えば約100rpmないし1,000rpmといった切除速度、
また、対象とする組織に合うように選択した速度を上廻
る切除速度といった広範囲の速度にて組織を切除するこ
とができる。例えば、裂け目周囲の健全な半円状の軟骨
は、高速度にて切除し、柔らかく、ゴムのように一部劣
化したが、その形態は保持している軟骨は、低速度にて
特に効果的に切除することができる。完全に劣化した軟
骨および関節滑液組織は、高速度にて切除する。
第16図を参照すると、外側部材12の台状突起20は、そ
の外端間の線Hが第2切刃48,50の切除箇所62,64,66の
経路Cに対し略正接状態となる位置にあるように内側部
材14(図示せず)に対して配設されている(切除箇所64
と同軸状に整合させた切除箇所62は、第7図乃至第9図
に示してある)。第16図において、台状突起20は、全体
として健全でない組織100の領域と係合しており、ま
た、健全でない組織は柔らかいため、組織表面101から
深さMまでか貫入している。回転する内側部材は回転す
る毎に、組織内で深さMまで貫入し、柔らかな健全でな
い組織を比較的激しく除去する。一方、第17図において
は、台状突起は、より健全な組織102に係合し、深さM
より浅い深さNまで表面103下方に貫入し、はるかに穏
かな切除、整形を行なう。
第18図において、台状突起は、比較的硬い組織105の
表面104に係合し、瘤または張出部106を除去する間、横
方向の安定を図り、表面を平滑にする。図示した種類の
瘤は、典型的に、柔らかい組織で包んだ骨で構成されて
いる。従来、外科医は、一般に、動力駆動の刃切除器具
により柔らかい組織を除去し、骨を露出させ、研磨器具
により除去していた。より柔らかい組織を除去しようと
する場合には、研磨器具が詰まる可能性があるため、器
具を交換しなければならなかった。しかし、柔からい組
織および骨を効果的に、しかも1回の操作で除去し得る
本発明の関節鏡によれば、かかる関節鏡の交換は不要と
なる。
第19図を参照すると、本発明の関節鏡10は、端縁112
に沿って組織110を切除するのに使用する状態が示して
ある。この関節鏡10は、台状突起20の基端直後に形成
し、全体として、関接鏡10の末梢切刃45に対向する切欠
き47内にて組織の端縁に係合する位置に位置決めされて
いる。この切欠き47により他の構造の関節鏡と比べ関節
鏡の軸線が端縁により近い状態にて切除し得る位置に位
置決めされる。かくて、端縁に沿ってより滑らかに、且
つより効率的に切除し、整形することができる。
かくて、本発明の関節鏡は、外科医に対し、人間の関
節の狭小部分内にて組織の創面切除および整形を行な
い、手術中、多数の器具を出入れするのに伴なう周囲の
組織の創傷を軽減させることのできる単一の器具を提供
するものである。
本発明は、好適実施態様について説明したが、当業者
は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく変形
例および応用例を為し得ることを理解する必要がある。
例えば、線Cに対する線Hの位置(第16図)は、実施せ
んとする手術の基本的性格如何により調整することがで
きる。例えば、線Hは、半径外方に動かして、骨増殖体
を平滑にするか、または中方に動かして、より激しく切
除し得るようにすることができる。台状突起は、例え
ば、外側部材の全長に亘って伸長するか、または、孔18
の基端にて軸あるいは内管に接続したオーがまたはら旋
状刃のような他の形態による内側部材を有するカッター
器具に採用することもできる。
この関節鏡は、孔18の片側のみに沿って台状突起を備
えることもできる。孔の両側にて伸長する台状突起を有
する関節鏡と比べ、単一の台状突起は、より遠方まで外
方に伸長することになろう。かかる関節鏡は、おそら
く、上述の好適な関節鏡に比べ幾つかの有利な特徴を備
えるであろうが、好適実施態様の関節鏡の持つ多機能性
は失われる。
外側部材の本体は、例えば長方形等、円筒形以外の外
形とすることができる。また、図面に示した関節鏡は、
扁平な末梢端面44を備えているが、例えば、球状、弾丸
状、または円形等、他の末梢先端の形状とすることも可
能である。
第20図および第21図を参照すると、例えば半月状の軟
骨107の端部切除に特に適した関節鏡は、その末梢端の
両側に2つの孔118,118′を備えることができる。例え
ば、1方向にのみ切除可能なオーがまたはその他の内側
部材114(第21図にのみ図示)を設ける場合には、台状
突起120は、各孔の片側にのみ設けることもできるし、
または図示するように孔の両側に設けてもよい。補強
し、且つ効果的に切除し得るようにするため、孔の円弧
の程度は小さくし、第1切除箇所146をより接近させ、
外側部材112の末梢端部113を半径中方に伸長させること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、内側部材は点線で示した、末梢孔に関する本
発明の外科手術用器具の外側部材の幾分線図的な著しく
拡大した横断面図、 第1a図は、第6図の線1a−1aに関する外側部材の部分平
面図、 第2図は、駆動装置および握り部を備えた本発明の関節
鏡利用の外科手術用器具を一部断面で示した斜視図、 第3図は、第1図および第2図の関節鏡における外側静
止部材の末梢部分を示す、拡大斜視図、 第4図は、関節鏡の外側静止部材の末梢端部の平面図、 第5図は、第4図の線5−5に関する側断面図、 第6図は、第4図の線6−6に関する端面図、 第7図は、関節鏡の回転可能な内側部材の平面図、 第8図は、第7図の側面図、 第9図は、第7図の底面図、 第10図は、第2図の線10−10に関する関節鏡の幾分線図
的な横断面図、 第11図は、膝の半月状軟骨の外科手段に使用中の本発明
による関節鏡の幾分線図的な図、 第12図乃至第15図は、組織を除去する手順を示す、同様
に幾分線図的な図、 第16図乃至第18図は、外科手術のため関節の表面に係合
させた本発明の関節鏡を示す同様に幾分線図的な図、 第19図は、端縁に沿って組織を切除するため係合させた
本発明の関節鏡の幾分線図的な側面図、および 第20図並びに第21図は、本発明の関節鏡の異なる実施態
様における末梢端を示す、端面図および平面図である。 (主要符号の説明) 10……関節鏡、12……外側静止部材 14……内側部材、16……せん断要素 18……末梢穴、20……台状突起 22……台表面、23……刃表面 24……握り部、26……吸引源 28……コントローラ/電源 32……足踏み制御装置 36……第1基部、38……切頭円錐形部分 40……末梢部、42……傾斜面 44……末梢端面、45……切刃 46……第1固定切刃、47……切欠き 48,50……切刃、52,54……穴 56……末梢端面。

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】刺穴から関節内に挿入可能な大きさで、本
    体を有すると共に該本体の一壁を先端側に少なくとも一
    つの開口を画成し、該本体の一壁が切刃面を構成し且つ
    該切刃面の一端が第一の切刃である外側静止部材と、 前記外側静止部材の内部に設けられると共に長手軸を中
    心として回転自在で、前記外側静止部材の前記第一の切
    刃と協働して組織を切除する第二の切刃を有する内側可
    動部材と、を備える関節鏡利用の外科用手術器具であっ
    て、 前記外側静止部材の前記本体から外側へ突出すると共に
    前記第二の切刃の移動方向とは反対の方向に作用する成
    分を有する延長部を有し、該延長部は、前記内側可動部
    材と協働して前記組織を不動状態に握持する延長面を有
    することを特徴とする外科用手術器具。
  2. 【請求項2】前記本体は軸に沿って延在し、前記延長面
    は該軸と平行に延在する請求項1に記載の外科用手術器
    具。
  3. 【請求項3】前記延長部は、前記開口近傍の前記本体の
    一壁から突出する請求項1又は2に記載の外科用手術器
    具。
  4. 【請求項4】前記切刃面は、前記内側可動部材の回転軸
    から前記第一の切刃を経て延伸する直線に対し所定の角
    度で傾斜し、前記延長面は該直線に対し、前記所定の角
    度より大きな角度で傾斜する請求項1乃至3の何れかに
    記載の外科用手術器具。
  5. 【請求項5】前記延長部は、前記本体の壁の肉厚の20パ
    ーセント以上の肉厚でもって該本体の壁から突出する請
    求項1乃至4の何れかに記載の外科用手術器具。
  6. 【請求項6】前記延長部は、前記本体の壁の肉厚と同じ
    か、より厚い肉厚でもって該本体の壁から外側へ突出す
    る請求項1乃至4の何れかに記載の外科用手術器具。
  7. 【請求項7】前記外側静止部材は、略々筒状の管である
    請求項1乃至6の何れかに記載の外科用手術器具。
  8. 【請求項8】前記本体の壁は前記開口の両側に一対の切
    刃面を備え、該一対の切刃面は一端に一対の第一の切刃
    を形成し、前記内側可動部材は電動式で且つ選択的に可
    逆回転可能であり、該内側可動部材は一対の第二の切刃
    を有し、該第二の切刃は前記一対の第一の切刃側へ移動
    し且つ近接した状態で該第一の切刃を通過して組織を切
    除し、 一対の延長部が前記第一の切刃と夫々協働し、該一対の
    延長部の各々は、前記開口近傍の前記外側静止部材の前
    記本体の壁から外側へ突出し、 前記延長部は各々前記第二の切刃の移動方向とは反対の
    方向に作用する成分をもつ延長面を有し、該延長面は前
    記内側可動部材と協働して組織を不動状態に握持する請
    求項1に記載の外科用手術器具。
  9. 【請求項9】前記切刃面は、前記内側可動部材の回転軸
    から前記第一の切刃を経て延伸する直線に対し所定の角
    度で傾斜し、前記延長面は該直線に対し、前記所定の角
    度より大きな角度で傾斜する請求項8に記載の外科用手
    術器具。
  10. 【請求項10】前記延長部は、前記本体の壁の肉厚の20
    パーセント以上の肉厚でもって該本体の壁から突出する
    請求項8又は9に記載の外科用手術器具。
  11. 【請求項11】前記内側可動部材は二つの切刃を有し、
    該二つの切刃は各々の刃先の配置構造が異なり、一方の
    切刃の刃先が他方の切刃の刃先と長手方向に千鳥足状に
    変位している請求項8乃至10の何れかに記載の外科用手
    術器具。
  12. 【請求項12】前記延長面は各々、前記第一の切刃の中
    間の位置する時の前記第二の切刃の移動経路を接線方向
    に伸長する直線上又は該直線を越えた位置にある請求項
    8乃至11の何れかに記載の外科用手術器具。
  13. 【請求項13】前記延長部の外面は、前記外側静止部材
    の外面の接続方向に延伸する直線の略々線上又は該直線
    の内側に位置する請求項8乃至12の何れかに記載の外科
    用手術器具。
  14. 【請求項14】前記延長部の基端側と前記本体の壁との
    交差箇所に切欠きが形成された請求項1に記載の外科油
    手術器具。
  15. 【請求項15】前記外側静止部材は、その横断面形状は
    略々円形で、前記開口付近が先端側に向けて傾斜してい
    る請求項1に記載の外科用手術器具。
  16. 【請求項16】前記延長部は前記本体の壁の肉厚の20パ
    ーセント以上の肉厚でもって該本体の壁から突出する請
    求項14又は15に記載の外科用手術器具。
  17. 【請求項17】前記外側静止部材は前記開口を二つ有
    し、該二つの開口の各々に少なくとも一つの延長部を備
    える請求項14又は15に記載の外科用手術器具。
  18. 【請求項18】前記外側静止部材は、略々筒状の管であ
    る請求項14又は15に記載の外科用手術器具。
  19. 【請求項19】前記一対の延長部の最先端間を結ぶ直線
    は、前記第二の切刃の移動経路を略々接線方向に延伸す
    る請求項8に記載の外科用手術器具。
  20. 【請求項20】前記本体はその直径が5ミリ以下で、前
    記延長部は前記本体から壁から外側へ突出し且つ、その
    肉厚が前記本体の壁の肉厚の少なくとも20パーセント以
    上である請求項8に記載の外科用手術器具。
  21. 【請求項21】前記内側可動部材は、前記第二の切刃を
    少なくとも一対備え、該一対の第二の切刃は各々の一つ
    又は複数の刃先を有し、該刃先は前記第二の切刃の長手
    方向に沿って配列されており、前記第二の切刃の一つの
    刃先は、次の第二の切刃の刃先に対し長手方向に変位
    し、もって、連続的に設けられた第二の切刃は異なる切
    除パターンを有する請求項1に記載の外科用手術器具。
  22. 【請求項22】前記外側静止部材は前記開口の両側に一
    対の第一の切刃を有し、前記内側可動部材は選択的に可
    逆回転可能で且つ前記一対の第一の切刃と協働する一対
    の第二の切刃を有する請求項21に記載の外科用手術器
    具。
  23. 【請求項23】前記刃先が非対象的に配列されているこ
    とにより、前記内側可動部材の本体は、前記第二の切刃
    が設けられた箇所の軸方向の断面が略々一様である請求
    項21に記載の外科用手術器具。
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