JP2521459B2 - 半導体チツプの製造方法 - Google Patents

半導体チツプの製造方法

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JP2521459B2 JP3957187A JP3957187A JP2521459B2 JP 2521459 B2 JP2521459 B2 JP 2521459B2 JP 3957187 A JP3957187 A JP 3957187A JP 3957187 A JP3957187 A JP 3957187A JP 2521459 B2 JP2521459 B2 JP 2521459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高温成形した低密度ポリエチレンフィルム
を支持基材とする仮着フィルムを用いて、切断チップの
吸引剥離を容易とした半導体チップの製造方法に関す
る。
従来の技術及び問題点 熱収縮性フィルムを支持基材とする接着フィルムを貫
通孔を設けた金属製支持枠の片面に固着し、その貫通孔
部分の接着フィルムに仮着フィルムを介して半導体ウエ
ハを仮着してこれを切断し、得られた半導体チップを接
着フィルムの加熱処理による緊張状態下に吸引剥離し
て、半導体チップを得る方法が提案されている。この方
法は、ICチップの自動製造ラインなどにおいて、半導体
ウエハを所定寸法のチップに切断したのち各チップを次
工程に吸引移送する場合などに適用されている。
従来、前記の方法における仮着フィルムの支持基材と
しては、通常の成形条件で得たポリオレフィンフィルム
が用いられていた。
しかしながら、半導体チップが50mm2を超えるような
場合、接着フィルムと仮着フィルムの接着力不足で半導
体チップを吸引剥離する際にそれらが剥がれて、仮着フ
ィルムに仮着する半導体チップを剥離できない問題点が
あった。
前記した接着フィルムと仮着フィルムの剥がれの問題
を克服すべく、支持基材としてポリオレフィンフィルム
をクロム酸・硫酸混液や火炎、あるいはコロナ放電など
で処理したものを用いる試みがある。しかし、処理が過
度であったり、あるいは処理不足であったり、さらには
処理効果が経時的に低下したりして処理状態のバラツキ
が大きく、満足できる支持基材を得るには至っていな
い。
一方、用いる粘着剤を変えて前記問題点を解決する試
みもある。しかし、ゴム系の粘着剤では不純物による半
導体チップの汚染問題を誘発し、アクリル系等の合成樹
脂系粘着剤では金属製支持枠と仮着フィルムの両方に対
してバランスのとれた接着力を有するものを得ることが
できず、この方式も満足な解決を見るには至っていな
い。
問題点を解決するための手段 本発明は、仮着フィルムの支持基材として特殊な成形
条件で得た低密度ポリエチレンフィルムを用いることに
より、上記の問題点を克服したものである。
すなわち、本発明は、貫通孔を有する支持枠の片面に
熱収縮性フィルムを支持基材とする接着フィルムを固着
し、その接着フィルムにおける粘着剤層の前記貫通孔部
分に仮着フィルムを介して仮着した半導体ウエハを切断
して半導体チップを形成する工程と、接着フィルムを加
熱処理し、その収縮力に基づいて接着フィルムを緊張状
態とし、形成された半導体チップを仮着フィルムより吸
引剥離する工程とからなり、前記仮着フィルムの支持基
材が高温押出条件下に成形して酸化により表面張力が33
〜35dyne/cmにある低密度ポリエチレンフィルムからな
ることを特徴とする半導体チップの製造方法を提供する
ものである。
作用 上記した条件を満足する低密度ポリエチレンフィルム
を仮着フィルムにおける支持基材として用いることによ
り、前記した半導体チップの製造方法において要求され
る、接着フィルムとの接着力、接着フィルムの熱収縮応
力に対する応答性ないしその他の強度的特性をバランス
よく満足し、半導体チップが50mm2を超えて仮着フィル
ムとの接着力が大きい場合にも、スムースに吸引剥離す
ることができて当該製造方法の実施が可能となる。
実施例 第1図、第2図において1は接着フィルム、2は金属
製支持枠、3は仮着フィルム、4bは半導体チップであ
る。
接着フィルム1は熱収縮性のプラスチックフィルムか
らなる支持基材11にアクリル系粘着剤からなる粘着剤層
12を設けたものよりなる。接着フィルム1は支持枠2の
片面にその粘着剤層12を介して、ゆるみのない状態で、
かつ加熱処理により収縮力が作用した場合にも殆ど外観
が変わらない程度の強さで固着されている。支持枠2は
貫通孔21を有してリング状の形態をしている。従って、
貫通孔21部分では接着フィルムの粘着剤層12が露出した
状態となっている。仮着フィルム3は高温押出成形され
た低密度ポリエチレンフィルムからなる支持基材31にア
クリル系粘着剤からなる粘着剤層32を設けたものよりな
る。仮着フィルム3はその支持基材31の背面を介して貫
通孔21部分における接着フィルムの粘着剤層12に貼着さ
れている。
本発明の方法においては、前記した仮着フィルム3に
おける粘着剤層32に、通常所定の回路パターンが形成さ
れた半導体ウエハ4aが仮着される。半導体ウエハの仮着
方式としてはウエハを予め仮着フィルムの粘着剤層に仮
着し、これを支持枠の貫通孔部分における接着フィルム
の粘着剤層に貼着する方式が一般であるが、この方式に
限定されない。
仮着フィルムに仮着された半導体ウエハ4aは便宜な手
段で所定の寸法に切断され、半導体チップ4bとされる。
切断処理に際しては、得られる半導体チップのそれぞれ
が完全に分離された状態となることが望まれるので、仮
着フィルムにおける支持基材の表層部分にまで切れ目を
入れるのが一般である。
半導体ウエハの切断処理がおわると、次に接着フィル
ムを加熱処理して接着フィルムに収縮力を作用させる。
その際、接着フィルムはその収縮力で剥がれることのな
いよう支持枠に固着されているので、前記収縮力に基づ
いて緊張状態を形成する。加熱処理条件は、接着フィル
ムの収縮特性により適宜に決定されるが、約100〜180℃
で5〜60秒間処理する方式が一般である。
接着フィルムの加熱処理がおわると、次に仮着フィル
ムに仮着している半導体チップのそれぞれが吸引剥離さ
れる、ICチップの自動製造ラインにおいては、吸引剥離
された半導体チップはそのまま次工程に移送される。吸
引剥離に際しては、吸引剥離が円滑に行われるよう接着
フィルム側より半導体チップをニードルなどで突きあげ
ることが一般である。
本発明において用いられる接着フィルムは熱収縮性フ
ィルムを支持基材とする。その熱収縮性フィルムとして
は、半導体チップの吸引剥離工程でニードルなどが突き
刺されても裂けや破れなどとして孔が広がり難いものが
用いられる。好ましく用いうる熱収縮性フィルムは、加
熱収縮率が3〜50%で収縮応力の緩和性に乏しいもので
ある。また、縦横方向の加熱収縮が実質的に等方性であ
り就中、その加熱収縮率差が20%以下のものである。好
ましい熱収縮性フィルムの例としては、前記の収縮率と
なるように延伸処理したポリエステルフィルムなどがあ
げられる。そのポリエステルフィルムの厚さとしては20
〜100μmが好ましい。
一方、接着フィルムの形成に用いる粘着剤としては、
耐熱性のアクリル系粘着剤が好ましく、粘着剤層の弾性
率が0.6〜10kg/cm2となるものが適当である。その弾性
率が0.6kg/cm2未満の粘着剤層では加熱処理による収縮
力の作用で接着フィルムが支持枠より浮いたり剥がれた
りしてシワを生じる場合があり、弾性率が10kg/cm2を超
える粘着剤層では仮着フィルムとの接着力に乏しい場合
がある。粘着剤層の厚さとしては10μm以上、就20〜50
0μmが望ましい。10μm未満では半導体ウエハ切断の
際に傷を生じやすく、その傷が裂けや破れに発展して半
導体チップの剥離時に支障を生じる場合がある。
本発明において用いられる仮着フィルムは、低密度ポ
リエチレンを高温押出条件でフィルムに成形したもので
あり、酸化によりその表面張力が33〜35dyne/cmにある
ものである。これにより、接着フィルムとの満足できる
安定した接着力を得ることができて、半導体チップが50
mm2を超えるような場合にも接着フィルムと仮着フィル
ムの剥がれを伴わずにチップの吸引剥離が可能になる。
低密度ポリエチレンとしては密度が0.915〜0.930g/cm3
のものが適当であり、これを270〜300℃の高温で押出成
形してフィルムとすることが適当である。支持基材とし
ては厚さが10〜60μmのものが適当であり、就中30μm
以下のものが好ましい。
仮着フィルムに用いる粘着剤としては半導体チップの
汚染防止の点よりアクリル系粘着剤が好ましく、半導体
ウエハとの接着力が50〜500g/20mm(180ビール、剥離速
度300mm/分)のものが適当である。なお、仮着フィルム
における粘着剤層の厚さについも10μm以上、就中20〜
500μmあることが望ましい。
発明の効果 本発明によれば、仮着フィルムにおける支持基材とし
て高温成形した低密度ポリエチレンフィルムを用いたの
で、接着フィルムと仮着フィルムを強固に貼着すること
ができる。その結果、切断時における半導体ウエハの振
れを抑制できて寸法精度に優れる半導体チップを得るこ
とができ、また接着フィルムに充分な緊張状態を形成さ
せることができて、得られたそれぞれの半導体チップを
容易に吸引剥離することができ、剥離ミスが有効に防止
される。
従って、本発明の方法は、半導体ウエハの仮着が容易
であることなども手伝って半導体チップ製造効率に優れ
ており、その実用的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を説明するための平面図、第2図
はそのI−I′断面図である。 1:接着フィルム 11:熱収縮性フィルムからなる支持基材 12:粘着剤層 2:支持枠 21:貫通孔 3:仮着フィルム 31:低密度ポリエチレンフィルムからなる支持基材 32:粘着剤層 4a:半導体ウエハ 4b:半導体チップ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貫通孔を有する支持枠の片面に熱収縮性フ
    ィルムを支持基材とする接着フィルムを固着し、その接
    着フィルムにおける粘着剤層の前記貫通孔部分に仮着フ
    ィルムを介して仮着した半導体ウエハを切断して半導体
    チップを形成する工程と、 接着フィルムを加熱処理し、その収縮力に基づいて接着
    フィルムを緊張状態とし、形成された半導体チップを仮
    着フィルムより吸引剥離する工程とからなり、 前記仮着フィルムの支持基材が高温押出条件下に成形し
    て酸化により表面張力が33〜35dyne/cmにある低密度ポ
    リエチレンフィルムからなることを特徴とする半導体チ
    ップの製造方法。
  2. 【請求項2】低密度ポリエチレンフィルムが密度0.915
    〜0.930g/cm3のポリエチレンを270〜300℃の温度条件で
    押出成形して得たものである特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
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