JP2520839Y2 - テレビカメラの位相調整用モニター装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、商用電源により作動す
る複数台のテレビカメラにおける同期調整を行う為に用
いるモニター装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】今日、商用電源を用いて撮影するテレビ
カメラを複数台使用する場合、図２に示す様に、各テレ
ビカメラ１１，１２…を電源線１９に接続し、各テレビ
カメラ１１，１２…からのビデオ信号をスイッチャー１
５を介してモニターテレビ１７に接続し、スイッチャー
１５の切換により各テレビカメラ１１，１２…で撮映し
た映像をモニターすることが行われている。

【０００３】ところで、この様に複数台のテレビカメラ
１１，１２…の映像を切り換えて１台のモニターテレビ
１７で確認する場合、各テレビカメラ１１，１２…の同
期が一致していないと、スイッチャー１５の切換時にモ
ニターテレビ１７の画像が一時的に乱れ、画面を見辛く
する欠点が生じる。この為、各テレビカメラ１１，１２
…の垂直同期を一致させる必要が生じ、基準同期信号を
各テレビカメラ１１，１２…に入力して全てのカメラ１
１，１２…の同期を一致させる外部同期方式や、商用電
源１８の電源周波数に基づいて各テレビカメラ１１，１
２…の同期を一致させるラインロック方式等がある。

【０００４】しかし、上記外部同期方式は基準同期信号
を送る信号線の配線を必要とする為に設備が複雑とな
り、簡単な監視システム等では電源周波数を基準信号と
するラインロック方式が多用されている。そして、この
ラインロック方式において、テレビカメラ１１，１２…
の電源として商用三相交流電源１８を用いる場合、テレ
ビカメラ１１，１２…には三相の電源線１９中の２本を
抜き出して単相交流をテレビカメラ１１，１２…に入力
しており、テレビカメラ１１，１２…と三相電源１８と
の結線によっては、テレビカメラ１１，１２…に入力さ
れる電源の位相が１２０度又は２４０度ずれることが生
じる。

【０００５】この為、ＡＣ同期式のテレビカメラにおい
ては、電源電圧のゼロクロスポイントを基準としつつ垂
直同期信号の位相を２７０度程度の範囲で調整できるモ
ノステープルマルチ回路等が組み込まれており、スイッ
チャー１５の切り換えに際してモニターテレビ１１，１
２…の画像が乱れた場合に、各テレビカメラ１１，１２
…の垂直同期位相を調整してモニターテレビ１７の映像
が乱れない様にしていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】電源周波数を基準とし
た垂直同期信号の位相調整を行うＡＣ同期式のテレビカ
メラにおいても、通常はモニタールームと監視カメラ設
置場所とが遠距離にあることが多く、モニターテレビと
各テレビカメラとの距離が離れており、スイッチャーを
操作してテレビの画面を確認するオペレータと各テレビ
カメラの位相調整を行う作業者との連絡が容易に行い得
ない欠点が有った。

【０００７】

【課題を解決するための手段】テレビカメラから入力さ
れるビデオ信号を送信する発信部と、発信部とは別体に
して前記発信部からの電波を受信して同期信号を抜き出
す受信部と、前記テレビカメラとは別のＡＣ同期式テレ
ビカメラからビデオ信号が入力されて映像を表示するモ
ニターテレビであって前記受信部からの垂直同期信号に
規制される垂直偏向回路を有するモニターテレビと、を
有することを特徴とするテレビカメラの位相調整用モニ
ター装置。

【０００８】

【作 用】本考案は、ビデオ信号を送信する発信部によ
り特定のテレビカメラのビデオ信号を発信することがで
き、このビデオ信号を受信する受信回路で特定のテレビ
カメラのビデオ信号における同期信号を抜き出すことが
できる。そして、上記特定のテレビカメラの同期信号に
より規制される垂直偏向回路を有するモニターテレビを
有するモニター装置である故、前記特定のテレビカメラ
の同期信号で特定のテレビカメラ以外のテレビカメラの
映像をモニターして両テレビカメラからのビデオ信号に
おける同期を比較することができる。

【０００９】

【実施例】本考案に係るモニター装置の実施例は、図１
に示す様に、特定周波の発振回路２３とビデオ信号によ
り発振回路の出力を振幅変調する変調回路２５と、被変
調信号を電力増幅する増幅回路２７とを有する発信部２
１をモニターテレビ４１とは別体として有するものであ
る。

【００１０】更に、該モニター装置は、上記発信部２１
が出力した電波を受信する受信回路３３と、該受信回路
３３が受信した電波からビデオ信号を復調する復調回路
３５と、復調したビデオ信号から垂直同期信号を抜き出
す同期分離回路３７で構成する受信部３１を有し、モニ
ターテレビ４１の垂直偏向回路に受信部３１で抜き出し
た同期信号を入力し、モニターテレビ４１の同期を発信
部２１にビデオ信号を供給しているテレビカメラ１１の
同期と一致させる様にするものである。

【００１１】この様に、本実施例に係るモニター装置
は、モニターテレビ４１の垂直同期を発信部２１が出力
する電波の垂直同期信号に合わせることができるもので
ある故、図１に示した様に、発信部２１を第１のテレビ
カメラ１１のビデオ信号出力端子に接続し、又モニター
テレビ４１を第２のテレビカメラ１２のビデオ信号出力
端子に接続すれば、第２のテレビカメラ１２が出力する
ビデオ信号を第１のテレビカメラ１１の垂直同期信号の
同期で再生することができ、第１のテレビカメラ１１の
同期と第２のテレビカメラ１２の同期とがずれていると
きは、モニターテレビ４１に映る映像が乱れたり流れた
りすることとなり、第１のテレビカメラ１１の同期と第
２のテレビカメラ１２の同期とがずれていることを第２
のテレビカメラ１２の位置で容易に確認することができ
る。

【００１２】そして、発信部２１を第１のテレビカメラ
１１に取り付けておけば、モニターテレビ４１の垂直同
期を第１のテレビカメラ１１に合わせることができる
故、このモニターテレビ４１を第２のテレビカメラ１２
やその他のテレビカメラに接続することにより、第２の
テレビカメラ１２等のビデオ信号を再生しつつ第２のテ
レビカメラ１２の同期位相を調整し、該モニター装置の
モニター画像を安定させることにより、１人で極めて容
易に第２のテレビカメラ１２等の同期を第１のテレビカ
メラ１１の同期に合わせることができる。

【００１３】尚、発信部２１における変調及び受信部３
１における復調に際しては、発信部２１に入力するビデ
オ信号の映像信号を正しく変調及び復調する必要なく、
垂直同期信号を正しく搬送復調することができれば足り
るものであることは言うまでもなく、又、モニターテレ
ビ４１としては液晶テレビ等を用いることにより極めて
小型にして携帯用容易な位相調整用モニター装置とする
ことができる。

【００１４】

【考案の効果】本考案は、ビデオ信号を送信する発信部
と、この発信部が出力した電波を受信して垂直同期信号
を抜き出す受信部と、この受信部で抜き出した同期信号
により垂直同期を採るモニターテレビを有するモニター
装置である故、離れた位置にあるテレビカメラに発信部
を取り付け、受信部を接続したモニターテレビにより他
のテレビカメラのビデオ信号を再生すれば、当該他のテ
レビカメラの垂直同期のタイミングを離れた位置にある
テレビカメラの垂直同期のタイミングに一致させる調整
を１人で極めて容易に行うことができる様になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るモニター装置の使用例を示す図。

【図２】複数のテレビカメラの接続例を示す図。

【符号の説明】

１１、１２ テレビカメラ １５ スイッチャ
ー １７ モニターテレビ １８ 電源 ２１ 発信部 ３１ 受信部 ４１ モニターテレビ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＡＣ同期式のテレビカメラから入力され
   るビデオ信号を送信する発信部と、発信部とは別体にし
   て前記発信部からの電波を受信して同期信号を抜き出す
   受信部と、前記テレビカメラとは別のＡＣ同期式テレビ
   カメラからビデオ信号が入力されて映像を表示するモニ
   ターテレビであって前記受信部からの垂直同期信号に規
   制される垂直偏向回路を有するモニターテレビと、を有
   することを特徴とするテレビカメラの位相調整用モニタ
   ー装置。