JP2520586Y2 - ヘルドフレーム - Google Patents

ヘルドフレーム

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JP2520586Y2
JP2520586Y2 JP1991076845U JP7684591U JP2520586Y2 JP 2520586 Y2 JP2520586 Y2 JP 2520586Y2 JP 1991076845 U JP1991076845 U JP 1991076845U JP 7684591 U JP7684591 U JP 7684591U JP 2520586 Y2 JP2520586 Y2 JP 2520586Y2
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beam frame
frame
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誠一 田井中
泰博 西
俊弘 伊藤
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、繊維強化プラスチック
(FRP)製横梁枠を用いた、織機のヘルドフレーム
(綜絖枠)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘルドフレームは、織機において経糸を
通すためのヘルド(綜絖)を支持するものであり、製織
にあたっては、一対のヘルドフレームを交互に上下運動
させて経糸を開口させ、その開口に緯糸を打ち込む。
【0003】製織の高速化は継続したテーマとして取り
上げられているが、その中心となるのは、ヘルドの上下
動の高速化、すなわちヘルドを支持しているヘルドフレ
ームの上下動の高速化である。このため、高速使用に耐
えるための各種の提案が行なわれている。その主たるも
のは、軽量化により高速上下動を可能にしようとするも
のである。
【0004】たとえば、特開昭47−43457号公
報、実開昭51−124155号公報、実開昭61−1
37680号公報においては、ヘルドフレームの横梁枠
をFRPやこれと発泡樹脂とを併用することにより軽量
化を達成しようとしている。しかしながら、単に軽量化
を図るということでは今日の高速化要求には耐えられな
いものであり、ウォータージェットルーム等の無ひ織機
の水準の要求に応ずることは困難である。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、ウォーター
ジェットルーム等の高速運転に対応できるヘルドフレー
ムを得ること、すなわち、軽量であって高速上下動に対
応でき、かつ、長時間の使用になんらの支障を生じない
強固さを持ち、さらに容易に製造できるヘルドフレーム
を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は、FRP製横梁枠を有するヘルドフレーム
であって、その横梁枠は、 a. 底部と、この底部に連なる胴部と、この胴部に連
なるくびれ部と、このくびれ部に連なる頭部とを有し、 b. 胴部は中空になっており、 c. 胴部とくびれ部との連結部にはテーパーが付けら
れており、 d. 層をなす、横梁枠の長手方向において切れ目のな
い補強繊維織物を含んでおり、 e. 最外層には、横梁枠の長手方向において切れ目の
ない不織布が配置されており、 f. 外側に位置する補強繊維織物と不織布とは、頭部
から、くびれ部、胴部、底部、胴部およびくびれ部を通
って頭部まで延びており、 g. 底部、連結部および頭部は、横梁枠の長手方向に
延びる連続補強繊維を含んでいる、ことを特徴とするヘ
ルドフレームを提供する。織物は、その経糸が横梁枠の
長手方向に延び、緯糸が横梁枠の幅方向に延びているの
が好ましい。
【0007】以下、図面を用いて詳細に説明するに、図
1において、1、2は横梁枠、3、4は縦梁枠である。
横梁枠1、2は縦梁枠3、4によって結合されてヘルド
フレームを構成している。
【0008】5は横梁枠1に取り付られたミドルフック
ハンガーである。6はミドルフックで、一方をミドルフ
ックハンガー5に取り付けられ、他方にはヘルドロッド
7が取り付けられている。横梁枠2には、横梁枠1と同
様に、ミドルフックハンガー、ミドルフック、ヘルドロ
ッドが取り付けられている。そして、横梁枠1側のヘル
ドロッド7と横梁枠2側のヘルドロッドとの間に、ヘル
ド8が懸け渡されている。ヘルド8には経糸が通され
る。
【0009】図2は、図1の横梁枠、ミドルフックハン
ガー、ミドルフック、ヘルドロッドの関わりあいを示す
ための、図1のX−X線断面図である。図3は横梁枠の
斜視図である。
【0010】横梁枠1、2はFRPで構成され、全体と
して横断面が略矩形状になるように形成されている。そ
して、横梁枠1、2は、底部9、胴部10、連結部1
1、くびれ部12、頭部13を有する。胴部10の内部
は、略矩形状の中空部14を形成している。胴部10と
くびれ部12とを繋ぐ連結部11には、テーパーが付け
られている。
【0011】横梁枠1、2は、全体がFRPで構成され
ている。このFRPは、織物と、不織布と、連続繊維と
を含んでいる。強化の主体をなすものは、補強繊維から
なる織物15である。補強繊維としては、目的に応じて
各種のものが使用できるが、炭素繊維が補強効果が大き
いので好ましい。補強繊維からなる織物15は、経糸が
横梁枠の長手方向に延び、緯糸が横梁枠の幅方向に延び
るように使用するのが好ましい。
【0012】補強繊維からなる織物は、複数枚(この例
では4枚)が使用される。また、横梁枠の長手方向にお
いて切れ目のない連続したものを使用する。さらに、外
側に位置する2枚の織物は、頭部13、くびれ部12、
連結部11、胴部10、底部9を通り、再び胴部10、
連結部11、くびれ部12、頭部13と横梁枠を幅方向
に一巡するように連続した形で用いられる。内側に位置
する2枚の織物は、連結部11から胴部10、底部9を
通り、再び胴部10、連結部11と、中空部14を一巡
するように連続した形で用いられる。
【0013】底部9は連続繊維17を、連結部11は連
続繊維18を、頭部13は連続繊維19を、それぞれ含
んでいる。これらの連続繊維は、織物と同様の補強繊維
からなり、横梁枠の長手方向に延びている。
【0014】最も外側の織物に重ねられて、合成繊維、
たとえばポリエステル繊維からなる1枚の不織布16が
位置している。不織布16は、外側に位置する2枚の織
物と同様に、横梁枠の長手方向において切れ目なく連続
しており、また、横梁枠の幅方向においては、頭部13
からくびれ部12、連結部11、胴部10、底部9、胴
部10、連結部11、くびれ部12、頭部13と連続し
て一巡するように用いられる。
【0015】このように構成される横梁枠は、引抜成形
によって製作することができる。すなわち、所定の形状
を持ったダイスを用意し、不織布と、補強繊維からなる
織物と、補強繊維の連続糸とをそれぞれが図3に示した
位置になるように重ね合わせ、樹脂を含浸し、ダイスを
通して引っ張り、全部を一挙に引き抜くことで製作する
ことができる。なお、引き抜きにあたり、使用する樹脂
の種類により選ばれた適当な加熱が行なわれること、あ
るいは、適当な前処理が行なわれることは当然である。
【0016】このように構成されている横梁枠は、主材
が炭素繊維等の補強繊維からなる織物を用いたFRPで
あるので、引張りあるいは圧縮といった外力に対し、極
めて強い形態保持性を確保することができる。特に、補
強繊維からなる織物は、横梁枠の長手方向において切れ
目のない連続したものを用いており、織物のうち外側に
位置するものは、横梁枠の幅方向において全ての部分に
連続して続いており、内側のものは、中空部を包むよう
に連続して続いているので、横梁枠は、長手方向に対し
ても幅方向に対しても十分な補強効果を受けることがで
きる。また、補強繊維からなる織物が、長手方向や幅方
向において所定の位置ごとに連続したものが使用されて
いることは、各部が均一な性能を確保することとなり、
弱い部分を持たないので、補強効果は全体にわたり十分
に発揮される。さらに、外側に位置する織物は、頭部に
始まって頭部で終わっており、末端部の処理が極めて丁
寧に、かつ十分に行なわれている。したがって、末端部
から横梁枠が形を崩したり、割れてきたりすることはな
い。また、仮に末端部が傷んでも、それが他の部分にま
で及ぶことはない。
【0017】中空部14には、連続繊維17、18が内
包されている。かつ、連結部の外側はテーパーを形成し
ている。これにより、中空部がおし潰されるような外力
に対し強い抵抗力を持つとともに、中空部のくびれ部に
近い部分における応力の集中を緩和することになるの
で、横梁枠全体の強度を確保することができ、外部から
加えられる各種の力に十分対抗することができる。
【0018】横梁枠の外表面に不織布が一体に成形され
ていることは、極めて有効である。すなわち、軽量化の
ために使用樹脂量を少なくすると、補強繊維からなる織
物の持つ僅かな凹凸が外表面に現われる。不織布の一体
成形は、この凹凸を埋め、平滑な表面を形成するもので
ある。ヘルドフレームは細かい粉塵の多い環境で使用さ
れるものであるから、表面に凹凸があると粉塵が凹部に
溜ってくる。しかるに、一体に成形した不織布の存在
は、織物による凹凸の発生を防ぐことができるので極め
て有効な対策となる。また、不織布の使用は、成形上
も、引抜力によって織物の織糸が弧状にわん曲するのを
防止できるようになるので好ましいことである。
【0019】横梁枠にあって重要なことは、中空部の存
在である。一般的に、中空部の存在は全体を軽くするの
に有効である反面、全体を脆弱なものにするおそれがあ
る。本考案にあっては、中空部を構成するにあたり、中
空部を端部において連続繊維で補強している。また、頭
部13にも連続繊維を配置している。これら連続繊維の
存在は、連続繊維を用いたFRPの柱を使用して補強し
たこととなり、横梁枠の長手方向の撓みに対し極めて有
効な強化手段を構成している。全体が補強繊維からなる
織物を使用しているFRPであることと、中空部の存在
は、全体を極めて軽量なものとしている。しかも、三つ
の連続繊維、特に中空部に置かれた二つの連続繊維の存
在は、中空部を設けたことによる全体の脆弱化に対し有
力な防止手段となっており、中空化に伴う心配を不必要
なものにしている。したがって、本考案は、高速連続運
転に耐える最適なヘルドフレームを提供することにな
る。
【0020】
【考案の効果】上述の如く、本考案は、軽く、かつ各種
の外力に対して十分な抵抗力があって変形しにくく、こ
われにくいヘルドフレームを得ることができるものであ
り、織機の高速運転を可能にし、極めて実用性に富むも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一つの実施態様を示すヘルドフレーム
の全体正面図である。
【図2】図1におけるX−X断面図である。
【図3】ヘルドフレームの横梁枠の斜視図である。
【符号の説明】
1:横梁枠 2:横梁枠 3:縦梁枠 4:縦梁枠 5:ミドルフックハンガー 6:ミドルフック 7:ヘルドロッド 8:ヘルド 9:底部 10:胴部 11:連結部 12:くびれ部 13:頭部 14:中空部 15:織物 16:不織布 17:連続繊維 18:連続繊維 19:連続繊維

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化プラスチック製横梁枠を有するヘ
    ルドフレームであって、その横梁枠は、 a. 底部と、この底部に連なる胴部と、この胴部に連
    なるくびれ部と、このくびれ部に連なる頭部とを有し、 b. 胴部は中空になっており、 c. 胴部とくびれ部との連結部にはテーパーが付けら
    れており、 d. 層をなす、横梁枠の長手方向において切れ目のな
    い補強繊維織物を含ん でおり、 e. 最外層には、横梁枠の長手方向において切れ目の
    ない不織布が配置され ており、 f. 外側に位置する補強繊維織物と不織布とは、頭部
    から、くびれ部、胴部、底部、胴部およびくびれ部を通
    って頭部まで延びており、 g. 底部、連結部および頭部は、横梁枠の長手方向に
    延びる連続補強繊維を 含んでいる、 ことを特徴とするヘルドフレーム
  2. 【請求項2】織物は、その経糸が横梁枠の長手方向に延
    び、緯糸が横梁枠の幅方向に延びている、請求項1のヘ
    ルドフレーム
JP1991076845U 1991-08-31 1991-08-31 ヘルドフレーム Expired - Fee Related JP2520586Y2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62156331A (ja) * 1985-12-26 1987-07-11 日立化成工業株式会社 織機用ヘルドフレ−ム部材
JPH03124835A (ja) * 1989-10-04 1991-05-28 Arisawa Mfg Co Ltd 織桟用ヘルドフレーム横梁部材並びにその製造法

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