JP2520757Y2 - 空調用ダクトパネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は吹出しダクトを引出し，収納自在に収装し、
必要に応じ吹出しダクトを引出して，該吹出しダクトか
ら冷風又は温風を吹出すようにした空調用ダクトパネル
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、事務所の空調システムは、一般に、空調機から
の冷風や温風をダクトを通して天井側に設置された吹出
し口から吹出すようにしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

然し乍ら、上記のような空調システムは、使用時にか
なりの熱を発するOA機器を具えた事務所の空調には好ま
しくない。その理由は、上記の空調システムでは、OA機
器の発する熱に対応するためには、吹出し口からの冷風
量を多くするか、吹出し口を増やして冷風量を多くし、
事務所内を全体を冷やすこととなるので、作業者には冷
え過ぎとなって体調を悪くする原因になるばかりでな
く、不経済でもあるからである。

従って、本考案が解決しようとする課題は、OA機器を
具えた事務所内全体を一律に冷房したり暖房したりする
のではなく、必要箇所を部分的，個別にその吹出し面積
を調節しつつ空調することができるようにしたダクトパ
ネルを、例えば、机の前面又は側面或いは向い合わせに
配置する机の間に介在させ、必要に応じて個別に使用，
不使用の操作ができる複数の吹出しダクト、又は、一の
吹出しダクトを、適宜高さ引き出すことにより、吹出し
口の面積を調節し乍ら机上に向けて個別に冷風又は温風
を吹出すことができ、不使用時には吹出しダクトを収納
できる簡易な空調用のダクトパネルを提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記の課題を解決することを目的としてなさ
れたもので、その構成は、下部に空調用配管に接続され
る接続部を有するダクトの１又は複数を内部に設けた適
宜高さの箱体状をなすパネル本体の前記ダクトに、吹出
し口を設けた吹出しダクトを、引出し高さを調節可能に
収装して成り、該ダクトの引出し量に応じて前記吹出し
口の吹出し面積を変化させるようにしたことを特徴とす
るものである。

即ち、本考案空調用ダクトパネルは、最近の事務所用
の建物の床が二重に構成されていて、上下の床の空間に
電話やOA機器のための配線を施すようにしているのに着
目し、前記空間に空調用の配管を行ない、ダクトを内装
したパネル本体を床上に配置して、前記ダクトを前記空
調用配管と接続することにより、該ダクトに例えば引出
し高さ調節可能に収装した吹出しダクトの引出し量に応
じて面積が変化する吹出し口から空調空気を調節して吹
出させるようにし、簡易な空調操作を行なうことが出来
るようにしたものである。

〔考案の作用〕

パネル本体の高さをOA機器を設置する机の高さと同一
にすると共に、該本体の上面から、１又は複数の吹出し
ダクトを必要に応じて引出し、吹出しダクトの吹出し口
から冷風を吹出させることにより、OA機器の発する熱を
効果的に冷却することが出来る。吹出しダクトの引出し
度合を数段階に調節するか、又は、吹出ダクトの引出し
数を調節することにより、OA機器の冷却範囲をその高さ
方向又は幅方向において適宜調整することが可能とな
る。また、不使用時には、吹出しダクトをパネル本体の
ダクト内に収納しておくことにより、それが執務上邪魔
になることはない。更に、パネル本体に、ダクトを介在
させずに、複数の吹出しダクトを設けても上記と同等の
作用をする。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図により説明する。

第１図は本考案ダクトパネルを設置した一例の斜視
図、第２図は本考案の一例の斜視図、第３図は同じく正
面拡大図、第４図は同じく縦断側面拡大図、第５図は本
考案ダクトパネルの別例の要部拡大側断面図、第６図は
本考案ダクトパネルの他の別の一例の斜視図である。

第１図，第２図において、１は高さをOA機器を設置す
る机の高さと同一に揃えた前後幅が薄い箱体状をなすパ
ネル本体、２は下端部に空調用配管に接続する接続部３
を設けたダクトで、ここでは前記パネル本体１内に５個
（図では１個しか示していない）設けてある。第４図に
おいて、４はダクト２の後面の下側に凹設した配線スペ
ース、5,5a,5bはダクト２の内部前後面に適宜間隔を置
いて凹設した係合用の凹部、６はダクト２の前面側内部
に取付けたリミットスイッチで補助ファン（図示せず）
を用いた場合に該ファンを作動させるためのスイッチで
ある。

７は前記ダクト２に引出し，収納自在に収装した吹出
しダクト、８は該吹出しダクト７に適宜数列設した吹出
し口、第４図において、９は前記吹出しダクト７の下端
部に装着したバネ等から成る係合部材、10は同じく上端
部に設けた取手であり、以上により本考案の一例の空調
用ダクトパネルが構成されるのであるが、ダクト２と吹
出しダクト７との関係は、次の通りである。

即ち、第３図，第４図において、ダクト２内に吹出し
ダクト７を完全に収装すると、吹出しダクト７の下端部
の係合部材９がリミットスイッチ６に接触して該スイッ
チ６を開にした状態となり、この状態から取手10に指先
を掛けて吹出しダクト７を上方へ引上げると、係合部材
９がリミットスイッチ６から離れて該スイッチ６を閉の
状態にし、更に上方へ引上げると、係合部材９が係合用
凹部5bに係合して上方の吹出し口８がダクト２から突出
する。同様にして吹出しダクト７を引上げて行くと、係
合部材９が係合用凹部5bに係合して吹出し口８の上部2/
3がダクト２から突出し、更に引き上げれば、係合部材
９が係合用凹部５に係合して、吹出し口８はすべてダク
ト２から突出するようになっているのである。

図中、11は吹出しダクト７を収装していないダクト２
に施した蓋、Ｆは床、Ｐは床Ｆの下部空間に施された空
調用配管、T,Tは本考案ダクトパネルを間に挟むように
配置した机である。

本考案の空調用ダクトパネルは、床Ｆに設けられた孔
から空調用配管Ｐを取り出してダクト２の接続部３を接
続して床Ｆ上に設置し、空調の不必要時には、吹出しダ
クト７をダクト２内に押下げて納めておき、空調が必要
になったら、１又は２以上の吹出しダクト７の取手10に
指先を掛けて少し引き上げれば、リミットスイッチ６が
閉の状態になって空調機器が駆動される。

従って、各吹出しダクト７の引き出し量を調節するこ
とにより、各吹出し口８が、ダクト２から外部に露出す
る面積を変化させることが出来るので、温湿度の調整さ
れた所望量の空気を配管P,接続部3,ダクト2,吹出しダク
ト７を通して、前記吹出し口８から吹き出させることが
できる。

従って、テーブルＴにOA機器を載置して使用中、該OA
機器が熱を発生して冷却する必要のある場合は、所要本
数の吹出しダクト７を引き上げ、しかも、その引き上げ
量を調整することにより、各吹出し口８から所要量の冷
風の吹き出しが得られるので、OA機器の熱を効果的に冷
却できるのである。

上記実施例においては、図示した吹出しダクト７を用
いたが、これの代わりに、第５図に示したように、側面
から見て1/4円弧状をなす吹出し口12に形成すると共
に、後面を蓋板状に形成して成るダクト２の蓋体13を兼
用する吹出しダクトを、ダクト２の上部に閉蓋，引起し
自在に枢着14しても良い。換言すれば、ダクト２の上部
の開口部15を塞ぐことができる大きさの蓋体13の後端を
この開口部15の後側辺に起伏自在に枢着14し、この蓋体
13の下面側にその蓋体13の前端からダクト２の内部側に
向いた側面から見て略1/4円弧状をなす吹出し口12を設
け、前記蓋体13の前端を引起したとき、前記吹出し口12
がダクト２の開口部15の上部に現れるようにしておき、
蓋体13の引起し量に応じてその吹出し面積を変化させる
ようにしても良い。

また、第６図に示したように、パネル本体１の内部に
ダクト２を設けることなく、中空パネル本体１の下部に
空調用配管に接続する接続部を設けると共に、上部に吹
出用の開口を形成することによりこのパネル本体１自体
をダクト２を兼用するように形成し、該パネル本体１の
上部開口に、前面側を吹出し口12に形成し上面を蓋板状
に形成した吹出し部材であって、前記パネル本体の上部
開口の蓋体13を兼用する吹出し部材の複数個を閉蓋，引
起し自在に枢着するようにしても良い。例えば、パネル
本体１の上部に、複数の開口部15を形成すると共に、こ
の開口部15より稍大きめの蓋体13の後端をこれら開口部
15の後側辺にそれぞれ枢着14し、この蓋体13の下面前端
からパネル本体１の内部側に向けて側面からみて略1/4
円弧状をなす吹出し口12を設け、この蓋体13の前端を引
起したとき吹出し口12がパネル本体１の上部に現れるよ
うにしておき、各蓋体13の引起し量に応じてそれぞれ吹
出し面積を変化させるようにしても良い。

〔考案の効果〕

本考案は上述の通りであって、パネル本体に１又は複
数個を収装したダクトに、吹出し口を設けた吹出しダク
トを、引出し高さ調節可能に収装するか、又は、パネル
本体にその蓋体を兼用する吹出し口を有する吹出しダク
トを枢着して空調用ダクトパネルを構成したので、吹出
し口の吹出し面積を、パネル本体の高さ方向と幅方向に
おいて容易に調節でき、OA機器を使用する事務所内で前
記OA機器の発する熱の冷却やその他の空調を微細にコン
トロールして行う空調用ダクトパネルとして好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ダクトパネルを設置した一例の斜視図、
第２図は本考案の一例の斜視図、第３図は同じく正面拡
大図、第４図は同じく縦断側面拡大図、第５図は本考案
ダクトパネルの別例の要部拡大側断面図、第６図は本考
案ダクトパネルの他の別の一例の斜視図である。 １……パネル本体、２……ダクト、３……接続部、5,5
a,5b……係合用の凹部、６……リミットスイッチ、７…
…吹出しダクト、８……吹出し口、９……係合部材、12
……吹出し口、13……蓋体、15……開口部

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下部に空調用配管に接続される接続部を有
   するダクトの１又は複数を内部に設けた適宜高さの箱体
   状をなすパネル本体の前記ダクトに、吹出し口を設けた
   吹出しダクトを、引用し高さを調節可能に収装して成
   り、該ダクトの引出し量に応じて前記吹出し口の吹出し
   面積を変化させるようにしたことを特徴とする空調用ダ
   クトパネル。
2. 【請求項２】吹出しダクトは、その上半部の前面又は後
   面若しくは前後両面に吹出し口を設けた請求項１に記載
   の空調用ダクトパネル。
3. 【請求項３】吹出し口を有しかつダクトの蓋体を兼用す
   るように形成した吹出しダクトを、パネル本体に収装さ
   れたダクトの上部に閉蓋，引起し自在に枢着して成り、
   該ダクトの引起し量に応じて前記吹出し口の吹出し面積
   を変化させるようにしたことを特徴とする空調用ダクト
   パネル。
4. 【請求項４】適宜高さの箱体状で下部に空調用配管に接
   続する接続部を設けたパネル本体の上部に、吹出し口を
   設けて前記パネル本体上部の蓋体を兼用する吹出しダク
   トの複数個を、閉蓋，引起し自在に枢着して成り、これ
   らダクトの引起し量に応じて前記各吹出し口の吹出し面
   積をそれぞれ変化させるようにしたことを特徴とする空
   調用ダクトパネル。