JP2521718Y2 - エンジンのエアクリーナの下向き吸入型吸気管の防水カバー - Google Patents

エンジンのエアクリーナの下向き吸入型吸気管の防水カバー

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JP2521718Y2 JP1989026251U JP2625189U JP2521718Y2 JP 2521718 Y2 JP2521718 Y2 JP 2521718Y2 JP 1989026251 U JP1989026251 U JP 1989026251U JP 2625189 U JP2625189 U JP 2625189U JP 2521718 Y2 JP2521718 Y2 JP 2521718Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジンのエアクリーナの下向き吸入型吸
気管の防水カバーに関する。
〔従来の技術〕
例えば農業用トラクタのエンジンの吸気系において
は、エンジンの吸気系に水田等の泥水が流入することを
防止するため、エンジンの吸気マニホールドの上方にエ
アクリーナを配置し、更に、その上方にエアクリーナの
吸気管を延長し、吸気管の上端に上向きに吸気口を開口
して吸気口から下向きに吸気を吸入するものがある。こ
のような下向き吸入型吸気管を有する吸気系において
は、雨水や異物が吸気管に落下することを防止するた
め、防水カバーが装着される。
一般に、このような防水カバーにおいては、例えば第
5図に示すように吸気が下向きに吸入される下向き吸入
型吸気管1の上部で、上端に吸気口2を有する吸入管上
部3と、この吸入管上部3の上面及び外周を覆う筒蓋状
の防水カバー本体5とを備えている。
この従来の防水カバーによれば、雨水が直接吸気口2
に落下したり、斜めに降り込んだり、横から吹き込んだ
りすることは防止できる。また、吸気の吸入負圧が例え
ば10〜20mmaq.程度の低負圧の場合には防水カバー本体
5の周壁5bの下縁を通過して吸気口2に向かって斜め上
方に流れる吸気流の勢いが弱いので、防水カバー本体5
の周壁5bの下縁から落下する水滴は吸気流から自重落下
により分離され、吸気口2に吸入されることはない。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、防水カバー本体5の下端を通過する吸
気流は矢印aで示すように防水カバー本体5の下端から
吸気口2に向かって斜め上方に流れており、吸気の吸入
負圧が例えば100mmaq.程度の高負圧になると周壁5bから
落下する水滴の自重に打ち勝って水滴の大部分を吸気口
2に運び込むことになる。
このような吸気口2への水滴吸入の防止策としては、
防水カバー本体5の周壁5bの位置を吸気管1から大きく
隔てることにより、防水カバー本体5の下端における吸
気流の影響を小さくするとともに、吸気流に乗って斜め
上に向かう水滴が自重によってその気流中で落下して吸
気口2よりも低い位置で吸気管1の外周面に達するよう
にすることが考えられる。
しかし、この場合には防水カバー本体5の直径が大き
くなりすぎて、エンジン全体の外形が大きくなる。
本考案は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、
確実に吸気口への水滴吸入を防止でき、しかも、防水カ
バーの小型化を図る上で有利な下向き吸入型吸気管の防
水カバーを提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、例えば第1図に示すように、吸気が下向き
に吸入される下向き吸入型吸気管1の上部で、上端に吸
気口2を有する吸入管上部3と、この吸入管上部3の上
面及び外周を覆う筒蓋状の防水カバー本体5とを備えた
エンジンのエアクリーナの下向き吸入型吸気管の防水カ
バーであって、防水カバー本体5の外周壁5bから外側に
向かって下り傾斜状になった案内壁6aを有する庇6を張
り出し、この庇6の下端を防水カバー本体5の下端より
も高く位置させたことを特徴としている。
〔作用〕
庇6に上記のような案内壁6aを形成すると、この案内
壁(6a)を流下する際に、重力によって雨水が加速され
る。このことは、防水カバー本体(5)の上壁(5a)〜
庇(6)の下端までの落下高さが大きいことを意味す
る。
従って、庇(6)の下端まで落下してきた水滴は加速
されて十分な落下速度を有するので、庇(6)の下端で
捕捉されず、そのままの勢いで落下する。このため、水
滴の落下速度は、庇(6)の下端から自由落下する場合
に比べて格段に大きくなる。
ここで、案内壁(6a)の下端から落下した水滴は吸気
流の影響を受けて吸気管(1)の方向に吹き寄せられ
る。しかしながら、案内壁(6a)の下端では吸気流は明
細書の第1図に矢印bで示すように防水カバー本体
(5)の下端に向かう斜め下方に向かっているので、水
滴は吸気流によって斜め下方に加速される。
このため、案内壁(6a)の下端から落下する水滴に
は、鉛直下方の力と吸気流による斜め下方の力が作用
し、結局、水滴は両者の合力の方向に落下する。即ち、
庇(6)の下端から自由落下する場合に比べて、より鉛
直方向に近い斜め下方に向けて加速されて落下する。こ
の結果、吸気管(1)のより下方位置に到達する。
このため、風が強い時にも、水滴が吸気口(2)に吸
入されるのを確実に防止できる。即ち、風が強ければ、
それだけ水滴が吸気管(1)の方向に吹き寄せられる
が、本願考案によれば、水滴に鉛直下方に向けての加速
度が与えられるので、その分、風の力に抗して水滴が吸
気口(2)のより下方位置に落下するからである。
また、庇6を防水カバー本体5から僅かに張り出させ
るだけで庇6の下端を通過する吸気流を斜め下方に向か
わせ、庇6の下端から落下する水滴に下方あるいは斜め
下方に向かう慣性を与えることができるので、防水カバ
ー本体5の寸法を大きくして斜め上方向に向かって流れ
る気流から自重で水滴を分離させる場合に比べると外形
寸法を小さくできる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。
第2図は本考案の一実施例に係る防水カバーを装着し
たオイルバス式エアクリーナの正面図である。このエア
クリーナ7は本体8の上部から垂直に立ち上げられた吸
気管1を備え、吸気管1の上端部に防水カバー10が装着
される。
第1図はこの防水カバーの縦断面図である。同図に示
すように、この防水カバー10は、吸気管1の上端開口部
に内嵌され、ネジ9で固定される吸入管上部3と、防水
カバー本体5と、吸入管上部3に防水カバー本体5を支
持させるステー枠4と、防水カバー本体5に外嵌された
庇6とを備えている。
上記吸入管上部3は、薄肉鉄パイプから作られ、その
上端にはベルマウス状の吸気口2が上向きに開口され
る。
第3図は上記エアクリーナの平面図である。同図に示
すように、ステー枠4は鉄板をプレス成形して作られ、
吸入管上部3の中間高さに外嵌され、溶接等の手法によ
って吸入管上部3に固定される内周部4aと、防水カバー
本体5の下部に内嵌され、防水カバー本体5に溶接等の
手法によって固定される外周枠4bと、内周枠4aと外周枠
4bとを周方向に適当な間隔をおいた複数箇所(ここでは
4箇所)で連結する連結枠4cとで構成されている。
上記防水カバー本体5は、鉄板をプレス成形によりコ
ーナー部及び稜線部が曲面に丸められた四角筒蓋形状に
形成したものであって、第1図に示すように吸気口2の
上方に所定の距離を置いて配置される上壁5aとその周縁
から吸気口2よりも低い位置まで垂れ下がる周壁5bとを
備えている。
上記庇6は例えばゴムで作られ、防水カバー本体5の
周壁5bに密着される内周壁6bとこれの上部から斜め外下
方に延びた後下方に垂れる案内壁6aとを備える。そし
て、庇6の内周壁6bと防水カバー本体5とはこれらを互
いに固定するとともに、これらの間からの水漏れをなく
すため、全周にわたって連続的に、あるいは、断続的に
接着される。
庇6は、案内壁6aの外周が防水カバー本体5の周壁5b
から所定量(例えば約10mm)張り出し、かつ、その下端
が防水カバー本体5の下端以上の高さに位置するように
して防水カバー本体5に固定される。この実施例では、
吸気流から水滴を一層確実に分離させるため、案内壁6a
の下端が防水カバー本体5の下端よりも所定量(例えば
約5mm)高く位置させてある。
この防水カバー10によれば、防水カバー本体5が吸気
口2の上方及び横側方を覆うとともに、庇6が防水カバ
ー本体5の周壁5bに外嵌されているので、吸気口2の上
方、斜め上方あるいは横側方から吸気口2に降り込もう
とする雨水は防水カバー本体5及び庇6によって遮ら
れ、雨水が直接吸気口2に降り込むことはない。また、
防水カバー本体5及び庇6に降りかかった雨水は、案内
壁6aを伝わる間に重力によって落下の勢いを与えられて
から、案内壁6aの下端から水滴となって次々に落下す
る。案内壁6aの下端から落下した水滴は吸気流の影響を
受けて吸気管1の方向に吹き寄せられる。しかしなが
ら、案内壁6aの下端では吸気流は矢印bで示すように防
水カバー本体5の下端に向かう斜め下方に向かっている
ので、案内壁6aの下端から落下する水滴は吸気流によっ
て斜め下方に加速され、防水カバー本体5の下端におい
て、防水カバー本体5の下端から吸気口2に向かって斜
め上方に方向転換する吸気流から慣性によって分離さ
れ、吸気管1の外周面に向かって斜め下方に進むことに
なる。そして、吸気管1の外周面に次々と到達する水滴
は集積されて大きな水滴となり、その自重及び吸気管1
の振動により吸気管1の外周面を伝って下方に流れる。
従って、吸気口2には庇6から落下する水滴が1滴も入
らなくなる。
また、庇6と防水カバー本体5の周壁5bとの間隔は庇
6と防水カバー本体5との間で吸気流が水平あるいは斜
め内下向きに向くように形成してあればよく、水滴が防
水カバー10から落下し始める落下開始点で吸気流が斜め
上に向く場合よりも小さな外形寸法で効果的に水滴が吸
気口2に入ることを防止できる。
なお、上記の一実施例において、庇6の案内壁6aの断
面形状は斜辺とその下端から垂れ下がる立辺とを連続さ
せた形状に形成されているが、案内壁6aの形状はこれの
上端に付着し、あるいは、流れ落ちてきた水滴が自重に
より斜め下方あるいは下方に向かって流れ落ちるように
形成してあればよく、例えば、第4図に示すように、全
体が傾斜辺となる錐形状に形成してもよい。また、上記
の一実施例によれば、上記庇6が防水カバー本体5と別
体に形成されているがこれらを一連の部材で一体に形成
することも可能である。
〔考案の効果〕
以上のように、本考案の下向き吸入型吸気口の防水カ
バーによれば、防水カバー本体及び庇に降りかかった雨
水等の水滴が庇の下端から落下するときに、吸気流がそ
の水滴に強く作用せず、弱い力で作用したとしても水滴
を斜め下方に加速するので、吸気流が防水カバー本体の
下端を通過して吸気口に向かって斜め上方に流れの方向
を変換する際に慣性力によって水滴が吸気流から分離さ
れ、分離された水滴が庇の下端及び防水カバー本体の下
端よりも下方で吸気管の外周面に到達し、この外周面を
伝って下方に流れることになる。したがって、防水カバ
ーから滴る水滴が吸気口に吸入されることを確実に防止
できる。
加えて、本考案では、庇に外側に向かって下り傾斜状
になった案内壁を形成してあるので、この案内壁を流下
する際に、重力によって雨水が加速される。従って、庇
の下端まで落下してきた水滴は加速されて十分な落下速
度を有するので、庇の下端で捕捉されず、そのままの勢
いで落下する。このため、水滴の落下速度は、庇の下端
から自由落下する場合に比べて格段に大きくなる。
従って、案内壁の下端から落下する水滴には、鉛直下
方の力と吸気流による斜め下方の力が作用し、結局、水
滴は両者の合力の方向に落下する。即ち、庇の下端から
自由落下する場合に比べて、より鉛直方向に近い斜め下
方に向けて落下する。この結果、吸気管のより下方位置
に到達する。
このため、風が強い時にも、水滴が吸気口に吸入され
るのを確実に防止できる。即ち、風が強ければ、それだ
け水滴が吸気管の方向に吹き寄せられるが、本考案によ
れば、水滴に鉛直下方に向けての加速度が与えられるの
で、その分、風の力に抗して水滴が吸気口のより下方位
置に落下するからである。
この結果、本考案によれば、単に庇の下端から水滴が
自由落下する場合に比べて、水滴が吸気口に吸入される
のをより一層確実に防止でき、強風時に特にその防止機
能を発揮できる、といった効果を奏する。
また、防水カバー本体から庇を僅かに張り出させるだ
けで庇の下端を通過する吸気流の方向を水平あるいは斜
め下方に向け、庇の下端から落下する水滴に吸気流によ
って斜め下方に向く慣性を与えることができるので、防
水カバー本体を大型化して水滴の吸入を防止する場合に
比べて外形寸法を小型にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係る防水カバーの縦断面
図、第2図はこの防水カバーを装着したオイルバス式エ
アクリーナの正面図、第3図は上記エアクリーナの平面
図、第4図は本考案の他の実施例に係る防水カバーの縦
断面図、第5図は従来例の縦断面図である。 1……吸気管、2……吸気口、3……吸入管上部、4…
…ステー枠、5……防水カバー本体、5b……外周壁、6
……庇、6a……案内壁(案内面)。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気が下向きに吸入される下向き吸入型吸
    気管(1)の上部で、上端に吸気口(2)を有する吸入
    管上部(3)と、この吸入管上部(3)の上面及び外周
    を覆う筒蓋状の防水カバー本体(5)とを備えたエンジ
    ンのエアクリーナの下向き吸入型吸気管の防水カバーで
    あって、 防水カバー本体(5)の外周壁(5b)から外側に向かっ
    て下り傾斜状になった案内壁(6a)を有する庇(6)を
    張り出し、この庇(6)の下端を防水カバー本体(5)
    の下端よりも高く位置させたことを特徴とするエンジン
    のエアクリーナの下向き吸入型吸気管の防水カバー。
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