JP2520684B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2520684B2 JP63049810A JP4981088A JP2520684B2 JP 2520684 B2 JP2520684 B2 JP 2520684B2 JP 63049810 A JP63049810 A JP 63049810A JP 4981088 A JP4981088 A JP 4981088A JP 2520684 B2 JP2520684 B2 JP 2520684B2
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers

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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体の製造方法に関し、特に、連続
走行する帯状の非磁性支持体上に強磁性材料を蒸着、ス
パツタ等の方法を用いて磁性層を成膜する磁気記録媒体
の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より磁気記録媒体としては、各種の強磁性金属粉
末を有機溶剤を用いて結合剤に分散させて、所望の支持
体に塗布する塗布型の磁気記録媒体が主流である。しか
し、近年の高密度記録への要求の高まりと共に例えば真
空蒸着、スパツタリング、イオンプレーテイング等のベ
ーパーデポジシヨン法などによる強磁性金属薄膜を磁気
記録層とする磁気記録媒体が実用化されて来ている。
上記金属薄膜を記録層とする磁気記録媒体は、例え
ば、ポリエステルフイルム等の如くフレキシブルな非磁
性支持体を、真空槽内に配設したガイドローラや円筒状
キヤン等を介して適宜案内走行させ、円筒状キヤンに接
触保持された部分において非磁性支持体上に強磁性材料
を真空蒸着、スパツタするなどして製造される。このと
き、一般に非磁性支持体の原反ロール送出(側)および
巻き取りロールの駆動トルクを調達したり、搬送系内に
設けたダンサーロールにより、走行中の非磁性支持体の
張力(テンシヨン)の安定化が図られている。この張力
安定化をする理由は、真空中もしくは真空に近い雰囲気
中では非磁性支持体と円筒状キヤンとの間に空気の巻込
み現象がないため、非磁性支持体と円筒状キヤンとの密
着性が高く、非磁性支持体は円筒状キヤンの前後の張力
差が発生し易くなり、この張力差に基づく非磁性支持体
の伸縮運動により、該支持体ならびに支持体上の成膜に
シワや擦り傷などが生じやすいためであつた。
これまでに、上記の如き張力安定化に関する提案が、
例えば、特開昭61−27832号、同61−264514号各公報な
どに開示されているが、理論的な解明が正確になされて
おらず、特に複数の円筒状キヤンを有する構成の場合、
各円筒状キヤン間の張力調整が夫々独立で行わねばなら
ないだけでなく、非磁性支持体が異なつた場合には、そ
の都度製造設備の調整を必要とするなど製造工程上不都
合が多く、又作業者の熟練度に頼ることが多く正確な張
力調整を行うことは非常に困難であつた。さらに、上記
のような製造工程を経て製造される磁気記録媒体は、円
筒状キヤンを用いるためか、磁性膜と非磁性支持体とは
内部にそれぞれ異なつたひずみを有しているために湾曲
する所謂カールが生じるので実用上カールバランスをと
る必要がある。
しかしながら、熱損傷等の回避及びカールバランスを
それぞれ独立に調整しても全ての点で良好な結果を得る
ことは極めてむずかしかつた。すなわち、各種の設定条
件(調整条件)が有機的に関係し合つているために、例
えば、熱損傷防止の為張力を強くしていくと、支持体及
び前の円筒状キヤンで形成された薄膜内に比較的多きな
内部応力としてこれらの張力が複雑に貯えられ、この結
果製品は大きなカールを生じやすい状態になる。
この為、支持体及び成膜される膜の物性が異なる毎に
搬送条件として張力を再調整する必要があつた。具体的
には、支持体の種類が異なる場合、または支持体が同じ
でも成膜させる膜の材質、膜厚が異なる場合、即ちハン
ドリング物が異なる毎に各張力条件を調整する必要があ
つた。
また、ある装置を用いて確立した搬送条件を他の製造
装置に持ち込むことができず、このため装置が異なる毎
に最適条件を探る必要があり又カールの再現性も乏しか
つた。さらに、本発明者らの鋭意研究、開発結果、この
ように独立に張力を調節した条件下で成膜された磁性膜
は、成膜工程中における張力変化量が大きくなる結果、
膜の内部応力が部分的に変化して耐摺動性に劣る膜が形
成され、その結果、磁気記録媒体の耐久性や走行性が低
下することが判明した。
〔発明の目的〕
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、熱
損傷の発生を抑え、カールバランスが良好にとれ、かつ
耐久性に優れた成膜を保証することのできる磁気記録媒
体の製造方法を提供することを目的とするものである。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、プラスチツク樹脂から成る可撓
性の支持体を、複数個の円筒状キヤンに接触保持させな
がら連続走行させ、該円筒状キヤンとの各接触保持部位
において支持体上に相次いで金属薄膜を真空成膜する磁
気記録媒体の製造方法において、前記円筒状キヤンによ
つて区画された各支持体搬送区間の支持体の張力をヤン
グ率に対して下記条件式(1)及び(2)を満たすよう
に調節することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法に
より達成することができる。
Ti:支持体搬送方向に順じてi番目の支持体搬送区間に
おける単位断面積当りの張力 Yi:Tiが作用する支持体搬送区間における支持体のヤン
グ率 本発明における支持体のヤング率Yiとは、成膜前にお
いては支持体固有のヤング率で示すことができるが、成
膜工程中においては前工程で成膜した薄膜層の種類及び
膜厚によつてそのつど変化するものであり、支持体搬送
区間ごとに異なるものである。
本発明における張力Tiは、支持体が送り出されてから
巻取られるまでにおいて、円筒状キヤンによつて区画さ
れた支持体搬送区間で送出し側から順をおつてi番目の
搬送区間における張力(Ti)を表わしている。なお、張
力(Ti)が上記区間内のどの位置の値であるかは特に限
定するものではないが、望ましくは各区間において対応
関係にあつて、且つ成膜位置の近傍の張力がよい。従つ
て、Ti/Yiは、支持体の搬送方向に順じてi番目の支持
体搬送区間における支持体の成膜位置近傍の歪みを表わ
すことができる。
このことから、本発明における条件式(1)はプラス
チツク樹脂から成る支持体の歪み量を規定した条件であ
る。すなわち、歪み量がコントロールされた支持体上に
金属薄膜層を形成することにより、薄膜層内に蓄積され
る内部応力の大きさを制限してカールバランスを良好に
保つための条件である。また、条件式(2)は、支持体
搬送区間の隣り合う区間における支持体の歪みの変化量
を規定した式である。すなわち、支持体の歪みの変化量
をコントロールすることにより、薄膜層内に蓄積される
内部応力の変化量を制御して均一化をはかることによつ
て、薄膜層の内部応力安定化に伴う機械的強度を向上さ
せるための条件である。
以下、図面に例示する本発明の実施態様について詳細
に説明する。
第1図においては、プラスチツク樹脂から成る支持体
10が送出機6より送りされており、複数個の円筒状キヤ
ン1,2上において支持体両面側に金属薄膜を相ついで成
膜された巻取機5にて巻き取られる一連の製造工程を示
している。この成膜工程においては、適宜張力を前記支
持体10に加えるが、この方法としては、前記巻取機5よ
り巻き取り力ならびに必要に応じて前記送出機6に反転
力を付加することにより、成膜工程における基本的な張
力を決めることができ、又、支持体搬送路の適所に配置
した複数個のダンターローラ11,12,13により前記支持体
10の張力が所定の値に保たれるように構成されている。
なお、本態様の第1図においてはスパツタ法による成
膜方法を示し、複数個の成膜源21,22が前記円筒状キヤ
ン1,2に対応して適所に設けられている。又、周知のよ
うに、前記円筒状キヤン1,2は成膜時に発生する熱から
前記支持体10を保護すべく適宜冷却できるような構成と
なつている。
前記ダンサーローラ11,12,13は図示の如くそれぞれ1
番目、2番目、3番目の支持体搬送区間に配置されてお
り、その構造は、前記支持体10が適宜角度で巻き付くロ
ーラを有し、このローラを回転自在に保持した各アーム
11b,12b,13bが支軸11a,12a,13aを支点にして適宜揺動
(図中の矢印A)することにより、前記支持体10の緩み
をなくすように動作して支持体張力の安定化をすること
ができる。又、前記各ダンサーローラ11,12,13には、セ
ルフシンクロモータが接続されており、前記各アーム11
b,12b,13bの振り角を検出することができ、張力調整の
ための信号を出力することができる。
また、各支持体搬送区間(i=1〜3)には各区間の
支持体張力を検出するダンサーローラ11,12,13が設けら
れている。前記ダンサーローラ11,12,13はローラ支軸端
部に歪計から成るセンサを設けた周知のもので、上記各
ローラが配置された個々の位置における支持体張力を電
気的に測定することができ、搬送系の張力が適切かどう
かも確認することができる。前記巻取機5の巻き取り力
は、巻き径が大きくなるに伴つて弱くなるようにしたテ
ーパテンシヨン方式を用いることにより、前記巻取機5
に巻き取られる支持体ロールの硬巻き等を防止されてい
る。
上記製造装置の製造工程において、支持体搬送方向に
順じて1番目の支持体搬送区間(i=1)における張力
T1は厳密には測定箇所により僅かに異なるが、前記ダン
サーローラ11の位置検出による測定値で便宜的に表わす
ことができる。又、2番目の支持体搬送区間(i=2)
における張力T2は、前記ダンサーローラ11に対応位置関
係にある前記ダンサーローラ12の測定値で表わすことが
できる。他の支持体搬送区間(i=3)についても同様
に張力を表わすことができる。
1番目の支持体搬送区間(i=1)におけるヤング率
Y1は、プラスチツク樹脂からる前記支持体10の固有のヤ
ング率Y1である。そして、円筒状キヤン1に接触保持さ
れた部分において、前記支持体10上に第1の薄膜層を前
記成膜源21により形成する。次に、2番目の支持体搬送
区間(i=2)において、前記成膜源22を用いて第2の
薄膜層を、上記第1の薄膜層とは反対側に形成するが、
このときのヤング率Y2は、前記支持体10のヤング率に加
え前工程においてスパツタされた第1の薄膜層のヤング
率を加えた値となる。又、3番目の支持体搬送区間(i
=3)において、支持体のヤング率Y3は前工程まで形成
された2つの薄膜層と前記支持体10とを総合した値とな
る。
前記支持体10としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、三酢酸セルロース、ポリエチレナフタレート、ポリ
アミド、ポリイシドなどプラスチツク樹脂としてはヤン
グ率が400〜700Kg/mm2程度の比較的大きなものが望まし
い。又、成膜する薄膜層としては、鉄、コバルト、ニツ
ケルなど周知の強磁性金属あるいはこれらの磁性合金を
成膜し、その膜厚は、磁気テープや磁気デイスクなどの
場合には、0.05μm〜2μmの範囲であり、好ましくは
0.1μm〜0.4μmがよい。
本発明の条件式(1)の が大きい場合、その上限はカール量の大きさを基準にし
た値で示すことができる。第2図は、ポリエチレンテレ
フタレートから成る前記支持体10の上下両面(先に成膜
する面をI面とし反対側をO面とする)に成膜した薄膜
の厚味の比(d0/d1)とカールの状態と前記支持体10に
生じた歪み(ε)との関係をグラフに示した。なお、
I面に成膜する支持体搬送区間とO面に成膜する支持体
搬送圧間との歪み格差 をゼロとし、I面とO面との膜厚の差である膜厚設定誤
差が3%の範囲において支持体幅100mmでカール量が0.5
mm以内にあることを目安にすると、第2図はTi/Yiが3.0
×10-3より小さいことがカールバランスの点から見て好
ましいことを示している。
なお、第2図に示す場合のように (上下両面に成膜するときの支持体の歪み(ε)の量
が同じ)のとき同材質の薄膜を成膜してカール量をゼロ
にするには膜厚比は通常d0/d1=1にはならない。これ
は、表裏両面に成膜した場合、カール量への影響度合は
最終成膜面側(第2図では0面側)の内部応力の影響が
出やすいことにより、一般に第2図に示す如くd0/d1
0.9程度の値となる。しかし、フロツピーデイスク等の
如く両面の膜物性を等しくすために、可能な限り両面の
膜厚をそろえることが好ましい場合には、 を適宜変えるべく張力(Ti)を調節することで、d0/d1
=1により近づけた状態でカール量をゼロにすることは
可能である。
が小さい場合については、歪みがゼロになることが理想
ではあるが、実質的には不可能であり、実際には前記支
持体10と冷却作用を有する前記円筒状キヤン1,2との密
着度合(密着性)により規定することができる。すなわ
ち、前記支持体10の歪み(ε)を小さくするように張
力(Ti)を小さくすると、前記支持体10と円筒状キヤン
との密着性低下に伴つて、成膜源の発生する熱で前記支
持体10が熱変形し、伸び、キズさらには切断等の熱損傷
を生じるためTi/Yiの値の下限はこの熱損傷を回避する
ために必要とする最低限度の張力(Ti)により表わすこ
とができる。そして、研究の結果、厚味50μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)の支持体の場合、Ti/Yiが
3.0×10-4以下の場合は支持体切断が発生し、Ti/Yiが4.
0×10-4では支持体切断までいかない熱損傷が生じ、Ti/
Yiが5.0×10-4以上で熱損傷を回避することができた。
又、支持体としてポリイミド(PI)を用いて、厚味25μ
m、50μm、75μmのそれぞれの場合について、Ti/Yi
と熱損傷との関係について調べた結果、上記各厚味にお
いてTi/Yiが2.0×10-4以下ではほとんどの場合切断を伴
う熱損傷が生じ、3.0×10-4の場合には、切断までいか
ない熱損傷がそれぞれ生じ、4.0×10-4においては、厚
味25μmの場合のみ僅かな熱損傷が生じ、5.0×10-4
上においてすべて場合において熱損傷を回避することが
できた。
このようなことから熱損傷を回避できるTi/Yiは5.0×
10-4以上が好ましいことが判つた。
尚、前記成膜源21,22から膜形成時に支持体上に供給
される単位時間当りの熱量は支持体上に形成される薄膜
の成長速度に比例する。我々は支持体上の膜成長速度が
500から60000Å/minの範囲になるように蒸発源の種類
と、蒸発量と、支持体との距離、キヤン周辺に位置する
マスクの開口幅を設定した。
また、キヤン自体の冷却能力はその保持温度と支持体
と接触する表面の面粗さで決まる。我々が用いたキヤン
は、温度を20から250℃の間で保持可能であり、キヤン
の表面は、カットオフ値が0.25mmのときの表面粗さRa値
が0.002か0.90ミクロンのものを用いた。
又、蒸発源と支持体との距離50〜150mmの範囲となっ
ている。
以上のことから、カールバランスを良好に保つことが
でき、且つ支持体10の熱損傷を回避することのできる総
合的な条件は、 5.0×10-4<Ti/Yi<3.0×10-3 ……(1) であることが明らかとなる。
また、本発明者は鋭意研究開発の結果、隣り合う支持
体搬送区間における支持体の歪み格差(変化) によつて薄膜層の耐久性の境界値を求めることができ
た。第3図は、隣接する支持体搬送区間の張力変化Δ
(Ti/Yi)と繰り返し摺動テストにより膜に傷が生じる
繰り返しパス数との関係を示す。繰り返し摺動テスト
は、1/4吋球面ダミーヘツド、材質;チタン酸カルシウ
ムを用いて、荷重30gにて行つた。この結果より、−7.0
×10-4<Δ(Ti/Yi)<7.0×10-4の範囲で成膜されたも
のは、1000パス程度までキズが生じないのに対しΔ(Ti
/Yi)>7.0×10-4、及びΔ(Ti/Yi)<−7.0×10-4の範
囲では、繰り返し摺動による膜の傷つきが500パス以下
で生じ易く、この範囲の条件で成膜されたものは、各層
に複雑に内部歪が蓄えられる為、密着性及び膜強度が劣
ると推定される。
すなわち、 の範囲にて成膜することにより、1000パス程度まで薄膜
層にキズが生じることもなく耐久性に優れ、走行性にも
すぐれた膜を得ることができる。
第1図に示す製造工程において、Ti/Yiおよび を上記条件式の範囲にするには、ヤング率Yiは前記支持
体10及び成膜材ならびにその厚み、温度など各条件によ
つて各支持体搬送区間ごとに数値を出すことができる。
従つてここで調整するのは張力Tiであり、フリーローラ
(31〜34)の測定した検出信号により、前記送出機6の
回転軸に適宜反転力(負荷)をかけるように制御した
り、前記巻取機5の巻き取り力を調節すべく駆動系の出
力を制御したり、さらに、各支持体搬送圧間ごとの張力
Tiを微妙に調節すべく前記円筒状キヤン1,2の回転力を
制御すべく駆動モータの出力をコントロールすることに
より、支持体の歪み が上記条件式(1),(2)の範囲内に保たれる。
このように張力Tiを制御することで、前記支持体10の
上下両面に形成した薄膜層内の内部応力のバランスが取
れて良好なカールバランスを示すことができると共に、
各薄膜層単位で見ても全体として内部応力が小さいレベ
ルで均一化がはかられて該薄膜層の強度向上をはかるこ
とができ、耐久性ならびに走行性に優れた薄膜層を形成
することができる。
第1図に示す実施態様においては、円筒状キヤンを2
個設けて支持体搬送圧間を3にしたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、円筒状キヤンをさらに多く配
置して多重層の薄膜層を形成する場合であつてもよいこ
とは勿論である。
また、上記実施態様においてはスパツタ法を用いて成
膜したが、本発明はこれに限定するものではなく、例え
ば第4図に示すように蒸着法において成膜源21,22が共
に円筒状キヤン1,2の下方に配設されていても支持体10
の上下両面に成膜することができる。又、イオンプレー
テイング法、CVD法等を用いることもできる。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明の如く成膜工程において、
上記条件式(1)と(2)を満足するように支持体張力
を調整することにより、冷却機能を有する円筒状キヤン
に対して支持体の冷却に好ましい接触を保証し、また安
定した張力で走行させた支持体上に磁性金属の薄膜層を
形成できるので、支持体の熱損傷を防止し、薄膜層内に
蓄積される内部応力を小さくかつ安定に保つことができ
ると共に、薄膜層間における内部応力の格差を小さくす
ることができてカールバランスを極めて良好に保つこと
ができる。又、各支持体搬送区間における張力格差を小
さくすることにより、成膜中ならびに走行中の支持体の
歪みが大きくならないので、この歪みに起因する支持体
変形(シワ)や薄膜層の傷の発生を抑えることができ
る。従つて、ドロツプアウト等が少なく、耐久性、走行
性に優れた薄膜層を有する磁気記録媒体を提供すること
ができる。
さらに、本発明は支持体張力の調整範囲を数値的に明
確に表わしたことにより特定の製造装置だけでなく、支
持体を走行させながら円筒状キヤン上で成膜するような
装置であれば極めて容易に広く適用することができる。
以下、本発明をさらに明確にするために実施例を用い
て説明する。
〔実 施 例〕
(実施例−1) 非磁性支持体としてポリエチレンテレフタレート(PE
T)フイルム50μmの上に製造装置としては第1図に示
す製造装置において支持体搬送区間を3区画(円筒状キ
ヤンが2個)の場合の装置を用いパーマロイ(FeNi)を
それぞれ0.5μmで両面に連続して成膜した。各段階に
おける支持体ヤング率および支持体と金属薄膜とを加え
たヤング率は第4表に死すとおりに変化する。
なお、成膜速度は500Å/min,20,000Å/min,60,000Å/
minの夫々の場合で、円筒状キヤンの冷却能力はキヤン
表面の表面粗さRa(カットオフ値が0.25mmのとき)が0.
090μm,温度が250℃の条件下において、本発明の条件式
(1)、(2)を満たすように各支持体搬送区間の張力
(Ti)を調整して磁気記録媒体の製造を行つた。その結
果を第1表〜第3表に示すが、第1表〜第3表におい
て、張力(Ti)を意図的に変えた数値は活弧内に示す。
なお、第1表〜第3表におけるサンプルNo.19〜36につ
いては後述する実施例−2の結果を示す。従つて、サン
プルNo.1〜No.5までは第1支持体搬送区間の張力(T1
を変化させた場合、サンプルNo.7〜No.11は第2支持体
搬送区間の張力(T2)を変化させた場合、サンプルNo.1
3〜No.17は第3支持体搬送区間の張力(T3)を変えた場
合における成膜状態を観察した。なお、表中の活弧でく
くらない数値は、本発明の条件式(2)を満足するよう
に括弧内の数値設定に基づいて自動的に駆動系が制御さ
れて設定される値であり、この場合、第1表のヤング率
から計算して となるように設定したもので、T1≒0.75T2,T2≒0.83T3
となるような関係となつている。
又、サンプルNo.6は第1支持体搬送区間と第2支持体
搬送区間との間において、 となり条件式(2)を満足しない場合を示し、サンプル
No.12は全ての区間の間において条件式(2)を満足し
ない場合であり、サンプルNo.18は第2支持体搬送区間
と第3支持体搬送区間との間において条件式(2)を満
足しない場合を示す。
第1表〜第3表における評価は、外観検査による総合
評価であり、支持体の熱損傷に起因したと思われるキ
ズ,シワ,カールや、張力変化に起因したと思われるキ
ズ,シワ,カールを総合的に観察したものであり、○印
は良であることを示し、△印は実用的に許容範囲内であ
ることを示し、×印は不良を示すものである。
第1表〜第3表において、サンプルNo.1,No.7,No.13
においては各張力(T1),(T2),(T3)が小さすぎて
条件式(1)を満足しないために、熱損傷に伴うものと
思われるキズやシワが多く生じた。サンプルNo.5にあつ
ては張力(T1)が大きいことに起因したと思われるカー
ル量の増大が認められ、サンプルNo.11においては張力
(T2)及び(T3)が大きすぎるためにためにカール量の
増大が顕著に現われ、サンプルNo.17に至つては張力(T
1),(T2)及び(T3)の全て条件式(1)の範囲から
は大き過ぎるためカール量が大きいだけでなく、歪み
(ε)増大に伴つたシワ、キズなどが多く見られた。
サンプルNo.6,No.12,No.18においては条件式(1)は
満足するものであるが、上記の如く条件式(2)を満足
しないものであつて、歪み(ε)の格差が大きいため
に薄膜層に内部応力が存在しているために、その後の摺
動テスト(第3図に示す)により他のものに比べて耐久
性が低いことが判つた。
その他の○印あるいは△印で示したサンプルについて
は本発明の条件式(1)充分満足するものであつた。
(実施例−2) 非磁性支持体としてポリイミド(PI)を用い他の条件
は実施例−1と同じ条件で成膜して磁気記録媒体を製造
した。
なお、支持体のヤング率および支持体プラス金属薄膜
のヤング率は第5表に示す。
第1表〜第3表のNo.19〜36に実施例1と同様に張力
(Ti)を適宜変化させた結果を示す。この結果からも明
らかなように、本発明の条件式(1)、(2)を共に満
足する製造条件において高品質の磁気記録媒体を得るこ
とができた。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の製造方法を適用した装置の成膜工程を
示した概略図、第2図は支持体両面に成膜した膜厚比と
カール量との関係を示すグラフ、第3図は隣接する支持
体搬送区間における歪み格差と繰り返し摺動テストによ
つて形成膜にキズが生じたパス数との関係を示したグラ
フ、第4図は本発明の製造方法を真空蒸着装置に適用し
た場合の工程概略図である。 1,2……円筒状ドラム、 5……巻取機、6……送出機、 10……支持体、11,12,13……ダンサーローラ、 11a,12ah13a……支軸、 11b,12b,13b……アーム、 21,22……成膜源、 31,32,33,34……フリーローラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチツク樹脂から成る可撓性の支持体
    を、複数個の円筒状キヤンに接触保持させながら連続走
    行させ、該円筒状キヤンとの各接触保持部位において支
    持体上に相次いで金属薄膜を真空成膜する磁気記録媒体
    の製造方法において、前記円筒状キヤンによつて区画さ
    れた各支持体搬送区間の支持体の張力をヤング率に対し
    て下記条件式(1)及び(2)を満たすように調節する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 Ti:支持体搬送方向に順じてi番目の支持体搬送区間に
    おける単位断面積当りの張力 Yi:Tiが作用する支持体搬送区間における支持体のヤン
    グ率
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