JP2520980Y2 - 耕耘作業機におけるリヤカバーの前後案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、リヤカバーを前後移動させて浅耕姿勢と深
耕姿勢とに調整することができる耕耘作業機におけるリ
ヤカバーの前後案内装置に関するものである。

〔従来技術〕

一般に、この種耕耘作業機においては、リヤカバーを
用いて耕耘作業を行うことが有るが、この場合、リヤカ
バーを前後スライド移動させて耕耘深さの深浅変化に対
応してリヤカバーの機体に対する接地位置を調整できる
ようにしたものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかるに従来、リヤカバーは前高後低となるよう直線
的に移動させていたものであるため、接地位置の必要な
変化を確保するためにはリヤカバーを前後方向に大きく
移動させなければならず、この結果、耕耘作業機の前後
長さがどうしても長くならざるを得ない許りでなく、カ
バー面がスライドするものであるため泥土が詰まって前
後移動操作が困難になる場合もあって作業性に劣る等の
欠点があり問題と成っていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記の如き実情に鑑み、これらの欠点を一
掃することができる耕耘作業機におけるリヤカバーの前
後案内装置を提供することを目的として考案されたもの
であって、作業機本体側に固定される上部カバーと、該
上部カバーの後部に圃場面に接地するリヤカバーとを前
後に配設し、前記リヤカバーを、耕耘深さに対応させる
べく前後移動させてリヤカバーの機体に対する接地位置
調整ができるように構成してなる耕耘作業機において、
前記上部カバーとリヤカバーとの一方には断面略コ字形
に形成した円弧状ガイド部材を設け、他方には前記円弧
状ガイド部材の内面に接当し転動するガイド体を設け
て、上記上部カバーに対してリヤカバーを前方に移動さ
せた深耕姿勢と後方に移動させた浅耕姿勢とに姿勢変更
可能に構成すると共に、作業機本体側に固定される上部
カバーの上方には、深耕姿勢及び浅耕姿勢に変姿したリ
ヤカバーを係止するに、リヤカバー側の円弧状ガイド部
材またはガイド体に当接し、それぞれの変姿位置にロッ
クするロック部材を配設したことを特徴とするものであ
る。

そして本考案は、この構成によって、リヤカバーを前
後スライド移動させるものであっても、必要な接地位置
調整を、前後移動量が下及的に短くできしかも軽快に行
うことができる様にしたものである。

〔実施例〕

次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

図面において、１は農用トラクタの走行機体であっ
て、該走行機体１の後部には昇降リンク機構２を介して
耕耘作業部３が取付けられている。耕耘作業部３の上部
カバー４は円弧状に湾曲して形成されており、そしてこ
の湾曲面に沿うように円弧状をし、断面略コ字形となっ
たガイド部材５が設けられている。一方、６はリヤカバ
ーであって、該リヤカバー６は、前半部6cに対し後半部
6aが支軸6bによって上下揺動自在に枢支されているもの
であるが、該前半部6cに設けたブラケット７には前後の
ガイドローラ８が支軸8aを支点として遊転自在にそれぞ
れ設けられている。そしてこのローラ８が前記部材５に
案内されて前後移動することでリヤカバー６の前後スラ
イド移動ができるようになっている。

９は本考案に示す一実施例のストッパであって、該ス
トッパ９は前記円弧状の部材５に一体的に固定された支
軸9aに揺動自在に支持され、かつストッパ９から突設し
たカムレバー9bには弾機10の一端部が連結されている。
そして、ストッパ９は弾機10の支点越え作用によって前
後変位姿勢に維持できるものであるが、いまリヤカバー
６を前方に移動させ、深耕姿勢とした状態（第２図参
照）でストッパ９を前傾姿勢にセットすれば、該ストッ
パ９がローラ支軸8aに後側から係止し、これによってリ
ヤカバー６を耕深姿勢にロック保持できるようになって
いる。一方、リヤカバー６を後方に移動させ、浅耕姿勢
とした状態（第３図参照）でストッパ９を後傾姿勢にセ
ットすれば、該ストッパ９がローラ支軸8aに前側から係
止し、これによってリヤカバー６を浅耕深姿勢にロック
保持できるようになっている。

尚、図中、11は上部カバー４の後端部底面に設けた補
強リブ、12は上部カバー４とリヤカバー６との間隙に泥
土が侵入しないようゴム質弾性材によって形成された防
泥体である。

上述の如く構成された本考案の一実施例において、リ
ヤカバー６を用いて耕耘作業を行う場合に、耕耘深さに
よってリヤカバー６の揺動支点6bを上下変位させて耕耘
部機体に対するリヤカバー６の接地位置調整をし、これ
によってリヤカバー６を深耕姿勢と浅耕姿勢とに変姿さ
せ、精度の高い耕耘作業を行うことになるが、この場合
に、リヤカバー６は、湾曲した円弧状ガイド部材５に案
内されて円弧状に前後スライド移動し、必要な深浅位置
に変位することになる。従っていま、リヤカバー６を浅
耕姿勢と深耕姿勢とに切換える場合のカバースライド幅
をＡとした場合、リヤカバー６の上下方向の変位幅が、
従来の直線的に移動するものは小さいＢしかないのに比
して円弧状に移動する本考案のものは大きくＣ（Ｂ＜
Ｃ）のように変化することに成り、従って必要な上下変
位幅を確保するためには、リヤカバー６の実質的な前後
移動量を、従来の直線的に移動せしめるものに比して少
なくしてよく、この結果、僅かな前後移動量であっても
大きな上下変位をさせ得ることができることになる。

しかもこのものは、リヤカバー６の前後移動を、上部
カバー４側に設けた略コ字形をした円弧状のガイド部材
５の内面に、リヤカバー６側に設けたガイドローラ８を
転動案内させながら行うものであるから、前後スライド
移動操作が軽快かつ容易になって作業性の改善が図れる
ことになる。

〔作用効果〕

以上要するに、本考案は上述の如く構成されたもので
あるから、リヤカバーを前後スライド移動させて耕耘深
さの深浅変化に対応することができるようにしたもので
あるが、この場合に、リヤカバーは、従来のように直線
的に前後移動するものでなく、円弧状に前後移動するこ
とになる。この結果、リヤカバーの前後移動量に対する
接地位置変位量が、従来のものに比して大きく確保でき
ることになって前後変化が可及的に小さいもの必要な接
地位置調整を行うことができる。

そのうえ、上部カバーとリヤカバーとは、断面略コ字
形に形成した円弧状ガイド部材と、この円弧状ガイド部
材の内面に接当し転動されるガイド体とによって前後移
動するものであるため、従来の面接触的に前後摺動する
もののように大きな操作力が必要になることがなく、軽
快で容易なリヤカバーの前後移動を行うことができ、そ
して、浅耕、深耕姿勢にセットされたリヤカバーは、リ
ヤカバー側の円弧状ガイド部材またはガイド体に当接
し、それぞれの姿勢にロック保持されるため、不容易に
動いてしまうこともない。

【図面の簡単な説明】 図面は、本考案に係る耕耘作業機におけるリヤカバーの
前後案内装置の一実施例を示したものであり、第１図は
農用トラクタの全体側面図、第２図は深耕調整状態を示
す耕耘作業部の側面図、第３図は浅耕調整状態を示す耕
耘作業部の側面図、第４図は深耕調整状態を示す要部拡
大側面図、第５図は浅耕調整状態を示す要部拡大図、第
６図は要部断面図、第７図X,Yは作用説明図である。 図中、３は耕耘作業部、４は上部カバー、５は部材、６
はリヤカバー、6aは支軸である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】作業機本体側に固定される上部カバーと、
   該上部カバーの後部に圃場面に接地するリヤカバーとを
   前後に配設し、前記リヤカバーを、耕耘深さに対応させ
   るべく前後移動させてリヤカバーの機体に対する接地位
   置調整ができるように構成してなる耕耘作業機におい
   て、前記上部カバーとリヤカバーとの一方には断面略コ
   字形に形成した円弧状ガイド部材を設け、他方には前記
   円弧状ガイド部材の内面に接当し転動するガイド体を設
   けて、上記上部カバーに対してリヤカバーを前方に移動
   させた深耕姿勢と後方に移動させた浅耕姿勢とに姿勢変
   更可能に構成すると共に、作業機本体側に固定される上
   部カバーの上方には、深耕姿勢及び浅耕姿勢に変姿した
   リヤカバーを係止するに、リヤカバー側の円弧状ガイド
   部材またはガイド体に当接し、それぞれの変姿位置にロ
   ックするロック部材を配設したことを特徴とする耕耘作
   業機におけるリヤカバーの前後案内装置。