JPH08138239A - 磁気記録媒体の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法およびその製造装置

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JPH08138239A
JPH08138239A JP6273656A JP27365694A JPH08138239A JP H08138239 A JPH08138239 A JP H08138239A JP 6273656 A JP6273656 A JP 6273656A JP 27365694 A JP27365694 A JP 27365694A JP H08138239 A JPH08138239 A JP H08138239A
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賢次 桑原
Kiyoshi Takahashi
喜代司 高橋
Hideyuki Ueda
英之 植田
Noriyasu Echigo
紀康 越後
Mikio Murai
幹夫 村居
Masaru Odagiri
優 小田桐
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は磁気記録媒体に関し、長手方向の伸
縮を最小限に押えスキューおよびエラーレートの増加を
防止する製造方法および製造装置を提供する。 【構成】 磁気記録媒体を恒温炉内に供給し、かつ極微
少張力で恒温炉34内での熱処理を行い、その処理条件
は、温度と処理時間の関係をアレニウスプロットした
時、100℃の点を通りその傾きが5000の直線より
上方の領域で行う製造方法および製造装置で、特に金属
薄膜型の場合は、熱ローラ処理とを組み合わせることに
より、磁気特性の経時変化および耐食性をも改善でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体、特に磁
気テープに関し、耐候信頼性とりわけ磁気テープの寸法
変化による再生画像の歪みおよびエラーレートの増加を
最小限に抑えた磁気記録媒体の製造方法および製造装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の磁気記録分野で記録媒体の主流と
なっている磁気テープにおいては、ビデオテープレコー
ダーでの高画質と小型軽量化の同時達成への要求、また
データー用では高容量化への要求が高まり、これらの要
求に応えるため磁気ヘッドをも含め高記録密度化達成へ
の研究開発が、精力的に推進されている。特にビデオテ
ープレコーダーにおいては、業務用を皮切りとし、ダビ
ングによる画質の低下のないディジタル化への移行が進
行しつつある。
【0003】また録画した磁気テープを高温環境下に放
置した場合、従来のアナログ記録では、磁気テープの長
手方向への伸縮による再生画像への影響はスキュー歪と
して現出するが、非磁性基板の熱収縮率の調整(例えば
特開昭59ー77625号公報)あるいはボビンに巻き
取ったまま高温高湿環境下に放置する製造方法(例えば
特開昭62ー243127号公報)等が知られ、ほぼ実
用上問題のないレベルまで到達している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディジ
タル記録においては、磁気テープの長手方向の伸縮によ
るトラックずれのため再生時のC/Nの低下し、エラー
レートが増加し再生画像に大きな乱れが発生することに
なる。特に高記録密度化に必須の狭トラックピッチにお
いてはその傾向が顕著になり、この改善が必須となる。
【0005】本発明は、前記課題を鑑みて、磁気テープ
の長手方向の伸縮を最小限に抑える磁気記録媒体の製造
方法およびその製造装置を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明の製造方法は、非磁性基板上に磁性層を設
けた磁気記録媒体を、50℃以上の雰囲気に曝し、かつ
前記磁気記録媒体に負荷される張力が10mm幅当り1
gf.以下で処理する工程を有し、その処理時間が、横
軸を絶対温度の逆数(1/T)として、縦軸に処理され
る滞在時間(L)を時間単位の自然対数(ln)でアレ
ニウスプロットした時の、△ln(L)/△(1/T)
(以降傾きと称する)が5000以上、かつ100℃に
おいて0.5秒の点を通る直線より上方の領域であるこ
とを特徴とする。
【0007】また、傾き:△ln(L)/△(1/T)
の具体的算出式は{ln(L1)−ln(L2)}/{(1/
1)−(1/T2)}である。
【0008】なお、金属薄膜型磁気記録媒体の場合の製
造方法は、60℃以上の熱ロールに密着走行させる工程
を少なくとも1回以上と、前記工程を少なくとも1回以
上有することを特徴とする。
【0009】さらに、本発明の製造装置は、非磁性基板
上に、少なくとも磁性層を設けた磁気記録媒体を供給す
るための手段と、前記磁気記録媒体を、50℃以上の雰
囲気に保持する手段と、少なくとも前記50℃以上の雰
囲気においては、前記磁気記録媒体に負荷される張力を
10mm幅当り1gf.以下に制御するための手段を配
設したことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、非磁性基板上に磁性層を設け
た磁気記録媒体を50℃以上の雰囲気に曝し、磁気記録
媒体に負荷される張力を10mm幅当り1gf.なる極
微少にすることにより、磁気記録媒体の長手方向の熱収
縮を飽和させ、以降高温環境下に放置しても、熱収縮は
殆ど進行せず、長手方向の寸法安定性が確保される。従
って再生時のトラックずれが最小限に抑えられ、ディジ
タル記録におけるエラーレートの増加も殆どない。
【0011】また、金属薄膜型磁気記録媒体の場合は、
熱ロール処理により磁気記録媒体の強磁性金属薄膜の強
磁性金属と酸素との結合状態を安定化させ、磁気特性の
経時変化を抑えるとともに、耐食性をも向上させること
ができる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例について図面および表を
参照しながら説明する。
【0013】(図1)は本発明の製造方法により作製し
た塗布型磁気記録媒体20の基本構造を示す。
【0014】1は非磁性基板であり、2〜20μmのポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド等が用いられる。
【0015】2は塗布型磁性層であり、磁性粉末、帯電
防止剤、研磨剤、および結合剤、分散剤、潤滑剤等を有
機溶剤とともに混練分散させた所定の成分比を有する磁
性塗料を所定の厚み塗布後、乾燥により有機溶剤を離脱
させて形成し、その膜厚は1〜5μmである。
【0016】3はバックコート層であり、ポリエステル
樹脂あるいはポリウレタン樹脂とカーボン,炭酸カルシ
ウム,ニトロセルロース等の混合体を磁性層2とほぼ同
様の方法にて形成し、その膜厚は0.3〜1μmであ
る。
【0017】(図2)は本発明の製造方法により作製し
た金属薄膜型磁気記録媒体30の基本構造を示す。
【0018】4は強磁性金属薄膜であり、0.05〜
0.3μmの膜厚でCo−Ni−O,Co−Ni−C
r,Co−O等が用いられ真空成膜法により形成され
る。
【0019】5は保護層であり、潤滑剤層単層あるいは
保護膜と潤滑剤層の組合せなどが用いられる。潤滑剤と
しては、含フッ素カルボン酸単独あるいは含フッ素カル
ボン酸エステルとの混合品が用いられる。また保護膜と
しては、SiO2、プラズマ重合膜あるいはダイヤモン
ド状炭素膜等が用いられる。
【0020】(図3)は本発明の(請求項1)〜(請求
項4)の製造方法に対する装置に関わる(請求項5)お
よび(請求項6)に対応する装置構成の一例の概略を示
す。
【0021】31は繰り出しローラで、塗布型磁気記録
媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30がボビン
に巻かれた状態で装着され、10mm幅当り1gf.〜
100gf.の範囲で張力制御されている。
【0022】32は供給ローラであり、塗布型磁気記録
媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30を定速で
供給するための手段で、その速度は0.5〜500m/
minの範囲で制御することができる。
【0023】33は押えローラであり、供給ローラ32
と塗布型磁気記録媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録
媒体30とのスリップを防止している。
【0024】34は恒温炉であり、50℃以上の雰囲気
を走行中の塗布型磁気記録媒体20あるいは金属薄膜型
磁気記録媒体30に、提供する手段で、50〜300℃
の範囲の温度制御ができる。
【0025】35はヒータであり、塗布型磁気記録媒体
20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30の内部まで熱
が伝達し易い遠赤外線ヒータ等が用いられる。
【0026】36は恒温風発生装置であり、温度制御さ
れた温風を恒温炉34に供給する手段である。ヒータ3
5との併用により精密な温度制御ができる。
【0027】37は幅規制ガイドであり、塗布型磁気録
媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30が幅方向
にずれるのを防止する手段で、幅方向に支持体は設けて
いない。また、恒温風発生装置36からの恒温風によ
り、塗布型磁気記録媒体20あるいは金属薄膜型磁気記
録媒体30が、ばたつくのを防止するため、進行方向に
対して垂直方向に恒温風が当たる、スリットあるいは穴
を設けた恒温風吹き出し口を設けるとさらに好ましい。
【0028】38は位置検出センサーであり、塗布型磁
気記録媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30の
自重により垂れ下がった最下部を検出する手段で、一般
的で手軽な光センサー等が用いられる。
【0029】39は引き取りローラであり、位置検出セ
ンサー38からのフィードバックにより塗布型磁気記録
媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30の最下部
がほぼ一定の位置になるように、引き取り速度を制御す
ることができる。また複数センサーで範囲コントロール
する方法でもよい。なおこの引き取りローラ39は、塗
布型磁気記録媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体
30の温度が、50℃以下になる部位に配設される。
【0030】40は引き取り押えローラであり、押えロ
ーラ32と同様に、引き取りローラ39と塗布型磁気記
録媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30とのス
リップを防止している。
【0031】41はパスローラであり、塗布型磁気記録
媒体20あるいは金属薄膜型磁気記録媒体30を巻き取
りローラへ方向変換する手段である。
【0032】42は巻き取りローラであり、ボビンを装
着し、塗布型磁気記録媒体20あるいは金属薄膜型磁気
記録媒体30を巻き取る手段である。繰り出しローラー
31と同様の張力および速度制御ができる。
【0033】以上のように構成された塗布型磁気記録媒
体20および金属薄膜型磁気記録媒体30の構成要素、
材料、および製造方法の相違に対して、具体的に(実施
例1)〜(実施例6)を用いて(図1)〜(図4)を参
照しながらその動作も含めて説明する。
【0034】(実施例1)非磁性基板1として、幅50
0mm、厚さ7μmで、塗布型磁性層2を形成する側の
面の表面粗さが、Rmaxで150Aのポリエチレンテ
レフタレートを用いた。
【0035】前記非磁性基板1の一方の面に、鉄系で結
晶子サイズ約200A、抗磁力約1800Oeの磁性粉
末を用いて、帯電防止剤としてカーボンブラック、研磨
剤として平均粒子径0.5μmのアルミナ粉末、結合剤
として極性基含有塩化ビニル共重合体、極性基含有ポリ
ウレタン、ポリイソシアネートの混合を用い、分散剤お
よび潤滑剤としてパルミチン酸、ステアリン酸ブチルを
各々最適量混合し、有機溶剤としてメチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンを使用し十分分散混練した後、リ
バースコータで、乾燥後の厚みが3μmになるよう塗布
し、約100℃で乾燥させ、塗布型磁性層2を形成し
た。
【0036】また非磁性基板1のもう一方の面には、ポ
リエステル樹脂、ニトロセルロース、カーボンブラック
よりなる固形分をメチルエチルケトンを主とする溶剤に
分散させ湿式塗布法により、乾燥後の厚さが約0.5μ
mになるようバックコート層3を形成した。このバック
コート層3の役割の一つに、機械的性質をはじめとする
物性および厚みを調整することにより、塗布型磁気記録
媒体20のカッピングを適正化している。
【0037】以上のように作製された塗布型磁気記録媒
体20を、塗布型磁性層2の表面をさらに平滑にするた
めのカレンダー処理をした後、(図3)に示す繰り出し
ローラ31に装着する{以降(図3)に示す装置による
処理を走行アニールと称することにする。}。
【0038】繰り出しローラ31に装着された塗布型磁
気記録媒体20は、その張力が500mm幅に換算して
約2kgf.に制御されるとともに供給ローラ32と押
えローラ33により恒温炉34に定速で供給される。恒
温炉34はヒータ35と恒温風発生機36からの恒温風
により一定の温度に制御される。塗布型磁気記録媒体2
0は恒温炉34を通過中には引き取る張力が、500m
m幅に換算して50gf.以下と非常に低いため、幅規
制ガイド37によりガイドされ幅方向への移動が防止さ
れる。
【0039】自重により垂れ下がった塗布型磁気記録媒
体20は、位置検出センサー38によりその最下部の位
置を検出し、引き取りローラ39と引き取り押えローラ
40による引き取り速度を制御することにより、塗布型
磁気記録媒体20に負荷される張力を10mm幅当り1
gf.以下に制御するとともに、塗布型磁気記録媒体2
0の最下部の位置がほぼ一定に保たれるように設定され
ている。従って恒温炉34を通過中の塗布型磁気記録媒
体20には、自重を除くと10mm幅当り1gf.以下
の極めて低い張力であり、実質的に張力フリーと言え
る。
【0040】引き取りローラ39を通過した塗布型磁気
記録媒体20はパスローラ41を通って巻き取りローラ
42の装着されたボビンに巻き取られる。この時の巻き
取り張力は500mm幅に換算して約1kgf.であ
る。この引き取りローラ39を通過するときの塗布型磁
気記録媒体20の温度はほぼ室温であることは述べるま
でもない。
【0041】本実施例で試作したサンプルは、恒温炉3
4の設定温度を120℃、100℃、70℃の3点で、
恒温炉34への塗布型磁気記録媒体20の滞在時間につ
いては、120℃においては0.2秒、0.3秒、0.
5秒、100℃においては0.4秒、0.5秒、0.8
秒、70℃においては1.0秒、1.5秒、3.0秒の
合計9サンプルとし、これらをサンプルNo.1〜9と
した。
【0042】以上のように作製した塗布型磁気記録媒体
20をスリッターにて所定の幅に裁断し、市販のHiー
8ビデオテープレコーダでスキュー歪および、測定顕微
鏡にて熱収縮率を測定した。
【0043】スキュー歪の測定に関しては、基本的には
ディジタルビデオテープレコーダでのエラーレートの増
加を測定すべきではあるが、市販の民生用のディジタル
ビデオテープレコーダが存在しないため、実現可能と考
えられる仕様として、トラックピッチ6μm、最短記録
波長0.5μm、相対速度9m/sec、アジマス角1
0度での試作機を用いての実験とメカ精度の誤差、互換
等によるC/Nの劣化を考慮して、エラーレートの増加
を防止するためには、磁気テープのトラックずれは1μ
m以下にする必要がある。これをHi8ビデオテープレ
コーダに換算すると、スキュー歪は6μsec以下で、
熱収縮率は0.04%以下であればよいことになるの
で、以下これらの値をクリアーするための実験に取り組
んだ。
【0044】スキュー歪の測定方法は、完成した塗布型
磁気記録媒体20を、60分長カセットに装着し、市販
のHiー8ビデオテープレコーダを用いて23℃50%
R.H.環境下で、映像信号を全長記録し、塗布型磁気
記録媒体20を供給リール側に巻き取った状態で60℃
50%R.H.環境下に24時間放置した後、同一のビ
デオテープレコーダを用いて23℃50%R.H.環境
下でスキュー歪を測定し、測定値は60分再生中の最大
値とした。
【0045】熱収縮率の測定は、スキュー歪の測定と同
様の環境下にフリーの状態で放置し、精密測定顕微鏡を
用いて、高温環境下に放置前後の塗布型磁気記録媒体2
0の長手方向の寸法変化を測定した。測定方法は2カ所
に標点をマーキングしておき、評点間の長さを実測し
た。
【0046】(比較例1)(実施例1)と全く同一の塗
布型磁気記録媒体20で前記した極微少張力による走行
アニール処理をしないサンプルを(比較例1A)、(図
3)とは別の装置を使用し、10mm幅当り10gf.
の張力で、走行アニール処理をしたサンプルを(比較例
1B)、10mm幅当り100gf.の張力で処理した
サンプルを(比較例1C)とし、(実施例1)と全く同
様の測定を行った。
【0047】(表1)に(実施例1)および(比較例
1)の塗布型磁気記録媒体20の作製条件と測定結果を
示す。
【0048】
【表1】
【0049】(表1)から明らかなように、(実施例
1)の各サンプルは、(比較例1)の各サンプルに比べ
て、ポリエチレンテレフタレートを非磁性基板1として
用いた場合は、スキュー歪、熱収縮率とも大幅に改善さ
れていることが確認され、本処理が極めて有効であるこ
とが確認された。
【0050】また、走行アニール処理の張力が異なり、
通常の処理工程で、塗布型磁気記録媒体20に負荷され
ている張力とほぼ同等の(比較例1C)および、それよ
り1桁低い張力の(比較例1B)でも、スキュー歪の改
善はほとんどなく、通常工程で負荷されている張力程度
では、全く改善されないことも併せて分かった。
【0051】この原因は、通常の処理工程では塗布型磁
気記録媒体20の幅方向の熱収縮は、ある程度進行する
が、長手方向の熱収縮は張力が負荷されているため殆ど
進行せず、熱負荷によりさらに収縮する可能性が残って
おり、高温放置によりこれが顕在化し、長手方向の収縮
が起こりスキュー歪が大きくなると考えられる。
【0052】また(図4)より、極微少張力による走行
アニール処理条件は、100℃においては0.5秒以上
の処理時間が好ましく、かつ境界線の傾きは5000程
度であることも判明し、この境界線の上方の領域で処理
すればよいことも分かった。さらに、滞在時間は100
℃において、0.8秒以上がより好ましい。
【0053】(実施例2)(実施例2)が(実施例1)
と異なるのは、塗布型磁気記録媒体20を構成する非磁
性基板1がポリエチレンナフタレートに変わった点と、
極微少張力による走行アニール処理条件との2点で、そ
の他については(実施例1)と全く同一であるので詳し
い説明は省略する。
【0054】極微少張力による走行アニールの処理条件
として、恒温炉34の温度と滞在時間は、120℃で
0.6秒、0.8秒、1.2秒、100℃では1.0
秒、1.5秒、2.0秒および70℃では3秒、4秒、
6秒の合計9サンプルで、これらをサンプルNo.11
〜19とし、(実施例1)と同様の測定を行った。
【0055】(比較例2)(実施例2)と全く同一の塗
布型磁気記録媒体20で前記した極微少張力による走行
アニール処理をしないサンプルを(比較例2A)、(図
3)とは別の装置を使用し、10mm幅当り10gf.
の張力で、走行アニール処理をしたサンプルを(比較例
2B)、10mm幅当り100gf.の張力で処理した
サンプルを(比較例2C)とし、(実施例2)と全く同
様の測定を行った。
【0056】(表2)に(実施例2)および(比較例
2)の塗布型磁気記録媒体20の作製条件と測定結果を
示す。
【0057】
【表2】
【0058】(表2)から明らかなように、ポリエチレ
ンナフタレートを非磁性基板1として用いた場合も、
(実施例2)に各サンプルは(比較例2)の各サンプル
に比べて、スキュー歪、熱収縮率とも大幅に改善されて
いることが確認され、本処理が極めて有効であることが
確認された。
【0059】また、走行アニール処理の張力が異なり、
通常の処理工程で、塗布型磁気記録媒体20に負荷され
ている張力とほぼ同等の(比較例2C)および、それよ
り1桁低い張力の(比較例2B)でも、スキュー歪の改
善はほとんどなく、通常工程で負荷されている張力程度
では、全く改善されないことも併せて分かった。
【0060】この原因は、(実施例1)および(比較例
1)の場合と同様で、通常の処理工程では塗布型磁気記
録媒体20の幅方向の熱収縮は、ある程度進行するが、
長手方向の熱収縮は張力が負荷されているため殆ど進行
せず、熱負荷によりさらに収縮する可能性が残ってお
り、高温放置によりこれが顕在化し、長手方向の収縮が
起こりスキュー歪が大きくなると考えられる。
【0061】また(実施例1)に比べて、極微少張力に
よる走行アニール処理時の恒温炉34への滞在時間が長
いのは、ポリエチレンナフタレートの熱収縮率がポリエ
チレンテレフタレートに比べ大きいためと、ガラス転移
温度が高いため熱収縮の飽和に長時間要するのではない
かと考えられる。
【0062】さらに(図4)より、極微少張力による走
行アニール処理条件は、100℃においては1.5秒以
上の処理時間が好ましく、かつ境界線の傾きは5000
程度であることも判明し、この境界線の上方の領域で処
理すればよいことも確認された。さらに、処理時間は1
00℃において、2.5秒以上がより好ましい。
【0063】(実施例3)(実施例3)が(実施例1)
と異なるのは、塗布型磁気記録媒体20を構成する非磁
性基板がポリアミドに変わった点と、極微少張力による
走行アニール処理条件との2点で、その他については
(実施例1)と全く同一であるので詳しい説明は省略す
る。
【0064】極微少張力による走行アニール処理条件と
して、恒温炉34の温度と滞在時間は、150℃で0.
3秒、0.5秒、0.8秒、120℃では1.0秒、
1.5秒、2.0秒および100℃では2.0秒、2.
5秒、4.0秒の合計9サンプルで、これらをサンプル
No.21〜29とし、(実施例1)と同様の測定を行
った。
【0065】(比較例3)(実施例3)と全く同一の塗
布型磁気記録媒体20で前記した極微少張力による走行
アニール処理をしないサンプルを(比較例3A)、(図
3)とは別の装置を使用し、10mm幅当り10gf.
の張力で、走行アニール処理をしたサンプルを(比較例
3B)、10mm幅当り100gf.の張力で処理した
サンプルを(比較例3C)とし、(実施例3)と全く同
様の測定を行った。
【0066】(表3)に(実施例3)および(比較例
3)の塗布型磁気記録媒体20の作製条件と測定結果を
示す。
【0067】
【表3】
【0068】(表3)から明らかなように、ポリアミド
を非磁性基板1として用いた場合も、(実施例3)の各
サンプルは(比較例3)の各サンプルに比べてスキュー
歪、熱収縮率とも大幅に改善されていることが確認さ
れ、本処理が極めて有効であることが確認された。
【0069】また、走行アニール処理の張力が異なり、
通常の処理工程で、塗布型磁気記録媒体20に負荷され
ている張力とほぼ同等の(比較例3C)および、それよ
り1桁低い張力の(比較例3B)でも、スキュー歪の改
善はほとんどなく、通常工程で負荷されている張力程度
では、全く改善されないことも併せて分かった。
【0070】この原因は、(実施例1)および(実施例
2)と同様で、通常の処理工程では塗布型磁気記録媒体
20の幅方向の熱収縮は、ある程度進行するが、長手方
向の熱収縮は張力が負荷されているため殆ど進行せず、
熱負荷によりさらに収縮する可能性が残っており、高温
放置によりこれが顕在化し、長手方向の収縮が起こりス
キュー歪が大きくなると考えられる。
【0071】さらに(図4)より、極微少張力による走
行アニール処理条件は、100℃においては2.5秒以
上の処理時間が好ましく、かつ境界線の傾きは5000
程度であることも判明し、この境界線の上方の領域で処
理すればよいことも確認された。さらに、処理時間は1
00℃において、4秒以上がより好ましい。
【0072】(実施例4)(実施例4)が(実施例1)
と異なるのは、塗布型磁気記録媒体20が金属薄膜型磁
気記録媒体30に変わることにより、磁性層側の構成が
強磁性金属薄膜4と保護層5に変わった点と、作製条件
として、熱ロール処理が追加されたサンプルを加えた2
点および、作製された金属薄膜型磁気記録媒体30の磁
気特性の経時変化の測定と、耐食性の評価を行った点で
ある。その他については(実施例1)とほぼ同一である
ので詳しい説明は省略する。
【0073】強磁性金属薄膜4は、磁性材料としてCo
を用いて酸素を導入しながら真空蒸着法で形成され、膜
厚は約1500Aである。
【0074】保護層5は、ダイヤモンド状炭素膜と潤滑
剤との2層構造で、ダイヤモンド状炭素膜は、Arとメ
タンとの混合ガスを用いてプラズマCVD法にて強磁性
金属薄膜4上に約100Aの厚さ形成した。
【0075】続いて、熱ロール処理を120℃の温度で
10秒間行ったサンプルも作製した。
【0076】この処理条件を選んだ理由は、熱ロール処
理を各種温度で実施したが、60℃以下の温度では磁気
特性の経時変化の改善および耐食性の改善も殆どなく、
60℃を超えると徐々にその効果は現れ始めるが、長時
間の処理時間が必要で工業的でないので、最も効率的と
思われる前記条件を選択した。
【0077】また潤滑剤は、含弗素カルボン酸を約30
Aの厚さで湿式塗布法によりダイヤモンド状炭素膜上に
形成した。
【0078】前記保護層4を形成した後、極微少張力に
よる走行アニール処理を行った。(実施例4)の実際の
作製サンプルは、走行アニール処理の温度は120℃と
100℃で行い、滞在時間については(実施例1)と同
様で、さらに熱ロール処理を実施したサンプル、実施し
ないサンプルを併せ合計12サンプルであり、これらを
サンプルNo.31〜42とし、(実施例1)の測定お
よび、磁気特性の経時変化と耐食性の評価を行った。
【0079】磁気特性の経時変化の測定は、完成した金
属薄膜型磁気記録媒体30を、カセットに装着した状態
で40℃50%R.H.の環境下に、1週間放置した後
の保磁力を測定し、完成直後に測定した値と比較し、記
録再生特性に影響のない範囲で、その変化率が5%以内
を合格とした。この変化率が3%以内であればより好ま
しい。この保磁力の変化が大きいと、記録再生特性にも
影響するとともに、完成直後の検査選別に支障をきた
し、工業的規模の生産には大きな問題点を残すことにな
る。
【0080】耐食性の評価は、完成した金属薄膜型磁気
記録媒体30を、オープン状態で60℃90%R.H.
環境下に3日間放置した後、室温において光学顕微鏡よ
り観察し、点錆の発生しないものを合格とした。
【0081】(比較例4)(実施例4)と全く同一の金
属薄膜型磁気記録媒体30で、前記した熱ロール処理お
よび極微少張力による走行アニール処理とも実施しない
サンプルを(比較例4A)、熱ロール処理のみを実施し
たサンプルを(比較例4B)、熱ロール処理を実施し、
(図3)とは別の装置を使用し、10mm幅当り10g
f.の張力で、走行アニール処理をしたサンプルを(比
較例4C)、10mm当り100gf.の張力で処理し
たサンプルを(比較例4D)とし、(実施例4)と全く
同様の測定および評価を行った。
【0082】(表4)に(実施例4)および(比較例
4)の金属薄膜型磁気記録媒体30の作製条件と測定結
果および評価結果を示す。
【0083】
【表4】
【0084】(表4)から明らかなように、金属薄膜型
磁気記録媒体30において、ポリエチレンテレフタレー
トを非磁性基板1として用いた場合は、(実施例4)の
極微少張力による走行アニール処理のみのサンプルは、
(比較例4)に比べて、スキュー歪、熱収縮率とも大幅
に改善されている。しかし、熱ロール処理をしていない
サンプルは磁気特性の経時変化が大きく、完成直後での
最終判断ができないことおよび、耐食性にも問題がある
ことも確認された。
【0085】また走行アニール処理の張力が異なり、通
常の処理工程で、金属薄膜型磁気記録媒体30に負荷さ
れている張力とほぼ同等の(比較例4D)および、それ
より1桁低い張力の(比較例4C)でも、スキュー歪の
改善はほとんどなく、通常工程で負荷されている張力程
度では、全く改善されないことも併せて分かった。
【0086】前記極微少張力による走行アニール処理と
熱ロール処理を組合わせたサンプルは、スキュー歪、熱
収縮率の改善のみならず、磁気特性の経時変化、耐食性
も問題なく磁気記録媒体としての性能を充分満足してい
る。
【0087】なお、本実施例では熱ロール処理を保護層
5のダイヤモンド状炭素膜形成後に実施したが、強磁性
金属薄膜4が形成された後であれば、どの工程間でも、
特性上問題はないが、工程上のトラブルを最小限にしよ
うとすれば、走行アニール処理の後の方が好ましい。さ
らに、熱ロール処理および極微少張力による走行アニー
ル処理をそれぞれ1回ずつとしたが、2回以上実施して
もほぼ同様の結果が得られた。
【0088】スキュー歪および熱収縮が改善された理由
は、(実施例1)〜(実施例3)と同様の理由である。
【0089】また、磁気特性の経時変化が低減するこ
と、および耐食性が改善されるのは、強磁性金属薄膜4
の強磁性金属と酸素との結合状態が、高温での熱ローラ
処理により安定化するためと考えられる。
【0090】さらに(図4)より、極微少張力による走
行アニール処理条件は、100℃においては0.5秒以
上の処理時間が好ましく、かつ境界線の傾きは5000
程度であることも判明し、この境界線の上方の領域で処
理すればよいことも確認された。さらに、処理時間は1
00℃において、0.8秒以上がより好ましい。
【0091】(実施例5)(実施例5)が(実施例4)
と異なるのは、金属薄膜型磁気記録媒体30を構成する
非磁性基板1がポリエチレンナフタレートに変わった点
と、それに対応した熱ロール処理条件および極微少張力
による走行アニール処理条件との2点で、その他につい
ては(実施例4)と全く同一であるので詳しい説明は省
略する。
【0092】熱ロール処理条件は、130℃の温度で1
0秒間行った。この条件を選択したのも(実施例4)と
同様の理由である。
【0093】また極微少張力による走行アニールの処理
条件として、恒温炉34の温度と滞在時間は、120℃
で0.6秒、0.8秒、1.2秒、100℃では1.0
秒、1.5秒、2.5秒で、それぞれ熱ロール処理を実
施したサンプルおよび実施しないサンプルの合計12サ
ンプルで、これらをサンプルNo.51〜62とし、
(実施例4)と全く同一の測定を行った。
【0094】(比較例5)(実施例5)と全く同一の金
属薄膜型磁気記録媒体30で、前記した熱ロール処理お
よび極微少張力による走行アニール処理とも実施しない
サンプルを(比較例5A)、熱ロール処理のみを実施し
たサンプルを(比較例5B)、熱ロール処理を実施し、
(図3)とは別の装置を使用し、10mm幅当り10g
f.の張力で、走行アニール処理をしたサンプルを(比
較例5C)、10mm幅当り100gf.の張力で処理
したサンプルを(比較例5D)とし、(実施例5)と全
く同様の測定を行った。
【0095】(表5)に(実施例5)および(比較例
5)の金属薄膜型磁気記録媒体30の作製条件と測定結
果および評価結果を示す。
【0096】
【表5】
【0097】(表5)から明らかなように、金属薄膜型
磁気記録媒体30において、ポリエチレンナフタレート
を非磁性基板1として用いた場合も、(実施例5)の極
微少張力による走行アニール処理のみサンプルは、(比
較例5)の各サンプルに比べて、スキュー歪、熱収縮率
とも大幅に改善されている。しかし、熱ロール処理をし
ていないサンプルは磁気特性の経時変化が大きく、完成
直後での最終判断ができないことおよび、耐食性にも問
題があることも確認された。
【0098】また走行アニール処理の張力が異なり、通
常の処理工程で、金属薄膜型磁気記録媒体30に負荷さ
れている張力とほぼ同等の(比較例5D)および、それ
より1桁低い張力の(比較例5C)でも、スキュー歪の
改善はほとんどなく、通常工程で負荷されている張力程
度では、全く改善されないことも併せて分かった。
【0099】前記極微少張力による走行アニール処理と
熱ロール処理を組合わせたサンプルは、スキュー歪、熱
収縮率の改善のみならず、磁気特性の経時変化および耐
食性にも問題なく磁気記録媒体としての性能を充分満足
している。
【0100】また本実施例での熱ロール処理を実施する
工程順序および処理回数についての評価結果は、(実施
例4)と同様である。
【0101】スキュー歪、熱収縮率および磁気特性の経
時変化、耐食性が改善されたのは(実施例4)と同様の
理由である。
【0102】さらに(図4)より、極微少張力による走
行アニール処理条件は、100℃においては1.5秒以
上の処理時間が好ましく、かつ境界線の傾きは5000
程度であることも判明し、この境界線の上方の領域で処
理すればよいことも確認された。さらに、処理時間は1
00℃において、2.5秒以上がより好ましい。
【0103】(実施例6)(実施例6)が(実施例4)
と異なるのは、金属薄膜型磁気記録媒体30を構成する
非磁性基板1がポリアミドに変わった点と、それに対応
した熱ロール処理条件および極微少張力による走行アニ
ール処理条件との2点で、その他については(実施例
4)と全く同一であるので詳しい説明は省略する。
【0104】熱ロール処理条件は、150℃の温度で1
0秒間行った。この条件を選択したのも(実施例4)と
同様の理由である。
【0105】また極微少張力による走行アニールの処理
条件として、恒温炉34の温度と滞在時間は、120℃
で1.0秒、1.5秒、2.0秒、100℃では2.0
秒、2.5秒、4.0秒で、それぞれ熱ロール処理を実
施したサンプルおよび実施しないサンプルの合計12サ
ンプルで、これらをサンプルNo.71〜82とし、
(実施例4)と全く同一の測定を行った。
【0106】(比較例6)(実施例6)と全く同一の金
属薄膜型磁気記録媒体30で、前記した熱ロール処理お
よび極微少張力による走行アニール処理とも実施しない
サンプルを(比較例6A)、熱ロール処理のみを実施し
たサンプルを(比較例6B)、熱ロール処理を実施し、
(図3)とは別の装置を使用し、10mm幅当り10g
f.の張力で、走行アニール処理をしたサンプルを(比
較例6C)、10mm幅当り100gf.の張力で処理
したサンプルを(比較例6D)とし、(実施例6)と全
く同様の測定を行った。
【0107】(表6)に(実施例6)および(比較例
6)の金属薄膜型磁気記録媒体30の作製条件と測定結
果を示す。
【0108】
【表6】
【0109】(表6)から明らかなように、金属薄膜型
磁気記録媒体30において、ポリアミドを非磁性基板1
として用いた場合も、(実施例6)の極微少張力による
走行アニール処理のみ各サンプルは、(比較例6)の各
サンプルに比べて、スキュー歪、熱収縮率とも大幅に改
善されている。しかし、熱ロール処理をしていないサン
プルは磁気特性の経時変化が大きく、完成直後での最終
判断ができないことおよび、耐食性にも問題があること
も確認された。
【0110】また走行アニール処理の張力が異なり、通
常の処理工程で、金属薄膜型磁気記録媒体30に負荷さ
れている張力とほぼ同等の(比較例6D)および、それ
より1桁低い張力の(比較例6C)でも、スキュー歪の
改善はほとんどなく、通常工程で負荷されている張力程
度では、全く改善されないことも併せて分かった。
【0111】前記極微少張力による走行アニール処理と
熱ロール処理を組合わせたサンプルは、スキュー歪、熱
収縮率の改善のみならず、磁気特性の経時変化および耐
食性にも問題なく磁気記録媒体としての性能を充分満足
している。
【0112】また本実施例での熱ロール処理を実施する
工程順序および処理回数についての評価結果は、(実施
例4)と同様である。
【0113】スキュー歪、熱収縮率および磁気特性の経
時変化、耐食性が改善されたのは(実施例4)と同様の
理由である。
【0114】さらに(図4)より、極微少張力による走
行アニール処理条件は、100℃においては2.5秒以
上の処理時間が好ましく、かつ境界線の傾きは5000
程度であることも判明し、この境界線の上方の領域で処
理すればよいことも確認された。さらに、処理時間は1
00℃において、4.0秒以上がより好ましい。
【0115】(実施例4)〜(実施例6)の金属薄膜型
磁気記録媒体30の場合は、極微少張力による走行アニ
ール処理と熱ロール処理を組み合わせることが、スキュ
ー歪の低減と、磁気特性の経時変化および耐食性を改善
することに対して有効であることが確認された。
【0116】なお、金属薄膜型磁気記録媒体30をボビ
ンに巻いた状態でのロールアニール処理と熱ロール処理
とを組み合わせても、部分的には性能を満足するが、ボ
ビンの内部と外部で熱収縮率が異なり、スキュー歪の値
がばらつくとともに、全般的にその値が大きめとなり、
走行アニール処理の方がスキュー歪の値、ばらつきとも
少なく、効果の大きい処理法であることも確認された。
【0117】
【発明の効果】以上のように本発明は、塗布型磁気記録
媒体においては、極微少張力による走行アニール処理を
行うことにより、スキュー歪を大幅に低減することがで
き、ディジタルビデオテープレコーダでのエラーの発生
が防止できることになり、狭トラックピッチのディジタ
ルビデオテープレコーダの実現が可能となる。
【0118】また、金属薄膜型磁気記録媒体おいては、
熱ロールによる熱処理と極微少張力による走行アニール
処理を組み合わすことにより、磁気特性の経時変化およ
び耐食性とも問題なく磁気記録媒体としての性能を充分
満足することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布型磁気記録媒体の断面略図
【図2】金属薄膜型磁気記録媒体の断面略図
【図3】磁気記録媒体を走行アニール処理する装置構成
の概略図
【図4】走行アニール処理における処理温度と処理時間
との関係図
【符号の説明】 1 非磁性基板 2 塗布型磁性層 3 バックコート層 4 強磁性金属薄膜 5 保護層 20 塗布型磁気記録媒体 30 金属薄膜型磁気記録媒体 31 繰り出しローラ 32 供給ローラ 33 押えローラ 34 恒温炉 35 ヒータ 36 恒温風発生装置 37 幅規制ローラ 38 位置検出センサー 39 引き取りローラ 40 引き取り押えローラ 41 パスローラ 42 巻き取りローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 紀康 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村居 幹夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小田桐 優 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に磁性層を設けた磁気記録媒
    体であって、前記磁気記録媒体を、50℃以上の雰囲気
    に曝し、かつ前記磁気記録媒体に負荷される張力が10
    mm幅当り1gf.以下で処理する工程を有し、その処
    理時間が、横軸を絶対温度の逆数(1/T)として、縦
    軸に処理される滞在時間(L)を時間単位の自然対数
    (ln)でアレニウスプロットした時の、△ln(L)
    /△(1/T)が5000以上、かつ100℃において
    0.5秒の点を通る直線より上方の領域であることを特
    徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】磁性層が、強磁性金属薄膜であることを特
    徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】非磁性基板上に強磁性金属薄膜を設けた磁
    気記録媒体であって、前記磁気記録媒体を、60℃以上
    の熱ロールに密着走行させる工程を少なくとも1回以上
    と、50℃以上の雰囲気に曝し、かつ前記磁気記録媒体
    に負荷される張力が10mm幅当り1gf.以下で処理
    する工程を有し、その処理時間が、横軸を絶対温度の逆
    数(1/T)として、縦軸に処理される滞在時間(L)
    を時間単位の自然対数(ln)でアレニウスプロットし
    た時の、△ln(L)/△(1/T)が5000以上、
    かつ100℃において0.5秒の点を通る直線より上方
    の領域である工程を少なくとも1回以上有することを特
    徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】少なくとも60℃以上の熱ロールに密着走
    行させた後に、50℃以上の雰囲気に曝し、かつ磁気記
    録媒体に負荷される張力が10mm幅当り1gf.以下
    で処理することを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】非磁性基板上に、少なくとも磁性層を設け
    た磁気記録媒体を供給するための手段と、前記磁気記録
    媒体を、50℃以上の雰囲気に保持する手段と、少なく
    とも前記50℃以上の雰囲気においては、前記磁気記録
    媒体に負荷される張力を10mm幅当り1gf.以下に
    制御するための手段を配設したことを特徴とする磁気記
    録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】磁気記録媒体に負荷される張力を10mm
    幅当り1gf.以下に制御する手段が、前記磁気記録媒
    体が自重で垂れ下がった最下部より上部に、前記磁気記
    録媒体を引き取る手段を設け、前記磁気記録媒体の最下
    部の位置検出手段を配設したことを特徴とする請求項5
    記載の磁気記録媒体の製造装置。
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