JP2521226B2 - 犬用多種混合ワクチン - Google Patents

犬用多種混合ワクチン

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JP2521226B2 JP5034622A JP3462293A JP2521226B2 JP 2521226 B2 JP2521226 B2 JP 2521226B2 JP 5034622 A JP5034622 A JP 5034622A JP 3462293 A JP3462293 A JP 3462293A JP 2521226 B2 JP2521226 B2 JP 2521226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イヌジステンパー(以
下、「CD」と略記する。)、イヌアデノウイルス2型
(以下、「CA−2」と略記する。)、パラインフルエ
ンザ5型(以下、「CPI」と略記する。)、イヌパル
ボウイルス感染症(以下、「CP」と略記する。)の4
種類のウイルス感染症およびレプトスピラ・コベンハゲ
ニー(以下、「L.co.」と略記する。)、レプトス
ピラ・カニコーラ(以下、「L.c.」と略記す
る。)、レプトスピラ・ヘブドマデイス(以下、「L.
h.」と略記する。)の3種類のレプトスピラ菌感染症
の犬用多種混合ワクチンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】前記各ウイルス感染症のうち、CDウイ
ルスは、発熱、呼吸器症状を呈する急性の全身性疾病の
原因ウイルスであり、中枢神経系にも障害を及ぼし神経
症状を呈する。犬に激性の肝炎を引き起こす犬伝染性肝
炎は、イヌアデノウイルス1型に原因する。CA−2ウ
イルスは、犬伝染性咽頭気管炎の原因として知られてい
る。また、CPIウイルスはCA−2とあわせ、いわゆ
るケンネルコフと呼称される疾病の原因となる。更に、
CPウイルスは、強烈な下痢を主徴とする消化器症状を
引き起こし、更に子犬では心筋炎を生じ、死に至らしめ
る。これら5種類のウイルス病は、その病勢と伝播にお
いても犬の疾病中最も恐れられている伝染病である。
【0003】これらのウイルス疾病に対し、すでにCP
ウイルス感染症については生あるいは不活化の単味ワク
チンが、CD、CA−2では2種混合生ワクチンが、更
にはCD、CA−2、CPI、CPの4種混合生ワクチ
ンが開発、使用されている。尚、前記ウイルス疾病のう
ち、犬伝染性肝炎については、その原因となるイヌアデ
ノウイルス1型はCA−2と交差反応性を示すことか
ら、ワクチン株としてCA−2ウイルスを使用すること
により、犬伝染性肝炎と犬伝染性咽頭気管炎の2種類の
疾病の予防が可能であることが示されている。
【0004】一方、レプトスピラ病は、古くから人畜共
通伝染病の1つとして知られている。本病は、発症すれ
ば肝臓あるいは腎臓を犯し、予後が不良となるものであ
って、わが国では、主として郡部を中心に今だに発生が
続いている重要な疾病である。
【0005】このレプトスピラ病に対しても、すでにレ
プトスピラ・イクテロヘモラギー(L.i.)とL.
c.の2種類の不活化抗原を含むワクチンが開発、応用
されている。このワクチンはまた、前述の各種ウイルス
疾病に対するワクチンと混合して使用する形態でも開
発、使用されている。しかしながら、レプトスピラ菌は
多くの血清型が存在し、血清型が異なる株間では防御が
成立せず、その予防には困難性があり、より多くの血清
型に有効なワクチンの開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点を考
慮し、人畜共通伝染病であるレプトスピラ病のより確実
な予防のための犬用ワクチンを提供すると同時に、ワク
チン注射をより省力化するため、前述したCD、CA−
2、CPI、CPの4種類の各弱毒ウイルスのウイルス
液と、L.co.、L.c.、L.h.の3種類のレプ
トスピラ不活化抗原を組み合わせ、合計8種類の疾病を
1回の注射で予防しようとする犬用多種混合ワクチンの
提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る犬用多種混合ワクチンは、自然感染犬
の材料よりフェレットを用いて分離し、鶏胚、更にハム
スター腎細胞継代に馴化させたイヌジステンパーウイル
スを鶏腎細胞で連続継代して弱毒化した弱毒イヌジステ
ンパーウイルスを、鶏腎細胞で培養したウイルス液と、
豚腎細胞で37℃、30℃での継代を繰り返すことによ
り、30℃培養に馴化させた弱毒イヌアデノウイルス2
型を、豚腎細胞で培養したウイルス液と、Vero細胞
で30℃継代して馴化させ、更に鶏胎児線維芽細胞で連
続継代して弱毒化した弱毒パラインフルエンザ5型ウイ
ルスを鶏胎児線維芽細胞で培養したウイルス液、およ
び、猫腎細胞で37℃、32℃、30℃培養を繰り返
し、32℃に馴化、弱毒化した弱毒イヌパルボウイルス
を猫腎細胞で培養したウイルス液の4種類のウイルス液
と、レプトスピラ・コベンハゲニー芝浦株、レプトスピ
ラ・カニコーラ フント・ユートレヒト IV 株、およ
び、レプトスピラ・ヘブドマデイス秋疫B株を、液体培
地でそれぞれ培養増殖させて不活化して得られた3種類
のレプトスピラ菌抗原とを含むものである。
【0008】特に、前記ワクチンの場合に、前記4種類
の各ウイルス液を混合調製して凍結乾燥した乾燥品を、
前記3種類の不活化レプトスピラ抗原を混合調製した液
状品に溶解して使用することが好ましい。
【0009】上記の本発明に係る犬用多種混合ワクチン
について以下に詳細に説明する。
【0010】弱毒化ウイルスの調製 前記各ウイルス株は、それぞれわが国での野外症例より
分離されたウイルス株を弱毒化したものである。
【0011】先ず、弱毒CDウイルスについては、19
60年、越智らによって、自然感染犬の材料よりフェレ
ットを用いてCDウイルスが分離された。このCDウイ
ルスの鶏胚馴化ウイルス(DFE株)を、初代ハムスタ
ー腎培養細胞に5代継代し、更に、初代鶏腎培養細胞に
2代継代した後、同細胞で連続的に2代限界希釈法によ
るクローニングを行い、その後、1代継代して弱毒化し
た株(以下「DFE−HC株」という。)を原株とし
た。この弱毒CDウイルスDFE−HC株は、CDウイ
ルス抗体陰性犬の脳内または静脈内に104.0 TCID
50を接種しても異常を認めないが、抗体陰性犬の皮下ま
たは筋肉内に接種するとCDウイルスの感染による発病
を予防する免疫原性を有し、既知の抗CDウイルス血清
によって特異的に中和される。また、この弱毒CDウイ
ルスDFE−HC株は、7日齢発育鶏卵漿尿膜に接種す
ると灰白色のポックを作り、初代鶏腎培養細胞、鶏胎児
線維芽培養細胞、およびVero細胞で細胞変性効果を
伴って増殖する。また、3日齢以内の乳のみマウスの脳
内に接種すると神経症状を呈する。この弱毒CDウイル
スDFE−HC株の原株および種ウイルスは、初代鶏腎
培養細胞を用いて37℃で継代する。この場合の継代は
原株では3代以内、種ウイルスでは2代以内である。
尚、この弱毒CDウイルスDFE−HC株の原株および
種ウイルスは、凍結して−70℃以下、または凍結乾燥
して5℃以下に保存する。
【0012】次に、弱毒CA−2ウイルスについては、
1980年、高村らによって、自然感染犬の鼻腔スワブ
より初代犬腎培養細胞を用いてイヌアデノウイルス2型
OD−N株が分離された。このCA−2ウイルスOD−
N株を初代豚腎培養細胞を用いて37℃で7代連続継代
後、同細胞で30℃2代、37℃1代、30℃3代、3
7℃1代、30℃4代、37℃1代と30℃培養、37
℃培養を交互に繰り返すことによって、30℃培養に馴
化させ、以後30℃で連続10代継代した後、限界希釈
法によるクローニングを2回行い、更に30℃で2代継
代した株(以下、「OD−N/SL株」という。)を原
株とした。この弱毒CA−2ウイルスOD−N/SL株
は、CA−2抗体陰性犬の鼻腔内または静脈内に10
7.0 TCID50を接種しても異常を認めないが、抗体陰
性犬の皮下または筋肉内に接種するとCAウイルス1型
およびCAウイルス2型の感染による発病を予防する免
疫原性を有し、既知の抗CA−2型血清によって特異的
に中和される。また、初代豚腎培養細胞で細胞変形効果
を伴って増殖する。また、この弱毒CA−2ウイルスO
D−N/SL株を初代豚腎培養細胞および初代犬腎培養
細胞に104.0 TCID50を接種するとき、野外分離株
(OD−N株)に比べ、初代豚腎培養細胞の30℃培養
では2log 以上高い感染価を示し、初代犬腎培養細胞の
40℃培養では、2log 以上低い感染価を示す。この弱
毒CA−2ウイルスOD−N/SL株の初代犬腎培養細
胞でウイルス含有量を測定するとき、40℃よりも30
℃培養の方が2log 以上高い。この弱毒CA−2ウイル
スOD−N/SL株は、これをモルモットの鼻腔内に1
4.0 TCID50を接種しても、中和抗体の産生が認め
られない。この弱毒CA−2ウイルスOD−N/SL株
の原株および種ウイルスは、初代豚腎培養細胞を用いて
30℃で継代する。この場合、継代は、原株では3代以
内、種ウイルスでは2代以内である。尚、この弱毒CA
−2ウイルスOD−N/SL株の原株および種ウイルス
は、凍結して−70℃以下または凍結乾燥して5℃以下
に保存する。
【0013】また、弱毒CPIウイルスについては、1
975年安食らによって、呼吸器病発症犬の肺より初代
犬腎培養細胞を用いてCPIウイルスDL−1株が分離
された。このCPIウイルスDL−1株をVero細胞
の37℃培養で4代、30℃培養で30代連続継代後、
Vero細胞でプラッククローニングを行い、更に同細
胞の30℃で2代継代した後、鶏胎児線維芽培養細胞の
30℃培養で5代継代した株(以下、「DL−E株」と
いう。)を原株とした。この弱毒CPIウイルスDL−
E株は、CPIウイルス抗体陰性犬の鼻腔内または静脈
内に106.5 TCIDを接種しても異常を認めないが、
抗体陰性犬の皮下または筋肉内に接種するとCPIウイ
ルスの感染による発病を予防する免疫原性を有し、既知
の抗CPIウイルス血清によって特異的に中和される。
また、鶏胎児線維芽培養細胞およびVero細細で良く
増殖し、その感染細胞はモルモット赤血球を吸着し、V
ero細胞では細胞変性効果が観察される。この弱毒C
PIウイルスDL−E株を鶏線維芽培養細胞の30℃培
養で104.5 TCID50を接種するとき、野外分離株
(DL−1)株に比べ、2log 以上増殖性に優れてい
る。この弱毒CPIウイルスDL−E株の原株および種
ウイルスは、鶏線維芽培養細胞を用いて30℃で継代す
る。この場合の継代は、原株では3代以内、種ウイルス
では2代以内である。尚、この弱毒CPIウイルスDL
−E株の原株および種ウイルスは、凍結して−70℃以
下、または凍結乾燥して5℃以下に保存する。
【0014】更に、弱毒CPウイルスについては、19
80年、安食らによって自然感染発症犬の糞便より初代
犬腎培養細胞を用いてCPウイルス29−F株が分離さ
れた。このウイルスを初代猫腎細胞の37℃培養で5代
継代後、同細胞の32℃培養で連続6代、ついで、30
℃培養で連続16代、更に32℃で19代継代する間
に、限界希釈法によるクローニングを2回、クロロホル
ム処理、および56℃、30分の熱処理を行い、その
後、32℃で2代継代した株(以下、「29−F/LT
株」という。)を原株とした。この弱毒CPウイルス2
9−F/LT株は、CPウイルス抗体陰性犬に107.0
TCIDを経口または静脈接種しても異常を認めない
が、抗体陰性犬の皮下または筋肉内に接種するとCPウ
イルスの感染による発病を予防する免疫原性を有し、既
知の抗CPウイルス血清によって特異的に中和される。
また、初代猫腎培養細胞および猫の腎臓由来の株化細胞
であるCRFK細胞で増殖し、豚赤血球を凝集する。ま
た、この弱毒CPウイルス29−F/LT株を初代猫腎
培養細胞に102.0 TCIDを接種するとき、野外分離
株(29−F株)に比べ、32℃では2log 以上増殖性
が優れ、40℃では2log以上増殖性が劣る。この弱毒
CPウイルス29−F/LT株の原株および種ウイルス
は、初代猫腎培養細胞を用いて32℃で継代する。この
場合の継代は、原株では3代以内、種ウイルスでは2代
以内である。尚、この弱毒CPウイルス29−F/LT
株の原株および種ウイルスは、凍結して−70℃以下、
または凍結乾燥して−5℃以下に保存する。
【0015】混合ウイルス液からの乾燥品の調製 そして、前記4種類の弱毒化ウイルス株を使用し、前記
弱毒CDウイルスDFE−HC株を鶏腎細胞で培養した
ウイルス液、前記弱毒CA−2ウイルスOD−N/SL
株を豚腎細胞で培養したウイルス液、前記弱毒CPIウ
イルスDL−E株を鶏胎児線維細胞で培養した液、およ
び前記弱毒CPウイルス29−F/LT株を猫腎細胞で
培養したウイルス液の各ウイルス液を、それぞれ1:
1:1:1の割合に混合調製する。これに、安定剤を添
加し、凍結乾燥することにより、十分なウイルス量と力
価を保持することが可能となる。
【0016】レプトスピラ抗原調製のためのレプトス
ピラ菌株の選択 レプトスピラ病の予防をより確実にするため重要な3種
類のレプトスピラ菌株を選択した。1種類は、犬を主要
宿主としているL.c.フント・ユートレヒトIV 株
を、1種類は、ヒトのワイル病の病原体であるレプトス
ピラ・イクテロヘモラギー(L.i.)と強い交差性を
示し、L.i.よりも血清学的に広い交差性を有する
L.co.芝浦株を、更に、もう1種類は、わが国で多
く発生が見られ疫学的にも動物に高い抗体保有率が認め
られている、いわゆるヒトの7日熱の病原体であるL.
h.秋疫B株とした。
【0017】レプトスピラ培養菌液の調製 前記L.c.フント・ユートレヒト IV 株は、国立予防
衛生研究所より分与されたものを1代継代して原株とし
た。このL.c.フント・ユートレヒト IV 株は、モル
モットまたはハムスターの腹腔内に注射すると増殖する
が、ほとんど異常を示さない。また、犬レプトスピラ病
の発病を予防する免疫原性を有し、抗L.c.血清によ
り特異的に凝集する。このL.c.フント・ユートレヒ
ト IV 株の原株および種株は、製造用培地で継代する。
尚、このL.c.フント・ユートレヒト IV 株の原株お
よび種株は、凍結して−70℃以下で保存する。
【0018】また、前記L.co.芝浦株は国立予防衛
生研究所より分与されたものを1代継代して原株とし
た。このL.co.芝浦株は、モルモットまたはハムス
ターの腹腔内に注射すると増殖し、異常を示すことがあ
る。また、犬レプトスピラ病の発病を予防する免疫原性
を有し、抗L.co.血清により特異的に凝集する。こ
のL.co.芝浦株の原株および種株は、製造用培地で
継代する。尚、このL.co.芝浦株の原株および種株
は、凍結して−70℃以下で保存する。
【0019】更に、前記L.h.秋疫B株は、国立予防
衛生研究所より分与されたものを1代継代したものを原
株とした。このL.h.秋疫B株は、モルモットまたは
ハムスターの腹腔内に注射すると増殖するが、異常を示
さない。また、犬レプトスピラ病の発病を予防する免疫
原性を有し、抗L.h.血清により特異的に凝集する。
このL.h.秋疫B株の原株および種株は、製造用培地
で継代する。尚、このL.h.秋疫B株の原株および種
株は、凍結して−70℃以下で保存する。
【0020】レプトスピラ抗原調製のための不活化精
製方法 犬に注射する1規定量(1ml)の中に多種類の抗原を含
有させるための困難性を克服するため、前記3種類のレ
プトスピラ培養菌液を遠心分離により集菌し、それぞの
菌数を3.3×108 個に調製し混合する。また、それ
ぞれのレプトスピラ菌の不活化はメチロサールを使用し
て実施することにより、良好な抗原性を保持させること
ができる。
【0021】混合ワクチンの調製 前記4種類の生ウイルスは、前述のように安定剤を加
え、凍結乾燥品とする。一方、前記3種類のレプトスピ
ラ不活化抗原は、調製後、バイアル瓶に1ml宛分注し、
液状品とする。そして、このワクチンの使用に際しては
前記4種類のウイルスの乾燥品を、前記3種類のレプト
スピラ不活化抗原の液状品で溶解する形態とする。
【0022】混合ワクチンの性状 以上の方法により作製した混合ワクチン中に含有される
4種類のウイルスの各ウイルス量、ならびに3種類のレ
プトスピラ菌の総菌数を測定した結果は以下のとおりで
ある。即ち、CDウイルスおよびCPIウイルスはVe
ro細胞を用いて、CA−2ウイルスは豚腎細胞で、ま
た、CPウイルスはCRFK細胞により測定した結果、
混合ワクチン中のCDウイルスの含有量は104.50TC
ID50/ドーズ、CA−2ウイルスの含有量は10
6.375 TCID50/ドーズ、CPIウイルスの含有量は
106.50TCID50/ドーズ、また、CPウイルスの含
有量は106.625 TCID50/ドーズであった。また、
混合ワクチン中の各レプトスピラ菌の総菌数は、各レプ
トスピラ菌のそれぞれについて3.3×108 個/ドー
ズであった。
【0023】
【実施例】上記の混合ワクチンを使用し、犬におけるワ
クチンの安全性と有効性について試験した。先ず、ワク
チンの安全性については、約2ケ月齢のビーグル犬5頭
に、それぞれ1ドーズ分を頸部皮下あるいは後肢筋肉内
に注射し、一般臨床観察を実施し、注射後14日目に剖
検し、注射局所の変化を観察した。その結果、観察期間
中、一般臨床的に異常は観察されず、また、注射時の疼
痛や、注射部位の発赤、腫張も見られなかった。更に、
14日目の注射局所の反応も顕著な変化は認められず、
本ワクチンの安全性が確認された。尚、この結果を表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】また、このワクチンの有効性については、
前記4種類の各ウイルスおよび3種類のレプトスピラ菌
のいずれに対しても抗体陰性の約3ケ月齢のビーグル犬
5頭を用い、うち3頭の頸部皮下、および2頭の後肢筋
肉内にワクチンの1ドーズ分をそれぞれ注射し、注射後
4週目に採血して得られた血清について抗体価の測定を
実施した。この場合、各ウイルスに対する抗体は中和抗
体価を、また、各レプトスピラ菌の抗体については凝集
抗体価を測定した。その結果、いずれの抗体価も良好に
上昇し、本ワクチンの有効性が示された。この結果を表
2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る犬用多種混
合ワクチンによれば、犬を主要宿主としているL.c.
フント・ユートレヒト IV 株、ヒトのワイル病の病原体
であるレプトスピラ・イクテロヘモラギー(L.i.)
と強い交差性を示しL.i.よりも血清学的に広い交差
性を有するL.co.芝浦株、並びに、わが国で多く発
生が見られ疫学的にも動物に高い抗体保有率が認められ
ている、いわゆるヒトの7日熱の病原体であるL.h.
秋疫B株、の3種類のレプトスピラ菌を選択し、これら
の不活化抗原を組み合わせることで、従来においては、
多くの血清型が存在し血清型の異なる株間では防御が成
立せず、予防が困難であったレプトスピラ病をより確実
に予防可能とするとともに、これと、CD、CA−2、
CPI、CPの4種類のウイルス液とを組み合わせるこ
とにより、1回の注射で8種類もの疾病の予防を可能と
し、予防ワクチン注射のための労力を大幅に低減しうる
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 39:02) A61K 39:02) 8931−4B C12N 7/08 (56)参考文献 特開 平1−230532(JP,A) 特開 昭47−5700(JP,A) MICROBIOL.IMMUNO L.,VOL.35,NO.3(1991), PP.199−208 ZBL.BAKT.HYG.A,VO L.259(1985),PP.507−519

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然感染犬の材料よりフェレットを用い
    て分離し、鶏胚、更にハムスター腎細胞継代に馴化させ
    たイヌジステンパーウイルスを鶏腎細胞で連続継代して
    弱毒化した弱毒イヌジステンパーウイルスを、鶏腎細胞
    で培養したウイルス液と、豚腎細胞で37℃、30℃で
    の継代を繰り返すことにより、30℃培養に馴化させた
    弱毒イヌアデノウイルス2型を、豚腎細胞で培養したウ
    イルス液と、Vero細胞で30℃継代して馴化させ、
    更に鶏胎児線維芽細胞で連続継代して弱毒化した弱毒パ
    ラインフルエンザ5型ウイルスを鶏胎児線維芽細胞で培
    養したウイルス液、および、猫腎細胞で37℃、32
    ℃、30℃培養を繰り返し、32℃に馴化、弱毒化した
    弱毒イヌパルボウイルスを猫腎細胞で培養したウイルス
    液の4種類のウイルス液を混合調製し、これを凍結乾燥
    した乾燥品を作製し、一方で、レプトスピラ・コペンハ
    ゲニー芝浦株、レプトスピラ・カニコーラフント・ユー
    トレヒトIV株、および、レプトスピラ・ヘブドマデイ
    ス秋疫B株を、液体培地でそれぞれ培養増殖させて不活
    化して得られた3種類のレプトスピラ菌抗原を混合調製
    した液状品を作製し、この3種類のレプトスピラ菌抗原
    を混合した液状品に、前記4種類の弱毒ウイルスを混合
    した乾燥品を溶解してなる犬用多種混合ワクチン。
  2. 【請求項2】 自然感染犬の材料よりフェレットを用い
    て分離し、鶏胚、更にハムスター腎細胞継代に馴化させ
    たイヌジステンパーウイルスを鶏腎細胞で連続継代して
    弱毒化した弱毒イヌジステンパーウイルスを、鶏腎細胞
    で培養したウイルス液と、豚腎細胞で37℃、30℃で
    の継代を繰り返すことにより、30℃培養に馴化させた
    弱毒イヌアデノウイルス2型を、豚腎細胞で培養したウ
    イルス液と、Vero細胞で30℃継代して馴化させ、
    更に鶏胎児線維芽細胞で連続継代して弱毒化した弱毒パ
    ラインフルエンザ5型ウイルスを鶏胎児線維芽細胞で培
    養したウイルス液、および、猫腎細胞で37℃、32
    ℃、30℃培養を繰り返し、32℃に馴化、弱毒化した
    弱毒イヌパルボウイルスを猫腎細胞で培養したウイルス
    液の4種類のウイルス液を混合調製し、これを凍結乾燥
    した乾燥品を作製し、一方で、レプトスピラ・コペンハ
    ゲニー芝浦株、レプトスピラ・カニコーラフント・ユー
    トレヒトIV株、および、レプトスピラ・ヘブドマデイ
    ス秋疫B株を、液体培地でそれぞれ培養増殖させて不活
    化して得られた3種類のレプトスピラ菌不活化菌液につ
    いて、それぞれ遠心分離により培地成分を除去して菌体
    のみを集め、更に洗浄操作を加えることにより濃縮精製
    したレプトスピラ菌抗原を混合調製した液状品を作製
    し、この3種類のレプトスピラ菌抗原を混合した液状品
    に、上記の4種類の弱毒ウイルスを混合した乾燥品を
    解してなる犬用多種混合ワクチン。
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