JPH0810101Y2 - 空調用間仕切装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、アンダーフロアー空調システムに対応して
床面に立設される空調用間仕切装置に関するものであ
る。

《従来の技術と問題点》 近年、事務効率を向上せしめる為、事務室内に設置さ
れた多数の机を間仕切で仕切って、ワークステーション
を構成する様にしているが、この様な場合、各人の机が
夫々間仕切で囲まれている為、天井からの空調された気
流が各ワークステーション内をスムーズに流れにくく、
ワークステーション内で熱気がこもったり、あるいは冷
気が溜りやすく、各ワークステーション内での空調を効
率よく行えないと言う問題があった。

この問題を解決する為、アンダーフロアー空調システム
の床に設けた空調用吹出穴の直上位置に内部を送風ダク
トとした間仕切りを立設し、空調用吹出穴と間仕切下面
を摺動ダクトにてつなぎ、間仕切にもうけた吹出口より
調和空気を吹き出す様にした空調装置が提案されてい
る。

（実公昭60−32841号公報等） しかしながら、上記空調装置は、吹出口から吹き出さ
れる調和空気が上下方向に均等に吹き出させる場合、そ
の都度ルーパーの向きを一枚づつ調節しなければならな
かった。

《本考案の目的と構成》 本考案は、従来の上記欠点を簡単な構造で解決し、快
適な空調環境を得る事が出来る空調用間仕切装置を提供
する事を目的とし、その構成は、内部が送風ダクトとさ
れた中空間仕切の少なくとも前面上端部に、空調用の吹
出口が形成され、吹出口の外側に吹出口カバーがもうけ
られ、吹出口が臨む内部に、回動自在で外側より操作可
能に保持された円筒形のローターが設けられた空調用間
仕切装置において、前記吹出口カバーは正面部、上下傾
斜部より断面横向き略台形状をなし、上下傾斜部には所
定間隔を有して複数個の吹出口スリットが形成され、ロ
ーターには、前記吹出口カバーの正面部とほぼ同寸の吹
出開口と、吹出開口に連続して吹出口を閉塞する大きさ
の閉塞部と、閉塞部に連続して吹出開口の反対側に位置
する導入開口が形成され、ローターの上方に、ローター
の上方部を閉塞するローターカバーがもうけられている
ものである。

《実施例》 以下、実施例を図面にもとづいて説明する。

第２図において、符号１は本考案の間仕切を示し、符号
２は間仕切１内にアンダーフロアー空調システムの気流
を導く為の接続ダクトを示し、符号３は床面に形成され
た空調用吹出穴を示している。

間仕切１は、パネル本体11と、パネル本体11の上端面
に取り付けられた天キャップ12と、パネル本体11の左右
端面にとりつけられたサイドカバー13と、パネル本体の
前面上端部に取り付けられた吹出口カバー４と、パネル
本体11の下端部左右全幅に渡って設けられた巾木14と、
巾木14、14の下端部間に設けられた底カバー15と、底カ
バー15及び巾木14、14の左右端部に設けられた端部カバ
ー16等より構成されている。

パネル本体11は、基板の周端部を内方に折り曲げた上
下左右連結突片111…が形成された前後板10、10を連結
して内部を空洞となし、送風ダクトを構成している。

そして、下連結突片111、111には、中央部を切り欠いた
接続ダクト２の嵌挿孔17が形成され、前板10の上端部に
は横長角形の吹出口18が形成されている。

さらに、第４図に示す如く、前後板10、10の内面左右
端部には、上下方向全幅にわたって発泡スチロールから
なる仕切板101、101が貼付され、接続ダクト２より導か
れた気流が外部に流出するのを防止し、仕切板101、101
間には、上部が左右端部側に湾曲した左右案内板102、1
02と、左右案内板102、102の中間部に上下方向に直線的
な中央案内板103と、左右案内板102、102の上方で、中
央案内板103の左右側に位置して、上部左右案内板104、
104が貼付され、接続ダクト２より導かれた気流が吹出
口18に向かって均等となる様整流されている。

そして、吹出口18の前面に位置して、吹出口18を隠蔽
する吹出口カバー４が取りつけられている。

吹出口カバー４は、前板10、10に形成された取付孔11
0、110にネジ止めされ、正面部41、上下傾斜部42、43よ
り断面横向き略台形状をなし、上下傾斜部42、43には、
所定間隔を有して複数個の吹出用スリット44、45が形成
されている。

そして、吹出口カバー４に対応してパネル本体11の内部
にローター６が回動自在に保持されている。

又、前板10の吹出口18のやや上方裏面側に、ローター６
の上方に位置する円弧状のローターカバー100が取りつ
けられ、上方への気流を遮断している。

さらに、前板10の吹出口18の左右端部方向の裏面側に
Ｌ字形のローター保持座５、５が設けられ、ローター保
持座５、５にはローター取付孔51、51が形成されてい
る。

ローター６は第３図に示す如く、円筒形の左右端面60
に回転軸61、61を突出せしめ、回転軸61のいずれか一方
に操作用つまみ620をもうけ、回転軸61、61をローター
取付孔51、51に嵌挿した状態でＥリング等で左右方向へ
の移動が阻止された状態で、ローター保持座５、５に回
動自在に保持される。

この時、操作用つまみ62の円周方向の端面は吹出口18
の側方に形成されたいずれか一方の操作用開口19より外
方に突出する。

一方、ローター６の周辺部には、前記吹出口カバー４
の正面部41とほぼ同寸の吹出開口62と、吹出開口62に連
続して吹出口18を閉塞する大きさの閉塞部63と、閉塞部
63に連続し、吹出開口62の反対側に位置する導入開口64
が形成されている。

又、ローター６の左右端面60には、閉塞部63が吹出口
18を閉塞した時に、吹出口18の端部側の前板10の裏面に
当接して、ローター６の回動を阻止する閉塞時ストッパ
ー65と、吹出開口62が吹出口カバー４の上傾斜部42の方
向に一致した時に、吹出口18の端部側の前板10の裏面に
当接して、ローター６の回動を阻止する開放時ストッパ
ー66が、外方に突出して形成されている。

本考案は、以上の如く構成されており、アンダーフロ
アー空調システムの空調用吹出穴３の下方に形成された
床吹出用ダクトボックス７に、下端部が嵌入された状態
で床面に連結され、接続ダクト２の上端部を、間仕切１
の下面に形成された嵌挿孔17・・・に差し込んで、パネ
ル本体11の空洞内部に接続ダクト２の上端部を臨ませ
る。

そして、間仕切１は他の間仕切と直角等に連結される
か、あるいは脚体を取りつけて床面上に立設される。

この状態で調和空気は、吹出用ダクトボックス７より接
続ダクト２を通って間仕切１内に導かれる。

そして、間仕切１の前面上端部より斜め上下方向に均
等に調和空気を吹き出す時はローター６を第１図の状態
に回動する。

この時、ローター６の吹出開口62より吹き出された気
流は一旦、吹出口カバー４の正面部41に当たり、分岐し
て、上下の吹出用スリット44・・・、45・・・より均等
に吹き出される。

又、気流を間仕切１より吹き出さない様にするには、
ローター６を操作用つまみ62をもって回動し、閉塞部63
にて、吹出口18を閉塞する。

又、気流を上下いずれか一方の方向に吹き出す時は、
吹出開口62を吹出口カバー４の上下傾斜部42、43のいず
れかの方向に向く様、ローター６を回動する。

この時、吹出開口62を上向きにした時、導入開口は、
下方に向かって最大に開口する位置となり、気流は吹出
開口62より斜め上向きに最大量吹き出され、室内全体の
空調を助成する。

一方、吹出開口62を下向きにした時、導入開口64は、
下方に向かって開口する部分が小さくなり、気流は吹出
開口62より斜め下向きに微風となって吹き出され、執務
中の作業者に直接影響を与える事はない。

尚、実施例では、気流を間仕切１の下面より導入して
いるが、フレキシブルダクト等にて、間仕切１の側面下
端部に導く様にしてもよく、本考案の要旨を逸脱しない
範囲で適宜変更可能である。

《効果》 以上の如く、本考案は吹出口カバーを正面部、上下傾
斜部より断面横向き略台形状となし、上下傾斜部には所
定間隔を有して複数個の吹出口スリットを形成し、ロー
ターには、前記吹出口カバーの正面部とほぼ同寸の吹出
開口と、吹出開口に連続して吹出口を閉塞する大きさの
閉塞部と、閉塞部に連続して吹出開口の反対側に位置す
る導入開口を形成し、ローターの上方に、ローターの上
方部を閉塞するローターカバーを設けているので、ロー
ターの吹出開口より吹き出された気流は一旦、吹出口カ
バーの正面部に当たり、分岐して上下の吹出用スリット
より吹き出されるからワークステーション内に調和空気
を均等にいきわたらせる事が出来る。

又、気流を間仕切より吹き出さない様にするには、ロ
ーターを回動し、閉塞部にて吹出口を閉塞する。

又、気流を上下いずれか一方の方向に吹き出す時は、
吹出開口を吹出口カバーの上下傾斜部のいずれかの方向
に向く様、ローターを回動する。

この時、吹出開口を上向きにした時、導入開口は、下
方に向かって最大に開口する位置となり、気流は吹出開
口より斜め上向きに最大量吹き出され、室内全体の空調
を助成する。

一方、吹出開口を下向きにした時、導入開口は、下方
に向かって開口する部分が小さくなり、気流は吹出開口
より斜め下向きに微風となって吹き出され、執務中の作
業者に直接影響を与える事がない。

以上の様に、ローターを選択的に回動させる簡単な操
作だけで、風向き調節、風量調節、さらに、吹き出しの
閉鎖状態などを適宜選択でき、非常に使い勝手がよい。

又、ローターの上方に、ローターカバーをもうけてい
るので、調和空気は上方に漏れる事がなく確実にロータ
ー内に導かれ外部に吹き出される。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例の１つを示している。 第１図は本考案の要部縦断面図。 第２図は本考案の斜視図。 第３図はローターの斜視図。 第４図は仕切板等の貼付状態を示す表板の裏面図であ
る。 １……間仕切 11……パネル本体 18……吹出口 100……ローターカバー ２……接続ダクト ４……吹出口カバー 41……正面部 42……上傾斜部 43……下傾斜部 44、45……吹出用スリット ６……ローター 62……吹出開口 63……閉塞部 64……導入開口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部が送風ダクトとされた中空間仕切の少
   なくとも前面上端部に、空調用の吹出口が形成され、吹
   出口の外側に吹出口カバーがもうけられ、吹出口が臨む
   内部に、回動自在で外側より操作可能に保持された円筒
   形のローターが設けられた空調用間仕切装置において、
   前記吹出口カバーは正面部、上下傾斜部より断面横向き
   略台形状をなし、上下傾斜部には所定間隔を有して複数
   個の吹出口スリットが形成され、ローターには、前記吹
   出口カバーの正面部とほぼ同寸の吹出開口と、吹出開口
   に連続して吹出口を閉塞する大きさの閉塞部と、閉塞部
   に連続して吹出開口の反対側に位置する導入開口が形成
   され、ローターの上方に、ローターの上方部を閉塞する
   ローターカバーがもうけられている事を特徴とする空調
   用間仕切装置。