JP2520467Y2 - 球補給樋におけるシュートの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、パチンコ店の球補給樋におけるシュート
の取付構造に関するものである。

〈従来の技術〉 パチンコ店においては、遊技者に与える賞球を各パチ
ンコ機の背面側に設けた上タンクに貯留しているが、こ
の上タンクの球が空、或いは所定数まで減少した場合に
は、球を補給しなければならない。そこで、店内に配設
した球補給樋を分岐し、補給計数機を介して所定数の球
を各パチンコ機の上タンクに補給するようになってい
る。そして、球補給樋を分岐する際には、球補給樋の底
面に開口部を設け、この開口部を覆うようにシュートを
被着し、該シュートと補給計数機とを可撓性のあるチュ
ーブ等で連絡して、補給球を補給計数機に導いている。

このシュートを球補給樋に取付けるための構造は各種
提案されており、例えば実開昭59-79183号公報や実開昭
59-108679号公報にみられるように、補給樋の開口縁に
シュートの係止片を係止させると共に、シュートの他端
に設けた係止手段を球補給樋の受部に係合させることに
より、球補給樋の開口部とシュートとを連通させるもの
がある。

〈考案が解決しようとする課題〉 従って、従来のシュートの取付構造においては、シュ
ートの着脱は容易ではあるが、球補給樋には球が常に流
下しているので、シュートを外した場合に、この球がこ
ぼれ落ちてしまうという重大な欠点がある。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記に鑑み提案されたもので、球補給樋の底
部に開口部を開設すると共に、この開口部に連通するシ
ュートを配設して球補給を行うパチンコ店の球補給樋に
おいて、上記球補給樋の底部には開口部を閉止するよう
に付勢手段で付勢されたシャッター部材を有する閉塞装
置を設けると共に、シュートには当該シュートを球補給
樋に取付けた場合に、上記シャッター部材を付勢手段に
抗して開放させるシュートと一体に形成された押圧手段
を設けて、シュートを球補給樋から外した場合にはシャ
ッター部材により球補給樋の開口部を閉止して球補給樋
から球が流出するのを防止すると共に、シュートを球補
給樋に取付けた場合には上記押圧手段により開口部を開
放して球補給樋とシュートとを連通させるようにしたも
のである。

〈作用〉 閉塞装置に設けたシャッター部材が付勢手段によって
付勢され、シュートを球補給樋に止着した場合には上記
シャッター部材が押圧手段によって付勢手段に抗して押
圧されて開口部を開放するので、球をシュートに流下さ
せることができ、シュートを球補給樋から外した場合に
は付勢手段によってシャッター部材が開口部を閉止する
ので、球補給樋の開口部から球が落下するのを防止する
ことができる。

〈実施例〉 以下、本考案を図面の実施例について説明する。

パチンコ店では、例えば第１図に示すように、複数の
パチンコ機１を列設すると共に、適宜間隔をおいて玉貸
機２を設置して所謂島を形成している。この島の上方に
は揚送研磨機３の球貯留部４から延出する球補給樋５を
配設し、該球補給樋５には各パチンコ機１及び各玉貸機
２ごとのシュート６を連絡し、このシュート６と各パチ
ンコ機１宛に配設した補給計数機７とを可撓性のあるチ
ューブ８等で連絡している。一方、パチンコ機１の下方
では、パチンコ機１から排出する球をアウト計数機９を
通して回収樋10に回収し、揚送研磨機３に還元し、揚送
研磨機３において洗浄研磨しながら球貯留部４へ揚送す
る。また、玉貸機２に投入されたコインはコイン回収コ
ンベア11によりコイン回収機12に回収される。

シュート６は窪部を形成した皿状或いは箱状のシュー
ト本体６′を有し、シュート本体６′の底部には取付け
状態において球が転動する傾斜を設ける。また、シュー
ト本体６′の傾斜下流側の端部にはほゞ90度に屈曲する
屈曲管13を連設し、該屈曲管13の下端には可撓性を有す
るチューブ８を連結して、各パチンコ機１または玉貸機
２へ向けて球補給樋５から分岐する。

また、シュート本体６′の傾斜上流側の端部には係止
片14を設ける。この係止片14は球補給樋５の底面に設け
た受部15に係止可能とする。尚、この受部15は図面の実
施例によれば、後述する閉塞装置16を球補給樋５に取付
けるブラケット17に設けてある。更に、上記シュート本
体６′の傾斜下流側の上面には、組付部材18を設ける。

この組付部材18は、例えば第４図、第７図に示すよう
にほゞ横Ｊ字状の部材であって、基部19をシュート本体
６′の上面に止着し、基部19から起立する立上り部20の
上端をシュート本体６′の長手方向に延在させて装着部
21を形成すると共に該装着部21の先端に押圧手段22を形
成する。また、この装着部21には弾性を有する抜止め部
材23が楔状に設けてある。

球補給樋５の下面側には、補給球がこぼれ落ちるのを
防止する閉塞装置16を設ける。この閉塞装置16は、球補
給樋５の底部に止着するベース部材24と、このベース部
材24に取り付けるカバー部材25と、上記ベース部材24と
カバー部材25との間にスライド可能に収設したシャッタ
ー部材26を主な構成部材とする。そして、この閉塞装置
16のシャッター部材26は、シュート６を球補給樋５に止
着した状態では、球補給樋５の底部に開設した開口部27
から球補給樋５を流下する球がシュート６に流出可能な
ように開口部27を開放する位置にあるが、シュート６を
外した状態ではシャッター部材26で開口部27を閉塞し
て、球補給樋５内の球の流出を防止するものである。

即ち、上記閉塞装置16のベース部材24はほゞ長方形の
板状の部材であって、四隅にボス28及び取付孔29を有し
ている。このベース部材24には球補給樋５の開口部27に
対応する球受入口30を開設し、球受入口30の周囲にリブ
31を設け、外縁にもリブ32を設ける。一方、このベース
部材24に止着するカバー部材25もほゞ長方形の板状部材
であって、このカバー部材25にも上記ベース部材24の球
受入口30に対応する球出口33を開設する。そして、上記
ベース部材24とカバー部材25の間にシャッター部材26を
スライド可能に収設し、該シャッター部材26には付勢手
段34を臨ませて、上記球受入口30及び球出口33を閉止す
るように付勢するのである。付勢手段34は、例えばコイ
ルスプリング35であって、このコイルスプリング35の一
端を、カバー部材25の一側に突設した支持柱36に嵌着
し、他端をシャッター部材26の一端に設けたスプリング
受部37に臨ませる。

上記シャッター部材26は、長手方向のほゞ中程に連通
口38を有しているが、付勢手段34によって付勢された状
態では、先端側の閉塞部39が球受入口30（球出口33）を
閉止すると共に、基端側に設けたやや幅狭な延出部40が
カバー部材25の後縁から後方へ延出し、該延出部40の先
端には受圧部41を形成してある。

そして、ベース部材24のとカバー部材25とでシャッタ
ー部材26を挟み込みながら、ベース部材24のボス28をカ
バー部材25の嵌合孔42に嵌合し、ネジ43を止着して閉塞
装置16を組み立てる。

上記のような構成の閉塞装置16に対してシュート６を
取り付けるには、シュート６の係止片14を球補給樋５の
受部15に臨ませると共に、シュート６の上面に設けた組
付部材18の装着部21を、球補給樋５に固定した例えば第
16図に示すような形状の組付用プレート44の後方からシ
ャッター部材26の受圧部41に向ける。そして、装着部21
を組付用プレート44に通すと共に、装着部21の先端押圧
手段22でシャッター部材26を付勢手段34に抗して押す。
すると、弾性を有する抜止め部材23が撓んで組付用プレ
ート44を通過すると共に、シャッター部材26が球補給樋
５の開口部27を閉止し、シュート６の係止片14が受部15
に係止する。ここで、シュート６から手を離すと、付勢
手段34によってシャッター部材26が若干押し戻される
が、組付用プレート44の前端縁の抜止め部材23の係止段
部23′が当接するので、それ以上後退しない。従って、
シュート６が開口部27を開放した状態で球補給樋５に止
着される。

一方、シュート６を外す場合には、抜止め部材23の係
止段部23′を潰す方向に押圧して組付用プレート44を通
過可能な状態にして、装着部21を組付用プレート44から
引抜けばよい。装着部21を引抜くと、シャッター部材26
の押圧が解かれるので、シャッター部材26が付勢手段34
によってスライドしてカバー部材25の球出口33及びベー
ス部材24の球受入口30を閉止し、結局、球補給樋５の開
口部27を閉止する。従って、シュート６を外した場合
に、球補給樋５の開口部27から球がこぼれることがな
い。

尚、図示の実施例においては、閉塞装置16の着脱も一
動作で可能なように構成してある。

即ち、閉塞装置16のカバー部材25の両側面に内向き撓
むことのできる一対の爪片45を設けると共に、球補給樋
５に上記爪片45が係合可能な係合孔46を有するブラケッ
ト17を設けている。また、球補給樋５には閉塞装置16の
一端を支える支持具47を取り付ける。この支持具47は第
18図に示すように、閉塞装置16の横幅とほゞ等しい内法
ｘを有し、奥行方向の一端に閉塞装置16の端部が当接す
る当接片48を設けてある。尚、支持具47はスポット溶接
等により球補給樋５に固定してある。

従って、閉塞装置16の端部を支持具47に臨ませると共
に、爪片45をブラケット17に臨ませて押し込めば、閉塞
装置16の端部が支持具47の当接片48に当接する共に、爪
片45が係合孔46に係合して抜けなくなる。一方、閉塞装
置16を外す場合には、爪片45を両側から縮めて爪片45を
係合孔46から外した状態で閉塞装置16を引き抜けばよ
い。尚、図示の実施例では、支持具47でシャッター部材
26の延出部40が延出する側の端部を支持し、ブラケット
17で閉塞装置16のほゞ中程を支持するようになっている
が、第２図中に２点鎖線で示すように、支持具47′で閉
塞装置16の他端側を支持し、ブラケット17′で延出部40
側を支持するようにしてもよい。この場合も閉塞装置16
の装着方向を変えるだけで着脱が可能である。

以上、本考案を図面の実施例について説明したが、本
考案は上記した実施例に限定されるものではなく、実用
新案登録請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適
宜に実施できる。例えば図面の実施例では、開口部を角
孔としている丸孔や他の形状でもよい。また、閉塞装置
においてベース部材の球受入口及びカバー部材の球出口
をシャッター部材で閉塞することによって間接的に球補
給樋の開口部を閉塞しているが、球補給樋の開口部をシ
ャッター部材で直接閉塞するようにしてもよい。

〈考案の効果〉 球補給樋の底部には開口部を閉止するように付勢手段
で付勢されたシャッター部材を有する閉塞装置を設ける
と共に、シュートには当該シュートを球補給樋に取付け
た場合に、上記シャッター部材を付勢手段に抗して開放
させるシュートと一体に形成された押圧手段を設けたの
で、球補給樋にシュートを取り付けた状態では、閉塞装
置のシャッター部材がシュートの押圧手段によって押圧
されて開口部を開放しているので、球補給樋を流下する
球をシュートに排出可能であり、球をシュートを通して
パチンコ機の上タンクへ補給可能である。しかし、シュ
ート等にビスなどの異物を噛み込んだ場合の修復やシュ
ートを交換するためにシュートを外す必要がある場合に
は、シュートを容易に外すことができ、シュートを外す
と閉塞装置の押圧が解かれて開口部がシャッター部材に
よって閉止されるので、球補給樋からの球の流出が完全
に遮断され、無駄な球が生じない。

また、シュートは着脱が極めて容易であって、着脱作
業を短時間で完了することができ、実用的価値が極めて
高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はパチンコ店の球
循環経路の概略説明図、第２図は閉塞装置及びシュート
を取り付けた状態の球補給樋の一部平面図、第３図は第
２図のIII-III線断面図、第４図は閉塞装置及びシュー
トを取り付けた状態の球補給樋の一部正面図、第５図は
シュートを外した状態の球補給樋の一部平面図、第６図
は第５図のVI-VI線断面図、第７図はシュートを外した
状態の一部正面図、第８図はベース部材の平面図、第９
図は同上の正面図、第10図はシャッター部材の平面図、
第11図は同上の正面図、第12図はカバー部材の平面図、
第13図は同上の左側面図、第14図は同上の正面図、第15
図は閉塞装置の組立説明図、第16図は組付用プレートの
斜視図、第17図はブラケットの斜視図、第18図は支持具
の斜視図である。 ５……球補給樋、６……シュート、16……閉塞装置、22
……押圧手段、26……シャッター部材、27……開口部、
34……付勢手段。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】球補給樋の底部に開口部を開設すると共
   に、この開口部に連通するシュートを配設して球補給を
   行うパチンコ店の球補給樋において、 上記球補給樋の底部には開口部を閉止するように付勢手
   段で付勢されたシャッター部材を有する閉塞装置を設け
   ると共に、シュートには当該シュートを球補給樋に取付
   けた場合に、上記シャッター部材を付勢手段に抗して開
   放させるシュートと一体に形成された押圧手段を設け
   て、シュートを球補給樋から外した場合にはシャッター
   部材により球補給樋の開口部を閉止して球補給樋から球
   が流出するのを防止すると共に、シュートを球補給樋に
   取付けた場合には上記押圧手段により開口部を開放して
   球補給樋とシュートとを連通させることを特徴とする球
   補給樋におけるシュートの取付構造。