JP5093219B2 - エアクリーナ - Google Patents

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Description

この発明は車両用エンジンに備えられるエアクリーナに関する。
エアクリーナの中央部にフィルタエレメントを張設して下方のダスト室と上方のクリーン室とに区画すると共に、さらにダスト室をダスト分離壁で上下に2分割し、そのダスト分離壁に複数の孔を開口し、ダスト室に流入してくる吸入空気中に含まれるダストをこの孔から下方の室に落下させて堆積させることにより、ダストを分離するものがある(特許文献1参照)。
実開昭58−33762号公報
ところで、上記特許文献1の技術では、ダスト分離壁がエアクリーナの底壁の全てを覆うようにしているので、メンテナンス時に下方の室に堆積しているダストを掻き出すことが困難であった。
そこで本発明は、ダストの分離性能を大きく損なうこと無く、堆積したダストの掻き出しを容易にしてメンテナンス性を高めることを目的とする
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、鉛直下方に位置するダスト室(63)と、鉛直上方に位置するクリーン室(62)とに内部を区画するフィルタエレメント(61)を有し、ダスト室(63)に空気入口(48)を、クリーン室(62)に空気出口(28)をそれぞれ開口するフィルタ(11)において、フィルタ(11)の底壁(47)を傾斜させて設けると共に、底壁(47)から所定の間隔だけ鉛直上方に浮かせた位置で、底壁(47)の周縁であって底壁(47)のうち最も鉛直下方にある部位を残して、底壁(47)を複数の孔(65e)を有する板状部材(65)により覆う。
ダスト室に流入してくる吸入空気に含まれるダストは、最終的には底壁のうち最も鉛直下方にある部位に移動してくる。一方、ダスト室の底面は傾斜しているので、下方位置は空気取り入れ口から遠くなり、エンジン運転中の空気の流れが他の位置に比べると及びにくくなっている。そこで、本発明によれば、この部位に板状部材を設けていないので、ダストの分離性能を大きく損なうことが無いと共に、道具を用いる等することにより板状部材の下方に堆積したダストを板状部材と底壁との間から容易に掻き出すことができ、メンテナンス性が向上する。
本発明の一実施形態のエアクリーナを備えた車両を左側面からみた概略斜視図である。 エアクリーナの平面図である。 エアクリーナの正面図である。 エアクリーナの車両左側面図である。 図2のB−B線断面でみた斜視図である。 図2のB−B線断面でみた斜視図である。 図2のA−A線断面でみた斜視図である。 図2のA−A線断面でみた斜視図である。 図8の一部拡大図である。 下部ハウジングの正面図である。 図10のC矢視図である。
図1は本発明の一実施形態のエアクリーナ11を備えた車両を左側面からみた概略斜視図である。なお、図1では説明の便宜のためにフェンダパネルを取り外した状態で示している。図示の矢印は車両のフロント側を示している。
フェンダー空間は、タイヤハウジングを形成するフェンダープロテクタ2と、このフェンダープロテクタ2の直ぐ上を車両の前後方向に延びるフードリッジ3(車体フレームの一部)と、フェンダパネル(図示せず)とで囲まれて形成される空間である。このフェンダー空間内に吸気ダクト5を備える。吸気ダクト5の一端である車両リヤ側開口端5aが、フェンダー空間内に開口し、この車両リヤ側開口端5aのすぐ後方にエアガイド6が設けられている。
フェンダーの車両リヤ側に位置して空気取込口(図示せず)が開口している。本実施形態では、砂漠地やその周辺の砂の多い地域を走行する車両を考えている。砂漠地やその周辺の砂の多い地域で車両を運転したとき、エアクリーナに吸入されるダストの殆どは粒径の異なる砂の集合である。当該地域で運転する車両では、空気取込口が車両前面にあると、大量の砂がエアクリーナに吸い込まれてエアクリーナ11のフィルタエレメントが直ぐに目詰まりしてしまいエンジン出力が低下する恐れがある。そこで、砂漠地やその周辺の砂の多い地域を走行する車両を対象とするときには、砂をエアクリーナ11に吸い込ませない対策が必要となる。この対策のため、空気取込口(図示せず)をフェンダーの車両リヤ側に位置して開口させている。上記のような砂に限らず、ダストの多い環境にも本実施形態は適用可能である。
しかしながら、このようにフェンダーの車両リヤ側に位置して空気取込口を開口させても、砂の多い地域を走る場合や、特に砂を巻き上げて走る車両に追従して走行するような場合には、空気取込口から取込まれる空気中に空気と共に漂う多くの砂が含まることとなる。砂を含んで空気取込口から吸い込まれる空気は、吸気ダクトの車両リヤ側開口端5aのすぐ上流にあるエアガイド6に導かれる。エアガイド6は空気取込口の鉛直下方かつ近くに位置して、車両リヤ側に延び出すひさしを鉛直方向に複数並べたような形状で設けられている。このため、空気取込口から車両リヤ側へ流入する空気の流れは車両フロント側へと大きく曲げられて速度を落とし、エアガイド6に流入する。空気取込口から空気と共に漂ってきた砂は、エアガイド6のひさしに衝突して吸気ダクト5に入ることなく落下し、粒径の相対的に大きな砂が多く除かれる。そして、粒径の相対的に小さな砂を含んだ空気がエアガイド6により整流されて、吸気ダクトの車両リヤ側開口端5aから吸気ダクト5内に吸い込まれる。
吸気ダクト5の他端である車両フロント側開口端に連絡される連絡通路7は、上記フードリッジ3を貫通して、フードリッジ3の直ぐ向こう側のフェンダープロテクタ2の鉛直上方に位置して設けられるエアクリーナ11と接続されている。
図2はエアクリーナ11の平面図、図3はエアクリーナ11の正面図、図4はエアクリーナ11の車両左側面図、図5、図6は図2のB−B線断面でみた斜視図である。ただし、図6ではフィルタエレメント61を外して示している。図7、図8は図2のA−A線断面でみた斜視図である。ただし、図8ではフィルタエレメント61を外して示している。図9は図8の一部拡大図である。図10は下部ハウジング41の正面図、図11は図10のC矢視図である。
ここで、図2に示す平面図においてA−A線断面、B−B線断面は、必ずしも車両の前後方向とぴったり一致するものでないが、便宜上、A−A線断面、B−B線断面が車両の前後方向とぴったり一致しているものとして述べる。従って、図2に示す平面図においては下側が車両フロント側(図では「フロント」と略記。)、上側が車両リヤ側(図では「リヤ」と略記。)となる。また、図2に示す平面図において右側が車両左側(図では「左」と略記。)、左側が車両右側(図では「右」と略記。)となる。
エアクリーナ11は、上部ハウジング21と下部ハウジング41とからなり、全体として箱形に形成されている。上部、下部の各ハウジング21、41の材質はポリプロピレン等の樹脂である。なお、ハウジング21、41の材質は樹脂に限られるものでなく、金属や木材であってもかまわない。
上部ハウジング21は鉛直下方に開口し、下部ハウジング41は鉛直上方に開口している。2つのハウジング21、41の各開口端は、図3に示す正面図では水平でなく斜めに、図4に示す車両左側面図では水平になっている。各開口端は平面の一部を構成している。2つのハウジング21、42の各開口端にはフランジ22、42を備える。これらフランジ22、42を突き合わせた上で、両者の合わせ面の近くに設けられる複数のスナップ止め部材71により両フランジ22、42を固定することで、全体として箱形に形成される。
なお、図3、図4ではエアクリーナ11単独で示すため、図3において下部ハウジングの底壁47が水平に、図4において2つのフランジ22、42の突き合わせ面が水平に記載されているが、エアクリーナ11を車両に搭載した状態では必ずしもこうなるものではなく、本実施形態では、後述するように、フェンダープロテクタ2に沿って下部ハウジングの底面が形成される(図1参照)。
2つのフランジ22、42の突き合わせ面の近くには、図5、図7に示したように2つのフランジ22、42の突き合わせ面と平行に長方形で平板状のフィルタエレメント61を備える。このフィルタエレメント61によって、エアクリーナ11内の空間が鉛直上方に位置するクリーン室62と、鉛直下方に位置するダスト室63とに画成されている。
下部ハウジング41は、車両フロント側に位置するフロント壁43、車両リヤ側に位置するリヤ壁44、車両左側に位置する左壁45、車両右側に位置する右壁46、底壁47からなる。底壁47は、図11に示したように全体としてほぼ長方形(四角)である。この底壁47に4つの各側壁であるフロント壁43、リヤ壁44、左壁45、右壁46が繋がっている。
底壁47は、車両フロント側からみたときには図3に示したように水平であるが、車両左側からみたときには図4に示したように鉛直上方にわずかに丸みを帯びつつ車両フロント(図で左側)に向かうほど鉛直下方に延びる。つまり底壁47は傾斜させて形成されているのだが、この傾斜は、図4に図示していないフェンダープロテクタ2の形状に沿ってエアクリーナ11を配置するためである。フェンダープロテクタ2は鉛直上方にわずかに丸みを帯びつつ車両フロント側(図で左側)に向かうほど鉛直下方に延びて形成されており、このように形成されているフェンダープロテクタ2の場所を選んで、底壁47の位置決めがされる。
なお、この底壁47の車両フロント側の位置に、小径の孔が設けられており、この孔を通じて水、砂、ダスト等を排出させるようになっている。本実施形態では、図4に示すようにゴムキャップ66が設けられており、エンジン運転中のようにエアクリーナ11内に空気の流れがある場合にはゴムキャップ66は閉じられ、エンジン停止中やアイドル運転時のように空気の流れが少ない場合にゴムキャップ66が開いて砂等が排出されるようになっている。
さて、上記のように底壁47を傾斜させて設けたのは、ダスト室63に流入する吸入空気に砂が含まれる場合に、フィルタエレメント61により吸着されない砂は鉛直下方に落下して底壁47に堆積するが、その堆積した砂等を一箇所に、つまり底壁47のうちで最も鉛直下方にある部位へと移動させるためである。そして、エンジン停止時等になるとゴムキャップ66を通じて自動的に砂等が排出されるようになっている。
下部ハウジング41の左壁45には、ダスト室63に吸入空気を導くため、空気入口48を、図4に示したように車両リヤ側に、つまり底壁47が傾斜する方向のうち鉛直上方の側に大きく偏らせて(つまり図で右半分)に開口している。上記連絡通路7はこの空気入口48と接続する。このように空気入口48を底壁47が傾斜する方向のうち鉛直上方の側に大きく偏らせて設けたのは、底壁47の周縁であって底壁47のうち最も鉛直下方にある部位で空気を淀ませるためである。逆に言うと、底壁47の周縁であって底壁47のうち最も鉛直下方にある部位で空気を淀ませるには、この部位よりもできるだけ離れた位置に空気入口48を設けてやればよいためである。また、空気入口48の下端48aは底壁47とほぼ平行となるようにされている。ここで、底壁47の「周縁」とは、後述するように、底壁47上の点や線分を意味するのではなく、平面的にある広がりを有する概念として使用する。
また、フロント壁43にはリブ51が、リヤ壁44にはリブ(図示しない)が、左壁45にはリブ53が、右壁46にはリブ54が、底壁47にはリブ55が下部ハウジング41の外側や内側に適宜設けられている。
一方、上部ハウジング21は、車両フロント側に位置するフロント壁23、車両リヤ側に位置するリヤ壁24、車両左側に位置する左壁25、車両右側に位置する右壁26、天井壁27からなる。天井壁27は、図2に示したように全体としてほぼ長方形(四角)である。この天井壁27に4つの各側壁であるフロント壁23、リヤ壁24、左壁25、右壁26が繋がっている。
天井壁27は、図4に示すように空気入口48から離れる車両フロント側(図で左側)ほど鉛直下方に徐々に低くなるように形成されている。
上部ハウジング21の右壁26には、クリーン室62の吸入空気をエンジンへと導くため円状の空気出口28を、図2、図7、図8に示したよう車両フロント側(つまり空気入口48から離れる向き)に偏心させて開口し、この空気出口28に接続される円筒状の連絡管29を右壁26と一体に形成している。この連絡管29は、さらに弾性材からなる連絡管30を介して、図示しない吸気マニホールドに接続される。
また、フロント壁23にはリブ31が、リヤ壁24にはリブ32が、左壁25にはリブ33が、右壁26にはリブ34が、天井壁27にはリブ35が上部ハウジング21の外側や内側に適宜それぞれ設けられている。
下部ハウジング41には、図2、図11に示すようにフランジ42の近くに3つのステー56、57、58が下部ハウジング41と一体で設けられ、これら3つのステー56、57、58を車体に固定することで、エアクリーナ11の全体が車体に吊り下げられている。つまり、下部ハウジング41の底壁47は、直接的にフェンダープロテクタ2に触れることがないようにフェンダープロテクタ2から所定の間隙を開けて固定されている。これは、エアクリーナ11とフェンダープロテクタ2とが直接触れていると、エンジンからの振動がエアクリーナ11を介して車体に伝わり、車体振動を起こしてしまうので、これを防止するためである。
上記空気入口48には連絡通路7の下流端が持ち上げて接続されている。このため、連絡通路7より空気入口48に到達し、空気入口48よりダスト室63に流入する吸入空気は、図6に矢印で示したように上部ハウジング21内の天井壁27に向かって上昇する。この場合、空気入口48と天井壁27との間には、図5に示すようにフィルタエレメント61が介在するので、吸入空気中に漂っている砂等のダストはフィルタエレメント61にトラップ(捕捉)され、砂等のダストが取り去られたきれいな吸入空気だけがクリーン室62に導かれる。そして、クリーン室62内の吸入空気は空気出口28を出てエンジンへと向かう。
図11に示したようにほぼ長方形の底壁47は緩やかな斜面状に形成されている。すなわち、底壁47では、車両リヤ側(図で上側)の周縁47aが最も鉛直上方にあり、さらに車両リヤ側の周縁47aでは、車両右側(図で左側)のほうが車両左側(図で右側)よりもわずかに鉛直下方にある。また、車両フロント側(図で下側)の周縁47bが最も鉛直下方にある。この車両フロント側の周縁47bでは、車両左側(図で右側)、車両右側(図で左側)ともほぼ同程度の鉛直高さにある。そして底壁47は図5〜図8にも示すように中央に向けて鉛直上方に膨らんでいる。ここで、車両リヤ側の周縁47aとは、下部ハウジング41の車両リヤ側(図で上側)のフランジ42aより車両フロント側(図で下側)にある幅を有する部位をいうものとする。同様に、車両フロント側の周縁47bとは、下部ハウジング41の車両フロント側(図で下側)のフランジ42bより車両リヤ側(図で上側)にある幅を有する部位をいうものとする。
フィルタエレメント61により捕捉されたダストに含まれる砂の一部はフィルタエレメント61に付着するものの、残りの大部分の砂は一旦フィルタエレメント61に付着したにも拘わらず自重によって鉛直下方へと落下する。落下した砂等は、底壁47の全体に広がって落下するのだが、底壁47が緩やかな斜面状に形成されているので、砂は斜面を滑って、底壁47のうち最も低い部位、つまり車両フロント側の周縁47bへと移動して溜まることになる。
しかしながら実際には、エンジンを運転すると、特に負荷は大きい場合には、ダスト室63に流入する吸入空気の流量が多くなり、底壁47に堆積している砂を容易に巻き上げてしまう可能性がある。このため、一旦フィルタエレメント61から落下した砂等のダストが再び巻き上げられてフィルタエレメント61に捕捉され、目詰まりを促進させてしまう。
そこで、この底壁47に堆積している砂の巻き上げを防止するため、本実施形態では、図11に示したように複数の孔を有する板状のダスト分離板65(板状部材)を底壁47から所定の間隔だけ離した(浮かせた)位置で底壁47に沿わせて設けるようにした。底壁47に沿わせて設けるため、ダスト分離板65も、緩やかな斜面状に形成される。すなわち、ダスト分離板65の形状は、その下方にある底壁47とほぼ同様である。すなわち、車両リヤ側よりも車両フロント側が鉛直下方にある。また、ダスト分離板65は図5〜図9に示すように全体として鉛直上方に膨らんでいる。
ダスト分離板65は、底壁47の全体を覆うように設けるのではなく、ダストに含まれる砂が多く落下すると共に落下した砂が、空気入口48から流入する空気流れに伴い再び巻き上がる範囲をカバーするように設ける。言い換えると、ダスト室63内でも空気が淀む部分、つまり底壁47の周縁にまでは設けない。すなわち、エンジンの運転中には空気入口48からフィルタエレメント61へ向かう空気の流れが生じる。この空気流れに含まれる様々な粒径の砂が空気と共にフィルタエレメント61に衝突する。すると、空気流れがフィルタエレメント61に衝突する部位の真下付近に粒径の比較的大きな砂が多く落下する。空気流れがフィルタエレメント61と衝突する部位から離れた部位(つまり底壁47の周縁)にまで飛翔して落下する砂は粒径の比較的小さな軽い砂であり、底壁47の周縁にまで飛翔して落下する砂の割合は小さいものである。このため、ダスト分離板65の車両フロント側端65aはフロント壁43から所定の幅(底壁47の車両フロント側周縁47b)だけ、車両右側端65bは右壁46から所定の幅(底壁47の車両右側周縁47c)だけ、車両リヤ側端65cはリヤ壁44から所定の幅(底壁47の車両リヤ側周縁47a)だけ、車両左側端65dは左壁45から所定の幅(底壁47の車両左側周縁47d)だけ離れている。
一方、ダスト分離板65の左側端65dは、左壁45に近接して設けられる。これは、左壁45に空気入口48が開口しており、左壁45の周縁で特に砂が巻き上げられ易いので、ダスト分離板65により左壁45の近傍まで覆うことで、砂の巻き上げを防止するためである。
ダスト分離板65には、図11に示したように、車両の前後方向、つまり底壁47が傾斜する方向に延びる所定幅のリブ65fを、車両の左右方向に等間隔で6個(複数)設けると共に、これらリブ65fに直交するリブ65gを車両リヤ側端65cに設けている。リブ65f、65gは、ダスト分離板65を補強するためのものである。一方、車両フロント側端65aにはリブを設けていない。これは、車両フロント側端65aにもリブを設けると、車両フロント側端65a付近に堆積した砂がこのリブで遮られ、底壁47へと落下することが妨げられることになるためである。
そして、隣り合う2つのリブ65fの間にはダスト分離板65を貫通する孔65hを6個(複数)整列して設けると共に、孔65gの形状をすり鉢状(円錐状)に形成している。底壁47にまで砂を落下させるにはダスト分離板65に開ける孔を大きくすればよいのあるが、この孔が大きいと、ダスト室63に流入し鉛直上方にあるフィルタエレメント61に向かう吸入空気の流れにより、底壁47に堆積している砂がこの孔を介して巻き上げられてしまう。そこで、本実施形態ではダスト分離板65に開ける孔65hは、単純な孔でなく、鉛直下方ほど細くなるすり鉢状に形成している。すり鉢状であれば、孔65hから落下して底壁47に堆積している砂を巻き上げようとしても孔65hの孔面積が小さいために底壁47に堆積している砂を巻き上げにくい。このようにして、ダスト分離板65の下方の空間に砂を堆積させつつ、一旦堆積した砂の巻き上げを防止するのである。
砂の巻き上げを防止できればよいので、孔65hの形状は円錐状に限定されるものでなく、例えば角錐状としてもかまわない。要は鉛直下方に先細る形状であればよい。
ダスト分離板65の材質はポリプロピレン等の樹脂である。ダスト分離板65は熱かしめによって底壁47に固着する。すなわち、底壁47から立ち上がる4本の支柱(図示しない)の先に段付き棒状部分を設けており、この段付き棒状部分にダスト分離板65の4隅に設けている取付孔(図示しない)を挿通して固定し、その状態で先端の棒状部分を熱で溶かしてやると、溶けた樹脂が取付孔をリベットのように塞いでダスト分離板65を底壁47に固定することができる。
ここで、ダスト分離板65を着脱可能にすれば、メインテナンス時に、底壁47に溜まった砂を掻き出し易くはなる。しかしながら、ダスト分離板65を着脱可能にするには、その分だけダスト分離板65の強度を上げる必要があること、着脱のための部品が追加で必要であることを考慮し、ダスト分離板65を底壁47に固着しダスト分離板65を着脱できないようにしている。すなわち、本実施形態ではダスト分離板65を固着することとしても、ダスト分離板65を底壁47の周縁(車両リヤ側周縁47a、車両フロント側周縁47b、車両右側周縁47c、車両左側周縁47d)にまでは設けていないので、道具を使えば空いている4つの周縁47a、47b、47c、47dから砂を掻き出すことができる。このように、底壁47の4つの周縁47a、47b、47c、47dを空けてダスト分離板65を底壁47に固着することで、コストダウンを図りつつ、メンテナンス性を向上させている。なお、ダスト分離板65の材質は樹脂に限られるものでなく、金属や木材であってもかまわない。
このように、孔65hを複数有するダスト分離板65を設けると、すり鉢状の孔65hより底壁47へと落下した砂は、その位置で堆積し、ある程度堆積した後には傾斜している底壁47を滑って鉛直下方へと移動してゆく。本実施形では、底壁47のうち最も鉛直下方にある部位は車両フロント側周縁47bである。このため、底壁47の車両フロント側周縁47bでかつ空気入口48より車両右側(図11で左側)に最も離れた部位に砂落とし用孔59を開口し、この砂落とし用穴59に弾性部材のゴムキャップ66を被覆している。
ゴムキャップ66の上部には円柱状空間66aを、下部には中央に隙間であるスリット66bを形成している。このため、底壁47のうち最も低い部位である車両フロント側周縁47bに溜まった砂は、最終的にはゴムキャップ66上部の円柱状空間66aに落ちる。エンジンの運転中にはエアクリーナ11の内部が負圧(大気圧より低い圧力)になり、この負圧でスリット状隙間66bが閉じられる。従って、エンジンの運転中にこのスリット66bから空気がダスト室63へと導入されることはない。そして、円柱状空間66aに落ちて堆積している砂は、エンジン停止と共に開くスリット66bからエアクリーナ11の外部に落下する(排出される)。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態は、鉛直下方に位置するダスト室63と、鉛直上方に位置するクリーン室62とに内部を区画するフィルタエレメント61を有し、ダスト室63に空気入口48を、クリーン室62に空気出口27をそれぞれ開口するフィルタ11において、フィルタ11の底壁47を傾斜させて設けると共に、底壁47から所定の間隔だけ鉛直上方に浮かせた位置で、底壁47の周縁であって底壁47のうち最も鉛直下方にある部位(底壁47の車両フロント側周縁47b)を残して、底壁47を複数の孔59を有するダスト分離板65(板状部材)により覆っている。ダスト室63に流入してくる吸入空気に含まれるダストは、最終的には底壁47のうち最も鉛直下方にある部位(底壁47の車両フロント側周縁47b)に移動してくる。本実施形態によれば、この部位にダスト分離板65(板状部材)を設けていないので、道具を用いる等することによりダスト分離板65の下方に堆積したダストをダスト分離板と底壁47との間から容易に掻き出すことができ、メンテナンス性が向上する。
ダスト分離板65に開口した孔からダストを落下させて堆積させるためには開口孔の大きさを大きく取る必要がある。しかながら、その一方で高負荷運転時のようにダスト室63に流入してくる吸入空気の流速が高い運転領域になると、底壁47に堆積しているダストがこの開口孔を介して巻き上げられ、再度フィルタエレメント61に吸着してしまう可能性がある。特に、砂漠地やその周辺の砂の多い地域を走行する車両では、主に砂からなるダストがフィルタエレメント61に吸着されて目詰まりを生じさせ、エンジン出力の低下を招くことが考えられる。かといって、このダストの巻き上げを防止するためダスト分離板65に開口する孔を小さくしたのではダスト分離性能が悪化する。本実施形態によれば、孔65hは鉛直下方ほど細くなる形状(すり鉢状)であるので、ダスト分離板65により一度捕捉したダスト(砂)の巻き上げを防止してダストの捕捉効率(ダスト分離性能)を高めることができる。
本実施形態によれば、ダスト分離板65に底壁47が傾斜する方向にリブ65fを設け、隣り合うリブ65fの間に孔65hを整列させるので、ダスト分離板65の強度を上げることができると共に、ダスト分離板65の下方の底壁47の全体にダストを分散させて堆積させることができる。
本実施形態によれば、底壁47はほぼ長方形(四角)で、この底壁47に4つの側壁(フロント壁43、リヤ壁44、左壁45、右壁46)が繋がっている場合に、底壁47が傾斜する方向と平行な側壁(左壁45)に空気入口48を、底壁47が傾斜する方向のうち鉛直上方の側(車両リヤ側)に偏らせて設けるので、底壁47の周縁であって底壁47のうち最も鉛直下方にある部位(底壁47の車両フロント側周縁47b)の空気が、より淀むことになり、その分だけこの部位のうちダストが巻き上げられにくくなる面積が広がる。ダストが巻き上げられにくくなる面積が広がれば、その広がった面積分はダスト分離板65で覆う必要が無くなる。つまり、底壁47の周縁であって底壁47のうち最も鉛直下方にある部位のうちダスト分離板65で覆わなくても済む面積が広くなり、さらにダスト分離板65の下方に堆積したダストを掻き出し易くなる。
空気入口48が設けられる側壁(左壁45)近くの底壁47の周縁47dでは、底壁47に堆積しているダストが巻き上げられ易い。本実施形態によれば、空気入口48が設けられる側壁(左壁45)の近傍までダスト分離板65により覆うので、空気入口48が設けられる側壁(左壁45)近くの底壁47の周縁47dからのダストの巻き上げを抑制できる。
空気入口48からダスト室63に流入する吸入空気に砂が含まれる場合には、底壁47に堆積する砂を定期的にエアクリーナ11の外に取り去る必要があるのであるが、本実施形態によれば、底壁47の周縁であって底壁47のうち最も鉛直下方にある部位(底壁47の車両フロント側周縁47b)のうち空気入口48から遠い位置に砂落としの孔59を設け、この孔59にスリット66bを有するゴムキャップ66(弾性部材のキャップ)を被せ、エンジンの運転中にはエアクリーナ11内に発生する圧力によりこのスリット66bが閉じられるようにするので、ドライバーや車両管理者がエアクリーナ11内の砂を定期的に取り去らなくても、独りでにエアクリーナ11の外に砂を取り去ることができる。
11 エアクリーナ
21 上部ハウジング
28 空気出口
41 下部ハウジング
47 底壁
47b 車両フロント側周縁(底壁の周縁であって底壁のうち最も鉛直下方にある部位)
48 空気入口
59 砂落とし用孔
61 フィルタエレメント
62 クリーン室
63 ダスト室
65 ダスト分離板(板状部材)
66 ゴムキャップ(弾性部材のキャップ)

Claims (6)

  1. 鉛直下方に位置するダスト室と、鉛直上方に位置するクリーン室とに内部を区画するフィルタエレメントを有し、ダスト室に空気入口を、クリーン室に空気出口をそれぞれ開口するフィルタにおいて、
    フィルタの底壁を傾斜させて設けると共に、
    底壁から所定の間隔だけ鉛直上方に浮かせた位置で、底壁の周縁であって底壁のうち最も鉛直下方にある部位を残して、底壁を複数の孔を有する板状部材により覆う
    ことを特徴とするエアクリーナ。
  2. 前記孔は鉛直下方ほど細くなる形状であることを特徴とする請求項1に記載のエアクリーナ。
  3. 前記孔はすり鉢状であることを特徴とする請求項2に記載のエアクリーナ。
  4. 前記底壁はほぼ長方形で、この底壁に繋がっている4つの側壁との間に4つ周縁を有し、この4つの周縁のうち前記最も鉛直下方にある周縁に隣接する2つの周縁の一方の端部と繋がる側壁に、前記空気入口を、鉛直上方の側に偏らせて設けることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のエアクリーナ。
  5. 前記空気入口が設けられる側壁の近傍まで前記板状部材より覆うことを特徴とする請求項4に記載のエアクリーナ。
  6. 前記最も鉛直下方にある周縁の前記空気入口から遠い側の部位、前記空気入口から前記ダスト室に流入する吸入空気に含まれる砂落としの孔を設け、この孔にスリットを有する弾性部材のキャップを被せ、エンジンの運転中にはエアクリーナ内に発生する圧力によりこのスリットが閉じられるようにすることを特徴とする請求項4に記載のエアクリーナ。
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