JP2520797C - - Google Patents

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JP2520797C
JP2520797C JP2520797C JP 2520797 C JP2520797 C JP 2520797C JP 2520797 C JP2520797 C JP 2520797C
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テイエチケー株式会社
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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明はボールのころがりを利用した直線運動案内装置に関し、特にボールを
保持するボールチェインの構造に関する。 【従来の技術】 従来のこの種のボールチェインとしては、たとえば図15(a)および(b)に示
すようなものがある。すなわち、個々のボール100を保持する単位チェイン要素1
01を連結ピン102を介して互いに回動自在に多数無端状に連結して構成されてい
る。 単位チェイン要素101は、ボール100を転動自在に保持する保持穴103を設けた
リンク板104により構成され、このリンク板104の両端を連結ピン102を介して連
結して無端状のボールチェインを構成していた。 このボールチェインは、図16に示すような直線運動案内装置105に用いるもの
で、軌道レール106と摺動台107間の互いに対向するボール案内溝108,109間にボ
ール100,…を転動自在に介在するようになっている。この軌道レール106と摺動
台107のボール案内溝108,109は断面V字形状でボール100が四点接触するゴシッ
クアーチ構成となっている。そして、ボール案内溝108,109底部には上記リンク
板104との干渉を避けるための逃がし溝110が設けられている。 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら上記した従来技術の場合には、リンク板104の保持穴103にボール
100を保持しており、ジョイント部がリンク板104間にあるために、ボール100,10
0間のピッチP1が大きくなる。そのため荷重を負荷するボール100の数が少なくな
って負荷性能が低下するという問題があった。 また、ボール100,100間のピッチP1が大きいために、このようなボールチェイ
ンにて無限循環路を構成しようとすると、方向転換路の半径が大きくなってコン
パクトな循環運動ができないという問題があった。 本発明は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的
とするところは、ボールチェインのボール間ピッチを小さくでき、しかも屈折循
環路の曲率半径をより小さくしてコンパクトな直線運動案内装置を提供すること にある。 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本発明にあっては、その第1の発明は、軌道台と
、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付けられる摺動台と、から構
成され、前記多数のボールをボールチェインによって保持して無限循環路に組み
込んだ直線運動案内装置において、前記ボールチェインは、所定間隔を隔てて並
設される一対の保持腕を有し、該保持腕の一端を連結部材を介して固定して固定
端とすると共に保持腕の多端を自由端としたチェイン単位要素を構成し、該チェ
イン単位要素の固定端に次段のチェイン単位要素の自由端を順次枢支連結して無
端状につなぎ、前記各チェイン単位要素の保持腕でボールをボール列の側方から
挟持するように摺動自在に保持してなることを特徴とする。 特に、ボールを、該ボールを保持するチェイン単位要素の固定端と次段のチェ
イン単位要素の固定端の連結部材に摺動自在に接触させたことを特徴とする。 さらに、連結部材のボールとの接触面をボール表面の曲率とほぼ等しい曲面形
状とすることが効果的である。 また、保持腕のボール保持面はボール表面の曲率とほぼ等しい凹面形状とする
ことが好ましい。 チェイン単位要素と連結部材とは分離独立していている。 また、第2の発明は、所定間隔を隔てて並設される一対の保持腕を有し、該保
持腕の一端を連結部材を介して固定して固定端とすると共に保持腕の他端を自由
端としてチェイン単位要素を構成し、該チェイン単位要素の固定端に次段のチェ
イン単位要素の自由端を順次枢支連結して無端状につなぎ、前記各チェイン単位
要素の保持腕間にボールを摺動自在に保持し、さらに、チェイン単位要素間の枢
支連結位置を各ボールの中心を結ぶ中心線に対して所定量だけ偏心させたことを
特徴とする。 また、第3の発明は、所定間隔を隔てて並設される一対の保持腕を有し、該保
持腕の一端を連結部材を介して固定して固定端とすると共に保持腕の他端を自由
端としてチェイン単位要素を構成し、該チェイン単位要素の固定端に次段のチェ
イン単位要素の自由端を順次枢支連結して無端状につなぎ、前記各チェイン単位
要 素の保持腕間にボールを摺動自在に保持し、さらに、チェインの屈折方向と直交
する方向に対して一対の保持腕によるボール保持方向との間に角度をつけたこと
を特徴とする。 ここで、チェインの屈折方向とは、各チェイン単位要素間が枢支連結される枢
支軸方向であり、チェインが屈折して循環する循環面と直交する方向である。ま
た、ボール保持方向とは、ボールの中心と一対の互いに対向する保持腕のほぼ中
心部を通る直線方向をいう。 また、第4の発明は、所定間隔を隔てて並設される一対の保持腕を有し、該保
持腕の一端を連結部材を介して固定して固定端とすると共に保持腕の他端を自由
端としてチェイン単位要素を構成し、該チェイン単位要素の固定端に次段のチェ
イン単位要素の自由端を順次枢支連結して無端状につなぎ、前記各チェイン単位
要素の保持腕間にボールを摺動自在に保持し、さらに、前記各保持腕間から露出
するボール露出部の方向をチェインが屈折循環する循環面と直交する方向に対し
て角度をつけたことを特徴とする。 ここで、ボール露出部の方向とは、ボール中心と、一対の互いに対向する保持
腕の間に露出した互いに反対側のボール露出表面のほぼ中央部を通る直線方向を
いう。 【作用】 上記構成の直線運動案内装置にあっては、ボールチェインのチェイン単位要素
の保持腕間にボールを保持したので、従来のようにリンク片の保持穴にボールを
保持する場合に比べてボール間のスパンを短くすることができ、荷重を負荷する
ボールの数が多くなる。特に、ボールを、ボールを保持するチェイン単位要素の
固定端と次段のチェイン単位要素の固定端の連結部材に摺動自在に接触させてい
るので、ボール間のスパンをより短くできる。 また、ボール間のスパンが短くなるので、ボールチェインの屈折循環路の曲率
半径を小さくすることができる。 さらにチェイン単位要素間の枢支連結位置を各ボールの中心を結ぶ中心線に対
して所定量だけ偏心させておけば、この枢支連結位置を内側にしてボールチェイ
ンを屈折循環させることにより、より一層曲率半径を小さくすることができる。 また、ボールチェインを直線運動案内装置のボール循環路に組み付ける場合には
、ボールチェイン単位要素の保持腕間に互いに反対側に露出するボール露出面が
ボール転走面間に転動自在に接触することになる。このボール循環路の負荷域の
ボール通路の一対のボール転走面に対するボール接触部の法線方向に描いた線を
接触角線とする。 そして、チェイン屈折方向と、一対の保持腕によるボール保持方向あるいはボ
ール露出部の方向と直交する方向とが同一の場合には、ボール循環路の負荷域に
おけるボールの接触角線方向とチェインの屈折循環面とが同一方向となり、ボー
ル循環路の無負荷域ボール通路の位置がボールの接触角線の延長線上に設けざる
を得なくなる。 しかし、チェインの屈折方向と、一対の保持腕によるボール保持方向あるいは
ボール露出部の方向と直交する方向に角度をつけておけば、ボールの接触角線方
向とチェインの屈折循環面の方向との間に角度を持たせることができ、直線運動
案内装置のボール循環路の無負荷域ボール通路の位置をボール接触角線の延長線
からずらした任意位置に設定することができる。 【実施例】 以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明する。本発明の第1実施例に係る
直線運動案内装置に用いられるボールチェインを示す図1乃至図4において、1
はボールチェイン全体を示すもので、このボールチェイン1は多数のチェイン単
位要素2,・・・を無端状につないで構成される。 チェイン単位要素2は所定間隔を隔てて並設される一対の保持腕3,4と、こ
の保持腕3,4の一端を固定する連結部材としての連結ピン5とから構成される
。そして、連結固定される側を固定端6とし他端を自由端7として、このチェイ
ン単位要素2の固定端6に次段のチェイン単位要素2を順次枢支連結して無端状
につないでいる。 上記各チェイン単位要素2の保持腕3,4間にボール8をボール列の側方から
挟持するように保持すると共に、ボール8を、このボール8が保持されたチェイ
ン単位要素2の固定端6と次段のチェイン単位要素2の固定端6の双方の連結ピ
ン5に接触させている。 連結ピン5は、保持腕3,4間に介在される軸部9と、この軸部9の両端面か
ら突 出形成される枢支軸10,11とから構成されている。そして保持腕3,4のピン孔12
,13に上記枢支軸10,11が回動自在に挿入されている。 保持腕3,4はボール8表面に接する湾曲片部31,41と、この湾曲片部31,41の
両端に延びるジョイント片部32,33;42,43とから構成されている。この実施例で
は湾曲片部31,41およびジョイント片部32,33;42,43とは同一幅に成形されてい
る。 そして、1つのチェイン単位要素2の固定端側のジョイント片部32,42のピン
孔12,13に、次段のチェイン単位要素2の自由端7側のジョイント片部33,43のピ
ン孔14,15を重ね合せて枢支ピン10,11を回動自在に挿入し、この枢支軸10,11の
先端を幅が拡がるように圧潰し、圧潰された頭部16,17によって抜け止めを図る
ようになっている。 この実施例では、チェイン単位要素2の固定端側のジョイント片部32,42の外
側に次段の自由端側のジョイント片部33,43を重ねるようになっている。 連結ピン5の軸部9の長さは、ボール8の直径よりも短く、枢支軸10,11の頭
部16,17位置は、湾曲片部31,41の最外径位置よりも内側に位置させている。湾曲
片部31,41内周のボール8表面と接する保持面は、ボール8表面の曲率と、ほぼ
同一の曲率の曲面形状になっている。 一方、連結ピン5の軸部9の外周形状は、中央に比べてその両側側が大径とな
った鼓形状で、その中心軸方向の外形線がボール8表面の曲率とほぼ等しい曲面
に成形されている。而して、ボール8は一対の保持腕3,4の湾曲片部31,41と連
結ピン5,5によって囲まれて四点接触状態に保持されている。ボール8の接触部
は、ボール8の転動を阻害しないように理想的には摩擦抵抗が0となるように、
しかも脱落しないように保持される。 図6乃至図8は、上記ボールチェイン1を用いた直線運動案内装置の一例を示
している。 この直線運動案内装置は、軌道台20と、この軌道台20に多数のボール8を介し
て摺動自在に組付けられる摺動台21とから構成されている。 各ボール8は、摺動台21に形成された無限循環路22に組込まれるもので、この
無限循環路22は、図8に示すように、互いに平行に延びる直線状の負荷ボール通
路23と無負荷ボール通路24と、この負荷ボール通路23と無負荷ボール通路24の 両端を結ぶ円弧状の方向転換路25,26とから構成され、この無限循環路22にボー
ル8を保持したボールチェイン1が組込まれる。 図示例の直線運動案内装置は、軌道台20の左右に2列づつ計4列のボール列を
上下左右対称的に配して上下左右の定格荷重を等しくした四方向等荷重型のもの
で、4つの無限循環路22,…設けられ、それぞれの無限循環路22,…に1つづつボ
ールチェイン1,…が組込まれている。 すなわち、軌道台20の左右側面には、長手方向に延びる突堤27,27を設けると
共に、この突堤の上下両角部にボール転走面25を設け、一方、摺動台21の内側面
にこのボール転走面28に対応するボール転走面29を設け、これらボール転走面28
,29間にボールチェイン1に保持されたボール8が転動自在に介装されて荷重を
支承する。このボール転走面28,29はサーキュラアーク溝であり、ボール8は2
点接触して転動する。 このボール8と各ボール転走面28,29との接触角、すなわち転走面を水平にし
た状態で左右突堤27,27の中心を通る水平線H,Hに対するボール8の各ボール転
走面28,29との接触部の法線方向に描いた線、すなわち接触角線Xとのなす角は
、ほぼ45度付近にとられている。また、この図示例のものは、左右の接触角線X
,X,…は、左右に向って徐々に開く外開き状になるような接触構造となっている
。 そして、各無限循環路22,…の方向は、ボール8の接触角線X方向に延びてい
て、無負荷ボール通路24,…はこの接触角線X上に位置している。 また、ボール方向転換路25,26は、摺動台本体21aの両端面に取付けられた側蓋
21b,21bにて形成されている。 次に摺動台21が移動した際のボール8の動きについて説明する。 摺動台21が軌道台20に対して移動すると、無限循環路22の負荷ボール通路23の
摺動台21と軌道台20のボール転走面28,29間を、ボール8,…が荷重を支承しなが
ら転動し、摺動台21の移動方向に移動する。 この負荷域のボール8の移動によって、各チェイン単位要素2,…がボール8
と共に摺動台21の移動方向に移動し、ボールチェイン1が無限循環路22内を無限
循環する。このボールチェイン1の移動によって、負荷ボール通路23内には摺動
台21の移動方向後側端からボール方向転換路25を通じて順次無負荷ボール通路24
か らボール8が供給される。 そして、無限循環路22の、負荷ボール通路23、方向転換路25,26および無負荷
ボール通路24の全行程において、各ボール8はチェイン単位要素2にて保持され
て、ボール8同士が互いに干渉することなく整列移動する。 方向転換路25,26および無負荷ボール通路24の孔径は、各チェイン単位要素2
の保持腕4,4がスムーズに移動し得るように、ボール8の径よりも大きくなっ
ており、ボール8は方向転換路25,26および無負荷ボール通路24内を移動する。 各ボール8には、チェイン単位要素2,2の連結ピン5,…を接触させて、ボー
ル8,…間のスパンPを可及的に小さくしているので、負荷ボール通路23に数多
くのボール8,…を介在させることができる。したがって、各ボール8,…1つ1
つに分担される荷重を軽減でき、耐負荷荷重を大きくすることができる。 また、ボール8,…間のスパンPを小さくしたので、ボールチェイン1の屈折
循環路の曲率半径を可及的に小さくでき、ボール方向転換路25,26の曲率半径R
を可及的に小さくできる。その結果、負荷ボール通路23と無負荷ボール通路24の
間隔Lを短くできるので、摺動台21の大きさをより小型化することができる。 このように、耐負荷能力が大きく、かつコンパクトで、しかも低重心の直線運
動案内装置を実現することができた。 図5には、この第1実施例のチェイン単位要素を一体構成としたものが示され
ている。 すなわち、このチェイン単位要素2′は、保持腕3′,4′の固定端6′を連
結する連結ピン5′が保持腕3′,4′と共に一体成形されており、固定端側の
ジョイント片部32′,42′に枢支ピン10′,11′が突出形成されている。一方、保
持腕3′,4′の自由端側のジョイント片部33′,43′には、枢支ピン10′,11′
が回転自在に挿入されるピン孔14′,15′が設けられている。 図9には、本発明の第2実施例に係るボールチェインが示されており、第1実
施例と同一の構成部分については同一の符号を付して説明すると、この第2実施
例においては、チェイン単位要素202枢支軸210,211の位置を、各ボール8の中心
を結ぶ中心線に対して、所定量e偏心させた構成となっている。そして、この枢
支軸210,211が内側となるようにボールチェイン201を無端状につないで、循環半
径 Rが図10に示すようにボール8,8同士が接触する近くまで小さくし得る構成と
したものである。 すなわち、各チェイン単位要素202の保持腕203,204の固定端部206が連結部材
としてのステイ部205を介して一体成形されている。このステイ部205は、ボール
中心を結ぶ中心線Oに対して外側に偏心させて設けてあり、保持腕203,204の固
定端部206の内側端縁に枢支軸210,211が嵌合するピン孔212,213が穿設されてい
る。 このピン孔212,213に次段のチェイン単位要素201の保持腕203,204の自由端部2
07に外向きに突設された枢支軸210,211が回動自在に挿入されている。 この枢支軸210,211は、各保持腕203,204の内側からピン孔212,213に差し込ま
れ、ボールチェイン201に引張力が加わった場合でも枢支軸210,211が抜けるおそ
れがないような構造としている。 ボール8は、各チェイン単位要素202,…を連結してから、保持腕203,204間に
圧入することにより組込んでいる。 このような構成とすれば、第1実施例よりもボールチェインの循環半径をより
小さくすることができ、よりコンパクトな直線運動案内装置を実現できる。 図11には、本発明の第3実施例に係るボールチェインを示している。この実施
例についても、上記第1実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して
説明すると、この実施例ではボール8を保持する保持腕303,304によるボール8
の保持方向と、ボールチェイン301の屈折方向との間に角度をつけたものである
。 すなわち、屈折方向は各チェイン単位要素302間の連結部の枢支軸線A方向で
あり、ボールチェイン301の屈折循環面Cに対して直角に延びており、ボール8
を保持する各保持腕303,304の中心を結ぶ方向に描いた線を保持軸線Bとすれば
、この保持軸線Bは枢支軸線Aに対して所定角度傾けている。 この点を別の見方をすれば、各保持腕303,304間から露出するボール露出部の
方向をチェインが屈折循環する循環面Cと直交する方向に対して角度をつけたこ
とになる。ここで、ボール露出部の方向とは、ボール中心Oと、一対の互いに対
向する保持腕303,304の間に露出した互いに反対側のボール露出表面8A,8Bの
ほぼ中央部を通る直線方向をいう。 図12には、この第3実施例のボールチェイン301を用いた直線運動案内装置が
示されている。第1実施例に示した直線運動案内装置と同一の構成部分について
は同一の符号を付して説明すると、この実施例ではボール8の接触角線X′,X
′に対してボールチェイン301の循環面Cが水平線Hに接近する方向に傾斜して
おり、無負荷ボール通路24,24の間隔をより狭くして、摺動台21の高さをより低
くし、低重心タイプとしたものである。 すなわち、ボールチェインを直線運動案内装置のボール循環路22に組み付ける
場合に、ボールチェイン単位要素302の保持腕304,305間に互いに反対側に露出す
るボール露出面がボール転走面28,29間に転動自在に接触することになる。 上記第1実施例のように、チェイン屈折方向である枢支軸線A方向と、一対の
保持腕303,304によるボール保持方向である保持軸線B方向あるいはボール露出
部の方向である露出軸線D方向と直交する直交線E方向とが同一の場合には、ボ
ールの無限循環路22の負荷域におけるボールの接触角線X方向とチェインの屈折
循環面Cとが同一方向となり、ボールの循環路22の無負荷域ボール通路24の位置
がボールの接触角線Xの延長線上に設けざるを得なくなる。 しかし、この第3実施例のようにチェインの屈折方向と、一対の保持腕304,30
5によるボール保持方向あるいはボール露出部の方向と直交する方向に角度をつ
けておけば、ボールの接触角線X方向とチェインの屈折循環面Cの方向との間に
角度を持たせることができ、直線運動案内装置のボール循環路22の無負荷域ボー
ル通路24の位置をボール接触角線Xの延長線からずらした任意位置に設定するこ
とができ、図12に示すようなボール接触構造の場合には、無負荷ボール通路の上
下間隔を狭くしてよりコンパンクトな直線運動案内装置を提供することができる
。 つぎに、図13には、本発明の第4実施例を示している。この第4実施例は、基
本的な構成は第3実施例のチェイン単位要素と同様の、チェイン単位要素402を
連結ピンと一対の保持腕を樹脂にて一体成形したものであり、この第4実施例に
あっては、第3実施例のものと異なり、各チェイン単位要素間を枢支連結する枢
支軸411を、チェイン単位要素402の一対の保持腕403,404の自由端部433,443に互
いに対向するように内向きに突出形成したものである。 そして、チェイン単位要素402の固定端部432,442の両端に上記枢支軸411が 嵌入する係止穴412が設けられている。枢支軸411は一定太さで突出する軸本体41
3と、この軸本体413の先端に軸本体413よりも大径に張り出す三角形状の抜け止
め用の頭部414とから構成されている。一方、係止穴412の形状も、上記枢支軸41
1の形状に倣ってその奥端には前記抜け止め用の頭部414が嵌合する三角形状の抜
止め部415が形成されている。 チェイン単位要素402をこのような構成としておけば、チェイン単位要素402の
保持腕403,404の自由端部433,443を開いて次段のチェイン単位要素の固定端部40
2の係止穴412にスナップ係合させればよく、組み付け作業が極めて容易になる。 そして、第3実施例と同様に、ボール8を保持する保持腕403,404によるボー
ル8の保持方向と、ボールチェイン401の屈折方向との間に角度をつけたもので
あり、別の見方をすれば、各保持腕403,404間から露出するボール露出部の方向
をチェインが屈折循環する循環面Cと直交する方向に対して角度をつけたことに
なる。 すなわち、屈折方向は各チェイン単位要素402間の連結部の枢支軸線A方向で
あり、ボールチェイン401の屈折循環面Cに対して直角に延びており、ボール8
を保持する各保持腕403,404の中心を結ぶ方向に描いた線を保持軸線Bとすれば
、この保持軸線Bは枢支軸線Aに対して所定角度傾けている。 この点、上記第1実施例の図5に記載のボールチェインと図11に示す第3実施
例のボールチェインとの関係と全く同一であり、図12に示した直線運動案内装置
に第3実施例のボールチェインと全く同様に組み込むことができる。 そして、その作用,効果については、上記第3において記載した作用,効果と同
一であり、その説明は省略する。 この第4実施例では、ボール8の保持方向とボールチェイン401の屈折方向と
の間、あるいは各保持腕403,404間から露出するボール露出部の方向と直交する
方向とボールチェイン401の屈折方向との間に角度をつけた構成であるが、たと
えば、図14に示すように、角度をつけないタイプについても同様に適用すること
ができる。この図14に示すチェイン単位要素502はチェイン屈折方向との間、あ
るいは各保持腕403,404間から露出するボール露出部の露出軸線と直交する方向
と チェイン屈折方向とが同一方向である以外は、第4実施例と同一であるので、同
一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、チェイン単位要素の保持腕間にボール
を保持したので、従来のようにリンク片の保持穴にボールを保持する場合に比べ
てボール間のスパンを短くすることができ、荷重を負荷するボールの数が多くな
る。特に、ボールを、ボールを保持するチェイン単位要素の固定端と次段のチェ
イン単位要素の固定端の連結部材に摺動自在に接触させているので、ボール間の
スパンをより短くできる。 またボール間のスパンが短くなるので、ボールチェインの屈折循環路の曲率半
径を小さくすることができ、直線運動案内装置に適用した場合に装置構成をコン
パクトに構成できる。 さらにチェイン単位要素間の枢支連結位置を各ボールの中心を結ぶ中心線に対
して所定量だけ偏心させておけば、この枢支連結位置を内側にしてボールチェイ
ンを屈折循環させることにより、より一層曲率半径を小さくすることができる。 また、チェイン屈折方向と、一対の保持腕によるボール保持方向あるいはボー
ル露出部の方向と直交する方向とが同一の場合には、ボール循環路の負荷域にお
けるボールの接触角線方向とチェインの屈折循環面とが同一方向となり、ボール
循環路の無負荷域ボール通路の位置がボールの接触角線の延長線上に設けざるを
得なくなるが、チェインの屈折方向と、一対の保持腕によるボール保持方向ある
いはボール露出部の方向と直交する方向に角度をつけておけば、ボールの接触角
線方向とチェインの屈折循環面の方向との間に角度を持たせることができ、直線
運動案内装置のボール循環路の無負荷域ボール通路の位置をボール接触角線の延
長線からずらした任意位置に設定することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は本発明の第1実施例に係るボールチェインの一部平面断面図である。 【図2】 図2は図1の平面図である。 【図3】 図3は図1のボールチェインのボール循環半径の状態を示す正面図である。 【図4】 図4(a)は図1のボールチェインのチェイン単位要素の斜視図、同図(b)
は同図(a)の分解斜視図、同図(c)は連結状態の斜視図である。 【図5】 図5は図4のチェイン単位要素の一体成形タイプの斜視図である。 【図6】 図6は図1のボールチェインを組込んだ直線運動案内ユニットの一例を示す概
略斜視図である。 【図7】 図7は図6の正面断面図である。 【図8】 図8は図7の1つの無限循環路の断面図である。 【図9】 図9は本発明の第2実施例に係るボールチェインを示し、同図(a)は部分斜
視図、同図(b)はチェイン単位要素の斜視図でる。 【図10】 図10は図9のボールチェインの循環半径の状態を示す正面図である。 【図11】 図11(a)は本発明の第3実施例に係るボールチェインの部分斜視図、同図(
b)は同図(a)のチェイン単位要素の拡大正面図である。 【図12】 図12は図11のボールチェインを用いた直線運動案内装置の正面断面図である。 【図13】 図13は本発明の第4実施例にかかるボールチェインのチェイン単位要素を示し
ており、同図(a)は斜視図、同図(b)は正面図、同図(c)は左側面図、同
図(d)は右側面図、同図(e)は同図(b)のA−A断面図、同図(f)は平
面図である。 【図14】 図14は図13のチェイン単位要素の他の態様を示す斜視図である。 【図15】 図15は従来のボールチェインを示し、同図(a)は部分正面図、同図(b)は
平面断面図である。 【図16】 図16は図15のボールチェインを使用した直線運動案内装置の縦断面図である。 【符号の説明】 1,201,301 ボールチェイン 2,202,302 チェイン単位要素 3,203,303 保持腕 4,204,304 保持腕 5連結ピン 6,206 固定端 7,207 自由端 8 ボール 10,11 枢支軸 20 軌道台 21 摺動台 22 無限循環路 23 負荷ボール通路 24 無負荷ボール通路 25,26 ボール方向転換路 H 水平線 X,X´ 接触角線 P ボール間スパン R 循環路曲率半径 A 枢支軸線(チェイン屈折方向) B 保持軸線(ボール保持方向) C 循環面 D 露出軸線 E 直交線 O ボール中心

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】軌道台と、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付け
    られる摺動台と、から構成され、前記多数のボールをボールチェインによって保
    持して無限循環路に組み込んだ直線運動案内装置において、 前記ボールチェインは、所定間隔を隔てて並設されるボール表面の曲率とほぼ
    等しい凹面形状のボール保持面を備えた一対の保持腕と前記一対の保持腕間に介
    在する連結部材とからなり、 該一対の保持腕と、連結部材を分離独立構成としており、該保持腕の一端を連
    結部材を介して固定して固定端とすると共に前記一対の保持腕の他端を自由端と
    してチェイン単位要素を構成し、 該チェイン単位要素の固定端に次段のチェイン単位要素の自由端を順次枢支連
    結して無端状につなぎ、 前記各チェイン単位要素の保持腕でボールをボール列の側方から挟持するよう
    に摺動自在に保持し、 前記ボールを、該ボールを保持するチェイン単位要素の固定端と次段のチェイ
    ン単位要素の固定端の連結部材に摺動自在に接触させたことを特徴とする直線運
    動案内装置。 【請求項2】連結部材のボールとの接触面をボール表面の曲率とほぼ等しい曲
    面形状とした請求項1に記載の直線運動案内装置。 【請求項3】連結部材が、保持腕間に介在される軸部と、この軸部から突出形
    成される枢支軸とから構成され、保持腕のピン孔に枢支軸が回動自在に挿入され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の直線運動案内装置。 【請求項4】軌道台と、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付け
    られる摺動台と、から構成され、前記多数のボールをボールチェインによって保
    持して無限循環路に組み込んだ直線運動案内装置において、 前記ボールチェインは、所定間隔を隔てて並設される一対の保持腕を有し、該 保持腕の一端を連結部材を介して固定して固定端とすると共に保持腕の他端を自
    由端としてチェイン単位要素を構成し、 該チェイン単位要素の固定端に次段のチェイン単位要素の自由端を順次枢支連
    結して無端状につなぎ、 前記各チェイン単位要素の保持腕間にボールを摺動自在に保持し、 さらに、チェイン単位要素間の枢支連結位置を各ボールの中心を結ぶ中心線に
    対して所定量だけ偏心させたことを特徴とする直線運動案内装置。 【請求項5】軌道台と、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付け
    られる摺動台と、から構成され、前記多数のボールをボールチェインによって保
    持して無限循環路に組み込んだ直線運動案内装置において、 前記ボールチェインは、所定間隔を隔てて並設される一対の保持腕を有し、該
    保持腕の一端を連結部材を介して固定して固定端とすると共に保持腕の他端を自
    由端としてチェイン単位要素を構成し、 該チェイン単位要素の固定端に次段のチェイン単位要素の自由端を順次枢支連
    結して無端状につなぎ、 前記各チェイン単位要素の保持腕間にボールを摺動自在に保持し、さらに、チ
    ェイン屈折方向と、一対の保持腕によるボール保持方向との間に角度をつけたこ
    とを特徴とする直線運動案内装置。 【請求項6】軌道台と、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付け
    られる摺動台と、から構成され、前記多数のボールをボールチェインによって保
    持して無限循環路に組み込んだ直線運動案内装置において、 前記ボールチェインは、所定間隔を隔てて並設される一対の保持腕を有し、該
    保持腕の一端を連結部材を介して固定して固定端とすると共に保持腕の他端を自
    由端としてチェイン単位要素を構成し、 該チェイン単位要素の固定端に次段のチェイン単位要素の自由端を順次枢支連
    結して無端状につなぎ、 前記各チェイン単位要素の保持腕間にボールを摺動自在に保持し、さらに前記
    各保持腕間から露出するボール露出部の方向をチェイン屈折方向に対して角度を
    つけたことを特徴とする直線運動案内装置。

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