JP2522002Y2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は化粧用コンパクト容器に関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 一般に、化粧用コンパクト容器は、扁平な容器本体
と、蓋体とを各後部で開閉自在に枢着させ、閉じた蓋体
が前部で容器本体に係止可能に構成しているものが挙げ
られる。しかし、通常は、容器本体と蓋体とが単に突き
合わされただけ、或いはそれに近いルーズな状態で嵌合
されているため、ハンドバック等に入れて携帯すると、
姿勢と振動等によって内部の化粧料が洩れ出て周辺を汚
すことがある。

また、化粧用コンパクトに収納する化粧品の中には空
気に触れると徐々に劣化するものが多く、そのため、気
密性を有する容器が要求されている。

本考案は、上記の点に鑑み、良好な気密性を得ること
ができる化粧用コンパクト容器を提供することを目的と
するものである。

「課題を解決するための手段」 上面を下方へ凹ませてパフを収納する第１収納凹部５
を形成するとともに、前面下部を後方へ凹ませて化粧品
収納皿を収納する第２収納凹部６を形成してなる容器本
体２と、該本体２後部に後部を回動可能に固定して容器
本体上面を開閉自在に閉塞するとともに、容器本体前部
に係止可能に構成した蓋体４と、上記第２収納凹部６内
へ前方付勢状態で前後にスライド自在に収納させるとと
もに、前部周囲にリング状パッキン10を嵌着させて第２
収納凹部６開口を気密に閉塞させてなる化粧品収納皿３
とを有し、上記容器本体２に係止した蓋体３の前壁によ
り第２収納凹部６内に収納した化粧品収納皿３を係止可
能に構成し、上記蓋体４に蓋体４の係合を解除する押ボ
タン15を設けてなる。

「作用」 第１図示の状態から押ボタン15を押圧すると、突起15
Bが嵌合凹部12上部の曲面を摺動上昇し、それに伴って
嵌合突起15A部分で蓋体４裏面を上方へ押し上げるた
め、フック13の係合が解除され、蓋体４が開く。それに
伴い化粧品収納皿３の前部を係止していた係止突起11が
除外されるため、スプリング９の作用で化粧品収納皿３
が前方に飛び出し、化粧が可能となる。化粧後は、化粧
品収納皿３を押し込みつつ蓋体４を閉じれば、自動的に
フック13が係合するとともに、蓋体４の係止突起11で化
粧品収納皿３前部を係止する。この際、リング状パッキ
ン10を装着しているため第２収納凹部６はその前面開口
を気密に閉塞される。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図乃至第６図は、本考案の一実施例を示し、図中
１は化粧用コンパクト容器を示す。該容器１は、容器本
体２と、化粧品収納皿３と、蓋体４とを主要部材として
構成している。

容器本体２は、直方体形状をなし、上面中央を円形上
に凹ませてパフ収納用の第１収納凹部５を形成してお
り、また、前面下部を、正面楕円形状に後方へ凹ませて
化粧品収納皿を収納する第２収納凹部６を形成してい
る。また、この第２収納凹部６の前端部の内径を後述す
るパッキン嵌合用に若干拡径した拡径部７を形成してい
る。

化粧品収納皿３は、上記第２収納凹部６内に、前後に
スライド可能に収納した横楕円柱状で、上面中央を円形
状に下方へ凹ませて形成した化粧品収納部８を有する収
納皿本体3Aと、該本体3A前端に上記第２収納凹部６内に
収納不能に設けるとともに、前部下方に曲面が存在する
横四半円柱状の係止部3Bとから構成しており、収納皿本
体3Aを上記第２収納凹部６に、前後にスライド自在に装
着させている。また、この収納皿３は、スプリング９に
より常時前方に付勢させている。又、化粧品収納皿３の
収納皿本体3A前端周囲にリング状パッキン10を嵌着させ
ている。このリング状パッキン10は、第６図に示す如
く、基部10A前方にテーパー状に若干拡げたテーパー状
部10Bを有し、収納皿３が第２収納凹部６内に完全に挿
入された際には第１図示の如く、テーパー部10B窄まっ
て開口をより気密に閉塞させることができるものであ
る。

蓋体４は、後部を容器本体２後部に枢着させて容器本
体２上面を開閉自在に設けており、前壁4A底面前端中央
より垂設した係止突起11を、化粧品収納皿３の係止部3B
前面中央に設けた嵌合凹部12に嵌合させて化粧品収納皿
３の前方への飛び出しを係止する如く構成している。一
方、頂壁4B裏面前端中央より垂設したフック13を容器本
体２前面上部中央に突設した係止突起14に係合させて容
器本体２に蓋体４を係止可能に構成している。

上記蓋体４の前壁4A中央に窓孔を穿設し、該窓孔に曲
板状の押ボタン15を装着している。この押ボタン15は、
裏面上部より後方へ突設した嵌合突起15Aを、上記フッ
ク13に穿設した嵌合孔13Aに抜け出し不能に嵌着させて
装着しており、裏面下端より後方へ突設した突起15Bの
後端を上記係止部3B中央の嵌合凹部12の曲面を摺動可能
に当接させており、押ボタン15下方を後方へ押圧するこ
とにより上記突起15Bが曲面を摺動上昇し、その結果上
記嵌合突起15A部分が蓋体４裏面を上方へ押上げ、フッ
ク13の係合が解除される如く構成している。

「考案の効果」 以上説明した如く、本考案化粧用コンパクト容器は、
既述構成としたことにより、非使用時は、充分な密閉性
を化粧品収納部に与えることができるため、内容物の劣
化を極力防止できるものである。

また、高温雰囲気の中でも化粧品が溶解して漏出する
虞もない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案化粧用コ
ンパクト容器の一実施例を示す縦断面図、第２図は一部
切欠き正面図、第３図は一部切欠き平面図、第４図は側
面図、第５図は斜視図、第６図はリング状パッキンの一
例を示すもので、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は横断面図で
ある。 ２……容器本体、３……化粧品収納皿 ４……蓋体、10……リング状パッキン

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面を下方へ凹ませてパフを収納する第１
   収納凹部５を形成するとともに、前面下部を後方へ凹ま
   せて化粧品収納皿を収納する第２収納凹部６を形成して
   なる容器本体２と、該本体２後部に後部を回動可能に固
   定して容器本体上面を開閉自在に閉塞するとともに、容
   器本体前部に係止可能に構成した蓋体４と、上記第２収
   納凹部６内へ前方付勢状態で前後にスライド自在に収納
   させるとともに、前部周囲にリング状パッキン10を嵌着
   させて第２収納凹部６開口を気密に閉塞させてなる化粧
   品収納皿３とを有し、上記容器本体２に係止した蓋体３
   の前壁により第２収納凹部６内に収納した化粧品収納皿
   ３を係止可能に構成し、上記蓋体４に蓋体４の係合を解
   除する押ボタン15を設けてなることを特徴とする化粧用
   コンパクト容器。